同人音声の部屋

同人音声および催眠音声について、平均3000文字程度のオリジナルレビューを掲載しているサイトです

タグ:藤堂れんげ

   ● 【夏休み耳かき】道草屋-すずな【散髪炭酸ヘッドスパ!●夏休み花火大会●みみかき日記】
   ● 鈴の音と共に
   ● 【ご旅行耳かき】道草屋 いのこ【乳液耳揉み】
   ● 鈴の音を聞きに
   ● 【散髪シャンプー】道草屋 すずな『バーバーすずな』【二人で耳かき】
   ● 鈴の緒を引けば
   ● 休日屋 ━真家━
   ● 【少年声】声付き耳かき音を作ってみた25
   ● 休日屋 ━丹の家━
   ● 【174khzハイレゾ】道草屋-芹-夏休み【切抜き耳かき】


【夏休み耳かき】道草屋-すずな【散髪炭酸ヘッドスパ!●夏休み花火大会●みみかき日記】

サークル「桃色CODE」さんの同人音声作品(R-15指定)。

今回紹介する作品は、梅雨が終わり本格的な夏が訪れた頃に
合計三人の店員さんと色んなことをしながら一日を過ごします。

夏らしさを感じる音の数々、彼女たちとの何気ない会話、サービスのすべてがハイレベルで
音声を聴けば聴くほど道草屋の世界にいる気分が強く味わえます。
シーンによって雰囲気が大きく変わりますから賑やかさと静けさの両方を感じるでしょう。
田舎で過ごす夏の一日
道草屋の店員「すずな」「いのこ」「芹」からサービスを受けるお話。

「旦那様 今日も暑いですね」
すずなは素朴で可愛い声の女の子。
とある夏の日の昼、散歩から戻ってきた主人公に塩飴を渡すと
日陰に案内し得意の散髪で彼の頭を涼しくします。

本作品は学生たちが丁度夏休みに入る7月下旬頃に
彼女を初めとする三人の女性が昼から夜にかけて様々なおもてなしをします。
Barberすずな、夏休み花火大会、みみかき日記と合計みっつのシーンを用意し
その中でサービスはもちろん、登場人物や音のタイプも切り替える非常に凝ったものです。

道草屋シリーズは独特な世界観、魅力的なキャラ、極めてリアルな効果音&環境音など
音声作品を形作るすべての要素が飛び抜けて優れてる大変希少な作品です。
本作品もその例に漏れず、何か特定のものではなく全体を通じて聴き手を癒そうとします。

いちいち書いてたらきりがないくらいに良い部分が多いです。
なので本レビューではその中からふたつをピックアップする形で紹介します。

ひとつ目は音声作品の要とも言える音です。
物語の開始時はまだ昼間なので複数種類のセミの声がけたたましく鳴り
すずなたちが主人公に何らかのお世話をするとそれに応じたリアルな音がタイミングよく流れます。
音質が良いのはもちろん、状況に合わせて位置や距離まで切り替わる細かな演出がされてます。

時間が150分近くもあるおかげでサービスの種類が非常に多く
その結果バリエーション豊富な音が耳に心地いい刺激を与えてくれます。
会話量は多めですが、サービス中は無言の時間が長めに取られてるのでASMRの色も強いです。

いのこ「足元しっつれい はぁー 冷たい」
すずな「やりたい放題です」
ふたつ目は彼女たちのセリフです。
最後のみみかき日記以外は二人以上の店員が登場するおかげで
サービス中に彼女たちが楽しそうに会話するシーンがいくつもあります。

道草屋はこのところ複数の店員を登場させるスタイルに力を入れており
彼女たちの個性を活かした掛け合いやチームワークの取れたお世話で和ませてくれます。
また一部のシーンではグループをふたつに分けて別々の会話を楽しんだりします。

主人公をまったく介さずに会話するのは音声作品だと極めて稀です。
といっても完全な置いてけぼりにするのではなく、常に誰か一人は相手してくれますから
彼女たちの輪に入ってる感覚で聴くことができるでしょう。
涼しい音で頭と心をリフレッシュ
ここからは各シーンの概要や特徴を順に紹介します。

一番最初のBarberすずなでするのは散髪とヘッドスパ。
序盤はすずなが一人で、中盤以降はいのこが加わりあれこれお世話します。
ただ座ってるだけだと暑いからと水の入った桶に足を入れ
襟巻きをかけた後に霧吹きで髪を濡らし、それから散髪用のハサミ→梳きバサミの順に使います。

前項でも書いたように本作品は音がとにかく優れてるので
「髪をこうやって切りますよ」などの説明的なセリフはほとんど言いません。
音の質感、位置、距離、鳴らし方だけで行為の一部始終を伝える音重視の作りです。
中でもハサミはリズムや鳴らす回数が不規則で現実世界の散髪にとても近いです。

「髪 短いのいいですね 長いのすっごく暑いんですよ」
最中の会話は髪の話や今夜始まる花火大会の話など当たり障りのないものばかり。
彼女が鼻歌を軽く歌うシーンがあるものの、刃物を扱ってるので基本的にはあまりしゃべらずに進めます。
セミの鳴き声がかなり元気ですから無言でも多少賑やかな印象を抱くでしょうね。

状況が一変するのはすずなが梳きバサミを使い始めたあたりから。
芹に言われてラムネを持ってきたいのこがそのまま居座り話題を振ったりお手伝いします。

いのこ「今まで黙っておりましたが 実はシャンプー大得意なんでございますよ」
すずな「うりちゃん 暇で適当に言ってない?」
「ずななん」「うりちゃん」とあだ名で呼び合いながら何気ない会話をする様子が微笑ましく
すずなの代わりにいのこがシャンプーを担当するなど、複数人いる状況を活用したサービスも登場します。
「ぷす ぷしゅっ」という泡交じりのシャンプー音も散髪とは違うタイプの刺激を与えてくれて心地いいです。
環境音も鳥の声や水の流れる割合が増えて微妙に変化します。

音で最も特徴的なのは終盤に登場する炭酸ヘッドスパ。
いのこが炭酸を彼の頭にかけ、すずなが頭を揉みほぐすコンビネーションの取れたサービスです。
しゅわしゅわした音が混じった水量弱めのシャワー音とマッサージ音が同時に鳴るひと時はとても爽やか。
様々な音を組み合わせて夏の暑さを吹き飛ばしてくれます。

散髪やヘッドスパだけで1時間近くも使う作品自体がまだまだ少ないですし
そのすべてをここまでハイレベルに表現してるのは見事と言う他ありません。
音、キャラ、季節感がガッチリ噛み合って道草屋の世界を作り上げてます。
賑やかな夜と静かな夜
第二部にあたる夏休み花火大会は夜のお話。
昼間の散髪中に約束した通り彼女たちと縁側で花火見物を楽しみます。

芹「私たちには 大人向けの炭酸を お隣 よろしいです?」
そしてここでは道草屋の店主にあたる芹も参加し合計四人で楽しみます。
すずなといのこが子供グループ、主人公と芹が大人グループに分かれ
用意された食べ物や飲み物を口にしたり、夏に関する色んなことを話す最も賑やかなシーンです。

もちろんバックを彩る花火の音も忘れてはいけません。
実際の花火大会をそのまま録音したとしか思えないほど音がリアルで
さらに序盤は散発的だったのが中盤に入ると激しさを増し、少し休憩を挟んでから一気に鳴るなど流れもあります。
前のシーンと同じくすべてに一切の妥協を許さない魂のこもったサービスが楽しめます。

芹「てっぺんがこう…つるつるの 白髪の ポニテのおじいちゃん?」
いのこ「そう!」
すずな「チョコ味です 旦那様のと私の ソース違うんですね」
最も特徴的なのは彼女たちの掛け合い。
芹が話し始めた花火のことを皮切りにいのこと盛り上がり
それを見たすずなが彼を一人にしないようにと別の話題を振ってあげます。
三人全員が彼を向くのではなく思い思いに話すことで花火見物らしい雑多さを出してます。

他にもビールを飲む音やきゅうりを食べる音が至近距離で鳴ったり
芹が来る直前にとある動物が威嚇する声を上げるなど、このシーンは本当に色んな要素が詰まってます。
店員たちも自然に振舞ってくれますし、道草屋の世界観が忠実に音声化されてるように映りました。

そうやって色んなことを満喫した後、みみかき日記でようやく耳かきを始めます。
膝枕の状態で右耳→左耳の順に耳かき棒と洗浄液つきの綿棒でお世話するシンプルなもので
右耳は掃除後に、左耳は掃除前にいずれも3分程度の甘噛みが入ります。

耳かき棒は「じじー ずっ」という細く乾いた音、綿棒は「ずりずり」という粗く柔らかい音が使われており
前者は奥から手前へ掻き出すようにゆっくりと、後者は耳の壁をなぞるように小さく動きます。
花火の余韻を楽しむ彼を妨げないようにどの音も意識して優しいものに揃えてます。

「こうして 話せることがあると なんだか 夏休みっぽくていいですね」
そして耳かきをするすずなも今日一日を振り返りながら進めます。
これまで体験したことをそのままなぞるだけなので聴き手もイメージがしやすく
一対一に戻ることやバックで流れる虫の声も相まってとても静かな雰囲気が漂ってます。
会話するのは右耳までで、左耳からは子守唄を唄う安眠仕様です。

このように、季節感を大事にした臨場感抜群のサービスが繰り広げられてます。
ひとつの完成形
これまで4年近く続いてきた道草屋シリーズの終着点とも言える作品です。

本格的な夏が訪れた暑い日に、三人の店員さんが思い思いのやり方で主人公に癒しと涼を与えます。
夏らしさを感じる効果音や環境音、細かな位置や動きにまでこだわり抜いたサービス
良い意味で店員らしくない彼女たちのキャラと会話。
聴き手が道草屋にいる気分を出すために色んな方向から働きかけてきます。

道草屋の最も素晴らしいところは、現時点でこれだけ素晴らしい作品を作ってるのに
まだまだ成長しようとする姿勢をサークルさんが見せ続けてることだと思います。
場所やキャラなど基本的な部分はそれほど大きく変わらないものの
どの作品にも必ずと言っていいほど新しい要素を盛り込んでます。

しかもそのことごとくを極めて高い水準で形にできてるのが恐ろしいです。
効果音や環境音は前々から凄かったのですが、本作ではセリフの表現や扱いも抜きん出てます。
主人公を対象にしない会話をここまで有効に使ってる作品を私は他に知りません。
新作を聴くたびに新しい驚きを与えてくれるからこそここまで絶大な人気を誇ってるのでしょう。

サービスについても他の追随を許さない領域に達してます。
すべての行動を音だけで表現できるから会話に余計な部分がなくすべてが自然です。
音についても花火などオリジナリティに溢れるものばかりで聴いててまったく飽きません。
これだけ多種多様な音を取り入れてるのに違和感がないのも道草屋ならではです。

ただただ素晴らしいとしか言いようのない作品です。
色んな部分に感動したし唸らされました。
146分で800円ならコスパも申し分ありません。
以上を踏まえてサークルさんでは11本目の満点とさせていただきました。

CV:すずな…藤堂れんげさん いのこ…箱河ノアさん 芹…雁庵うずめさん
総時間 2:25:49(Barberすずな…1:01:42 夏休み花火大会…43:21 みみかき日記…40:46)

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

鈴の音と共に

サークル「とみみ庵」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、優しくて恥ずかしがり屋な狐巫女が
参拝に来た男性と冬から春にかけての季節をまったり過ごします。

音とキャラの両方が立ってる総合力の高いサービスが行われており
暖かくなるにつれて賑やかさを増す環境音や抜群にリアルかつ多彩な効果音
そして最中に交わされる彼女との心温まるやり取りが様々な癒しを与えてくれます。
寒い冬を二人で暖かく
神社の狐巫女「テン」に耳かきしてもらうお話。

「うぅー 寒い寒い 日差しはよいがまだまだ外は冷えるのう」
テンは古風な言葉遣いをする愛らしい声の女の子。
お参りの際に主人公が鳴らした鈴の音を聞きつけてやって来ると
一緒に休憩所に移動し耳かきしてあげます。

本作品は「鈴の緒を引けば」「鈴の音を聞きに」に続くサークルさんの人気シリーズ第3弾。
まだ寒い日、少し暖かい日、春のある日と3つのシーンに渡って
彼女と出会ってから境内にある休憩所に移動し、癒しのサービスを受けるまでを彼の視点で楽しみます。

過去作から続けて聴いたほうが楽しめるのは間違いありませんが
お話が完全に独立してますし展開もシンプルですから本作からでも問題ありません。
各シーンの時間が60分程度あるので3回に分けて聴くのが丁度いいでしょう。

とみみ庵さんと言えば効果音や環境音に並々ならぬこだわりを持ってるサークルさんです。
本作品でも寒い時期はまばらだった小鳥の声が春に近づくと賑やかになったり
二人が休憩所に近づくにつれて川の流れる音が聞こえ始めたりと音に変化をつけて違った雰囲気を出してます。
音質も本当にリアルですからそれらを聴いてるだけでも相当な癒しが得られます。

効果音についてはメインの耳かきは堅実に行い、それ以外の部分で面白いサービスをします。
主人公が最後に寝入ることを踏まえてどのシーンも安眠に適した優しい音で統一し
耳かき中はセリフを最低限に抑えて眠りやすい環境を整えます。
「仕事などで疲れてる人が聴いたら高確率で寝落ちする」と言えるくらい心安らぐひと時が送れます。

「勘違いするな 迎えに来たわけではないぞ 呼び鈴代わりに鳴らす不届き者がおるから見に来ただけじゃ」
本作品が持つもうひとつの魅力はテンのキャラ。
色んな意味で大事に思ってる主人公が来るたびに嬉しそうな表情を見せ
それを指摘されるとツンデレっぽい態度を取って恥ずかしさを隠します。

過去に何度も耳かきしてる関係なので堅苦しい部分は一切ありません。
それどころか彼に少しでも喜んでもらおうと色々考えてお世話します。
ロリババアっぽいキャラですが尊大に振舞うこともなく純粋に可愛らしい女性です。

リアルかつ多彩な音と親しみを感じる彼女のキャラ。
音フェチ系でありながらキャラも立ってるバランスの取れた作品です。
季節の変化を感じる高品質な耳かき
ここからは各シーンの内容や特徴を紹介します。

一番最初の「まだ寒い日」はおよそ59分間。
いつものように鈴の音に反応して現れたテンが主人公を休憩所に案内し
こたつに入ったまま2種類のカネを聞かせたり耳かきします。

「雨戸があると 同じ居間でも違って見えるじゃろ?」
季節が冬ということで縁側の雨戸は閉めたままにしており
近くを流れる川の音の代わりにストーブの稼動音がバックで流れ続けます。
室温を一定に保つために音量や火の勢いが適度に変化するのがいいですね。
他にもみかんの皮を剥く音が鳴るなど寒い日を二人で過ごす様子を音でしっかり表現しています。

「音が違うということは 伝わる振動も異なるということじゃ」
耳かきを始める前に登場するカネを使ったサービスも個性的。
「ぶぉぉぉぉん」という心地いい振動音を左右同時に鳴らして癒しを与えます。
それぞれでトーンが違いますから同じものでも違った印象を抱くでしょう。
音楽的な美しさがあるのに加えて脳を軽く揺さぶられるような感覚がしてかなり眠くなります。

メインの耳かきは膝枕の状態で右耳→左耳の順に綿棒で大きな汚れを
彼女の尻尾で小さな汚れを取り弱めの風圧で数回息を吹きかけます。

綿棒は「じゅりっ ぷすぷす」と若干ざらつきのある柔らかい音
尻尾は「すすっ ずりずり」と梵天よりも若干硬さがあって毛の長い音が使われており
前者は耳の縁をなぞったり小刻みに擦る、後者は穴のあたりを優しく撫でる動きをします。

これまで有料・無料いずれも数多くの耳かき音声を製作されてるサークルさんなだけあって
「素晴らしい」と言う他に言葉が見つからないレベルの耳かきをされてます。
耳かき音声が数多く出てる現在でもとみみ庵さんの耳かきは間違いなくナンバーワンです。
音質、動き、力加減、間の取り方などすべてがパーフェクトで本当に癒されます。

「わしは好きだぞ ぬしに構うのも こうして耳かきをするのも 楽しんでおる」
最中のテンは何をするかを話す以外はあまり多くを語らず
彼と一緒に過ごすこのひと時をのんびり楽しみます。
冒頭シーンよりもずっと柔らかい声と間を長く取る口調には母親のような穏やかさが漂ってます。

耳かき中に込み入った話題を彼女が投げかけてこないのも本作品の耳かきが安眠に適してる理由のひとつです。
終了後は子守唄を歌ったり肩をぽんぽん叩いて寝かしつけてくれますから
普通に聴くのはもちろん、寝ながら聴くのにも大いに役立ちます。

2番目の「少し暖かい日」はそれより少し後のお話(約56分)。
たまたま境内の掃除をしていた弟子のビャクに案内されて移動し
そこにいたテンに泡洗浄や耳かきをしてもらいます。

ビャク「この方に気持ちよくなって欲しかったんですよね?」
テン「ぬ… ま、まあな」
ビャクが加わり会話しながらサービスするおかげで前のお話よりも賑やかな印象を受けるでしょう。
外が暖かくなってきたのを受けて今回からは雨戸を開けて川の音がバックで流れ始めます。
ビャクは言葉遣いが普通で恋愛に興味があるごく普通の女の子に近いキャラです。

ここでのサービスでポイントとなるのは泡洗浄。
テンとビャクが共同で左右の耳にハケで泡を塗り、綿棒と手ぬぐいで汚れを落とします。
泡を塗る時のぽりぽりした小気味いい音や耳を拭く際の微かな圧迫感と振動が心地よく
二人の明るい会話も相まって雰囲気的にも春が近づいてるのを感じます。

耳かきについてはテンが一人で綿棒と尻尾でお世話しビャクがそれをサポートします。
前のシーンと敢えて同じ内容にしてそれ以外の部分で違いを出す感じですね。

最後の「春のある日」はさらに時が流れた後のお話(約60分)。
今度は最初から境内にいたテンに連れられて移動し
お茶を少し楽しんでから彼女にとあるプレゼントをもらいます。

「おぬしに会うまではただの縁側じゃったが 今ではすっかり 二人の縁側になってしまったの」
今まではまばらだった鳥の声が一気に賑やかになり、春の使者であるウグイスも鳴き始めます。
二人が縁側でお茶を飲むのも空気が暖まってきた証拠です。
セリフではなく周りの情景や登場人物たちの様子で季節の移り変わりを伝えます。

耳かきについては事前のサービスは特に行わず、専用の耳かき棒と梵天で丁寧にお世話します。
主に綿棒を使ってた今までとは音の質感が随分違うと感じるでしょう。
力が適度に抑えられた「ぞり すり」という細くやや硬さのある音が程よい刺激を耳にもたらします。
梵天もふわふわした感触や耳の穴を優しく塞がれる質感が出ていてとてもリアルです。

またここでの耳かきは今まで以上にテンが黙々と手を動かし続けます。
耳かき音声の王道とも言える器具や流れですから、サークルさんの実力が最もよくわかるのではないかなと。
彼のリクエストを受けて珍しいマッサージを一部するなど音の良さを前面に押し出した耳かきが楽しめます。

このように、季節や環境の違いを出しつつじっくり行う面白味に溢れたサービスが行われています。
キャラと音の両方で癒す作品
耳かき音声を構成するありとあらゆる要素が優れた大変癒される作品です。

神社の狐巫女として長い間ここを守り続けてきた女性が
参拝客の男性と三度出会い耳かきや会話をしながら同じ時間をまったり過ごします。
季節の変わり目が舞台となってることを踏まえて各シーンとも環境音の違いや変化に力を入れ
そこに耳かきを中心とした効果音を盛り込み作品の世界を作り上げてます。

「また、来てくれるか? …よかった」
彼より遥かに年上なのに対等な立場で接しようとする彼女の姿にも癒されます。
実際に聴く時の楽しみを奪わないようにレビューでは彼女に関するかなりの部分を伏せました。
耳かき以外のシーンは会話が充実してますので彼女の魅力も十分わかっていただけると思います。

サービスについては耳かきはできるだけシンプルに仕上げて、それ以外の部分にシーンごとの違いを持たせてます。
中でも「まだ寒い日」に登場するカネを鳴らすサービスは音声作品でも非常にレアで
そのリアルな音と振動に多くの人が意識のぼやけや眠気を感じるでしょう。

私はレビューを書くために通しで聴いたのですが
途中で飽きることがまったくなかったし聴いた後は気持ちがスッキリしました。

耳かき音声に興味がある人全員におすすめしたい作品です。
これだけのクオリティとボリュームを持ってるのに価格が300円なのも驚異的と言う他ありません。
以上を踏まえて今回も満点とさせていただきました。
おまけはテンとビャクの両耳かきです。

CV:テン…藤堂れんげさん ビャク…小日向さくらさん
総時間 3:18:29(本編…2:54:42 おまけ…23:47)

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

【ご旅行耳かき】道草屋 いのこ【乳液耳揉み】

サークル「桃色CODE」さんの同人音声作品(R-15指定)。

今回紹介する作品は、道草屋で7人目となる新人店員が
ちょっぴり緊張しながら様々なサービスを行い癒しと安眠を提供します。

定番のサービスに彼女らしさを交えた初々しいおもてなしが行われており
茶道に則ったお茶出しや動物に関する昔話など得意なことをやりながら
言葉使いや態度を徐々に変化させて彼女の内面もわかりやすく描いています。
新人店員と過ごす秋の夜
道草屋の店員「いのこ」にあれこれお世話してもらうお話。

「お客様 お客様…でございますよね?」
いのこは甘く素朴な声の女の子。
遠路はるばるやって来たお客をバス停まで迎えに行き挨拶すると
夜空に浮かぶ月に関する昔話をしながらお店に案内します。

本作品は二人が出合ってからお店に移動し、夕食を食べるまでの「ようこそ」と
食事やお風呂を済ませ眠るまでの「おやすみ」の二部構成。
前者は多種多様な効果音を織り交ぜたサービスで秋の日をのんびり過ごす様子を
後者は彼女のお話や仕草といった人間味を中心に描いて癒しを与えます。

前回新しく加入したたびらこが2015年3月ですから、およそ1年半ぶりの新人店員さんですね。
彼女も癒し路線を維持しつつ他の店員さんとは違う固有のサービスを行います。

サークルさんがこの作品で掲げられてるテーマは「旅行感」。
10分ほどの時間を割いてお店に行くまでのシーンを描いたり、到着後は軽い説明をするなど
家庭的な印象が強い普段の道草屋に比べると旅館っぽさを出しています。
聴いた感じだと今回初めてお客の相手をするいのこの研修も兼ねてるようです。

「できるだけ力を込めるために お背中跨いでしまっても よろしいでございましょうか?」
また彼女も多くのシーンで意識して丁寧な言葉使いをします。
年下系の声なので堅苦しさはそれほど感じないでしょうが
音声作品を色々聴いてる人だとその話しぶりにちょっとした違和感を覚えると思います。
それもそのはず、彼女はお客に嫌な気分をさせないよう頑張ってそうしてるのです。

本作品における最大の魅力は彼女が見せる「拙さ、未熟さ」です。
それをより引き立たせるために「ようこそ」では多少気まずい雰囲気になる場面がいくつかあります。
その一方で「おやすみ」は彼女が伸び伸びとお世話するシーンが多く
頼りない新人が今回のおもてなしを通じて一皮剥ける様子を表現しています。
サービス自体はしっかりしてるのですが、合間に入るやり取りなどに不器用さが見られます。

道草屋シリーズは店員のキャラ、効果音(サービス)、環境音(雰囲気)のバランスが取れてるのが持ち味です。
どれかひとつが優れてる作品はそれなりにありますが、すべてが高水準な作品はほとんどありません。
しかし、この作品はいつもよりキャラの個性を強く出す路線で作られてます。

シリーズを聴いてる人でもいつもと何かが違うと感じるのではないでしょうか。
他の店員が個性派揃いですし、それに負けないよう彼女の良さをアピールしながらお世話します。
鮮やかな手つきと美味しいお茶
ここからは各サービスの内容を紹介していきます。

第一部の「ようこそ」は4パート35分ほど。
バス停からお店に到着するまで月に関する簡単な昔話をし
部屋に着いてからはいのこ固有のサービス「お茶出し」へと移ります。

「むかーしむかし そのまたむかし 猿と狐と兎が 神様のところへ行きました」
昔話は三匹の動物が神様にとあるお願いをする、といったもの。
月の影の模様が兎に見える理由に関するお話なので主人公はもちろん兎です。
ストーリーを話すとつまらないでしょうから詳細は伏せます。
彼女は続く第二部の「おやすみ」でも動物に関する面白いお話を聞かせてくれます。

「ようこそ」のメインとも言えるお茶出しはおよそ10分間。
用意したお茶碗を温め、茶入れに入った抹茶を茶杓で二回掬い、お湯を注いで茶筅でかき混ぜます。
茶道の心得がある彼女の特性を活かした本格的なサービスですね。

「静寂の中にある小さなものを 時間を忘れて ゆっくりお楽しみいただくのが お点前です」
彼女自身がこう言ってるように、最中はセリフを必要最低限にまで減らし
お客が飲むシーンも含めたすべての様子をほぼ効果音だけで表現します。
特にお湯を沸かす時に鳴るちりちりした音や茶筅でかき回す音が耳に心地いいです。
おそらく今後の作品ではよりパワーアップした茶席が用意されると思われます。

新人店員らしさが最もよく出てるのは最後の「ご宿泊のご説明」パート。
名前の通り今後行うサービスの流れを説明するだけのシーンですが
彼女が初めての経験に緊張したり戸惑ってる様子が色濃く出ています。

「お風呂についてでございますが だいじょくじょ んん だい…よくじょう お待ちください…手汗が」
お風呂の説明をする時に噛むのが面白いですね。
普通ならNGにあたる要素を敢えて取り入れ、彼女の心情をわかりやすく描いてます。
これ以前のシーンでも話し方にぎこちなさを感じますし、芹やはこべらといった年上系の店員たちとは違う魅力があります。
調子に乗って大胆に
第二部の「おやすみ」は9パート82分間。
温泉から出たお客がぐっすり眠れるようにいのこが肩と耳のマッサージ、耳かき、昔話をします。

マッサージは肩の方は拳でとんとん叩いたり手のひらで擦るスタンダードなものですが
耳はタイトルにもなっている乳液を使って両方同時にゆっくり揉みます。
まだ慣れてないのを踏まえて第二部のサービスはどれもゆっくり丁寧に行います。

「すりゅー ぎゅぴっ」と手に力を入れて離す乳液耳揉みの音はとてもリアルで
最中は音が篭るだけでなく実際に耳を手で覆われてるような軽い圧迫感も味わえます。
音だけで聴覚以外の感覚を刺激されるのは不思議で面白いです。

「その年に取れたお米で お赤飯とお餅を作って ちょっとずつ食べるのでございます」
また彼女も第一部から時間を置いてリラックスしたのか
手を動かしながらここで働くことになった経緯や村で間もなく始まる秋祭りについて語ります。
音と会話の両方で楽しませる道草屋シリーズの持ち味がここから発揮されます。

第二部のメインとなる耳かきは41分30秒と長め。
膝枕ではなく布団に寝た状態で左耳→右耳の順に耳かき棒と綿棒を使って汚れを取り
仕上げに弱めの風圧で1~2回息吹きします。
また左耳はお掃除の後、右耳はお掃除を始める前に6分程度の甘噛みをします。

耳かき棒は「ずり じり」という乾いた細い音、綿棒は「ずしゅっ ぱちぱち」と面積が広く柔らかな音が使われており
前者は位置を細かく変えながら掻き出すように、後者は大きく動かさず細かい汚れを絡め取るように動きます。
器具の違いが音でちゃんと出てますし、耳かき棒は手前と奥で音質が微妙に変化します。
スタンダードかつ質の高い耳かきと言えます。

「コーヒーは苦手ですが カプチーノはまた飲みたいですね」
「ふふっ 耳たぶぺちぺちでございます」

最中の彼女の態度も大きなポイント。
「~でございます」をよく言ってたこれまでよりも口調が若干柔らかくなり
カプチーノのまろやかな口当たりを自分で出そうとして失敗した話をします。
また合間に入る甘噛みでは舌を使って彼の耳たぶを軽くぺしぺしします。

差し支えないレベルで悪戯するようになったのは彼女の気持ちがほぐれた証拠です。
こんな風に言葉そのものではなくしゃべり方や行為によって心の変化を伝えてくれます。
甘噛みはR-15ですから水分控えめの大人しいちゅぱ音が中心です。

最後に登場する昔話はおよそ22分間。
一本目のお話は右耳の耳かきと同時に、二本目は彼に添い寝しながら行います。

「猪は…ふぁぁ 猪は 亀をひっくり返そうと 亀は 猪を持ち上げようと 牙をかっちん 甲羅をかっちん」
こちらも月の昔話と同じく動物たちのやり取りを描いたものばかり。
お客とすっかり打ち解けて緊張の糸が切れたのか
しばらくすると彼女が欠伸を始め、お話のペースも後になるほど緩やかになります。
最終パートは半分近くの時間で彼女の寝息が流れる安眠仕様です。

このように、彼女の持ち味を盛り込んだ温かなサービスが繰り広げられています。
キャラ重視の作品
効果音や環境音よりもいのこの仕草のほうがずっと耳を惹く作品です。

いのこは道草屋にわざわざやって来たお客が充実した一夜を過ごせるように
基本となる耳かきとマッサージに加えてお茶出しや動物に関する昔話をします。
どちらも今まで登場した店員にはない要素で前者は音、後者は声と異なる癒しの方向性を持ってます。
特にお茶出しは家だとまずできない本格的なもので旅館らしさが出ています。

「今は緊張も抜けて しっかり働けてございますが お客様が怖い人ではなくて よかったでございます」
それよりもずっと印象的だったのが彼女の言葉使いです。
違和感を覚える言い回しをわざとすることで緊張具合を遠まわしに伝えます。

新人店員というと失敗するのがよくあることですが、それでは癒し系作品としてまずいですし
サービスとは直結しない形で未熟さや初々しさを持たせてるのが素晴らしいです。
昔話をする際に動物の鳴き真似をしてくれるのにも愛らしさを感じます。

サービスについては新しく登場した二つ以外は割と普通かなと。
乳液耳揉みはそのそもの時間が短いですし、甘噛みもゾクゾクするほどの刺激は与えてきません。
毎回力を入れてる季節感が今回控えめなのもキャラが立ってると感じた大きな理由です。

新人店員が一生懸命お世話する様子を和やかに描いた作品です。

CV:いのこ…箱河ノアさん すずな…藤堂れんげさん(登場時間は30秒程度)
総時間 1:57:02(ようこそ…34:42 おやすみ…1:22:20)

オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は8点。
117分700円とコスパが良いので+1してあります。

鈴の音を聞きに

サークル「とみみ庵」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、古風な言葉使いをするちょっぴりツンデレな巫女が
神社を再び訪れた主人公に様々な耳かきをしてあげます。

シーンごとに雰囲気・道具・場所が異なる多彩な耳かきが行われており
最中に鳴るリアルな効果音やバックで流れる涼やかな環境音が癒しや眠気を与えてくれます。
真夏を彩る涼やかな物語
神社の巫女テンに3種類の耳かきをしてもらうお話。

「ふー こうも暑いと掃除も身が入らぬ」
テンは可愛くて落ち着いた声のお姉さん。
とある夏の日、久しぶりに神社を訪れた主人公を嬉しそうに迎えると
境内にある建物へ案内し麦茶とスイカを振舞います。

本作品は今年4月に発売された「鈴の緒を引けば」の続編にあたり
久しぶりの日、別の日、また別の日の3日間を2人が過ごす様子が描かれています。
シリーズ作品ですが内容は独立してますので本作から聴き始めても問題ありません。
むしろ今の時期ならこちらから聴いた方が季節がマッチしていて楽しみやすいと思います。

各シーンの流れは参拝に来た彼が拝殿に吊るされてる鈴を鳴らし
来訪に気づいた彼女が現れ、軽い会話の後耳かきをします。
そして事後は彼女に膝枕されながらゆっくりと眠りにつきます。
基本的な流れや時間はほぼ同じになってますから、一気に聴かずに日を分けたほうがいいでしょう。

マッサージやヘッドスパなど様々なタイプの癒し系作品が出ている現在において
耳かき一本で勝負するのは味気なく感じるかもしれません。
しかし実際は日ごとに耳かきの内容や周りの環境がガラリと変化し
その一部始終を高品質かつ多彩な効果音や環境音で極めてリアルに表現しています。

「耳かき」というひとつのサービスをとことん掘り下げ、磨き上げてる作品です。
耳かき音声を数多く作られてるとみみ庵さんだからこそできる要素がいくつも登場します。
他にも麦茶を入れる音やスイカを食べる音など、耳かき以外の部分でも必ず効果音が鳴ります。
最中は都会の喧騒を忘れ、神社に本当にいるような心安らぐ気分が味わえます。

「いつぞやのこと覚えておるか? 年長者の誘いは 断ってはならぬと言うたからの ふふふ」
耳かきをしてくれるテンの存在も忘れてはいけません。
前作で何度か耳かきしている経緯もあって最初から親しげな態度で語りかけ
その度に喜んだり、すねたり、恥ずかしがったりと多彩な表情を見せてくれます。
そして彼女が体を動かす際には「ちりりん」と涼やかな鈴の音が鳴ります。

口調だけを見ると近寄りがたい雰囲気を感じるのですが
実際は自分の気持ちを素直に伝えられない寂しがり屋な女の子です。
ツンデレっぽい部分も持ち合わせていて愛嬌を感じます。
音が良いだけでなくキャラも立ってる作品と言えます。

ビャク「明日たらふく食べようとおっしゃってたではないですか? この方と食べたかったんですよね?」
テン「ビャークー 余計なことは言わんでよい」
ちなみに今作では彼女の弟子にあたるビャクという女の子も登場します。
各シーンの冒頭や終わりにほんの少し顔を出す程度なのですが
テンが密かに思ってることを代弁して彼女を困らせる和やかなやり取りが交わされます。
一人ぼっちだった前作に比べると賑やかな印象を受けます。
キャラと音の両方で癒すリアルな耳かき
ここからは各シーンの特徴や魅力を紹介します。

一番最初の「久しぶりの日」は二人が久々の再開を喜ぶところから始まり
境内にある建物に移動してから麦茶とスイカを味わい耳かきへと移ります。

夏らしいセミの声がやや遠くから聞こえてたかと思えば
二人が建物に近づくにつれて小川の音が流れ始め、その音量が徐々に大きくなるなど
物語の序盤から持ち味の音を使って作品の世界に引き込んでくれます。
特に小川の音は耳かき中も流れるのでこれだけでも相当な癒しが得られます。

メインとなる耳かきはおよそ30分間。
膝枕の状態でまずは手ぬぐいを使って顔の汗を拭き取り
それから右耳→左耳の順に2種類の耳かき棒と尻尾で綺麗にし、最後に弱めの風圧で息を吹きかけます。

耳かき棒は「そりそり ずずっ」と若干硬くて尖った音が使われており
ゆっくりペースで耳の壁を大きくなぞったり小さく掻き出すように動きます。
サークルさんの過去作と同じく音質・動き・力加減すべてに気を遣っていてとてもリアルです。

「次は耳の奥なんじゃが この匙のところが ハケのようになっている耳かきを使おうと思っていてな」
この日の耳かきで最も特徴的なのが2番目に登場する耳かき棒。
普通のものとは違って先端がブラシ状になっており、耳の奥にある汚れを上手に絡め取ります。
「ぱちぱち ぷちっ」という通常の耳かきよりも細く軽い音も耳に心地いい刺激をもたらします。
本作品の耳かきは音のバリエーションが非常に多彩で聴いていて本当に面白いです。

その直後に登場する尻尾での仕上げも本作品ならでは。
「しゅるっ すりすり」と梵天よりもサイズが大きく滑らかで柔らかな音が耳を包み込みます。
ふわふわとしたきめ細かな感触を音だけでここまで表現している作品はなかなかありません。
耳の中でリズミカルに回転させたり軽く払う動きもリアルです。

「わしも ぬしにする耳かきを 恋しく思うておった」
最中のテンは手を動かしてる間は微かな息遣いを漏らすことが多く
合間合間に入る休憩の際に今の気持ちを素直に語ります。
冒頭のパートよりも穏やかな口調や飾らないセリフに別の癒しを感じるでしょうね。
音重視なんだけど彼女の魅力もきちんと引き立ってるところが見事です。

二番目の「別の日」は雨の日のお話。
大粒の雨がそれなりに激しく降る中、同じ建物でテンが別タイプの耳かきをプレゼントします。

「この道具はな 直接耳を掃除するものではなく 緊張をほぐし 癒しを得るものなのじゃ」
このシーンで最も特徴的な音は最初に出てくる不思議な鐘。
左右の耳に挿入し、鐘を叩く音で耳垢を浮かせたり癒しを与えます。
「ぶぉぉぉん」という軽い振動音が左右交互に鳴り響く感覚はなんとも独特で
耳かき音声を数多く聴いてきた人でも新鮮な感覚で楽しめます。

他のもので例えるならごくごく微弱なモーター音といったところでしょうか。
こういう器具を使う作品は私も初めて聴きました。

耳かきについては膝枕の状態で先ほどの器具を使用し
綿棒・梵天・息吹きを順に使い分けて汚れを隅々まで落とします。
同じ耳かきでも使用する器具が初日とまったく違うわけです。
当然のようにどの器具も非の打ち所が無いほどクオリティが高く
バックで流れ続ける小川の音や雨音も相まって聴けば聴くほど眠くなってきます。

最後に登場する「また別の日」はさらに後のお話。
主人公を普段の建物ではなく離れへ案内したテンが基本に立ち返った耳かきをします。

「今はガラスの風鈴が主流じゃったな 鉄器の風鈴もいい音色じゃろ?」
ここでは今までずっと聞こえていた小川の音に代わって鉄の風鈴が鳴り響き
ガラスよりも反響が弱い澄んだ音に夏の風情を感じます。
獣や虫があまり寄りつかない建物ということで環境音がほとんど聞こえず
以前の2つのシーンに比べて静かで落ち着いた雰囲気が漂っています。

耳かきについては方針を大きく転換し耳かき棒と梵天だけでお手入れします。
しかし耳垢をはがして取り出すシーンになると効果音がジャリジャリしたり
奥をお掃除する際に変わったサービスをするなど、シンプルな中に工夫を込めたご奉仕が楽しめます。
テンのちょっぴりしんみりした会話も心を潤します。

このように、高品質な音を駆使した幅広く奥深い耳かきが繰り広げられています。
風情を感じる作品
純粋な癒しだけでなく涼しさも感じさせてくれる作品です。

夏の暑い日に緑豊かな神社に訪れた主人公が可愛らしい巫女と再会し
他愛もない会話や耳かきをしてゆっくり、のんびり過ごします。
音声の開幕から丁度いい音量で流れ続ける環境音がとても心地よく
現実世界のノイズを遮断し作品の世界にすんなり引き込んでくれます。

音声作品はこのところ声や音の品質が格段にレベルアップしてますが
それでも本作品のように環境音を常に流し、シーンや場所に応じて使い分ける作品は少ないです。
今回は小川が近くにある建物、雨の日、静かな建物と大きな違いを設け
聴き手が自然と「その場にいる」気分が味わえる演出がなされています。
特に水の音のボリュームと質感が良いのでスッキリした気分が得られます。

環境音と対を成す効果音についても砂利道を歩く音、雨粒が傘にぶつかる音
体を動かしたときに微かに鳴る布の摩擦音など、本当に細かいところまできちんと用意されてます。
耳かき自体の音ももちろん大事ですが、こういった脇役が作品の没入感をより強めるのに役立ちます。
全体の作りがシンプルだからこそ、細部にとことんこだわり品質を押し上げています。

「会いにきてくれて ありがとう」
テンについては本レビューではあまり説明できませんでしたが
前作に比べると丸くなったと言いますか、素直に気持ちを伝えることが増えたように感じます。
自分にひたすら甘えてくる主人公に感化されたのかもしれません。
一緒に住み始めたビャクの存在も含めて今後どうなるかが楽しみです。

しっかりした世界観に基づく極上の耳かきが楽しめる作品です。
総時間195分でたったの300円とコスパも抜群。
以上を踏まえて本作品をサークルさんでは9本目の満点とさせていただきました。

おまけはビャクの耳かきです。

CV:テン…藤堂れんげさん ビャク…小日向さくらさん
総時間 3:15:52(本編…2:47:34 おまけ…28:18)

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

【散髪シャンプー】道草屋 すずな『バーバーすずな』【二人で耳かき】

サークル「桃色CODE」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、それぞれに違った個性を持つ2人の女の子が
神社やお店の裏で趣向を凝らした癒しのサービスを提供します。

すべてのサービスを野外で行っているのが最大の特徴で
様々な鳥の音や池の水がはねる音、夕暮れに鳴るチャイムの音など
室内とは違うタイプの音を組み合わせて春の野外らしさを演出しています。
春の日は野外でのんびり
道草屋の店員「すずな」と「はこべら」からサービスを受けるお話。

「旦那様 お散歩ですか?」
すずなは明るくて可愛い声の女の子。
「だーれだ? はこべらです」
はこべらは上品で落ち着いた声のお姉さん。
道草屋の近くにある神社にやって来たお客に声をかけると
花見をしながら池の鯉に餌をやり始めます。

本作品は大きく2つのシーンに分かれており
前半は2人と神社で耳かきしながらまったり過ごす様子を
後半はお店に戻ってすずなに髪のお手入れをしてもらう様子を楽しみます。
はこべらが登場するのは前半のみです。

道草屋シリーズと言えば個性的な店員はもちろん、効果音や環境音が生み出すリアルな雰囲気も魅力です。
今作では敢えてすべてのサービスを屋外で行い
最中は鳥の鳴き声など自然の生き物たちが生み出す多彩な音がバックで鳴り響きます。

環境音にかなり力を入れている作品と思ってください。

最もよく聞こえる鳥の声についても単一のものを延々と鳴らすのではなく
スズメ、カラス、ウグイスなど5種類くらいの鳴き声が登場します。
しかも彼らがいる場所や時間帯によってそれらの割合が変化していく凝った演出がされています。
どの音も実録したとしか思えないほどリアルで透き通っています。

はこべら「指先の 空気の吹き溜まりまで しっかり換気されると 体の末端が 温かく感じるんですよ」
すずな「ええ 清清しいです」
はこべら「冗談です」
お客の相手を務める2人のキャラもポイント。
すずなは田舎育ちの純朴な女の子、はこべらは世間慣れした大人の女性なこともあり
前半ははこべらがすずなを軽くからかう微笑ましいやり取りを交わします。
そして後半はすずなだけになり、表裏のないお話で心を潤してくれます。

前半ははこべら、後半はすずなのセリフを中心に物語が進みますので
同じ作品でもやや違った雰囲気を感じるでしょうね。
場所、サービス、店員など作品を構成する要素を上手に切り替え個性を出しています。
春らしい華やかさのある神社でのサービス
前半の「青空耳かき」はおよそ52分間。
神社にやって来た3人が池の鯉に餌をやったり一緒にハッサクを食べた後耳かきをします。

耳かき以外は脇役みたいな印象を抱くかもしれません。
ですが実際に聴いてみるとそれらの様子を音を使って面白く表現しています。

はこべら「私 というか 普通人(のヒエラルキー)は上のほうですね 圧倒的なプレデターですから」
すずな「ふむ 今日は横文字が多いです」
例えば鯉に餌をやるシーンではバックで「ぽちょん」という水の音が適度に鳴り響き
鯉やお客の様子を見て2人が楽しそうな会話をします。
作品の世界に聴き手を引き込む「掴み」の役割を担う重要なシーンです。

さらに面白いのがその後のハッサクを食べるシーン。
はこべらとすずなが交互に食べさせてくれるのですが
その際に2人の声が一気に近づき、同時に耳のすぐ下あたりでもぐもぐと微かな咀嚼音が鳴ります。
お客が食べてる様子を音だけで主観的に表現しているわけです。

骨格の中にマイクを埋め込んで録音されたらしく
咀嚼音と同時に実際に物を食べてるときのような鈍い振動が伝わってきます。
2人の声の位置や距離も実際の動作にとても近く臨場感があります。
体験版の1分50秒頃に収録されてますので興味のある方は聴いてみてください。
言葉で説明するよりそうしたほうがずっとわかりやすいです。

メインのサービスとなる耳かきはおよそ24分間。
膝枕の状態ではこべらが右耳を、すずなが左耳を担当し
どちらも耳かき棒と綿棒で汚れを取り、仕上げに弱めの風圧で軽く息を吹きかけます。
野外でする耳かきなので内容はかなりシンプルです。

耳かき棒は「ずじっ じょりっ」と乾いた細い音
綿棒は「じりじり ぱちぱち」と幅広く柔らかな音が使われており
前者は耳の壁を優しく撫でるように、後者は軸をゆっくり回転させるように動きます。
音の質感、動きいずれもリアルな方と言えます。

担当する店員によって動きが微妙に変化するのもいいですね。
はこべらは彼女の穏やかな性格を反映するようにゆっくりと長いストロークで
すずなはそれよりもやや速いペースで小刻みに器具を動かします。
使っている器具は同じなんだけど右と左でやや違った感覚が伝わってくると思います。

すずな「本当は篠笛が吹きたかったんですけど 篠笛は 三番目に年上の子が吹くことになってて」
はこべら「篠笛も 小太鼓も いい音色ですよねぇ」
最中の会話はすずなが子供の頃に参加した祭りの話や
彼女が時折口ずさむアイヌの子守唄の話など他愛もないものばかり。
それらに耳かき音や環境音が加わって華やかな印象を受けます。
うるさいのではなく声や音がコンビネーションを取ってる感じです。
あなただけの床屋さん
後半の「Barberすずな」はおよそ40分間。
お店に戻った後、お風呂場の裏手に用意した椅子と洗面台を使って
すずながお客の髪を整えたり洗ったりしてあげます。

サービスの流れは肩叩きに始まり、襟に布を巻いてから霧吹きをかけて髪を濡らし
ハサミを使って全体をバランスよく切り揃え、シャンプーとトリートメントで洗い最後にドライヤーで乾かします。
彼女がメインを務めた前作「【アイヌ系】道草屋 すずな 囲炉裏の音【うたた寝音声】」よりも
さらに本格的なサービスが楽しめます。

シャクシャクという小気味良い金属音が鳴り響くハサミ
「ぷしゅ しゃわしゃわ」と独特な質感が心地いいシャンプー
左右にスライドさせ、耳に当たった時は「ぼぼぼっ」と軽い風圧を感じるドライヤーなど
散髪を構成する効果音も非の打ち所がないほどリアルなものばかり。
前半が2人の会話を中心としていたのに対し、後半は音を前面に押し出しながら進めています。

「最近はいつもここで切ってるんです お店の人のを揃えたり このあたりのおじいちゃん おばあちゃん」
「今年は 花火も見に行きたいです 手で持つのじゃなくて 打ち上げるやつを 遠くからじゃなくて 真下から」

最中のすずなは熱心に髪を切る一方で
散髪の腕や子供の頃のこと、間もなく訪れる夏への抱負などを嬉しそうに話します。
前半に比べるとセリフのボリュームはやや減ってるものの
どこを切っているとかの事務的なことは一切言わず、終始リラックスした様子でお世話します。
彼女がそばにいて、髪を切ってくれている雰囲気が十分に出ています。
春のように暖かい作品
3人が春の日を過ごす様子をそのまま切り取ったような癒しに満ちた作品です。

すずなとはこべらは道草屋に遠路はるばるやって来たお客に満足してもらおうと
敢えて専門店の枠から飛び出す形であれこれお世話します。
前半はお店の近くにある神社でお花見と耳かきを、後半はお店の外に設置した機材で散髪といった具合に
春という過ごしやすい時期を考慮しすべてを屋外で行っています。
そしてその様子を多種多様な環境音を駆使してリアルに表現しています。

専門店でのサービスと言えばお店の中でするのが当たり前ですから
この真逆の発想は実に面白いです。
しかもそれをサービスにちゃんと活かしているのだから尚更素晴らしいです。
道草屋シリーズはお店の周辺一帯を舞台としている風潮がありますし
だからこそこういう思い切ったことをやってみたのだと思います。

前半と後半でサービスをする場所、担当する店員、内容を切り替え
別の方向から癒しを与えてくれている点も実に良いです。
作品名を見ていただければわかるように今回の主役は明らかにすずなです。
でも前半ははこべらをリード兼ちょっかいを出す役に回し、すずなのピュアな部分を引き立てています。
そして後半は1対1の状態で彼女固有のサービスとお話で盛り上げています。

店員を複数人同時に登場させる演出も道草屋シリーズならではですし
サークルさんが聴き手を飽きさせないよう工夫されているのがよくわかります。
聴いてて純粋に面白いから世界に自然と引き込まれ、癒しを感じるのだと思います。

今の季節にぴったりな作品です。
総時間93分に対し800円とコスパも申し分ありません。
以上のことから本作品をサークルさんでは7本目の満点とさせていただきました。

CV:すずな…藤堂れんげさん はこべら…琴香さん
総時間 1:33:02(青空耳かき 52:24 Barberすずな 40:38)

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

鈴の緒を引けば

サークル「とみみ庵」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、古風な言葉使いをする寂しがり屋の巫女が
神社に偶然訪れた主人公を心のこもった耳かきでもてなします。

物語を3つに分けそれぞれで異なるスタイルの耳かきをしているのが特徴で
耳かき棒、梵天、綿棒などが生み出す効果音と
境内に流れる涼やかな川の音や雨音が大きな癒しを与えてくれます。
川の流れる静かな神社で
狐巫女のテンに耳かきしてもらうお話。

「鈴の緒を鳴らす音がするから来てみれば 本当に人がおったわ」
テンは可愛くて落ち着いた声のお姉さん。
散歩中に見つけたとある神社で拝んでいる主人公に声をかけると
退屈しのぎに一緒にお茶でも飲もうと誘います。

本作品は二人が初めて出会った日、しばらくした別の日、そのまた後日の3部構成。
どのシーンも冒頭に縁側で寛ぎながら軽い会話をし
それから日に応じて器具を変えながら彼女が耳かきします。

1日あたりの時間が40分前後と手ごろな長さになってますから
無理に通しで聴こうとせず日を分けて楽しむのがいいでしょう。
1日分だけでも十分過ぎるほどの癒しのパワーを持っています。

とみみ庵さんと言えばニコニコ動画で耳かき音声をいくつも出されているほど
耳かきに並々ならぬ情熱を燃やしているサークルさんです。
今作でも耳かきに合計70分近くもの時間を用意し
その中で専門店よりは家庭に近い多彩で温かなサービスを行っています。
耳かき好きなら間違いなく満足できる作品です。

「うむ 快晴快晴 縁側で茶を飲むにはうってつけじゃな」
耳かきをしてくれるテンのキャラも大きなポイント。
「~じゃ」など特徴的な話し方をするのに加えて
ひと気のない神社を訪れてくれた彼のために一生懸命尽くします。

最初からフレンドリーに接してくれるおかげで尊大さは特に感じられず
和やかで落ち着いた雰囲気が終始漂っています。
またこの神社は境内に川が流れているらしく、縁側に移動すると涼やかな水の音が流れ始めます。

リアルな効果音と環境音、テンの和風で可愛いキャラ。
そういった諸々の要素を上手に組み合わせて物語の世界をリアルに表現しています。
没入感が得やすい点も癒しにプラスに働いていると言えます。
徐々に変化していく環境とテンの態度
一番最初の「出会いの日」はおよそ37分間。
神社に初めて訪れた主人公がテンと出会い少し会話をした後で
元々団小屋だった建物の縁側に移動し、お茶を飲んだり耳かきをしてもらいます。

本作品はシーンごとに環境音が切り替わる凝った演出がされており
二人が縁側に移動する際にも川の音が徐々に近づき大きくなります。
また雨が降る日には最中に雨足が微妙に変化したりもします。

この日の耳かきの時間はおよそ21分30秒間。
膝枕の状態で右耳→左耳の順に耳かき棒を使って大きな汚れを取り
仕上げに梵天や息吹きをするシンプルなものです。

耳かき棒は「ぞり ずずっ」と細く硬さのある音
梵天は「すすっ しゅっ」と柔らかく広がりのある音が使われており
前者は耳の壁をなぞるようにゆっくりと、後者は軸を持って小刻みに回転させたり掻き出す動きをします。

数々の耳かき音声を作られてるサークルさんなだけあって
音の質、動かし方いずれも文句のつけようがないほどに優れています。
特に耳かき棒は手前と奥で別の音と動きが楽しめます。
梵天も実際に耳に入れられてるようなこそばゆい感触がして面白いです。

「ゆーっくり 入れるからのう」
最中のテンは久しぶりの耳かきで緊張しているのか
あまり多くをしゃべらずに彼の耳を傷つけないよう全体的にゆっくり動かします。
おぼつかないというよりは丁寧にやってる感じです。

そしてセリフがあまりないからこそ効果音や環境音に集中しやすく
聴いてると自然と心が落ち着いたり眠くなるほどの安らぎを感じます。
二人がまだ会ったばかりということでキャラよりは音の方に魅力を感じるシーンです。

2番目の「別の日」は41分30秒ほど。
再び神社を訪れ鈴の緒を引くとテンが現れ
初日よりもずっと人懐っこい態度であれこれお世話します。

「わ、わしの話し相手になってゆかんか? 嫌なら無理にとは言わぬが…」
彼女は立場上なかなか素直になれないところがあり
彼の気持ちを考えながら語りかけるシーンをよく見かけます。
かといって自分の気持ちを完全に隠しきれてるわけでもなく、その不器用な姿には愛らしさを感じます。
ツンデレというよりは恥ずかしがり屋な印象ですね。

縁側に移動した後で始まる耳かきについても
前回とは違い主に綿棒を使って耳を綺麗にします。
一日ごとに別の器具やサービスが登場するのも本作品が持つ特徴のひとつです。

綿棒は「すすっ ずりずり」と耳かき棒より面積が広く柔らかな音が使われており
耳の穴の縁や中の壁を円を描くようにゆっくり動かします。

実際に聴いてみると耳かき棒とまったく違う動きをしているのに気づくでしょう。
音に若干の引っ掛かりがあるのも特徴的です。
器具ごとに最適な音や動かし方をしているあたりにサークルさんのこだわりがよく出ています。

「やむをえんのう そのまま目を瞑っておるのだぞ?」
またこの日は彼女が変わった方法で耳の細かい汚れを落とすシーンが登場します。
今までのどの器具とも違う滑らかな音が鳴りこちらもリアリティがあります。
彼女が彼に対して心を開き始めているのが行為によっても表現されています。

最後の「また別の日」は43分間。
神社で二人が会話を始めた直後に雨が降り出し
雨宿りも兼ねてテンが再度の耳かきをしてあげます。

「耳のな 穴ではなく外じゃ 手ぬぐいで少し拭いておこうと思ってな」
耳かき自体は耳かき棒と梵天を使う1日目とほぼ同じスタイルなのですが
開始前に彼女が手ぬぐいで耳を綺麗にするサービスが追加されています。
神社なので手の込んだことはできないけど感謝の気持ちは伝えたい。
そんな彼女の彼に対する感情が滲み出ているシーンと言えます。

またバックで流れる雨音も1日目とは違った雰囲気を生み出しています。
場所が同じだから当然川の流れる音もするわけで
2種類の水音が自然な癒しを与えてくれます。

このように、日によって異なるサービスや要素を交えたきめ細かい耳かきが繰り広げられています。
ストーリー性のある耳かき作品
耳かきの要である効果音、バックで流れる鳥の声や川の音、テンの優しくて愛らしいキャラなど
ほっとしたり癒される要素を数多く持ってる良作です。

テンは久しぶりに神社にやって来た主人公を気に入ったのか
最初から対等の立場で彼に語りかけ、自分にできる限りのサービスを提供します。
やってることは世間話、耳かき、膝枕による添い寝とシンプルなものばかりなのですが
ちょっとしたセリフや動作に彼女の「彼と一緒にいたい、癒したい」気持ちが表れていて
後になるほど心がぽかぽかしてきます。

そして二人がどんな場所にいるのか、彼女がどのようにお世話しているのかを
様々な効果音を組み合わせてリアルに表現しています。

今回はほとんどのシーンで川の音が流れますからそれだけでも相当な癒しを感じます。
耳かきについても現実さながらの音や動きがされていて隙がありません。
個々の素材に高いクオリティを持たせ、それを損なわないように融合しています。
テンが体を動かすたびに耳にかけてある鈴が鳴るのも実に良いです。

「また会いに来るといい わしはここで待っておるからな」
ストーリーについても二人が親密になっていく様子を和やかに描いています。
サークルさんの別シリーズ「休日屋」のように込み入った展開にもなりませんし
純粋に癒しだけを提供する作りです。

質の高い耳かきと女性の優しさが心に潤いを与えてくれる作品です。
合計2時間でたったの300円とコスパも申し分ありません。
以上を踏まえて本作品をサークルさんでは8本目の満点とさせていただきました。

CV:藤堂れんげさん
総時間 2:02:26(出会いの日…37:38 別の日…41:28 また別の日…43:20)

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

休日屋 ━真家━

サークル「とみみ庵」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、人里離れた場所にある癒し系専門店で
素朴な店員さんとのんびりまったり休日を過ごします。

一緒にご飯を食べる、散歩するといった家庭らしさを重視したサービス
シリーズ3作目に相応しい登場人物の心情もわかりやすく描いたセリフなど
従来の専門店系作品とは違った切り口で癒しを与えてくれます。
休日屋で過ごす最後の一日
休日屋の店員「安土日向(あづちひなた)」と一日を過ごすお話。

「お久しぶりです 安土日向です 首をながーくしてお待ちしてました」
日向は明るくて可愛い声の女の子。
再び休日屋にやって来たお客を最寄りの駅まで迎えに行くと
世間話をしながらお店まで徒歩で一緒に向かいます。

本作品は昨年4月に発売された「休日屋」、同8月の「休日屋 ━丹の家━」に引き続き
彼女がほぼ一日中つきっきりで多種多様なサービスを提供します。

耳かきやマッサージといった専門店ではお馴染みのサービスに加えて
お店の中を探検する、風呂上りにアイスを食べるといったあまり見かけないシーンも登場したりと
店名通り彼女と休日を過ごす様子をありのままに描いているのが特徴です。
家庭らしさを感じる要素がとても多いので聴いてると自然にほっこりします。

とみみ庵さんと言えば効果音のクオリティが極めて高いことで有名なサークルさんです。
本作品もその例に漏れず、日向やお客のありとあらゆる動作に専用の効果音を用意し
それらを組み合わせることで休日屋の雰囲気をリアルに表現しています。
同じ足音でも外と中では当然違いますし、登場人物の心情を音だけで演出する面白いシーンもあります。

「手…繋いで えへへ ぎゅっ」
お相手を務める日向のキャラも大きなポイント。
3回目ということで最初からお客ともすっかり打ち解けており
店員よりも友達や恋人に近いスタンスで終始親しげに接します。
最中に2人が何度も手を繋いでいることからも仲の良さが伝わってきます。

「都会の喧騒を忘れて「私の最後のお休み」を一緒に過ごしていただけませんか?」
しかし彼女はサービスの最中しきりに今回が最後のおもてなしであることを告げます。
彼を嫌いになったようにはとても見えないだけに
彼女がどういった事情でこの決断をしたのか、そして最終的に2人はどうなるのか
物語が進むにつれて事の真相が少しずつ明らかになります。

終盤にはほろりと泣けるシーンもありますし
癒しだけでなく心の汗を洗い流すのにも役立ってくれます。
キャラ、ストーリー、サービスと様々な部分が優れている総合力の高い作品です。
効果音を中心に据えたリアルなサービス
ここからは各サービスについて説明していきます。
総時間が2時間30分と長くサービスの種類も豊富なため
個人的に気になったパートをいくつかピックアップする形で紹介します。

お店に着いて軽い挨拶を済ませた後、最初に登場するのはマッサージ。
肩や背中を手で揉みほぐす至って普通のサービスなのですが
最初はお客が日向に、その後でお返しに彼女が彼にしてあげます。
専門店でお客が店員にサービスをするというのは初めて聴きました。

「覚えててくださったんですね 私にマッサージしてくれるって」
そしてこれは1作目で彼が言った約束を果たす結果に繋がります。
彼女も多少戸惑いつつ受け入れ、最中は気持ちよさそうな表情を見せます。
音声作品ではお馴染みのサービスを別の形で行い2人の親密な様子を描いています。
お金をいただかないお店だからこそできる面白いシーンです。

マッサージに必要不可欠な効果音もハイレベル。
「すりゅっ すすー」と滑らかな摩擦音が鳴り
擦ったり、揉んだり、叩いたりと動きが小まめに変化します。
しかも日向にする時はやや遠くで、お客にする時はかなりの至近距離で音が鳴ります。
マッサージをする感覚とされる感覚の両方を味わわせてくれるのが実に見事です。

ストーリーが大きく進展するのが6番目の「いつもの道をお散歩」パート。
昼食で膨れたお腹をへこませようと近くを散歩する最中
彼女が自分のことや今回を最後に決めたいきさつを思いつめた様子で語ります。
詳しい内容は伏せますが、物語の中盤でこれを語ることにより
その後のサービスの雰囲気や2人の心情がやや変化しているのがわかります。

このパートのもうひとつの魅力は環境音。
2人が歩くにつれて小川の流れる音が徐々に大きくなり、その後遠ざかっていきます。
移動する様子を音だけでここまでリアルに表現している作品はまだまだ少なく
サークルさんの音へのこだわりが強く表れています。
盛り上がるシーンだからこそ、バックの演出にもこだわっているのがわかります。

特徴的な音が楽しめるのはその次の「すっかり冷えちゃいましたね」パート。
冷えた体を温めようとお風呂に入り、日向が背中を流したりシャンプーをかけてくれます。
全年齢向け作品なのでエッチな描写はありません。

「気づきました? そうなんですよ シャワーがついたんですよ」
今までは桶でお湯を掬って流していたのが今回からシャワーへと変化し
わしゃわしゃという小気味良いボディソープやシャンプーの音と一緒に耳を楽しませてくれます。
音の位置や動かし方も実際のサービスさながらでとてもリアルです。

そして最後を飾るのはサークルさんが最も得意とされている耳かき(約25分間)。
膝枕の状態でまずは両耳を温かいタオルで拭き
右耳→左耳の順に綿棒で汚れを取り、仕上げに梵天と軽い息吹きをする家庭的なものです。

綿棒は「しゅりっ ずずっ」と若干ざらつきのある柔らかな音
梵天は「すりゅっ じりじり」と面積が広くふわふわした音が使われており
前者は耳の壁をなぞるようにゆっくり優しく
後者は軸を回転させたり優しく掻き出す動きをします。

耳かき棒に比べて幅広い音なので刺激が耳全体に届きやすく
最初は手前、次に奥と掃除する位置の変化に応じて音の質も微妙に変わります。
どちらも力加減が弱めに設定されており長時間聴いても耳が痛くなりません。
梵天も柔らかさが音によく出ていてこそばゆく感じます。
いつも通り安心して聴けるハイレベルな耳かきです。

「ずっと こうしていれたら いいのにな…」
最中の日向は微かな吐息を漏らしながら真剣にやるシーンが多くあまりしゃべりません。
ですが最後の一日が間もなく終わることを名残惜しく思うセリフを時々呟きます。
このほんのり感じられるもの悲しさがシーン全体に静かな雰囲気を与えています。

このように、様々な音と2人の心情を織り交ぜたサービスが繰り広げられています。
何気ない日常を切り取った作品
温かい女性が温かいサービスを提供してくれる癒しに満ちた作品です。

日向は大好きな人と過ごす最後の日に悔いを残さないように
最初から自分ができる限りの技術と思いやりをもってお客をもてなします。
途中で立場が逆転するシーンもありますが、基本的には彼女が終始尽くしてくれます。
その飾らない姿や一生懸命な様子が自然と心を温めてくれます。

そして最中に時折見せるちょっぴり寂しそうな顔が彼女の魅力を引き出しています。
普段が明るいキャラだからこそ余計に儚く感じるでしょうね。
彼女の複雑な心境がセリフや動作から伝わってきます。

…といった感じのお話なのですが、最終的にはハッピーエンドを迎えます。
ですから聴き終えた段階で気落ちする人はまずいないはずです。
ただこの終わり方だと休日屋シリーズは今作がひとつの区切りになるのだと思います。
今後引き続き彼女が活躍するのか、はたまた姉の日登魅の出番が増えるのかが気になるところです。

サービスは専門店の要素を押さえつつ家庭的なものも取り入れています。
レビューでは紹介できなかった昼食を作るシーンなどは
その一部始終を音だけで表現する凝った作りをしています。
耳かきも休日屋の特性を踏まえてわざと家庭っぽさを出しながら行っています。

ストーリーは終盤が割と泣けるシーンですね。
今まで我慢してきた日向の想いが一気に爆発します。
その後の展開も面白いですし最後まで楽しく聴けるでしょう。

田舎の家庭にいる雰囲気を大事にした質の高い癒し系作品です。
このクオリティとボリュームで200円とコスパも驚異的。
以上を踏まえてシリーズ3作すべてを満点とさせていただきました。

おまけは後日のお話です。

CV:安土日向…浅見ゆいさん 安土日登魅…藤堂れんげさん(終盤とおまけにのみ登場)
総時間 本編…2:24:18 おまけ…6:00

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

【少年声】声付き耳かき音を作ってみた25

サークル「とみみ庵」さんの無料の同人音声作品(全年齢向け)。

2014年5月からニコニコ動画で公開が開始された同シリーズ。
その25番目を飾る本作品は、主人公のお姉さんに一方ならぬ好意を抱いている少年が
マッサージや耳かきのサービスで癒しを提供します。

普段のサークルさんの作品に比べてキャラ萌え要素が強くなっており
女性との接し方に不慣れな様子や、自分の気持ちを隠しきれない彼の未熟さが
聴いてるこちらが恥ずかしくなってくるようなニヤニヤした気分を与えてくれます。
少年からの温かいプレゼント
少年にマッサージと耳かきをしてもらうお話。

「おっ おかえり…なさい」
少年は穏やかで中性的な声の男の子。
帰宅した主人公の疲れを癒すために早速マッサージをしてあげます。

本作品は音声作品としては珍しく少年がお姉さんに癒しのサービスをします。
少年が相手をするのは女性ですからアレな部分は一切ありません。
そんなわけで女性の方がもちろん楽しめるわけですが
所謂イケボではないので男性が聴いても問題なく楽しめます。

「あっ いえ 綺麗なうなじ…してますね ボクの手で触ってしまっていいのかなって」
そして作中には彼が男性として成長期にあるのを感じさせる描写が随所に登場します。
音声を聴く限り2人はまだ恋人同士の関係にはなってないのでしょう。
彼女の体に手を触れる事や膝枕をする事に明らかな遠慮が見られます。

彼女がちょっぴり積極的にスキンシップを取り
その結果彼が慌てる、なんていう微笑ましいシーンも登場します。
彼の純情さや可愛さに萌えを感じる人がきっといるでしょうね。
リアルな音と心温まるやり取り
最初に行うマッサージはおよそ4分間。
うつ伏せになった彼女の肩・背中・首筋を優しく擦ったり
拳や手の甲でリズミカルに叩く家庭的なものです。

擦るときは「さすさす しゅりっ」と滑らかだが若干ざらつきもある音
叩くときは「とんとん」と肉がぶつかる音が鳴り響き
それらが体の部位に応じて音の位置を切り替えながら小まめに動きを変えていきます。

キャラが立っている作品なのですが効果音のクオリティも極めて高く
実際のマッサージに非常に近いものを音だけで見事に表現しています。
特に肩を叩くシーンは音の近さのおかげで軽い振動まで感じる人もいるでしょう。
彼が未熟といってもサービス自体は従来通りしっかりと行っています。

その後に行う耳かきは18分ほど。
膝枕の体勢で右耳→左耳の順に耳かき棒で大きな汚れを、梵天で細かな汚れを取り
仕上げに短く数回息を吹きかけるシンプルなものです。

耳かき棒は「ずりっ ずずー」とやや硬くて滑らかな音
梵天は「ぽりぽり ぷしゅっ」と柔らかくふんわりした音が使われており
前者は奥から手前に掻き出す、耳の壁を優しくなぞる動きを
後者は耳の中を軽く擦る、小さく回転させる動きを中心に目まぐるしく変化します。

何度も言っていますがとみみ庵さんの耳かき音は現在の業界における最高峰に位置します。
ですから癒しの効果も抜群に感じられるはずです。

「いえっ その 膝枕に抵抗ないみたいだったので そうだったら 嫌…だなぁ」
「耳が気になったら頼んでください また耳かきしましょう これでボクだけの耳かき、ですね」

最中に交わされる2人のやり取りも大きなポイント。
主人公が自分から膝枕をして欲しいと言ったことや耳が意外に綺麗なことから
少年が他の男性との関係を不安に思い、彼なりのやり方で詮索しようとします。

彼のセリフを聴いていると明らかにその気持ちがバレバレなんですよね。
彼が十分以上に彼女を大事に思っており
さらにそれを堂々と伝えられず、かといって隠しきれてもいないところに一層魅力を感じます。

彼女が彼に体を預けている時点である程度の答えは出ているのに
それに気づいていないところも彼の恋愛に対する未熟さが窺えて面白いです。
効果音のクオリティと相まってとても温かい雰囲気が漂っています。

このように、キャラの特徴を活かした癒しのサービスが繰り広げられています。
心がぽかぽかしてくる作品
元々高水準だったサービスと珍しいキャラを上手に組み合わせている作品です。

マッサージ・耳かきいずれも有料作品を軽く凌駕するクオリティを持っています。
音の良さ、キャラの良さ、雰囲気の良さなどいずれかに特化している作品は割と多いのですが
この作品のようにどの要素もレベルが高い作品はまだまだ少ないです。

無料作品と舐めて聴いたらきっと驚くに違いありません。
耳かき作品を数多く聴いてる私も毎回同じような気分を抱いています。

そして今回は様々な効果音と登場人物とのバランスがきっちり取れています。
少年によく見られる年上の女性に対する憧れをセリフや行動に取り入れ
主人公をからかう役に据えることで彼の初々しい反応を引き出しています。

全年齢向けですからいやらしく感じる描写も特にありませんし
2人の仲の良さが良い形で表現されていると思います。

基本的な部分はしっかり行い、それ以外で個性を出している作品です。
無料ですから興味の湧いた方は是非ともお試しください。

CV:藤堂れんげさん
総時間 24:36

【少年声】声付き耳かき音を作ってみた25
http://www.nicovideo.jp/watch/sm27431332

休日屋 ━丹の家━

サークル「とみみ庵」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今年4月に発売された大人気作品「休日屋」の続編にあたる本作品は
可愛い女の子と一緒に過ごす田舎の休日を隅から隅までお届けします。

専門店よりは家庭に近いのんびり、まったりしたサービスを行ってくれるのが特徴で
耳かきやマッサージはもちろん、お散歩や花火といった何気ないものも取り入れながら癒しを与えてくれます。
都会を離れて田舎でのんびり
休日屋の店員「安土日向(あづちひなた)」と一日を過ごすお話。

「あっ! こんにちはー こっち こっちですよー」
日向は明るくて優しい声の女の子。
とある夏の日、休日屋にやってきたお客を駅まで迎えに行くと
一緒の日傘に入りながら歩いてお店に向かいます。

休日屋は都会で忙しい日々を送っている人々に個別に手紙を送り
来てくれた人には無料で様々なサービスをしている変わった専門店です。
サービスの内容は汗拭き、かき氷、マッサージ、お散歩、花火、お風呂での洗浄、耳かき、添い寝、朝食など
専門店では定番のものからあまり見かけないものまで多種多様。
まさに休日を丸々切り取ったかのような充実したひと時が味わえます。

総時間が3時間30分(おまけも合わせると約4時間)と大ボリュームなため
今回は個人的に気になったサービスをいくつかピックアップしながら紹介します。
価格がたったの200円とコスパが驚異的に良いですから興味を持った人が聴く分には100%損はしません。
ですから残りの部分は聴いてのお楽しみとさせてください。

作品全体における大きな特徴はリアルな効果音や環境音が効果的に使われていること。
冒頭のお客が乗った電車が到着するシーンでは
電車の音はもちろん、ドアが開くのと同時にセミや鳥の鳴き声が聞こえ始めるなど
その場の様子を細かな変化も見逃さずに音だけでリアルに表現しています。

日向や彼女の姉の安土日登魅(あづちひとみ)もそれなりにしゃべるのですが
聴いた限りではやはり音を中心に構成されている印象を受けます。
特に今回は場所や時刻の変化による環境音の移り変わりに力を入れることで
夏のとある一日の様子を臨場感たっぷりに演出しています。
定番のものから変わったものまで
ここからは本作品ならではのサービスの中からかき氷とお散歩を
他の作品にもある定番のサービスとしてお風呂と耳かきを個別に紹介していきます。

日向がかき氷を振舞ってくれるのは4番目の「夏といえば!」パート(約9分間)。
お店の縁側で彼女が手動のかき氷機でかき氷を作り、日登魅を含めた三人で食べます。

日登魅「あっ 私メロンがいいわ メロンー」
日向「はいはい 自分でかけてくださいねー」
氷を削る際に鳴る「シャリ シャリ」という小気味のいい音が耳に心地よく
姉妹のテンポのいいやり取りやかき氷につきものの頭がキーンとなるシーンなど
夏らしさを押さえながら癒しも感じるほのぼのとした一幕が楽しめます。

本作品における日登魅は日向がいない間にお客にちょっかいを出したり
逆に二人がより親密になれるよう密かにサポートするゲストキャラみたいな位置づけです。
専門店といえばお客と店員が一対一であれこれすることが多いだけに
彼女の存在がちょっとしたアクセントになっています。

そして先ほど説明した「環境音の移り変わり」が最も如実に表れているのが6番目の「お散歩」パート。
13分ほどをかけて近所の川辺まで歩きお店に戻ってくる至ってシンプルな内容なのですが
1分ほど経つとセミが止まっている木を通り過ぎたのか、鳴き声が徐々に近づいてから遠ざかっていったり
しばらくすると今度は鳥が鳴くようになり、それに合わせて川のせせらぎが少しずつ近づいてくるなど
二人が移動している様子がほとんど音だけで見事に表現されています。

こういう環境音がリアルタイムで変化する作品は、他のサークルさんで1作出ているくらいで非常に少ないです。
音質自体も極めてリアルですし、すべてが自然だから聴いていてとても落ち着けます。
本作品の音の良さがよく表れているパートと言えます。

対する後半に登場する定番のサービスはいずれも20分前後と時間が長く
質の高い音の数々を落ち着いた雰囲気でたっぷりと楽しませてくれます。
中でもサークルさんが最も得意とされている耳かきは2パート55分(おまけも合わせればさらに増えます)もあり
そのまま寝てしまいたくなるほどの大きな癒しのパワーを秘めています。

その前に紹介するお風呂での洗浄が登場するのは9番目の「夏のお風呂!」パート。
水着姿の彼女に背中を流しシャンプーとトリートメントをかけてもらってから一緒に湯船に入ります。

「次に シャンプーなんですけど じゃーん 冷やしシャンプー!」
ここでは夏に合わせて冷やしシャンプーを使っているのがいいですね。
「ぽしゅ しゅくっ」という独特な効果音を左右別々の位置やペースで鳴らして洗い
それからしばらく放置してパチパチと泡が弾ける音を楽しみます。
シャンプー音が耳に与える心地よい刺激が癖になる人もいるでしょう。
水着姿を見られてちょっぴり恥ずかしがる日向の姿も初々しくて可愛いです。

そして本作品では最も長い時間が取られている日向の耳かきは31分間。
耳の外側を蒸しタオルで拭き、膝枕の体勢で右耳→左耳の順に耳かき棒と綿棒を使って汚れを取り
仕上げに梵天をかけながら数回息を吹きかける丁寧なスタイルです。
ちなみにもうひとつのパートは後日お客の自宅で日登魅がしてくれます。

耳かき棒は「すり ぞり」と比較的滑らかで乾いた音
綿棒は「すすっ ちり」と軽い圧迫感のある柔らかいとした音が使われており
前者は耳の壁を奥から手前に優しく引っかくようにゆっくりと
後者は軸をゆっくり回転させて汚れを絡め取っていくように動きます。
サークルさんの過去作同様極めて質の高い耳かきと言えます。

「気持ちいいです? 癒されてますか? 私も あなたにする耳かき 幸せですよー」
どの音も力加減が弱められているので30分聴き続けたとしても耳が痛くなる可能性は低く
日向の微かな吐息や幸せそうなセリフも心を温めてくれます。
ここまで来るとバックでは控えめな鈴虫の声が鳴るようになり
前半とはまるで違う静かな夜の雰囲気を醸し出しています。

このように、明るい癒しと落ち着いた癒しの両方が味わえる濃ゆいサービスが繰り広げられています。
季節感を大事にしている作品
夏という題材を様々な部分に織り交ぜながら癒してくれる作品です。

本作品ならではのものから王道的なものまで数多くあるサービスを
時間や場所の変化を意識しながら上手に繋げて夏の一日を演出しています。
専門店におけるサービスは個々が独立している場合が多いのですが
本作品には内容はまったく違ってもサービスごとにきちんとした関連性があります。
例えばお店に来るまでに汗をかいたからタオルで拭き、それから涼を取るためにかき氷を食べるといった感じです。

サービスの内容も夏の中にある涼を感じさせるものが多く
それをバックで流れるセミの鳴き声や風鈴の音が盛り上げます。
効果音と環境音のレベルが高く扱いにも長けているサークルさんだからこそ作れる作品です。

「私もこの一日を ずーっと忘れません」
それらを行ってくれる日向の存在も忘れていけません。
田舎の子らしい純真で献身的なキャラが癒しを与えてくれます。
前作では効果音が圧倒的に強く影が薄い印象を受けたのですが
今作では日登魅とのやり取りも交えつつ彼女らしさをしっかりアピールしています。

今の季節にぴったりな癒し系作品です。
サービスのクオリティの高さ、ボリュームの多さ、それに対する価格の安さを考慮し
本作品をサークルさんでは5本目の満点とさせていただきました。

おまけは「ある日の休日屋」です。

CV:日向…浅見ゆいさん 日登魅…藤堂れんげさん
総時間 本編…3:28:20 おまけ…32:17

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

追記
おまけの「ある日の休日屋」はニコニコ動画に投稿されている「声付き耳かき音を作ってみた20」と同じです。
購入を迷われている方は参考に聴いてみてください。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm26778548

【174khzハイレゾ】道草屋-芹-夏休み【切抜き耳かき】

サークル「桃色CODE」さんの同人音声作品(R-15指定)。

癒し系作品ではもはや定番と言っても差し支えないほどの人気を誇る「道草屋」シリーズ。
その15番目にあたる本作品は、上品でちょっぴり子供っぽい性格のお姉さんが
夕方から夜にかけて2種類のサービスをしながら癒しを与えます。

シリーズ最大の特徴とも言える臨場感抜群な効果音と環境音や
それぞれに個性を持った店員のキャラを上手に使って
道草屋で過ごすひと時をそのまま切り抜いたかのようなリアルさでお届けしています。

中でも夜の部に登場する甘噛みはまさに圧巻。
そのとてつもなく近い声や息遣いが彼女の存在を十分すぎるほどに感じさせてくれます。
演出面に力を入れた素晴らしい音の数々
道草屋の店員「芹」の怪談を聞いたり耳かきをしてもらうお話。

「お願い事 何をなされたんですか?」
芹は明るく上品な声のお姉さん。
近くにある神社にお参りしていたお客を呼び止めると
少し遠回りをしながら一緒にのんびりと道草屋に戻ります。

本作品は神社で出会った彼女の怪談を聞きながらお店へと戻る夕方の部と
沢山の虫の声や花火の音を聞きながら耳かきされる夜の部の二部構成。
前者は主に芹との時には緊迫感のある、時にはちょっぴり間の抜けたやり取りを
後者は効果音や環境音といったリアルな音の数々を中心に楽しみます。

道草屋シリーズは効果音や環境音が抜群に優れていることで有名なのですが
今回は音のリアルさをしっかり維持したまま演出面に力を入れている節が見られます。
具体的に言うと時間・場所・位置・距離によって諸々の音が小まめに変化します。
実際どんなものなのかはこの後シーンごとに説明していきます。

「春に 山菜 美味しいなーって思ってたら もう鮎ですよ? びっくりですねー」
もちろんお相手を務める芹の存在も忘れてはいけません。
道草屋店主、しかも最年長という立場からくる印象とは少し違った子供っぽい性格をしており
お客に対しても割と砕けた調子で食べ物や他の店員、日々思っていることなどを語ります。

何気ない内容のお話を意識的に間を長く取りながらゆっくりと話すのほほんとした様子に
多くの人がほのぼのとした心温まる気分を抱くことでしょう。
声の印象とは良い意味で異なる、可愛げのある女性として描かれています。
ちょっぴり怖い怪談、刻々と移り変わる音
夕方の部は歩きながら芹の4つの怪談を聞き、途中で合流した別の店員「すずな」と3人で道草屋へと帰るシーン。
当然のようにメインのサービスは怪談になります。

「ある朝 井戸に水を汲みに行って その日だけ なーんか中が気になったんですよ」
「作業を続ける 同僚の背後には 何か白く 細長いものが立っており くの字に折れるようにして じーっと同僚を見下ろしていたのです」

内容はあまりばらすとつまらなくなるなるでしょうからほぼ伏せますが
彼女の子供の頃、成長した後、とある男性、彼女の祖父と登場人物をその都度変え
誰かが死ぬなどのグロい表現は一切無しに
聴き手の背筋がちょっぴり凍るあたりの展開やオチにまとめてあります。
元々が癒し系ですから、ちょっとした涼をお届けするのを目的にしている感じです。

そして歩きながら話している雰囲気をできるだけリアルに感じ取ってもらおうと
バックで流れる彼女の足音のペースが不規則に変化し
怪談が盛り上がるシーンでは突然立ち止まって緊張感のあるセリフを投げかけたりします。
中でも2番目に登場する「だるまさんが転んだ」というお話では
その遊び方に合わせて何度も立ち止まる凝った演出がされています。

夕方の部における最大の魅力は環境音。
2人が神社からお店に戻るまでの情景の変化を音だけで見事なまでに表現しています。
例えば最初はヒグラシやニイニイゼミが鳴いていたのが
3番目のお話に入るとそれらが弱まり今度は鈴虫の鳴き声が登場
もうしばらく経つと再びセミの声が大きくなる、といった具合です。

パートやシーン単位ではなくリアルタイムで環境音が変化するのが本当に素晴らしいですね。
厳密に調べたわけではありませんが1~2分後にはガラリと切り替わっている場合もあります。
セミが複数種類いることを利用してそれぞれの鳴き声の比率まで変化させていますし
しかも突然小さくなるのではなく、少しずつ自然に消え行く演出がされています。

ここまで変化に富んだ環境音は今まで聴いたことがありません。
サークルさんご自身が言われているように、自然をそのまま切り出したかのような世界がそこにはあります。

芹「帰ったら ビールにします? 焼酎にします?」
すずな「先にご飯です」
怪談が終わった後の芹とすずなのやり取りも聴きどころ。
年上の芹をすずなが制御する形でテンポの良いやり取りが交わされます。
途中で2人して童謡を歌うシーンがあったりと、先ほどまであった緊迫感は一切なくなり
スッキリとした気分で次の夜の部に進むことができます。
超至近距離の甘噛み
続く夜の部は舞台を外から道草屋のとある一室へと移し
芹に耳の甘噛みやマッサージ、耳かきをしてもらいます。
時間が進んだこともあって環境音は鈴虫がメインになり、先ほどよりも静かな雰囲気が漂っています。

ここでの最大のポイントは耳かきではなく甘噛み。
右耳→左耳の順にはむはむする至って普通のサービスなのですが
その音や息遣いが半端なく近いです。

当サイトでは主にバイノーラル録音の作品で「声がすごく近いよ」と言うことが結構あります。
ですがそれらは耳の真横に唇があって話しかけられてる感じなんですね。
それに対して本作品は「もう耳に唇が触れてるんじゃないか?」と思えるくらいの近さがあります。
従来の至近距離からさらに一歩進んだ超至近距離での甘噛みです。

私はそれこそ浴びるほど音声作品を聴いてますから、甘噛みも当然かなりの作品で経験しています。
ですがこの作品の甘噛みを聴いた瞬間衝撃が走りました。
その合間やセリフをしゃべる時に漏れる微かな吐息までクリアに、リアルに聞こえます。
体験版にも収録されてますので気になった方はここだけでも是非お試しください。

続く耳かきは24分30秒ほど。
膝枕の体勢で左耳→右耳の順に耳かき棒で大きな汚れを、洗浄液に浸した綿棒で小さな汚れを取り
最後に軽く息吹きをする比較的シンプルなものです。

耳かき棒は「じじー ずりっ」と細くちょっぴり堅さのある音
綿棒は「すりじょり ぷす ぱち」とふわふわした柔らかい音が使われており。
前者は穴の入り口だと長めのストロークでゆっくりと、奥では大きく動かさず中でほじほじと掻き出すように
後者は耳の壁を優しくなぞったり穴の中でゆっくり回転させる動きをします。

どちらの音も聴き手に配慮した柔らかな質感が耳に心地よく
作品の雰囲気を損なわない形でリアルな耳かきがされています。
道草屋シリーズは奇抜なサービスを取り入れるよりも、基本をきっちり押さえる傾向が強いです。

「毎年 花火が ひゅー どーん ごろごろしてると 音だけ 聞こえてきて」
そして夏の夜にふさわしい打ち上げ花火の音が耳かきに彩りを与えます。
会場からお店までの距離が遠いのか、花火の音はボリュームが結構抑えられてますし
華やかではあるけど耳かきの静かさを壊すほどではありません。
あくまで環境音としての役割に留めてあります。
ちなみに花火の音は前半の左耳パートでのみ鳴ります。

「そういえばですね まったく関係ないお話なんですけど 日が落ちてから ずーっと じーって鳴いてる虫 いるじゃないですか?」
最中の芹はというと、付近に生息する虫や鮎釣りなど何気ない話をすることがほとんどで
店員として癒すのではなく友達に語りかけるような親しさがあります。
特に後半の右耳をお掃除するパートでは成長するすずしろの様子をしみじみと語るなど
のほほんとした態度の裏にある店主としての顔も垣間見えます。

このように、夏の夜をテーマとした質の高い耳かきが繰り広げられています。
音声作品の壁をひとつ乗り越えている作品
既存の音声作品には無かったものを2つも持っている稀有な作品です。

道草屋とその周辺で芹たちと過ごす様子をそのまま録ってきたんじゃないかと思えるほどに
声・セリフ・効果音・環境音のバランスが極めて高い領域で取れています。
以前から強力な武器としていた様々な音や彼女たちの個性に加えて
本作品では音の移ろい、位置と距離感の向上の2つに挑戦し成功を収めています。

前者は夕方の部における環境音の変化に色濃く出ています。
昨年あたりから環境音をバックで鳴らす作品が徐々に増えつつありますが
それらの多くは単一の音を流したり、複数の音を重ねるといった表現がされています。
過去の道草屋シリーズもそうでした。

しかし本作品ではそれこそ数十秒単位で構成要素やボリュームの強弱を変化させ
それによって2人のいる場所の周りの自然状況を間接的に表現しています。
夏なら木が多い場所だと当然セミが鳴いてるでしょうし
草むらが多ければそのあたりに生息する生物の声がより大きく聞こえてきます。

これを音だけでリアルタイムに表現しているのは見事と言う他ありません。
実際に歩いて録音されたのか、はたまた多大な苦労を伴う編集の成果なのかはわかりませんが
こういう環境音の使い方がされている作品は初めてです。

もうひとつの位置と距離感は先ほど説明した甘噛みがいい例です。
バイノーラル録音の普及に伴い、ここ2年で音声作品のクオリティは飛躍的に向上しました。
そして「ここまできたのだから、もうこれ以上の劇的な変化は無いだろう」とも思ってました。

その価値観を根本的に破壊してくれたのがこの甘噛みです。
正直度肝を抜かれました。
音声作品という媒体にある限界をひとつ突破しています。
怪談や耳かきといったサービスについてももちろん十分なクオリティを持っています。

癒し系作品の新しい可能性を示してくれている名作です。
この内容で価格が800円なら相当に良心的と言えます。
以上のことから本作品を同サークルさん5本目の満点とさせていただきました。

CV:芹…雁庵うずめさん すずな…藤堂れんげさん
総時間 夕方の部…48:22 夜の部…51:02 合計…1:39:24

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

↑このページのトップヘ