玩具実験室(星野ゆん)

サークル「LovelyTune」さんの催眠音声作品。

こちらは大人のおもちゃを聴き手がその身をもって体験する作品です。
癒しのオーラ溢れる可愛い声のお姉さんに見守られながら気持ちよくなることで
ちょっぴり恥ずかしさの混じった幸福感を得られるでしょう。

催眠はよくある作品のようにまず催眠状態へと持っていくようなタイプではなく
実験の最中に催眠的な表現を交えることで感情移入しやすくなるように使われています。



3種のエログッズをモニタリング
お姉さんの指示に従いながら大人のおもちゃを試すお話。

「お待たせしました こちらへどうぞ」
お姉さんは甘く優しい声の女性。
開発中のアダルトグッズのモニターとしてやってきた主人公に対して
まずは今回の実験の内容をかなり詳しく説明します。

本作品のテーマは平たく言うと機械姦です。
同人音声の方ではそこそこ見かけるジャンルで文字通り機械に体を犯されるわけですが
それらによくあるような快感を与えすぎて被験者が悶え苦しむとか
精神が焼き切れて廃人になる、といった展開には一切なりません。
リアルでやるような商品を普通に試してその感想を求める無難な展開のお話です。

「規約とかもちょっとややこしかったですよねー」
また作中ではお姉さんがやや砕けた調子で温かく語り掛けてくれますから
聴いているうちに段々と心が安らぐのを感じることでしょう。
機械姦なんだけど癒しをテーマにしているとても珍しい作品です。

「ローションと言っても いつもの感覚と さほど変わらないと思います でも 少しずつぽかぽかしてきますよ」
催眠はこれらの機械を主人公が試す最中にお姉さんが主に感覚系の暗示を入れてきます。
ただ本作品は聴き手を催眠状態へ持っていくことを目的とはしておらず
実験をできるだけ主観的に体験してもらうために暗示をかけるスタンスですから
一般的な催眠音声のように「これから催眠を始めます」と言うことはありませんし
いつも必ず記載している催眠を行うにあたっての明確な時間も存在しません。

そういう意味では催眠音声と呼ぶにはやや難があるのですが
彼女のセリフが非常に催眠を意識しているのは確かです。
物語により簡単に感情移入させるために催眠的なアプローチが使われています。



緻密な描写と心地よい機 械音
エッチシーンは41分30秒ほど。
プレイは3種類の機械による乳首とおちんちん責めです。

機械を作動している最中にやや控えめな音量のモーター音が鳴ります。
セルフはありません。

「今から 乳首用の製品を 体験していただきます」
実験に関する説明を終えて主人公の同意を得たお姉さんは
全裸になった彼に目隠しをした後、まずは乳首を集中的に刺激する器具を体に装着します。

今回登場する器具は以下の3点
1、乳首を指で刺激されているような感覚が味わえるアイテム
2、乳首を舌で舐められているような感覚が味わえるアイテム
3、おちんちんを舌で舐められているような感覚が味わえるアイテム

これらを1から3の順に一通り行い、最後に同時に装着して使用感を確認します。

「これはオンにすると ローションが少しずつ出てきて スライム状のゴム そしてちょっと硬めのシリコンでできた舌素材に しっとりとまとわりつき 滅茶苦茶リアルな感触になるんです」
お姉さんは目が見えない状態でも器具の形状や質感がわかるようにと
それぞれの器具をとても細かい描写で表現してくれます。
これも実験を体験しているように感じさせるための心遣いですね。

「ちょっと引っかかりつつ 舐め上げられている感じは 舌を尖らせて つんつんと突かれている感触になっていると思います」
実験の最中に器具によって得られる感覚をこちらの視点で教えてくれるのもいいところ。
これが催眠における暗示的な役割を果たしているわけです。
一緒に聞こえてくるモーター音から程よい刺激を受けながら
彼女の言う感覚をイメージし、掴み取ってみてください。

「では今から すべてのアイテムを同時に使って 責めさせていただきますね」
最後の実験は3つの器具を多数用意してお姉さんと助手から責められます。
器具によって絶頂できるかをテストするのが目的ですから
ここまでに登場した各種モーター音に両耳を犯されながら
ドライ・ウェットいずれかの絶頂を目指して快感を高めていきましょう。

このように、機械によって体を責められる様子を細かい描写で楽しませてくれます。



声と機械に優しく愛撫される作品
珍しいテーマを扱った催眠音声風ボイスドラマです。

元々の目的が大人のおもちゃの体験にあるため
お姉さんは聴き手を催眠状態へと導こうとはしてきませんし
それらに必要な導入及び深化を明確な形では行ってきません。
しかし実験中の説明や使用感の描写がどれも聴き手の立場で表現されており
その結果実験の雰囲気が単なる客観描写よりもずっとイメージしやすくなっています。

他にも事前に軽く感覚系の暗示を入れてからカウントを刻むシーンがあったりと
催眠的な要素をスパイスとして上手に取り入れている箇所がいくつもあります。

おそらくこの作品を聴いて催眠状態特有の感覚を味わう方もいるでしょう。
それは無意識的に彼女の言うことに従ってきた結果生まれたものです。
彼女が主体的にそのように仕向けてくるような作りではないため
催眠的な感覚を十分に得るためには一定以上の催眠の素養と経験が必要と考えています。
私の場合は一部のシーンで体が重くなったり股間が勝手に反応することがありました。

作品のもう一つのテーマである癒し効果は十分に得られると思います。
お姉さんはとっても優しく気さくに話しかけてくれますし
こちらが実験中に感じたり声を上げても引かずにむしろ喜んでくれます。
器具が発するモーター音もうるさくなく軽く脳を揺さぶられているようで
自動車や電車に揺られている時のような眠くなる感覚が得られました。

エッチは実験の雰囲気にいかに浸れるかがカギになります。
お姉さんが器具による快感を得てもらうことを重視してそれほど淫語を発しないため
器具から刺激を受けてその結果生まれる感覚でイクことになります。
それなりの想像力が要求されることだけご注意ください。
淫語そこそこ、ちゅぱ音と喘ぎ声はありません。

総合的に見て厳密な意味では催眠音声とは言えませんが
聴き手に心身をリラックスしてもらうために催眠を絡めた興味深い作品です。

CV:星野ゆんさん
総時間 55:26


オススメ度
■■■■■■■□□□ 7点


体験版はこちらにあります

追記
作風が面白いのとコスパを考慮して催眠風ボイスドラマとしては高めに点数を設定しました。
ちなみに解除音声はありません。
もし本作品を聴いて催眠状態のような感覚を受けた場合は
必ず別途解除音声を用意して聴いてください。