同人音声の部屋

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タグ:祈流昴弥

   ● 東方入眠抄SP 夜の夢に堕ちる
   ● 東方入眠抄8 ~影狼さんの月光リラクゼーション安眠誘導~


東方入眠抄SP 夜の夢に堕ちる

サークル「Re:Volte」さんの催眠音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、東方入眠抄シリーズに登場した6人のキャラが
2人1組で催眠をかけて癒したり眠くしたりします。

サークルさん初の双子作品ということで
どのパートも左右から交互に、あるいは同時に語りかけるスタイルを取ってます。
一般的な催眠音声とは作りが随分違うため癒し目的で聴いたほうが満足できるでしょう。
東方キャラたちの双子催眠
合計6人の東方キャラが代わる代わる催眠をかけるお話。

「ん? どうしたんだ? 遊んでるのか? 私も混ぜてくれ」
芳香は素朴で可愛い声の女の子。
「あらあなた 素敵な香りがするわね」
純狐は上品で落ち着いた声の女性。
主人公と純狐が話してるところへ芳香が加わり催眠へと移ります。

本作品はこれまで18本出てる東方入眠抄シリーズの外伝。
秦こころ、今泉影狼、多々良小傘、宮古芳香、黒谷ヤマメ、純狐の6人が
パートごとにメンバーを交代しながら左右交互に、あるいは同時に話すスタイルで安眠誘導します。
催眠は全部で6パートあり、ひとつあたりの時間は3~4分と短いです。

催眠音声ではすっかりお馴染みの双子形式を活用し
シーンごとに役割分担しながら少しずつ確実に癒しを膨らませます。

総時間が25分、しかも催眠者がころころ変わるシステムの関係で催眠に入る感覚はそれほどないでしょうけど
彼女たちの掛け合いが和むとか、声が可愛いといった別部分の癒しは得られます。

ストーリーは特にありませんから完全にファン向けの作品ですね。
パートによって使用する技法やイメージを切り替えてたりとなかなか凝ってます。

催眠はおよそ20分間。
前半の3パートは純狐と芳香、芳香と小傘、小傘とヤマメが思い思いのやり方で癒しを与えます。
催眠開始後は彼女たちの声にエフェクトがかかります。

純狐「息を吸ってー」
芳香「私の香りが 君の体にまとわりつく」
そしてひとつのセリフを2人が手分けして言う、それぞれで役割分担するなど
早速双子の長所を活かしたアプローチをかけてきます。
香りを意識させながらの深呼吸、雨音を流しつつそれに浄化されるイメージ
瘴気を吸い込んで体が動かなくなるイメージ、といったように
各キャラの特徴に沿ったイメージと催眠技法を組み合わせて進めます。

(芳香)私の香りと (小傘)私の雨で (両方)君の体が 綺麗になっていく
私は「04 芳香 x 小傘」パートが最も癒やされました(約3分30秒)。
唯一環境音を取り入れてるのが大きいですし、イメージもそれに噛み合ってて心がスッキリします。
変則的な作品ですがサークルさんが持つ良いところをきちんと受け継いでます。

後半の3パートは深化を見据えたシーン。
ヤマメと影狼、影狼とこころ、こころと純狐、と引き続きメンバーを変えてさらにリラックスさせます。

こころ「落ちる 落ちる 感情が 消えていく 自我が 消えていく」
左右交互に長めのカウントを数えながら心身が綺麗になる暗示を入れたり
「すーっと」「落ちていく」といった単語を多めに投げかけるなど
前半とはアプローチの方向性が随分違います。

キャラごとのイメージも一応挟んできますけど、どちらかと言うと技術寄りに映りました。
暗示の内容から眠気よりもリフレッシュのほうがより実感できると思います。

このように、2人1組で多彩な催眠をかけるオムニバス形式のサービスが繰り広げられてます。
遊び心のある作品
正統派の催眠音声とは違いますが、それなりの癒しのパワーを持ってる作品です。

6人の東方キャラたちは主人公が癒しや眠気を感じるように
左右に陣取り交互に、あるいは同時に語りかけて脱力と深化を促します。
そしてその中に自分たちらしいイメージを組み込みある程度の個性も出します。

常に2人でリードする双子形式、パートごとにメンバーが変わる豪華な作り
各キャラが持つイメージや音と技術を組み合わせて癒す展開。
催眠に落とすことよりも真新しさやファンサービスを意識して物語を組み立ててます。

聴いた限りだと今作は試験的な位置づけなのではないかなと。
双子を初めて採用してること、パートごとにキャラを変えることなど
これまでの東方入眠抄シリーズにはなかった要素が盛り込まれてます。

それが上手くいってるかと言われれば正直微妙だと思います。
時間が非常に短いので彼女たちらしさを出し切る前に終わってしまいますし
技術的にも準備なしに催眠者をころころ変えるのはマイナスです。
サークルさんもそのへんを理解されてるから外伝扱いにしたのでしょう。

ガチの催眠音声というよりは一風変わった癒し作品と捉えたほうがしっくりきます。
私も催眠の感覚はあまりしませんでしたが落ち着けました。
Re:Volteさんは最近オリジナル作品にも力を入れてますし、今後また何か面白いことをする気なのかもしれません。

ファンのニーズに応えた珍しいタイプの作品です。

CV:秦こころ…saoriさん 今泉影狼…祈流昴弥さん 多々良小傘…冬岸るいさん
宮古芳香…伊藤未緒さん 黒谷ヤマメ…鷹澄真咲さん 純狐…柳愛子さん
総時間 25:36

オススメ度
■■■■■■□□□□ 6点


体験版はこちらにあります

東方入眠抄8 〜影狼さんの月光リラクゼーション安眠誘導〜

サークル「Re:Volte」さんの催眠音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、東方シリーズに登場するキャラ「今泉影狼」が
自分の領域に偶然迷いこんできた人間を穏やかな眠りに導きます。

最終目的の安眠に向けて癒しの感覚を少しずつ膨らませるリラックス特化の作りが魅力で
深呼吸するシーンを多めに用意したり部分ごとに脱力させて心身を適度に解きほぐしてから
狼に関する小話や長めのカウントを交えた暗示でゆっくり眠りに導きます。
狼女と過ごす満月の夜
今泉影狼に安眠できる催眠をかけてもらうお話。

「あら あなた 人間よね?」
影狼はのんびりと話す穏やかな声のお姉さん。
ある日の夜、迷いの竹林で出会った主人公に声をかけると
一緒に散歩しながらこのまま帰るか、それとも眠っていくかを尋ねます。

本作品は現実世界で既に絶滅したニホンオオカミをモチーフとしてる彼女が
月明かりに照らされながら50分近くに渡る癒しの催眠を施します。
原作では満月になると狼に変身するそうですが、作中では女性の姿を維持したまま最後までお世話します。

「浸透する 月の光が あなたを満たしていく ぼーっと満月を眺めていようね 心の疲れが取れていくよ」
全体の特徴としてまず挙げられるのがリラックスを大変重視してること。
冒頭に二人が出会って散歩する様子をイメージしやすい形で語って作品の世界に引きこんでから
深呼吸や脱力といった心身が落ち着くタイプの指示を多めに出しつつゆっくり進めます。

狼女と聞くとワイルドな女性を思い描く人もいるでしょうが
彼女の場合はそれとは随分違うのほほんとした性格をしています。
催眠の技術と口調の両方で癒しを与えてくれるおかげで、後になるほど体の力が抜けていくのを感じます。

催眠は4パート41分50秒ほど。
草むらを散歩してから彼女に膝枕してもらい、深呼吸や脱力をしてまずは軽くリラックスします。

「右手が重くなります 重い 重い 右手が重い」
「体が徐々に動かなくなっていきます 意識と体が分離してしまったかのように 体が動かない」

左右の腕、足、体全体と全身を大まかなパーツに分け
それぞれに「重い」「沈む」といった暗示を繰り返し入れるシンプルなものです。
そして直後に今度は体が温かくなる暗示を入れて感覚を強化します。
彼女の声にかなり強いエフェクトがかかってますから普段よりも音量を絞って聴くのがいいでしょう。

適度にリラックスした後は本格的に催眠状態を深めていきます。
狼と赤ずきんに関する4分程度の小話を挟んでから
彼女に膝枕されてる感覚、匂い、色に関するイメージで心地よさを膨らませ
最後に長いカウントをゆっくり数えながら適度に話しかけて眠りの世界へゆっくり導きます。

「女の子は いつだって頭を覆うように 赤いスカーフをすっぽりと被っていたので 赤ずきんちゃんと呼ばれていました」
赤ずきんのお話は皆さんもご存知の登場人物にちょっとしたアレンジが加えられてます。
彼女が狼女だからこういうストーリーにしたのでしょう。
催眠の技術は特に使われてないものの、心を解きほぐす効果は十分にあると言えます。

「なでなで なでなで もどかしくて気持ちいい」
その後のシーンも引き続き深呼吸しながら彼女と密着してる感覚を楽しむ癒しに満ちたものです。
最終目的が安眠なので頭を空っぽにできるようにあまり難しいことはしゃべらず
無音の時間をわざと挟んだり、彼女の寝息を聞かせて眠りやすい環境を整えます。

私が聴いた時は深い催眠に入った感じはあまりしませんでした。
おそらく深化の暗示をそれほど入れてこないからだと思います。
でも癒しは得られましたし眠くもなったので十分な実用性があると見ています。
リラックス特化の作品
技術で無理矢理眠らせるのではなく、眠たくなる心境へ導いてくれる癒し系作品です。

影狼は迷いの竹林を訪れた主人公がいい気分でここを出られるように
散歩や膝枕をしながら語りかけて心と体を温めてあげます。
冒頭シーンで流れる涼やかな風の音、雰囲気に合った音楽、そして彼女の穏やかな声と態度。
多くの人が安らぎを感じる要素をいくつも盛り込み自然な眠りを提供します。

「ねぇ もしも もしもまた 私に会いたくなったら ここに来て」
そして最初は彼を眠らせようとだけ思っていた彼女も
お話が進むにつれて情が移ったのか、自分の中にある寂しい気持ちを漏らし始めます。
催眠音声は聴き手に働きかけることを重視する一方で術者の心情を描くことは少ないです。
魅力的なキャラが数多く登場する東方らしい描写と言えるでしょう。

催眠は基本的な技法にその場のイメージを絡めて癒しの感覚を広げます。
彼女の温もりを通じて癒すアプローチがある反面、タイトルの「月」に関するイメージが少なく感じました。
脱力や温かさを伝える際に「月明かりに照らされて」など状況に合った言葉を盛り込めばより良くなったと思います。
あとは声にエフェクトをかけすぎかなぁと。

眠りに適した静かな雰囲気漂う作品です。
おまけはBGM2曲です。

CV:祈流昴弥さん
総時間 58:50(本編…49:10 おまけ…9:40)

オススメ度
■■■■■■■□□□ 7点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は6点。
59分で400円とコスパがいいので+1してあります。

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