サークル「ぺありふこうぼう」さんの催眠音声作品(全年齢向け)。
今回紹介する作品は、雨の日に偶然出会った不思議な女の子が
雨音を使った癒しの催眠をかけて眠りに導きます。
雨音に耳を傾けながら様々な色をイメージさせたり
後になるほど彼女と感覚を共有してる気分に浸らせるなど
作品が持つ特徴を組み合わせてゆっくりじっくり眠れる環境を整えます。
2人きりで雨音を聞きながら
「こんばんわー とは言ってみたものの 雨雲で昼か夜かも分かりませんね?」
女の子は明るくて清らかな声の女の子。
とある雨の日、屋根のあるベンチで雨宿りしてる主人公に声をかけると
雨音を聞きながら自分の話に付き合って欲しいと言います。
本作品は自然にまつわる要素を使って安眠を提供するのをコンセプトに
彼女が60分程度の時間を使ってそれにちなんだ催眠をかけます。
全年齢向けということで催眠誘導に多くの時間を費やし
セリフの間を長めに取りながらゆっくり語りかけて落ち着ける雰囲気を作ります。
「綺麗な色… しとしと降り注いで 清々しい雨。一つ一つが繊細で 心を洗い流してくれる そんな雨」
最大の特徴はバックで流れ続ける雨音。
ある時はしとしと、またある時はざーざーと勢いを変えて自然な癒しを提供します。
彼女のセリフと雨音を連動させながら物語を進めるので
2人がいる場所の情景がイメージしやすく作品の世界へスムーズに入り込めます。
また彼女はお話の中で様々な色を持ち出し、その印象を通じて感覚を変化させようとします。
青系統の色を見たら涼しいとか寒い、逆に赤やオレンジだと暖かく感じるといった誰にでも根付いてる要素です。
サークルさんが「色を聞く安眠音声」と銘打ってるように雨音と同じくらいの存在感を持ってます。
これらを行う彼女についてはほぼ謎に包まれてます。
ただし催眠を行う中で主人公と自分の感覚を繋げようとするシーンが多いです。
静かで落ち着いた催眠
座る/寝るどちらでもいいのでリラックスできる姿勢を取り
まずは目の前で降り続けてる雨を眺めるイメージをします。
「雨の色。雨は水だから 水色でしょうか 嵐なら、濃く見えて赤かも。落ち着いてるなら緑かな?」
「今はただ 自分の感覚で感じ取れる 雨の色彩を 感じて頂ければ楽しいし、私も嬉しいです」
そして彼女は早速雨と色を繋ぎ合わせ聴き手の自由にイメージさせます。
雨がどんな色を持ってるか今まで考えたことのある人はあまりいないと思います。
だから彼女も具体例を挙げてサポートしつつ押し付けないよう語りかけます。
そして彼女も主人公と一緒の時間を共有してることを静かに喜びます。
一般的な催眠音声とは随分違う作りです。
深呼吸して、脱力するみたいに明確な区切りを設けずドラマ仕立ての誘導をします。
雨音を流し続けるから無理にリラックスさせる必要がないというのもあるでしょうね。
タイトルにもなってる「共感覚性」を出す意味でもこういうアプローチは有効だと思います。
2番目の「共感覚のリラックス」は名前の通りさらにリラックスするシーン。
彼女と手を繋いで一体感を高め、とある色に包まれるイメージをしながら心身を脱力させます。
「繋がる 溢れる 受け取っては 渡しあって… 優しい 想いが 二人を 満たしていく」
女性に添い寝されながら安眠する音声作品が数多くあることからもわかるように
信頼できる人物が近くにいる状況は無意識的な安らぎを与えます。
彼女と文字通り繋がることで共感覚が増し、その言葉をさらに受け入れやすくなります。
ここで登場する色も多くの人が癒しを感じるものですし、最終目的の安眠を見据えてリードしてるのがわかります。
私が聴いた時もこのパートの序盤あたりから眠気を感じ始めました。
前のパートに比べて雨音の鳴る時間が減り、寒気をあまり感じなくなったからかもしれません。
終盤には雨とは別の自然物を使ってさらに落とすなど、色んな方向から眠りたい気分にさせてくれます。
最後の「雨の安眠」は眠るパート。
カウントに合わせてさらなる暗示を入れ、その後は寝息だけを漏らして静かなひと時を提供します。
「ねむい ねむくて 意識がふらっと どこかにいってしまう ぼんやり ぼんやり 意識が遠のく」
このへんまで来ると彼女もかなり眠そうな仕草を見せるのが良いですね。
他人があくびをするとつい自分もしてしまうことがあるように
ここでも押し付けがましさを感じないやり方で「眠る時間だよ」と教えます。
寝息だけが流れる時間が10分くらい用意されてる安眠特化のパートです。
このように雨音、色、共感覚を組み合わせて寝かしつける変わった催眠が繰り広げられてます。
詩的な作品
女の子は傘を忘れたせいで雨宿りをしてる主人公を癒そうと
最初から親しげに接しながら雨音と色を使って少しずつリラックスさせます。
そしてそれと同時に2人の感覚がリンクしてることも伝えて安心感を与えます。
バックで流れ続ける雨音を使った珍しい催眠、そこに様々な色を組み込んで癒やす演出
彼女の存在や温もりを伝えて寝かしつけるアプローチ。
一般的な催眠音声よりもドラマ性を強くした癒しの物語が楽しめます。
「どこにでも いつだって 耳を傾ければ 目を向ければ そこには必ず 色が存在する。私が発する言葉にも 色彩で溢れてる」
この作品を聴く前は雨音を徹底活用する音モノだと思ってました。
しかし実際は色やキャラの存在感も大きく、この3つの柱でバランスを取ってます。
セリフの表現も雨が降る場所らしいしっとり感があって独特です。
催眠はイメージ重視でところどころに古典系の技術を盛り込んでます。
要所でカウントを数えて追い込み暗示を入れてくれますから
やり方が特殊でも催眠には割とあっさりかかれると思います。
雨音を始めとするリラックス要素が充実してるのが大きいです。
環境音を扱ってる作品が好きな人には特におすすめします。
おまけは30個の音声です。
CV:紅月ことねさん
総時間 2:46:22(本編…1:05:19 おまけ…1:41:03)
オススメ度
■■■■■■■□□□ 7点
体験版はこちらにあります
追記
2019年4月19日まで10%OFFの972円で販売されてます。