催眠音声-偽彼氏

サークル「帽子屋」さんの催眠音声作品(女性向け)。

今回紹介する作品は、主に対して礼儀正しくあり続ける紳士的な執事が
男性に慣れる訓練として催眠を交えたエッチなご奉仕をします。

彼が手に持っているベルや部屋にある時計の音を使った珍しい催眠が行われており
初心者を強く意識した丁寧なアプローチも手伝って
催眠に入りにくく感じている人ほど普段とは違う感覚が味わいやすくなっています。

同じシナリオを6人もの声優さんが別々に読まれているのもポイント。
声質や演技の好みで選んだり、他の声優さんと聴き比べるなんて楽しみ方もできます
今回はヨハン・タチバナさんのバージョンでのレビューをお送りします。
本物のフィアンセになりきるために
執事に音を使った催眠をかけられてからエッチなことをするお話。

「失礼します 何か御用でしょうか?」
執事は礼儀正しい端正な声のお兄さん。
主人公から近々催される晩餐会に関する質問を受けると
他の男たちから彼女を守るために自分がフィアンセ役として同行することを告げます。

本作品は晩餐会で2人が本当の婚約者として振舞えるように
彼が催眠をかけながら男性に見られたり触れられることへの抵抗心を解いていきます。
タイトルの「偽彼氏」は彼が仮の恋人になってくれることから名づけられたのでしょう。

「申し訳ございません 少々長く(息を)止めすぎてしまいました お嬢様の我慢するお顔が可愛くて つい 意地悪をしてしまいました」
そんなわけで彼は基本的には執事らしくややへりくだった態度で接してくれます。
ですがところどころで男性として女性を気遣う優しさが見え隠れしており
終盤あたりにさしかかると恋人同士に近い雰囲気になるシーンもあります。
この微妙な距離感の取り具合が個人的には面白く感じます。

「周りが見えなくなるくらいに 何かに集中することや 眠くてボーっとしてしまうこと ありますよね? まったく別物に感じるかもしれませんが どちらもトランス状態なのですよ」
全体を通じて挙げられる特徴は初心者に配慮したセリフやアプローチが多いこと。
事前に催眠は人間なら誰しも日常的に体験していることを教えたり
心身のリラックスに十分な時間を取り入念に行ってくれています。

適度に現在の感覚を確認しながらゆっくりと進めてくれますから
催眠音声を聴き始めたばかりの方でも取り組みやすいと感じるでしょう。
催眠・エッチいずれも作りが丁寧な印象を受けました。

催眠は3パート27分間。
ベッドに仰向けに横になって目を瞑り、少しの間深呼吸をしてから
彼に言われた部位の力を入れたり意識したりして体を脱力します。

「じわーっと筋肉が緩んで 力の抜ける感じがしますよね? その感覚を 次は腕で感じてみましょう」
「お嬢様が今感じている重さは 力が抜け切った 腕の重さです 力が抜けて楽になった 腕の重さです」

序盤は顔や手に力を入れてから抜く漸進的弛緩法
それ以降の肩、首、背中、下半身は分割弛緩法とスタイルを微妙に切り替えながら
彼はところどころで現在の感覚を確認し、それを他の部位に伝えるよう誘導します。

部位ごとに仕切りなおして脱力するよりも
こういう風に現在ある感覚を伝えていくほうがやりやすいのではないでしょうか。
最中に入れられる暗示も表現・演技共にレベルが高く
後になるほど結構な脱力感や無気力感を感じることができます。

十分にリラックスできた後に登場する深化パートはとってもユニーク。
ここでは「ちりりん」という爽やかなベルの音と
「カチ カチ」「ボーン」という柱時計の音を上手に組み合わせ

さらなるリラックスをさせながら催眠の世界に導いてくれます。

「この(ベル)音がすると 安心しますよね 私が来て 何でも 解決するんですから」
「この(時計)音が小さくなっていくと お嬢様の意識も だんだん うすーくなっていきます」

もちろんただ意味も無くそれらを鳴らすわけではありません。
執事はそれぞれの音に安心感や意識がぼやける暗示をしっかりと入れ
それから音と暗示を交互に入れながら少しずつ慣らしていきます。

時計の音などはリズミカルですから結構な眠気を感じるでしょう。
そしてとどめの鐘の音で全身に心地よい痺れが走ります。
音と暗示のコンビネーションによって上手に催眠状態を深めてくれます。

しっかりリラックスさせてから音を使って落とす珍しいタイプの催眠です。
執事の言葉を違和感無く受け入れられる心になることを目的に
時間の半分近くを脱力に割いて暗示が入りやすい環境を作り
それから3種類の音に役割を持たせ、効果的に使い分けながら深化の暗示を入れています。

珍しいタイプといっても音に暗示を入れている点がそう感じるだけで
催眠としての根幹部分や技術の使い方は相当にしっかりしていると言えます。
タチバナさんの的確な演技も手伝ってとても良い気分に浸ることができました。
同姓でそう感じたのですから女性なら尚更でしょうね。

まとめると、あらゆる部分が洗練されている優しさに満ちた催眠です。
音で感度を高められる気持ちよさ
エッチシーンは4パート36分ほど。
プレイはベルによる感度上昇、全身愛撫、乳首責め、耳舐め、クリ責め、手マン、乳首オナニー、オナニーです。

手マンの際にリアルな効果音が鳴ります。
セルフは有りになります。

「この音を聴いているだけで お嬢様の体が 今よりも敏感な状態になっていきます」
様々な音を使って主人公を深い催眠状態へと導いた執事は
先ほどよりもトーンの高い別のベルを鳴らし
今度はそれを聴くと体の感度が上がると暗示を入れていきます。

エッチは最初にベルの音で適度に感度を高めてから
前半は彼に体を愛撫されたり舐められるドライを目的としたプレイ
後半は自分で胸やおまんこをいじるセルフプレイを楽しみます。

ここも催眠と同様にベルで心身の興奮を高めたり絶頂させる音重視の作りです。
ベルの音がやや大きいのでボリュームを多少絞ったほうが聴きやすいかもしれません。

前半は最初は手袋をはめたままの指で
その後は舌で右手、肘、肩、鎖骨、顎、耳などを優しく責め
感度が高まったところで素手になりおまんこの外や中を愛撫します。

「ネグリジェのボタンを外して 前を…はだけさせて 開放的な姿になりましたね とても素敵ですよ お嬢様」
「胸は いかがいたしましょうか? お嬢様の大切なところなので 気安く触れてもいいものなのか」

エッチに入っても執事の主人公を大事にする気持ちはいささかも変わりません。
大事な部分を見たり触れたりする際にはその都度必ず確認を取り
それからガラス細工を扱うような丁寧さで刺激を与えていきます。
催眠に比べると多少声が熱っぽくなりますが、基本的には紳士であり続けてくれます。

「擦れば擦るほど クリトリスがどんどん熱くなる 充血して 膨らんで熱くなる」
「くっ くっと押されるたびに 頭の中が痺れる 目の前が真っ白になるくらい気持ちいい」

そしてそれぞれのプレイを行いながら暗示を使って快感を伝えてくれます。
登場人物、責め方いずれも上品なので下品な淫語はそれほど言わず
しっとりとした雰囲気を維持しながら少しずつ絶頂を目指すスタイルが取られています。
ただし、おまんこを指でいじる際の「にちゃにちゃ」という効果音はかなりエロく感じます。

「中がぎゅっと締まって 背筋がビクビク 痙攣する 全身が痺れる 気持ちいい 気持ちいい!」
終盤の絶頂シーンに入るとベルの割合が一気に増え
やや激しいくちゅ音と暗示を同時に叩きつけて絶頂を促します。
暗示の入れ方や表現方法はしっかりしていますが
やはりベルに体がどう反応するかで快感の度合いが変わるように思えます。

続くセルフパートは彼がいじる部位やいじり方を指示するオナサポっぽいプレイ。
胸をいじって適度に感度を上げてからクリトリス→フリースタイルでのオナニーを行います。

「快感が溢れて 全身が痺れる 背筋が痙攣してしまうほど気持ちいい 気持ちいい」
自分で体をいじるプレイですからやりやすいでしょうし
うまく催眠に入っていれば普段よりも気持ちいいとか、余韻が大きいとか
良い意味で違った快感が得られるかもしれません。
彼は体に一切触れず暗示とベルの音だけでサポートしてくれます。

このように、音を上手に使った質の高いエッチが繰り広げられています。
隅から隅まで丁寧な作りの作品
執事としての分を弁えたサービスが光る作品です。

執事は主人公が自分を素直に受け入れられるための訓練として
まずは催眠を使って心の壁をできるだけ取り除き
それから彼女を楽しませることを第一に考えながらエッチをします。

タイトルから2人がどのへんまで恋人に近づくのかが気になっていたのですが
振り返ってみると主従の関係自体はきちんと維持されていると思います。
ただし、彼女の言うことに従いながらこれらを行うのではなく
彼が確認をし、それに対して彼女が許可を出す形で諸々を進めています。

実際に聴いてみて堅苦しさはそれほど感じないのではないでしょうか。
エッチについても指だけ侵入を許すといったギリギリのラインで留まっています。
個々の責め方が繊細で相手への思いやりに溢れています。
(あくまでSEXに比べればという意味です。十分アウトなのは私も承知しています)

作品のキーとなっている音については
特に催眠パートでの使い分け方や鳴らすタイミングの具合に感銘を受けました。
音だけじゃなく暗示がしっかりしているからイメージを持ちやすいです。
深化の時に鳴る鐘の音なんかは聴いた時に軽い振動が全身に走ります。

エッチはドライ・セルフ両方をかなりの完成度を維持しながら行っています。
セルフは性差の関係でどうしてもしっくりこなかったのですが
ドライは皮膚が敏感になるくらいの変化は実感できました。
淫語とくちゅ音そこそこ、ちゅぱ音と喘ぎ声ごく僅かです。

執事らしいきめ細かなおもてなしが楽しめる作品です。

CV:nitさん zeroさん あ、きのこさん ダカットさん 夜櫻さん ヨハン・タチバナさん
総時間 1:19:17(声優さんによって多少前後します)


体験版はこちらにあります

追記
もうひとつのシリーズ作品「偽執事」とのセットも販売されています。
個別に買うより300円お得です。
催眠音声-偽彼氏/偽執事セット