同人音声の部屋

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   ● 東方入眠抄SP 夜の夢に堕ちる
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   ● 東方入眠抄18 依るべない夜と少女の依物語




サークル「Re:Volte」さんの催眠音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、東方シリーズに登場するキャラ「赤蛮奇(せきばんき)」が
久しぶりに再会した男性を自宅へ招き会話と催眠で寝かしつけます。

物語が進むにつれて2人の関係や彼女が彼と別れた理由がわかるドラマ仕立てになっており
催眠はシリーズの過去作と同じくリラックスできる技法と彼女の能力を組み合わせ
そこに今までなかった要素を組み込み少しずつ癒しと眠気を与えます。
別れの前の束の間の再会
赤蛮奇に膝枕されながら安眠できる催眠をかけてもらうお話。

「ん? おや? 君は確か 随分と久しぶりだね」
赤蛮奇は穏やかな声の女の子。
久しぶりに再会した主人公に懐かしそうな表情で挨拶すると
彼が安眠できないことを知りひとまず自宅へ招待します。

本作品は昔は彼とよく遊んでたけどある事情で離れることになった彼女が
自宅を引き払う前日に偶然出会い、そこで40分程度の催眠をかけて寝かしつけます。
彼女は妖怪なので年月が経っても当時とまったく同じ容姿をしており
すっかり成長した彼を「坊」と呼びながら体を撫でたり優しい言葉をかけて甘やかします。

彼女は原作だとろくろ首をモチーフにしたキャラで
首を飛ばしたり増やす変わった能力を持ってます。
作中でそういう描写はありませんが、代わりに日本のろくろ首ではお馴染みのイメージが登場します。
あくまで癒しが目的ですからホラーが余程苦手な人でもない限り問題なく聴けるでしょう。

また冒頭でも書いたように音声の開始時点では彼女のことや彼との関係は一切わかりません。
それが催眠をかけていく中で少しずつ明らかになります。
従来のシリーズ作品よりもドラマ性を重視してる印象を受けました。
彼女が彼をどう思ってるかもつづられており、終盤でしんみりする人がいると思います。
失った関係を取り戻しながら
催眠は3パート31分間。
赤蛮奇に膝枕されたまま目を瞑り、まずは深呼吸で心身を軽く落ち着けます。
そして次の「06 絡」ではあるものを全身に巻き付けて温もりと安心感を与えます。

「体から 力が抜けていく 抜けていく どんどん 力が抜けていく」
深呼吸は呼吸音を鳴らしながらリラックスする暗示を入れる定番のものですが
その際に声をふたつに分け、それぞれを分担して進めます。
催眠音声で人気の双子っぽいアプローチですね。
この後も終盤に同様のことをするシーンが出てきます。

「うんうん 君は今も昔も 可愛いね」
これらの合間に彼女が彼を甘やかすのもポイント。
彼女は彼と別れる際に何も告げられなかったことを気にかけており
偶然の再会を喜びながらあの頃と同じように接します。
ただ催眠をかけるのではなく、当時の思い出を取り戻すことも見据えてリードします。

「きゅーきゅー 快楽に抗えない きゅーきゅー 君の体を締め付ける快楽に 君は考えるのを止めてしまう」
何かを巻き付けるシーンは「きゅー きゅー」を文頭に置いてリズムを取りながら
温かさ、心地よさ、意識が薄れる感覚を与えて催眠状態を深めます。
セリフの内容から深化を意図してるのでしょう。
その後控えめな音量で音楽を流すなど、サークルさんとキャラの個性を活かして安眠できる環境を整えます。

最後の「07 宵闇」は彼を眠らせるパート(約16分)。
ひとつの提灯をふたりで持って暗い階段をゆっくり下りていきます。

右「かつん かつん 君の手を 握っているよ 下りていく 下りていく」
左「きゅーきゅーと 君の体を優しく締め付ける」

右は階段を下りる様子、左は体を優しく包み込まれる様子と
ここでも声をふたつに分けて異なるイメージをほぼ同時に投げかけてました。
階段を下りるイメージは催眠音声だとよく使われるので
催眠慣れしてる人ほど体が沈んだり意識が薄れるのを感じるでしょう。
カウントは数えず擬声語と実況を組み合わせてゆっくりのんびり進めます。

このように、イメージを多めに盛り込みながら着実に癒す素朴な催眠が繰り広げられてます。
ちょっぴり切ない作品
温かさと切なさを織り交ぜた物語をしながら催眠をかける作品です。

赤蛮奇はもう二度と会えないと思ってた主人公の悩みを解決しようと
すっかり荷物を片付けた自宅へ案内してから昔のことを話し
さらに膝枕のまま安眠できる催眠をかけます。
そしてこれらの中に彼女の優しさや2人の関係を匂わせるセリフを込めて純粋な癒しも与えます。

東方シリーズに登場するキャラが能力を使って催眠をかけるシリーズお馴染みのシチュ
深呼吸と、イメージを交えた2種類の深化で眠らせる癒し一色の催眠
これらの最中に彼女や2人の関係にも触れる作り。
従来の東方入眠抄よりもややストーリー性を重視した作品に仕上がってます。

「ねぇ 私も あの頃のように 君が好きだよ」
中でも3番目は催眠と直接関係ないように見えて
聴き手の興味や集中力を向上させる重要な役割を果たします。
わからないことがあれば知りたくなるのが人間の本能なので
それを少しずつ明らかにすることで「この先何があるのかな」と聴きたくなる心境へ持っていきます。
切ない系のお話なのでそういうのが好きな人のほうが向いてます。

催眠については深呼吸した後はほぼイメージを中心に据えてました。
一部で双子っぽいアプローチも登場するなど
これだけ数多く制作されてもなお試行錯誤するサークルさんの向上心が窺えます。

おまけは「~ひらけ、ばんきっき~」とBGM2曲です。

CV:鷹澄真咲さん
総時間 1:01:50(本編…39:59 おまけ…21:51)

オススメ度
■■■■■■■■□□ 8点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は7点。
62分で440円とコスパが良いので+1してあります。



サークル「Re:Volte」さんの催眠音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、東方シリーズに登場するキャラ「上白沢慧音(かみしらさわ けいね)」が
寝つきが悪い寺子屋の生徒に安眠できる催眠をかけます。

深呼吸や脱力といったリラックスできる要素を多めに用意したり
いくつかの自然物を通じて癒しを与えるなど
テーマの安眠を強く意識したシンプルかつ効果的なリードをします。
睡眠不足も先生にお任せ
上白沢慧音に寝かしつけてもらうお話。

「おや 君か こんな夜中にどうしたのだ?」
慧音先生は穏やかな声のお姉さん。
ある日の夜、安眠できない主人公が訪ねてきたので迎えると
彼の悩みを聞いてからどうすれば眠らせられるか考えます。

本作品は現在まで22本出てる東方入眠抄シリーズの第一弾。
半人半妖の身でありながら人間の味方をし、寺子屋で教鞭をふるってる彼女が
教え子の1人にあたる彼へおよそ30分の健全な催眠をかけます。
安眠がテーマなだけあって癒しを感じる要素が充実しており
技術を使って無理矢理寝かせるのではなく、聴き手が自然と眠りたくなるようにリードします。

「いや 別に怒ってるわけじゃない 君みたいな子に頼られるのは むしろ嬉しいよ」
具体的には催眠音声でお馴染みの深呼吸や脱力の割合を高めに設定し
それらをやりながら音を聞かせたり、自然に関するイメージをして少しずつ眠気を膨らませます。
その合間に彼女が漏らす言葉も慈愛に満ちてて雰囲気がとても穏やかです。
彼は素行があまり良くないようですが、嫌な顔ひとつせず相手する姿に教師らしさを感じました。

催眠については現在のシリーズですとキャラの能力にちなんだ技術を行使し
ところどころで東方アレンジの音楽を流すのが定番になってますが
この作品はまだ作風が固まってなかったのか、とにかく眠らせることを重視して組み立ててます。
ですから東方シリーズをよく知らない人も年上ものの安眠系作品として普通に聴けると思います。
頭を空っぽにできる催眠
催眠は5パート29分間。
まずは目の前で燃えてる焚き火の炎を眺めるイメージをします。
姿勢は後々横になる描写が出てくるので最初から寝ておいたほうがいいでしょう。
ちなみにここから彼女の声にエフェクトがちょこちょこかかります。

「ほら だんだん胸が温かくなってきたでしょう? 胸からじんわりと 温かいものが広がっていくよ」
「ぱちぱち」という音をバックで流しながら
胸を中心に全身を少しずつ温かくする暗示を入れます。
炎を見つめる動作は対面催眠だとよく使われるため、それを参考にしたのではないかなと。
直後に軽く深呼吸し、さらに声に対する集中力を高めるアプローチをかけるなど
催眠にとって重要なリラックス+集中の状態を自然な形で作ります。

続く2パート10分間はさらなるリラックスと深化をするシーン。
「03relaxation」は布団へ横になって手、足、お腹と背中、顔を順に脱力し
「04water」は湖に全身が沈むイメージをして催眠状態を深めます。

「同じように 足の指を軽く曲げて? はいっ 思い切り力を入れて? 太ももまでしっかり はい脱力」
脱力は各パーツに力を入れてから抜く漸進的弛緩法というものです。
筋肉を実際に収縮するぶん、ただ意識するタイプよりも脱力を実感できます。
先ほどの火に当たるイメージも相まって体がぽかぽかするのではないでしょうか。
こんなふうに脱力を三段構えで行うのがこの催眠における特徴のひとつです。

「意識だけが落ちていくように すーっと体から離れていく感覚 その感覚が気持ちいいね」
04パートは長めのカウントを数えながらその合間に軽い暗示を入れます。
「沈む」「落ちる」「気持ちいい」を多く入れてるあたりに深化させようとする意図が見られます。
数え終わった後は03パートと同じく末端から中枢にかけて3回目の脱力をするなど
安眠しやすい心と体が空っぽな状態へと少しずつ持っていきます。

終盤の2パート14分間は眠らせることだけを見据えたシーン。
「05breath」は呼吸音、「06floating」は彼女の寝息だけを流して一緒に眠る雰囲気を作ります。

友人のあくびを見て自分も釣られてする経験をした人は結構いると思います。
それと同じで彼女がすぐ隣で安らいでる姿を通じて眠らせます。
両パートともセリフが非常に少ないおかげでこれまで以上に静かです。
これから寝ようとしてる相手に話しかけても妨げるだけですからね。

このように、十分リラックスさせてから眠らせる効果的な催眠が繰り広げられてます。
コンパクトな安眠作品
寝る直前に聴くのにぴったりな癒し一色の作品です。

慧音先生はうまく寝付けず自分を頼ってくれた主人公の願いを叶えようと
まずは火に当たって体を温めながらそれを伝える暗示を入れます(1回目の脱力)。
そして布団に移った後は2種類の脱力、カウントとイメージを組み合わせた深化
呼吸音と寝息を流し続ける安眠と手堅く導きます。

東方シリーズに登場するキャラが安眠のお手伝いをするシリーズならではのシチュ
深呼吸や脱力を多めに行い、終盤はとても静かな時間を設ける安眠に適した催眠
彼のことをお世話しながら嬉しそうな表情を見せる彼女の慈愛に満ちたキャラ。
一般的な全年齢向け催眠音声よりもキャラの存在感が出るように仕上げてます。

「寝ようと焦る必要なんてないから ただ ゆったりした気分で 体を楽にさせてごらん?」
催眠の合間にかけられる何気ないセリフにも思いやりを感じました。
本作品は催眠音声なので技術が最も重要なのは間違いないですけど
癒される、眠れる雰囲気をスムーズに作るにはこういうやり取りも結構影響します。
「寝かせる」のではなく「眠りたくさせる」ことを目指してるのもすごい良いなと。

注意点がひとつだけあります。
本作品は最後に寝ることを想定してるため解除音声が入ってません。
もし視聴後に出かける用事がある場合は無料の他作品でいいので必ず解除音声を聴いてください。

現在の作品よりも東方色が薄めですから
このシリーズをまったく聴いたことのない人が試すのに向いてます。

おまけは「ケイネが斬るtheキル!」です。

CV:saoriさん
総時間 45:37(本編…31:51 おまけ…13:46)

オススメ度
■■■■■■■■□□ 8点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は7点。
45分で440円とコスパが良いので+1してあります。

2020年3月20日まで30%OFFの308円で販売されてます。

東方入眠抄22 ふたりぼっちのレゾンデートル

サークル「Re:Volte」さんの催眠音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、東方シリーズに登場する天邪鬼キャラ「鬼人正邪(きじんせいじゃ)」が
友人あたりの関係にある人物に安眠できる催眠をかけます。

彼女の性格を反映させながら堅実に誘導するのが特徴で
カウントの数え方を変則的にしたり、物語の順序を敢えて逆にするなど
多少あべこべな要素を盛り込みながらシーンごとにキーとなる暗示を丁寧に入れます。

レゾンデートル…存在理由、存在価値を意味するフランス語
天邪鬼なお姉さんと
鬼人正邪に催眠をかけられ眠りにつくお話。

「よっ お邪魔してるぜ」
正邪は男っぽいしゃべり方をする凛々しい声のお姉さん。
音声を聴く際の注意事項や環境を簡単に説明すると
眠れない主人公の前に現れ安眠のお手伝いをします。

本作品は何でもひっくり返す程度の能力を持つツンデレっぽい性格の彼女が
既に知ってる仲の彼に50分程度の変わった催眠を施します。
彼女は人が嫌がることを好み、人を喜ばせると自己嫌悪に陥る典型的な天邪鬼で
作中でもそれを匂わせる描写がいくつも登場します。

「君が眠れないって言うから 嫌々ながら来てやったんだ 感謝してよね」
本心では彼のことを心配してるのに上のような憎まれ口を叩いたり
催眠の序盤で変則的なカウントの数え方をするなど
ストレートに癒やす従来の東方入眠抄シリーズとは違い多少の捻りを加えながら進めます。
過去作には見られなかったチャレンジ精神旺盛な取り組みも見られて結構個性的です。

ただし、聴き手が催眠に入れなくするようなことは一切しません。
催眠の基本をしっかり押さえつつ、そこに悪影響を及ぼさない程度の悪戯をします。
過去作より入念なアプローチがされててむしろ入りやすいです。
天邪鬼でも素直になれる場所へ
催眠は4パート47分間。
一番最初の「03 カウントアップ」は彼女がカウントを数えながらリラックスできる暗示を入れます。

「意識を集中させて 私の声に集中して?」
「落ちる 落ちる すーっと意識が落ちていく」

パートの序盤は彼女の声に対する集中力を高め
中盤以降は「落ちる」を多めに言って最初の深化を促します。
終盤には落ち着いたBGMも流れたりと、彼女なりに優しく接してくれてるのがわかります。

暗示の表現や入れ方は割と普通にして、カウントの数え方に天邪鬼なところを盛り込んでます。
被暗示性の高い人ならここだけでも意識がぼんやりしてくるでしょう。

続く「04 催眠導入」は催眠状態をより深めるシーン。
彼女が抱きつき頭を撫でながらその温もりと心地よさを伝え
その後は逆に彼から力を奪って心身を骨抜きにします。

「手の先 足の先がじんじんしてくるよ ぽかぽか ぽかぽか 温かい 体中が温かい」
「左右の手から 力が抜けていく 1 2 3」

抱きつくシーンは「じーん」「ぽかぽか」といった擬声語を挟みながら「温かい」と入れ
力を奪われるシーンはカウントを交えて「力が抜ける」と丁寧に言います。
本作品の催眠はシーンごとにキーとなる暗示を定め
言い回しを変えながらそれを多めに言って感覚を操作する堅実なリードがされてます。


作品の性質上どうしても意地悪に振る舞わざるを得ないシーンがあるので
それをきっちりカバーするためにこういう作りにしたと私は見ています。
一部で声にエフェクトをかけて意識を揺さぶる工夫もされてて心地よかったです。

3番目の「05 反逆」は彼女とより親密になるパート。
復唱形式で彼女の言葉を言って自己暗示を入れ
それから本当の自分をさらけ出せる無意識の領域へ移動し、天邪鬼じゃなくなった彼女のお話を聞きます。

「全部 全部 逆さまなんだ 私は 生き様のためなら ひどいこともする けど 私の本質はそこじゃない」
彼女は生まれながらの天邪鬼なので真っ当な生き方をしたくてもできません。
そんな切ない事情を先ほどとは別のBGMを流しながらぽつりぽつりと語ります。
催眠とは直接関係ない要素ですが、東方入眠抄シリーズはキャラが売りの作品ですから
相手のことをより深く知るシーンは必要だし、それが結果的に信頼関係の向上にも繋がります。
意地悪してるのが本心かそうじゃないかで印象は随分変わりますからね。

そして最後の「06 出会い」でいよいよ眠りにつきます。
催眠では序盤によくやる深呼吸をしながら彼女の言葉に耳を傾けます。

「大好きになる 君は 私のことが 大好きになる」
普段の彼女ならまず言わないようなセリフを投げかけ
さらに無言の時間を適度に挟み眠りやすい環境を整えます。
終盤にほぼ正反対のことを短時間で言うのも彼女らしいです。
最後の最後にちょっぴり寂しいことを言うので、やや物悲しく感じる人がいるかもしれません。

このように、催眠はしっかり行ったうえで天邪鬼なところも見せる彼女らしいサービスが繰り広げられてます。
風変わりな安眠作品
安眠効果を維持しつつ変わったことにも挑戦してる作品です。

正邪は自分にとって仲の良い存在にあたる主人公を眠らせようと
まずは天邪鬼なところを見せながら癒したり深化させる暗示を丁寧に入れます。
そして2人だけの場所に移動した後は本心を語ってから眠りに導きます。

天邪鬼だけど面倒見のいい女性が催眠をかけて眠らせるノーマル向けのシチュ
シーンごとにメインの暗示を定め一歩ずつ着実にリードする丁寧な催眠
ところどころで変則的な要素を挟む彼女らしい演出。
シリーズの過去作と同じくキャラの持ち味を活かした作品に仕上げてます。

特に2番目はこのところサークルさんが力を入れられてるようで
催眠の流れ、技術の繋げ方、暗示の入れ方や表現方法に安定感があります。
東方モノでも催眠音声である以上は入りやすさが重要になりますから
そこがしっかりしてれば作品の品質は自然と上がります。

あと個人的にすごく面白いなと思ったのがパート構成です。
本来なら序盤に来る「出会い」を最後へ回し、その代わりに「カウントアップ」を置いてます。
ここからはあくまで私の推測に過ぎないのですが
彼女が天邪鬼キャラだからこの2パートをわざと逆に配置したのだと思います。

そう言える主な根拠はそれぞれで使われてる技術です。
「出会い」では深呼吸、「カウントアップ」では長めのカウントを数えながら深化の暗示を入れます。
東方入眠抄シリーズだと前者は序盤に行い、後者は終盤にやる傾向が見られます。
また「カウントアップ」ではBGMが流れるのですが、これも過去作だと中盤と最後によく登場します。
私が記憶してる限り一番最初のパートで流れたことは確かなかったはずです。

「出会い」というパート名を一番最後につけるのも異色です。
調べてみたら過去作で「出会い」やそれに類する単語を冒頭のパート名に定めてる作品が6本ありました。
つまりサークルさんにとって最後よりも最初につけるほうがずっと妥当なわけです。

結局のところ作った本人にしかわからないのでこれは単なる思い込みなのかもしれません。
でもそう判断できる材料が複数用意されてるのも事実です。
ちゃんと安眠できるようになってますから特に問題はないと見ています。

以上を踏まえて今回はこちらの点数とさせていただきました。
おまけは「デレデレ正邪さん」とBGM2曲です。

CV:稲垣麻木さん
総時間 1:11:14(本編…52:20 おまけ…18:54)

オススメ度
■■■■■■■■□□ 8点


体験版はこちらにあります

幽霊しんどろーむ

サークル「Re:Volte」さんの催眠音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、とある事情で地縛霊になった女の子が
自分を見ることができる男性と出会い安眠できる催眠をかけます。

リラックス重視の誘導で深化させてから心と体を切り離し
あの世との間で川の音を聞きながら寝かしつけるなど
幽霊らしさを出しつつホラー要素は完全に取り除いてひたすら癒しを与えます。
優しい幽霊との安らげるひと時
幽霊に催眠をかけられ眠りにつくお話。

「ねぇ ねぇってば 私のこと 見えてる…よね?」
幽霊は素朴で優しい声の女の子。
ある日の夜、主人公に突然話しかけると
彼に取り憑いたことを謝ってからお礼を言います。

本作品は教室の地縛霊として多くの生徒たちを見守ってきた彼女が
偶然出会った彼に取り憑き45分近くに渡って癒しの催眠を施します。
彼女は恨みではなく未練が残ってるせいで成仏できない幽霊なので
彼に対して悪いことをする気は一切なく、むしろ仲良くなろうと最初から優しく接します。

「マッサージとかしてあげるからさ …触れないけど」
声や話し方はごく普通の女学生ですし
彼がなかなか寝付けないことを知ると自分なりのやり方で癒しを与えます。
普通の人には見えないので誰からも相手にされない日々を送ってたのが余程寂しかったのでしょう。
物語が進むにつれて彼女自身も幸せそうな表情を見せてくれます。

サークルさんの代表作「東方入眠抄」シリーズと同じくキャラ重視の作風です。
催眠の技法も彼女らしさを感じる要素をいくつも盛り込んでありました。
癒しの感覚に加えてちょっぴり切なくなる人がそれなりにいると思います。
2人が触れ合える場所で
催眠は2パート32分間。
横になって目を瞑り、まずは深呼吸と脱力で心身をリラックスします。
ちなみに脱力が始まるあたりから幽霊の声に軽いエフェクトがかかります。

「重なった右手から 感覚が抜けていく 右手はもう 動かない」
深呼吸は「吸って」「吐いて」の合図を出しながら軽い暗示を入れ
脱力は彼女に触れられてるイメージを交えて左右の手足を重点的に行います。
といっても彼女は幽霊ですから直接触れることはできません。
「彼に触れたい」という気持ちを込めることで寂しがり屋な彼女らしさを出してます。

シーンごとにキーとなる暗示をひとつ定め、それを厚めに入れていくのが印象的でした。
脱力の時は「抜ける」、次の深化は「落ちる」、その後は「揺れる」と
伝えたい感覚を明確にし、それを丁寧に投げかけて少しずつそちらへ持っていきます。

「意識が落ちていく 深い 深いところへ落ちていく」みたいに言い回しを変えながら進めますから
同じ言葉を繰り返すよりもくどやさ押し付けがましさは薄いです。
全年齢向け催眠音声を数多く制作されてるだけあって、セリフの表現や方向性にも工夫が見られます。

リラックスできた後にするのは深化。
お馴染みのカウントを長めに数えながら落ちる感覚を小まめに伝え
その後はエフェクトをもう少し強めた声で意識を揺さぶります。

「ぐわーん ぐわーん 揺れる 意識が揺れる 揺れるたびに 心と体がぶれていく」
カウント後のシーンは幽体離脱させることを目指してるのでしょう。
彼も幽体になれば彼女と触れ合えますからね。
エフェクトと暗示を組み合わせて意識のぼやけをさらに強くしてくれます。
私が聴いた時も脱力感がそれほどない代わりにこちらは強めでした。

無事彼女と同じ存在になれた後はいよいよ安眠に移ります。
現世とあの世の境界にあたる川辺で彼女と手を繋ぎ
さらに膝枕の状態で頭を撫でてもらいながらゆっくり眠りにつきます。

「私の熱が 君に移っていく 君の熱が 私に移ってくる」
ここでは前項で話した彼女の幸せそうな表情が心を潤します。
彼と触れ合えるようになったことを素直に喜び
お互いの体温を交換するイメージでより安心できる雰囲気を作ります。
そして短いカウントを何度も数えながら「眠くなる」と言って最終目的の安眠へと導きます。
カウントを繰り返すたびに数えるペースが緩くなり、彼女の声が眠そうになるのも状況に合ってて良いです。

もうひとつ、このパートは中盤まで川の音がバックに流れます。
さらさらという水音に別の癒しを感じるでしょうね。
川の音が消えた後はピアノBGMも流れますし、Re:Volteさんらしい安眠誘導と言えます。
穏やかで少し切ない作品
イメージ、音、言葉を組み合わせて癒しと眠気を与えるバランスの取れた作品です。

幽霊は自分の存在に初めて気づいてくれた主人公に恩返ししようと
まずは深呼吸、分割弛緩法、カウントを交えた深化で此岸へ案内します。
そして無事着いた後は体を寄せ合って眠気を少しずつ膨らませます。

素朴で寂しがり屋な幽霊が男性を優しく安眠させるノーマル向けのシチュ
古典催眠の技術を本作品なりにアレンジしてる堅実で個性のある催眠
川の音やBGMを交えて安らぎを与える独特な安眠パート。
技術とそれ以外の要素を上手く融合させた癒し一色の物語に仕上がってます。

中でも催眠は全体の流れ、各シーンの誘導法、その際に入れる暗示の表現および分量など
色んな部分がしっかりしていて完成度が高いです。
サークルさんの長所にあたる「キャラに合ったイメージの活用」と「音&音楽」もきちんと入ってますし
最初から最後まで安心して聴くことができました。

また物語の終盤では彼女自身のことも語られてます。
彼女がなぜ幽霊になったのか、今までどんなふうに過ごしてきたのか
そして今どんな思いで彼を眠らせようとしてるのか。
催眠者の内面にも光を当てて彼女の魅力を引き立ててます。

たぶんこのシーンを聴いたらしんみりするんじゃないかなと。
相手が幽霊なので多少の湿っぽさも持たせてあります。

おまけは後日談です。

CV:柳愛子さん
総時間 53:36(本編…42:32 おまけ…11:04)

オススメ度
■■■■■■■■□□ 8点


体験版はこちらにあります

東方入眠抄21 華扇ちゃんと、ぐっすり安眠トレーニング

サークル「Re:Volte」さんの催眠音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、東方シリーズに登場するキャラ「茨木華扇」が
催眠を交えた優しい修行で寝付きの悪い人間を安眠させます。

催眠の開始前や序盤に安眠するためのアドバイスをしたり
中盤以降は頭の中を空っぽにして彼女と宇宙に漂うなど
トレーニング要素を持たせた独特な癒しのサービスを行います。
仙人とする癒しの修行
茨木華扇に催眠をかけられ眠りにつくお話。

「あら? 村の方ですか?」
華扇は明るくて穏やかな声の女の子。
自分のところへやって来た主人公をやや驚いた様子で迎えると
用向きを尋ねてから彼を弟子にしてあげます。

本作品は仙人として様々な技能を持ってる彼女が
寝付きが悪くて悩んでる彼の師匠になって50分程度の修行をします。
といっても体を激しく動かしたり何か勉強するといったことは特になく
安眠するのに必要なものが何か簡潔に教えてからそれに沿った催眠をかけます。

「睡眠っていうのはね 瞑想に近いものがあるの」
私は原作の彼女を知らないのでお婆さんっぽいしゃべり方をすると思ってたのですが
実際は割と普通の女の子といった印象で気さくに語りかけてくれます。
それでいて目的に合ったアドバイスをするところが仙人らしいなと。
堅苦しさを取り除いて眠りやすい空気を作り上げてます。

催眠はおよそ37分間。
事前に5分ほどをかけて安眠するためのコツを軽く伝授してから
最初の「05 入眠修行」は仰向けに横になって目を瞑り
そのまま体を左右に揺らしてひとまずリラックスします。

「ぷるぷると 小刻みに左右に体を揺らして 体の芯から 振動が波になって 指先 足先 頭にまで到達していくイメージ」
そして彼女は揺れてる様子を実況しながら暗示を入れて感覚を伝えます。
実際に動かしたほうが効果的ですけど、寝たままやるのは大変なので
別にイメージで代用してもいいと思います。
催眠開始前に比べて話すペースを緩やかにし、セリフの間も長く取って落ち着きやすくしてます。

パートの終盤に彼女の声に対する集中力を上げるのも良いですね。
催眠は平たく言えばリラックス+集中の状態ですから序盤でその準備を整えます。

続く「06 浸透」はさらにリラックスしながら催眠状態を徐々に深めます。
自分の好きなペースで深呼吸を繰り返し、そのまま彼女の言葉とカウントに耳を傾けます。

「どくん どくん 力の抜けた 魂の抜けたあなたの体に 私の言霊が浸透していく」
彼女は彼の不眠の原因が心にあると判断したのでしょう。
だから呼吸を通じて余計なものを吐き出させ、代わりに彼女の言葉を取り込みます。
「魂が抜ける」「言霊が浸透する」とここも修行っぽい言い回しにしてました。
途中から落ち着いた音楽を流して別方向から癒やすなど
シリーズの過去作で培ってきたものを色々投入してサービスを組み立ててます。

そして最後の「07 星闇」は本題の安眠に移ります。
これまでとは別の場所に移動し、そこで彼女と抱き合ったままゆっくり眠りにつきます。

誰にも邪魔されない場所で彼女と2人きりの状況を作り
そこでさらに深化させたり別の音楽を流す癒し一色の内容です。
このへんまでくると意識がそれなりにぼやけてるでしょうから
彼女も無理矢理寝かそうとせず、それを助ける材料を与える方針で進めます。

このように、タイトルの「安眠トレーニング」をそのまま音声化した催眠が繰り広げられてます。
安眠のきっかけを与えてくれる作品
単に眠らせるだけでなく今後に向けたケアもする作品です。

華扇は安眠を求めて自分のところへやって来た主人公の願いを叶えようと
彼と師弟の関係を結び、催眠をかけながら適度にアドバイスしてまずはリラックスさせます。
そして中盤以降はカウントを数えながら暗示を小まめに入れて意識の力をさらに弱めます。

東方シリーズに登場するキャラが催眠をかけるサークルさん独自のシチュ
仙人よりも面倒見のいいお姉さんっぽく振る舞う彼女のキャラ
古典催眠の技術をベースに作品固有の要素を盛り込んだ緩い催眠。
シリーズの特徴を維持しつつ、やや捻りを加えた作品に仕上がってます。

「私たち仙人は 結局のところ ○○のことなの」
お姉さんっぽくもあるけど達観したところを見せてくれるのが印象的でした。
最終パートでは仙人とは何か、安眠するのに最も必要なものが何かを教えてくれます。
催眠と直接関係ない要素とも言えますけど、東方入眠抄シリーズは眠らせるのが最終目的ですから
それに沿ったことをやってる限りは別に問題ないと思います。

催眠は本作品に限らずこのところ独自色を強くしてます。
深呼吸して、脱力して、カウントを数えるといった定番の誘導から
複数の要素を組み合わせる、あるいは音楽を流しながらそれに暗示を込めるものに変化してます。
音楽はもっと有効活用できるんじゃないかと思ってたので
催眠と絡める試みは安眠に向いてますし、独自性を出すのにも役立ってます。

あとは声にエフェクトをかけるシーンを限定してるのも良かったです。
要所で使ったほうが「大事なシーンだよ」と直感的に伝えられます。

安眠催眠にプラスアルファの要素を組み込んだ大変癒やされる作品です。
おまけは「DokiDoki Under Roof Life」とBGM3曲です。

CV:saoriさん
総時間 1:19:02(本編…47:20 おまけ…31:42)

オススメ度
■■■■■■■■□□ 8点


体験版はこちらにあります

東方入眠抄20 烏天狗はたての快眠念写術

サークル「Re:Volte」さんの催眠音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、東方シリーズに登場するキャラ「姫海棠(ひめかいどう)はたて」が
自分に会いに来てくれた人間を変わった手段で眠らせます。

彼女の能力「念写」を絡めた癒し特化の催眠が行われており
前半部分は脱力や深呼吸といったリラックス系の技法で固めて段階的に落とし
終盤で様々な癒しの要素を投げかけ、聴き手が自分でイメージできるようサポートします。
あなたに贈る最高の一枚
姫海棠はたてに催眠をかけられ安眠できる写真を撮るお話。

「あら? お客さんだなんて 珍しいこともあるのね」
はたては明るくて素朴な声の女の子。
音声を聴く際の注意事項を丁寧に説明すると
妖怪の山へやって来た主人公を嬉しそうにもてなします。

本作品は原作だと念写の能力を持ってる彼女が
不眠に悩んでる彼に60分近くの健全な催眠をかけて改善を手伝います。
シリーズの過去作に比べて時間が30%ほど長くなったこともあり
これまでよりもゆっくりリードして少しずつ催眠の感覚を膨らませます。
最後に寝て終わるようになってるので解除音声は入ってません。

「私は 君の意識に同調して 君の望むものを投影する」
彼女が今回のサービスで大事にしてるのは「一体感」
安眠できる写真が欲しい彼の願いを叶えようと、序盤から膝枕して頭を優しく撫で
それと同時に信頼が深まる言葉を投げかけて心身の距離を近づけます。

念写の能力はあくまで彼女が思い描いたものを映像化するものです。
だから催眠を通じて彼が求める一枚を念写できる環境を整えます。
終盤にはそれに合ったアプローチをかけてきますから
上手く催眠に入れていれば頭の中に何らかの映像が浮かび上がるでしょう。
癒しのパワー溢れる催眠
催眠は3パート42分間。
仰向けに横になって目を瞑り、まずははたてに体を撫でられてるイメージをします。

「なでなで なでなで 左手から すーっと力が抜けていく」
「顔の力が 抜けていくのを感じるよ 少しぼーっとしてきたね」

「なでなで」を適度に交えてセリフのリズムを取りながら
左右の腕、足、そして頭を個別に脱力してリラックスします。
冒頭シーンよりもセリフの間隔を長めに取って話しかけてくれるおかげで気持ちを落ち着けやすく
彼女が彼を眠らせようと気を配ってるのが自然と伝わってきます。

続く「05 体が痺れて君に」はさらなる脱力と深化。
事前に焚いておいたお香の効果で全身を軽く痺れさせ
その後にカウントを数セット数えながらその都度暗示を入れて催眠状態を深めます。

「右手が痺れてくるね ぴりぴり ぴりぴり」
先ほどの脱力とほぼ同じ流れで痺れる感覚を伝えるのが良いですね。
そうやってリラックスを段階的に強化し暗示をより受け入れやすくします。
私が聴いた時も足の裏にピリピリした感覚がしました。
長時間正座をした時によくある心地いい痺れです。

パート終盤のカウントによる深化も音響効果を有効に使ってたりと
シリーズの過去作に比べて催眠の技術が上がった印象を受けました。

本題の念写が始まるのは最後の「06 君の意識の底で」(約23分)。
これまでの誘導を通じて2人だけの世界に辿り着いた彼女が
一体感をさらに強めてから彼が望むイメージを呼び起こします。

「2人で見る 満天の星空 2人で遊ぶ 夏の海 プール 2人で食べる スイーツ」
ここでは何か特定のシチュや情景を思い浮かべさせるのではなく
癒しや楽しさをを感じる色んな要素を列挙し、その中から好きに選んでもらうスタイルを取ってます。
例えばアウトドア派の人は外に出たほうが気分が晴れるでしょうし
逆にインドア派は家の中で寛いでる方が落ち着くと思います。
だからより多くの聴き手に対応できるよう大まかな枠組みだけ用意し、あとは任せるわけです。

催眠に入ってると普段よりもイメージ力が向上するでしょうから
こういうアプローチは効果的だし彼女の能力「念写」とも大変マッチしてます。
自然と思い浮かんだものを鮮明にして癒やす本作品らしい安眠法です。

このように、しっかりリラックスさせてから目的地に導くテーマ性の強い催眠が繰り広げられてます。
心を通わせる作品
はたてとの信頼関係を大事にした質の高い作品です。

はたてはわざわざ妖怪の山を尋ねるほど寝付きの悪さに悩んでる彼を救おうと
まずは催眠を通じて心身をリラックスし、それと同時に2人の距離も縮めます。
そして準備が整ったところで彼に自由なイメージをさせて自然と眠れるようにします。

東方シリーズのキャラが催眠を使って寝かしつけるシリーズお馴染みのシチュ
前半部分をまるまる使ってゆっくりリラックスと深化を促す丁寧なリード
彼女の能力を技術と上手く絡め合わせた最終パート。
過去作が元々持ってた良い部分を維持しつつ催眠を強化した癒されるサービスに仕上がってます。

中でも3番目の要素は本作品を象徴するシーンということで
敢えて遊びを設ける大胆な試みがされてて面白いです。
術者がイメージを指定するより聴き手の無意識に任せたほうが癒しも得やすいですからね。
念写をこのように活用してるところに最も感銘を受けました。

あとは前項でも触れましたが催眠の技術が上がってるように思えます。
以前はイメージの扱い方以外は割と似たような誘導をしてたのですが
今回はそれにアレンジを加えてひとつの流れを作ってます。
手足が痺れる感覚を与えるのも珍しいですし、サークルさんが工夫された跡が見られます。

イメージ主体の作品が好きな人には特におすすめします。
おまけは音声3種とBGM2種です。

CV:七條未緒さん
総時間 1:18:41(本編…56:10 おまけ…22:30)

オススメ度
■■■■■■■■□□ 8点


体験版はこちらにあります

東方入眠抄19 〜恋する小悪魔〜 la diablotine amoureuse

サークル「Re:Volte」さんの催眠音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、東方シリーズに登場するキャラ「小悪魔」が
召喚した人間に催眠をかけながらお互いに今欲しいものを与え合います。

彼女の背景を語りながら安眠させるドラマ性重視の催眠が行われており
前半部分は深呼吸やストレートな暗示でリラックスと信頼関係を強め
後半から彼女が彼を呼び出した理由や求めてるものに触れて心をさらに温めます。
悪魔だって愛が欲しいの
小悪魔が安眠できる催眠をかけるお話。

「どうもはじめまして そして これからよろしくお願いしますね」
小悪魔は丁寧な言葉づかいをする穏やかな声のお姉さん。
紅魔館に逆召喚された主人公に挨拶し事情を説明すると
契約を交わす見返りに彼が求めてる安眠へと導きます。

本作品は館の中にある大図書館で司書をしてる彼女が
契約の見返りとして40分程度に渡る癒しの催眠を施します。
原作では本名不明、しかも特別な能力も持たないキャラのため
能力にちなんだイメージを使う他のシリーズ作品とはやや違うやり方で物語を進めます。

「せっかく図書館にいるのですから 本を読んであげましょうね」
具体的には彼女が作中で「魔法の本」と呼んでるものを聞かせるスタイルを取ってます。
調べた限りだと彼女にこの本に描かれてるような設定はされてないようなので
もしかしたらサークルさんの創作なのかもしれません。
Re:Volteさんはこのところオリジナル作品も制作されてますから、そうだったとしても別段おかしくないと思います。

もちろん旧来の良いところもきっちり受け継いでます。
冒頭シーンで悪魔から連想される契約を持ちかけ、彼が望んだ安眠を提供します。
その代わり彼女も自分が今欲しいものを得て幸せな気分に浸ります。

彼女が何を求めてるのかは伏せさせていただきますが
基本的には癒やす方向で進めますから暗さやヤバさはありません。
タイトルの「恋する小悪魔」にピッタリな愛のあるサービスをしてくれます。
シリーズの特徴を受け継ぎつつ新しい要素も取り入れたドラマ性のある作品です。
小悪魔が持つもうひとつの顔
催眠は3パート33分間。
仰向けに横になって目を瞑り、1分程度深呼吸してから小悪魔のことが好きになる暗示を入れます。
ちなみに本編はほぼすべてのシーンで声にエフェクトがかかります。

「私のことを好きになって? そうしたら あなたの願いを叶えてあげられる」
「頭の中が 黒い色に染まっていく 闇の色 私たちの色」

普段通りの穏やかな表情で「好き」を何度も投げかけながら
彼女の容姿に関するイメージを軽く語って心と体の距離を近づけます。
そしてある程度進んだ後は短めのカウントを何度も数えて別の世界へ案内します。

事前にもう少し準備してから暗示を入れたほうがかかりやすい気もしますが
彼女に悪意がなく、彼に自分を好きになってもらおうと頑張ってる様子は伝わってきます。
いきなり物語を絡めずに信頼関係の構築や深化に力を入れてるのも良いです。
カウントを数えるシーンでは「闇へ落ちていく」など悪魔らしい暗示表現を心がけてました。

3番目の「思い出の牢獄」は本題にあたる物語(約19分)。
長い時を経て老朽化した廃墟に降り立った主人公が
その中にいるとある存在と体を触れ合い愛情を注ぎます。

「あなたの熱に反応するかのように ○○がピクリと動く」
詳しいことを書くと盛大なネタバレになってしまうので感想だけ言わせていただきますと
一抹の物悲しさ、切なさを感じるお話でした。
時折流れるBGMもそれに合った儚げな旋律を奏でます。
無言の時間を適度に挟んであるのもそれを引き立てるための演出なのかもしれません。

催眠の技術も一応使われてますけど、それよりはストーリーで心を揺さぶるシーンかなと。
催眠に入ってる感覚があまりしない一方で胸のあたりがジーンとするのを感じました。
安眠に関する誘導は中盤にカウントを数えながらその手の暗示を入れたり
終盤に軽い寝息を立てる程度と少なめになってます。

このように、前半と後半で内容を大きく切り替える変わった催眠が繰り広げられてます。
ドラマ仕立ての作品
従来の東方入眠抄シリーズよりもドラマ成分が強い作品です。

小悪魔は広大な図書館で本の管理をしてる寂しさを少しでも紛らそうと
自分の意志で主人公を異界から召喚し、安眠させる見返りとしてとあるものを求めます。
そして前半はリラックスと好きになる暗示、後半は物語と方向性を大きく変えて催眠を施します。

東方キャラが能力を使わずに安眠させる今までとは違ったシチュ
悪魔のイメージよりずっとおおらかな彼女のキャラ
その背景がだんだんとわかるようになるストーリー性のある催眠。
技術で癒したり眠らせることの多い全年齢向け催眠音声とは異なるタッチで仕上げてます。

「これは 物語 そういうお話」
今回は物語が肝になる関係で普段よりもかなりぼかして書きました。
このへんを語ってしまうとたぶんこの作品を聴く楽しみが大幅に削がれてしまいます。
物語の最初と最後で彼女の口調を聴き比べてみてください。

ただ東方入眠抄の他作品よりも催眠の割合がやや減ってるところだけは気になりました。
催眠音声は一言で言えば技術の集積体なので、その分量が減れば当然品質にも影響が出ます。
エフェクトの効果で意識のぼやけや眠気を感じる人はいるでしょうけど
それは催眠の技術とまた別ですし、少なくとも当サイトではあまり評価しないことにしてます。

癒しのパワーは十分にありますから、内容を理解したうえで聴くなら問題なく楽しめるでしょう。
おまけは「小悪魔さんと幸せ添い寝生活~深夜編~」とアレンジ曲2本です。

CV:柳愛子さん
総時間 1:03:06(本編…41:12 おまけ…21:54)

オススメ度
■■■■■■■□□□ 7点


体験版はこちらにあります

東方入眠抄SP 夜の夢に堕ちる

サークル「Re:Volte」さんの催眠音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、東方入眠抄シリーズに登場した6人のキャラが
2人1組で催眠をかけて癒したり眠くしたりします。

サークルさん初の双子作品ということで
どのパートも左右から交互に、あるいは同時に語りかけるスタイルを取ってます。
一般的な催眠音声とは作りが随分違うため癒し目的で聴いたほうが満足できるでしょう。
東方キャラたちの双子催眠
合計6人の東方キャラが代わる代わる催眠をかけるお話。

「ん? どうしたんだ? 遊んでるのか? 私も混ぜてくれ」
芳香は素朴で可愛い声の女の子。
「あらあなた 素敵な香りがするわね」
純狐は上品で落ち着いた声の女性。
主人公と純狐が話してるところへ芳香が加わり催眠へと移ります。

本作品はこれまで18本出てる東方入眠抄シリーズの外伝。
秦こころ、今泉影狼、多々良小傘、宮古芳香、黒谷ヤマメ、純狐の6人が
パートごとにメンバーを交代しながら左右交互に、あるいは同時に話すスタイルで安眠誘導します。
催眠は全部で6パートあり、ひとつあたりの時間は3~4分と短いです。

催眠音声ではすっかりお馴染みの双子形式を活用し
シーンごとに役割分担しながら少しずつ確実に癒しを膨らませます。

総時間が25分、しかも催眠者がころころ変わるシステムの関係で催眠に入る感覚はそれほどないでしょうけど
彼女たちの掛け合いが和むとか、声が可愛いといった別部分の癒しは得られます。

ストーリーは特にありませんから完全にファン向けの作品ですね。
パートによって使用する技法やイメージを切り替えてたりとなかなか凝ってます。

催眠はおよそ20分間。
前半の3パートは純狐と芳香、芳香と小傘、小傘とヤマメが思い思いのやり方で癒しを与えます。
催眠開始後は彼女たちの声にエフェクトがかかります。

純狐「息を吸ってー」
芳香「私の香りが 君の体にまとわりつく」
そしてひとつのセリフを2人が手分けして言う、それぞれで役割分担するなど
早速双子の長所を活かしたアプローチをかけてきます。
香りを意識させながらの深呼吸、雨音を流しつつそれに浄化されるイメージ
瘴気を吸い込んで体が動かなくなるイメージ、といったように
各キャラの特徴に沿ったイメージと催眠技法を組み合わせて進めます。

(芳香)私の香りと (小傘)私の雨で (両方)君の体が 綺麗になっていく
私は「04 芳香 x 小傘」パートが最も癒やされました(約3分30秒)。
唯一環境音を取り入れてるのが大きいですし、イメージもそれに噛み合ってて心がスッキリします。
変則的な作品ですがサークルさんが持つ良いところをきちんと受け継いでます。

後半の3パートは深化を見据えたシーン。
ヤマメと影狼、影狼とこころ、こころと純狐、と引き続きメンバーを変えてさらにリラックスさせます。

こころ「落ちる 落ちる 感情が 消えていく 自我が 消えていく」
左右交互に長めのカウントを数えながら心身が綺麗になる暗示を入れたり
「すーっと」「落ちていく」といった単語を多めに投げかけるなど
前半とはアプローチの方向性が随分違います。

キャラごとのイメージも一応挟んできますけど、どちらかと言うと技術寄りに映りました。
暗示の内容から眠気よりもリフレッシュのほうがより実感できると思います。

このように、2人1組で多彩な催眠をかけるオムニバス形式のサービスが繰り広げられてます。
遊び心のある作品
正統派の催眠音声とは違いますが、それなりの癒しのパワーを持ってる作品です。

6人の東方キャラたちは主人公が癒しや眠気を感じるように
左右に陣取り交互に、あるいは同時に語りかけて脱力と深化を促します。
そしてその中に自分たちらしいイメージを組み込みある程度の個性も出します。

常に2人でリードする双子形式、パートごとにメンバーが変わる豪華な作り
各キャラが持つイメージや音と技術を組み合わせて癒す展開。
催眠に落とすことよりも真新しさやファンサービスを意識して物語を組み立ててます。

聴いた限りだと今作は試験的な位置づけなのではないかなと。
双子を初めて採用してること、パートごとにキャラを変えることなど
これまでの東方入眠抄シリーズにはなかった要素が盛り込まれてます。

それが上手くいってるかと言われれば正直微妙だと思います。
時間が非常に短いので彼女たちらしさを出し切る前に終わってしまいますし
技術的にも準備なしに催眠者をころころ変えるのはマイナスです。
サークルさんもそのへんを理解されてるから外伝扱いにしたのでしょう。

ガチの催眠音声というよりは一風変わった癒し作品と捉えたほうがしっくりきます。
私も催眠の感覚はあまりしませんでしたが落ち着けました。
Re:Volteさんは最近オリジナル作品にも力を入れてますし、今後また何か面白いことをする気なのかもしれません。

ファンのニーズに応えた珍しいタイプの作品です。

CV:秦こころ…saoriさん 今泉影狼…祈流昴弥さん 多々良小傘…冬岸るいさん
宮古芳香…伊藤未緒さん 黒谷ヤマメ…鷹澄真咲さん 純狐…柳愛子さん
総時間 25:36

オススメ度
■■■■■■□□□□ 6点


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座敷童女と見る夢 ―初恋―

サークル「Re:Volte」さんの催眠音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、里に住み着いて子供たちをずっと見守ってきた座敷童女が
すっかり成長した男性と再会し安眠のお手伝いをします。

キャラやストーリーに力を入れたドラマ仕立ての誘導が行われており
催眠暗示は深化や入眠時に固めて入れる程度に留め
その代わり彼女のお話、BGM、囲炉裏の音といった別の要素で癒しと眠気を与えます。
座敷童女が選んだ道
座敷童女に催眠をかけられ眠りにつくお話。

「おや 起こしてしまったかの?」
座敷童女は上品で可愛い声の女の子。
都会の喧騒に疲れて故郷へ帰ってきた主人公が目覚めたのに気づくと
自分の姿が見えることに驚き昔話を始めます。

本作品はサークルさんのオリジナル作品第3弾。
子供時代の彼を始め多くの人々を陰ながら見守ってきた彼女が
昔語りをしながらおよそ35分に渡る癒しの催眠を施します。

東方入眠抄シリーズを数多く制作されてきたサークルさんなだけあって
ストレートに催眠を施すのではなく、キャラやストーリーを大事にしたドラマ性のある誘導を行います。
暗示をガンガン入れるタイプじゃないので催眠に入ってる感覚はそこまでしないでしょうが
音声を聴くうちに癒されたり眠気を感じる人は多いと思います。

「小さい頃は よく遊んだんじゃぞ まあ 忘れてても仕方のないことじゃ」
それに最も貢献してるのが彼女の存在。
「~じゃ」という古風な言葉遣いで序盤から親しげに語りかけます。
彼女は彼のことをよく知ってますが、彼はとある事情で昔の記憶を失ってるそうです。
その理由も含めて2人の関係を少しずつ紐解いていきます。
しっかりしたストーリーがあるので聴いてて純粋に面白いです。

所々にBGMや環境音を取り入れてるのもポイント。
音楽も手がけられてるサークルさんらしいやり方で作品世界に引き込みます。
催眠と直接関係のある要素ではありませんが、臨場感やイメージ力の向上に役立ってるのも事実です。
そしてこれは作品の特徴であるドラマ仕立ての誘導と相性が良いです。
昔の思い出を辿りながら
催眠は2パート36分間。
横になって目を瞑り、まずは深呼吸や鬼ごっこで心身をリラックスさせます。
ちなみに催眠開始後は彼女の声にたびたびエフェクトがかかります。

「わしはこっちじゃぞ お姉さんを捕まえてごらん?」
「お主の手が わしに触れる 温かな感触に 心が安らぐ」

世間では立派な大人でも座敷童女から見れば主人公は可愛い子供です。
だから昔やった遊びに再び取り組む形で意識の力を上手に弱めます。
彼女の手が鳴った方向へ意識を向けるというもので、繰り返すと軽い疲れやぼんやりした感覚がします。
彼女を無事捕まえた時にその温かさを伝えて安心感を与えるのも良いです。

ある程度落ち着いた後は安眠の舞台となる忘れられた場所へと旅立ちます。
カウントを数える合間に「落ちる」「浮かぶ」などの暗示を厚めに入れて催眠状態を一気に深めます。
私が聴いた時も数が進むたびに全身がズーンと重くなりました。
ストーリー重視ですが要所はしっかり技術を行使していて安定感があります。

2番目の「忘れられた場所」パートは彼女が生まれ育った場所へと移動し
そこにあるあばら家で寛ぎながら昔話の続きを聴きます。

「ぱちぱち燃える炎が お主の体を温めてくれる 体の芯から ぽかぽかしてくるね」
ここでは到着後に彼女がつけた囲炉裏の音が癒しを与えてくれます。
昔話についても作品の全貌がわかるものになっており、最後まで聴くとしんみりするのではないでしょうか。
私はパートの中盤あたりでホロリと涙が出ました。

「眠気がお主を包み込む 暗くて暗くて 温かな漆黒の眠り」
そしてすべてが終わった後に眠りの世界へ導きます。
再会できたことが余程嬉しかったのか、母親のような安らいだ声でゆっくり数を数えます。
和風情緒漂うBGMが流れたり、セリフの間隔を意識して長くするなど
聴き手がすんなり眠れるよう気遣いながら物語を締めくくります。

ちなみに本作品にはおまけの後日談がありまして
本編視聴後はそちらも合わせて聴くことをおすすめします。
解除音声がついてないので本編の最後に眠らなかった場合は他作品の解除音声を聴いてから
そのまま寝入った場合はおまけを直接聴く形になります。

このように、彼女との思い出を振り返りながら眠りにつく流れのある催眠が繰り広げられてます。
ちょっぴり切ない作品
東方入眠抄シリーズと同じく登場人物の個性と魅力を引き立たせた作品です。

座敷童女は久しぶりに再会した主人公と新しい思い出を作ろうと
催眠を使ってまずは彼の疲れた心をほぐしつつ自分の生家へ案内します。
そして移動後は囲炉裏に当たりながら膝枕をして安眠へと導きます。

見た目は若々しいけど母親のような優しさと包容力がある彼女のキャラ
昔の出来事を振り返る中で技術を行使するストーリー重視の催眠
BGMや環境音で雰囲気を盛り上げる演出。
作品独自の要素を活かしたちょっぴり切ない物語が楽しめます。

Re:Volteさんは東方入眠抄シリーズで完成された作風を持つ一方で
オリジナルは自分の持ち味を活かせてなかったり個性が薄いなど首を捻る部分がありました。
それが今作でほぼ解消されたと私は見ています。
あちらの良かったところを上手く落とし込んでるなと。

催眠の技術自体は古典系の基本的なもので揃え
その間に昔語りや彼女の心情描写を違和感なく組み込んでます。
最近の催眠音声は物語の中に暗示を散りばめる現代催眠型も結構ありますけど
本作品の場合は技術とドラマ部分をある程度分離したうえで共存させてます。

2人の関係やストーリーこそが一番の聴きどころですね。
最初はわからなかった部分が少しずつ明らかになっていきます。
本編だけだとしこりが残るかもしれませんけど、後日談まで聴けばスッキリできます。

ストーリー性のある作品が好きな人には特におすすめします。

CV:冬岸るいさん
総時間 49:37(本編…44:30 おまけの後日談…5:07)

オススメ度
■■■■■■■■□□ 8点


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追記
作品自体の点数は7点。
50分で400円とコスパが良いので+1してあります。

東方入眠抄18  依るべない夜と少女の依物語

サークル「Re:Volte」さんの催眠音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、東方シリーズに登場するキャラ「依神紫苑」が
偶然出会った男性に寄り添いながら安眠できる催眠をかけます。

催眠自体は深呼吸や分割弛緩といったオーソドックスな技法を施し
その中に若干ネガティブな印象がする暗示を入れて貧乏神らしさを出してます。
貧乏神にできる精一杯のおもてなし
依神紫苑に催眠をかけられ眠りにつくお話。

「あ、あの…こんばんわ ごめん 急に部屋に入ってきたからびっくりさせちゃったかな?」
紫苑は優しくて大人しそうな声の女の子。
主人公の家に突然現れ取り憑いてしまったことを謝ると
自己紹介してから不眠に悩んでる彼を安眠へと導きます。

本作品は自分と相手の両方を不運にする能力を持つ彼女が
眠れなくて夜に出歩いてる彼と偶然出会い、そのまま家まで付き添い悩みを聞いてあげます。
原作では貧乏神をしてるだけあって声が弱々しく態度も控えめに振る舞うことが多いです。

東方入眠抄シリーズは登場人物の特徴や能力を使って催眠をかけるのが特徴です。
本作品もその例に漏れず、主に後半シーンで彼女らしいアプローチをかけてきます。
ただ貧乏神を全面に押し出すと却って安眠しにくくなることを踏まえて
他のシリーズ作品よりも表現に気を遣ったり抑えて進めます。

一風変わった安眠音声といった感じですね。
彼女も終始優しく健気に振る舞うので雰囲気は穏やかです。

催眠はおよそ30分間。
一番最初の「催眠準備」パートは催眠に入りやすい環境づくりを目的に
深呼吸したり体をいくつかのパーツに分けて順番に脱力します。
催眠開始後は彼女の声に若干のエフェクトがかかります。

「吐き出す時に 体の中から 黒いもやのようなものが出ていくイメージ」
「右手に溜まった淀みが 呼吸と一緒に口から出ていく」

そして彼女は早速「悪いもや」「淀み」といった若干ネガティブな単語を取り入れ
それらが体から出ていくイメージを通じてリフレッシュさせます。
脱力の際はそれぞれで短いカウントを数えながら暗示を入れてくれますし
声や雰囲気も相まってそれなりに重さを感じます。

続く「催眠パート」は深化。
彼の許可をもらってから彼女が右手に添い寝し、体を密着させながら意識の力をさらに弱めます。

「とくん とくん 心 温かくて ドキドキしているよ とくん とくん 君の心が 少しずつ無気力になっていく」
「ぐにゃり 意識が 感覚が すべてのものが形を失う」

ここでは彼女の能力を使ってやる気を奪い眠らせようとするのがいいですね。
十分脱力した時に感じるぼやけた感覚を水に例え、自分の存在が希薄になったようなイメージもさせます。
カウントを数えながらゆっくり暗示を入れる流れも緩やかで取り組みやすく
いい気分に浸りながら頭を空っぽにして聴くことができます。

「幸福の中で 君の存在がさらに希薄になって 消えてしまうよ 大丈夫 私が一緒にるから 意識が消えるまで 私たちはずっと一緒」
そして最後の「憑依」パートではお互いの心をさらに近づけます。
彼を支配するのではなく一体化する方針ですから融合と言ったほうが妥当かもしれません。
前のパートを引き継いでより意識を希薄にし、それと同時に彼女がすぐ近くにいる安心感を与えます。
中盤から流れるピアノBGMもその場の雰囲気に合ってて良いです。

このように、多少のイレギュラー要素を交えて眠らせるやや珍しい催眠が繰り広げられてます。
物悲しさを含んだ作品
貧乏神から連想されるイメージを取り入れて癒す挑戦的な作品です。

紫苑は自分が貧乏神だとわかってるのに受け入れてくれた主人公をぐっすり眠らせようと
できるだけ不幸にしないよう気遣いながら少しずつ心と体の距離を縮めます。
そして催眠技法はスタンダードなものを用い、最中の暗示で彼女らしさを出します。

癒しや安眠にあまり適さないキャラがお世話する展開
リラックスできるアプローチを多めに用意し、その中にちょっぴりネガティブな描写を込めた催眠。
あまあまなキャラがする一般的な安眠催眠との違いを出して物語を進めます。

「君のことを大事に思えば思うほど 私は君のそばにはいられない」
彼女は持って生まれた能力のせいで他人となかなか一緒にいることができません。
だから彼に深く感謝しつつできるだけ早くこの場から離れようとします。
この矛盾した思いが聴き終えた時にちょっぴり切ない気分を与えてくれます。

ストレートに眠らせておしまい、ではないところが本作品の個性であり魅力です。
明るいタッチのおまけ音声が用意されてますから寂しいと感じたらそちらで口直しするといいでしょう。

催眠はシリーズの過去作と技法を特に変えず暗示の表現で違いを出してます。
露骨にネガティブな言い回しにすると安眠を阻害してしまうためかなり気を配ってる印象を受けました。
安眠音声として十分な品質を持ってると言えます。

おまけは2種類の音声と4種類のBGMです。

CV:稲垣麻木さん
総時間 1:05:30(本編…36:32 おまけ…28:58)

オススメ度
■■■■■■■□□□ 7点


体験版はこちらにあります

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