サークル「あおぎり高校」さんの同人音声作品(全年齢向け)。
今回紹介する作品は、学校に通いながら小さな旅館で働いてる女の子が
そこを訪れた男性客に癒しと安眠を提供します。
セリフよりも音を重視したASMR系の作りが魅力で
シャンプー、マッサージ、耳かきとパートごとにやることを変えながら
リアルな音を丁寧に鳴らして彼女にお世話されてる雰囲気を作ります。
湖に浮かぶ旅館で
たまこさんは明るくて穏やかな声の女の子。
主人公の部屋にやって来て丁寧な挨拶をすると
行燈を灯してから温泉にもう入ったか尋ねます。
本作品は湖畔にある小さな旅館で中居をしてる彼女が
そこを初めて利用したお客をおよそ70分に渡って健全にお世話します。
全編を大きく4つのシーンに分けて違うサービスを行い
その大部分を多種多様かつリアルな音で表現して臨場感を出します。
会話も多少はしますけど、全体を見ればやはり音のほうが存在感は大きいです。
ASMR作品を数多く制作されてるバイノーラル6音さんが携わってるだけあって
効果音や環境音の質感と動きが高い水準でまとまってます。
また湖がすぐ近くにある雰囲気を出すために控えめな音量で水面が揺れる音を流します。
サービスについては王道のもので固めてます。
耳かきは耳かき棒、綿棒、梵天、息吹きを組み合わせてますし
シャンプーやマッサージも頭部、肩、耳をケアします。
悪い言い方になりますけど「無難過ぎるかなぁ」というのが私の感想です。
音が織りなす癒しの空間
前者はお風呂場で両手を使ってわしゃわしゃした泡音を鳴らし
後者は部屋に戻って乳液を垂らした手で肩→耳の順にお世話します。
そして本作品の売りである音が早速威力を発揮します。
音質が良いだけじゃなく、動きが目まぐるしく変わるのでされてる気分を味わいやすいです。
特に耳のマッサージは手のひらで塞いだり離すのを繰り返すシーンがあって
その際に軽い圧迫感や閉塞感が得られます。
シャンプーの時はバックでお湯がちょろちょろ流れる音も鳴りますし
全体的に音作りが丁寧な印象を受けました。
それに対してセリフは簡単な解説をした後は吐息だけを漏らす淡白なものです。
VTuberが出演してる作品ならもう少ししゃべりを強化したほうが良いと思います。
単体で最も時間が長いのは耳かき(約30分)。
膝枕の状態で右耳→左耳の順に耳かき棒、綿棒、梵天、軽い息吹きを行います。
耳かき棒は「ずぞっ」というトーンが低くややざらつきのある音
綿棒は耳かき棒よりも面積が広くてしょりしょりした音
梵天はそれよりもふんわりしててさらさらした音と器具の違いを音でしっかり表現してます。
動きにも違いが見られますし、ASMR作品として十分な品質を持ってると言えます。
実際に聴いた感想ですが、バイノーラル6音さんが企画・制作・編集をされてることを知ってましたから
音に関しては大丈夫だろうと思ってて実際その通りでした。
湖の音は音量が小さくて正直よく聞き取れませんでしたが
耳かきやマッサージといった重要な音はリアルで優しいものばかりです。
ただ音に寄せてる関係で音霊魂子さんがあまりしゃべらない点と
サービスの内容に個性が乏しい点は気になりました。
前者は声優さんじゃなくてVTuberさんがやられてるとなると
サービスに関する小話や軽い雑談程度では彼女の魅力を引き出せてないと思います。
これが例えば周防パトラさんみたいに音作りも担当してるのなら別にいいですけど
実際は他のサークルさんが全部やってます。
せめて1パートくらいはサービスをせず彼女が色々しゃべる場面が欲しかったです。
冒頭の挨拶パートは3分しかないのでそう言うには弱いと見てます。
後者については現在の耳かき音声は王道のサービスをきっちり押さえたうえで
珍しい音を鳴らしたり、独自要素を盛り込んでることが多いです。
そういう状況を考えるとこの内容では物足りないというのが率直な感想です。
音は良いのだが
たまこさんは旅館を利用した主人公を満足させようと
つきっきりでシャンプー、マッサージ、耳かきをします。
そして最後は体を密着させたまま寝息を立てて安眠へと導きます。
湖辺にある旅館で女の子が癒しのサービスをするシチュ。
会話は必要最低限に留めてそれらの様子を音で表現する作り。
ASMR作品の特徴を押さえた作品になってます。
前項で厳しいことも書きましたけど、個性をそんなに求めない人なら十分満足できると思います。
以上を踏まえて今回はこちらの点数とさせていただきました。
CV:音霊魂子さん
総時間 1:12:29
オススメ度
■■■■■■■□□□ 7点
体験版はこちらにあります
追記
2022年9月16日まで25%OFFの990円で販売されてます。