サークル「礼門屋」さんの催眠音声作品。
今回紹介する作品は、メイドの姿をしている上品な人形が
ご主人様を催眠とエッチなサービスでご奉仕します。
催眠パートでは2人で抱き合いながら彼女の重さや温もりを感じさせる暗示を入れたり
エッチでは2人が一緒に絶頂する様子を描くなど
彼女との一体感を出しながら物語を進めているのが特徴です。
人形だからこそ味わえる無限の快感
「私は目覚めました、あなたは眠ります…」
アンタレスは可愛くて落ち着いた声の女の子。
自分はメイドの姿をした人形で名前は自由に呼んでいいと主人公に告げると
彼をドライオーガズムへと導くために催眠をかけ始めます。
本作品は催眠によって彼女と心をひとつにしてから
SEXを中心としたエッチでお互いを感じながら合計7回もの絶頂を迎えます。
「心をひとつにする」「お互いを感じる」などからわかるように
どちらのシーンも彼女との距離の近さや温もりを感じる描写が数多く登場します。
人形と言うと無機質だとか冷たい印象を抱くかもしれません。
しかし彼女は良い意味で人形らしさが薄れており
催眠の開始からエッチの終了に至るまでに何度もこちらを気遣う言葉を投げかけてくれます。
ややMあたりをターゲットにした穏やかな雰囲気漂う作品です。
「催眠というものは命令ではなく学習です。無意識が覚えることで、導入指示がなくとも、すぐにトランスに入ることも可能になるでしょう」
例えば催眠を開始する前におよそ7分間の時間を割いて
催眠に関する豆知識やリードシステムのお話をしてくれます。
リードシステムはその人が最もよく使っている感覚のことで
大きく視覚、聴覚、触覚の3つに分かれるそうです。
催眠に使用する場合は例えば海をイメージさせる際に
視覚が得意な人には「爽やかな青い空、白い雲」など目に見えるものを多く盛り込み
聴覚が得意な人には「心地よい波の音、カモメの鳴き声」と音に焦点を当てれば容易になります。
本作品では残念ながらタイプによって誘導を変えることはないのですが
いくつか質問をして自分がどれに当てはまるかを軽くチェックさせるシーンが登場します。
「これから催眠が始まりますよ」と心構えをさせてるのかもしれません。
その後に始まる催眠はおよそ20分間。
最初は楽な姿勢で横になり、目を開けたまま彼女の声に合わせて深呼吸します。
「わたしは、どこにいるのでしょうか。はい、あなたの傍にいます。わたしの声、よく聞こえていますよね」
「とてもリラックスして、楽な姿勢で、わたしの声を聞いている、ご主人さま…何故か、見ていて、とても、安心します」
彼女はその様子を眺めながら早速自分がすぐそばにいること
深呼吸で気持ちよくなってる主人公の表情に安らぎを感じていることを伝えます。
テーマである「一体感」を意識したアプローチですね
信頼できる人が近くにいるシチュもリラックスに効果的と言えます。
お次は天上の一点を見つめながら彼女の瞼が重くなる暗示に耳を傾け
それから再度深呼吸をしながら体を脱力していきます。
「目にちからが、入らなくなって、ゆらりと、視界が、消えそうになる。ゆっくり、まぶたが下がっていきます」
「あなたが感じている重さは、わたしの身体の重さです。あなたの無意識と、わたしが繋がっている、あかし」
前者は凝視法、後者は分割弛緩法という催眠音声ではよく使われる技法です。
全編を通じて彼女の話すペースが一定なのが残念ですが
深呼吸のおかげもあって実感できるレベルの心地よさや脱力感が得られるでしょう。
サークルさんの過去2作に比べて雰囲気が落ち着いてるのも大きいです。
またここでも彼女が彼の上に乗ってる描写を交え、脱力感を彼女の体の重さとリンクさせています。
「あなたと私は、催眠の世界の、深い、深いところにいる。無意識に呑み込まれて、深い催眠の海の底に沈んでいる」
そして最後はお馴染みのカウントを数えて深化します。
ここまでの流れは割と堅実で良かったと思うのですが
事前に彼女が目を開ける指示を出しているのは大いに疑問です。
大手のサークルさんが多くの作品で催眠の序盤に目を閉じさせていることからもわかるように
目を閉じることは催眠にとって様々なメリットがあります。
具体的には純粋なリラックス、外部からの情報が遮断され声に集中しやすくなるなどです。
催眠パートの仕上げとも言える深化シーンでそれをわざわざ放棄している理由がわかりません。
下手をすると催眠が解けてこれまでの努力が台無しになる可能性もあります。
メリットよりもデメリットの方が明らかに大きいです。
私の場合も正直なところ催眠の感覚がかなり弱かったです。
例えば目を開けた直後にカウントを数えて閉じさせ
同時に暗示を入れて催眠を一気に深めるなどをしていればまた変わったでしょう。
この後に彼女が目を閉じる指示を出すのはエッチの序盤です。
古典系の技術をテーマに合わせてアレンジしているシンプルな催眠です。
アンタレスの存在を感じ、一緒にエッチできる環境を整えるのを目的に
催眠に関する小話をしてからそれぞれの技術を手堅く行っています。
並行して深呼吸を多めに行うおかげで後になるほど気持ちが落ち着いてくるのが実感できます。
しかし先ほど説明した通り、終盤に致命的な問題を抱えているため
催眠にすんなり入れる人はごく僅かだと私は考えています。
目を開けさせたことを逆手に取って深化を進めるのならわかるのですが
私が聴いた限りではそういった部分は特に見られませんでした。
悪い言い方をすれば最後の最後で自爆してるなと。
まとめると、テーマに沿ってるのだけど効果はいまいちな催眠です。
後になるほど人間味が増すアンタレス
プレイは体を擦りつける、キス、SEX(騎乗位)です。
エッチな効果音はありません。
セルフもありません。
「お人形の、私の身体に、とっても気持ちいい…とってもエッチな快感…刻んで下さい」
主人公に催眠をかけた後、アンタレスは自ら服を脱いでキスをし
さらには体を擦りつけてお互いの気持ちを少しずつ盛り上げます。
エッチは催眠に引き続き彼女が上に乗った状態で
キスや体を擦り合わせてからSEXへと進みます。
ここでも作品のテーマである一体感を意識したセリフが数多く登場し
さらにはちゅぱ音や喘ぎ声も適度に鳴らして彼女自身の興奮っぷりを伝えてくれます。
「んぷぁ、はぁっ、はあぁ… 気持ちいい… キスの感覚で口の中がトロトロになっていく」
「しゅ、しゅごいのおぉぉ…カチカチに硬いオチンポぉぉぉ♪ オマンコの中にずっぽり入ってぇ、いっぱい、いっぱい感じるぅぅぅ…」
最初の「快感上昇」パートは前戯からSEXで1回目の絶頂を迎えるまでのシーン。
彼女は聴き手がSEXをより充実した状態で味わえるようにと
プレイをしながら軽めの暗示を入れて得られる快感を伝えようとします。
そしてSEXが始まると下のセリフのようにちょっぴりアヘった声を漏らします。
本作品は一般的な催眠音声に比べて彼女が乱れる描写に力が入れられており
後になるほど喘ぎ声が多く激しくなります。
反面聴き手に直接働きかけるセリフが少なくなっているので
彼女とエッチしている気分にどれだけ浸れるかが重要になります。
同人音声っぽさをそれなりに持ってるエッチですね。
2番目の「快感持続」パートはSEXの続きとして
彼女が約12分の間に6回連続の絶頂を決めます。
その都度短いカウントを数えて絶頂指示を出す連続絶頂形式です。
「んひゅうぅぅっ、きゃふぃぃぃっ! はふっ、おふぅぅぅ~~っ!♪ お腹にグイグイくりゅのぉぉ… 気持ちいいィ…」
「あひゅうぅぅっ! んひゅっ……ふあぁあぁんっ! はへぇ……お人形のオマンコにぃ、硬いオチンポぉ、ズッポズッポくりゅうううぅぅッ♪」
ここでは普段落ち着いている彼女が絶頂するたびに大きなイキ声を漏らし
後になるほどそれが激しくなる人間の女性に近い反応を見せてくれます。
カウントの前後の暗示がほぼ無く催眠音声のエッチとしては色々残念なものの
純粋なエロさについてはそれなりのパワーを持っていると言えます。
このように、彼女の普段とのギャップを意識した熱いエッチが繰り広げられています。
面白い部分もあるのだが…
アンタレスはご主人様にあたる主人公が今回のエッチを存分に楽しめるように
まずは催眠を使って彼女が実際にそばにいる気分にさせ
それからほぼずっと密着しながら2人が一緒に気持ちよくなれるプレイをします。
彼女の口調や言葉が生み出す静かで落ち着いた様子と
エッチで見せるあられもない姿から伝わってくる人の温もり。
2つのサービスからほぼ正反対の形で彼女の存在を強くアピールしてきます。
そして聴き手が彼女をより近くで感じられるように
催眠のお話をして催眠に対する疑念や緊張を解き
さらに深呼吸を多めに行ってより多くの人がリラックスできる環境を整えます。
過去2作が色々とまずかっただけに、このあたりの流れは以前よりもずっと良くなったと思います。
ですが催眠音声としてこの作品を見た場合
深化シーン以降に問題が山積してると言わざるを得ません。
この深化ですとそもそも催眠に入れない可能性がそれなりにありますし
その状態でエッチを聴いても主人公になりきって楽しむのは難しいです。
細かい部分を見るとセリフのペースと間がほぼ一定なこと
アンタレスが暗示に合わせて口調を変えていない、つまり演技指導がほぼされていないことなど
聴き手をより効果的に催眠に誘導するための配慮にも欠けています。
大手サークルさんの作品が優れてるのはこういう部分にまで心血を注いでいるからです。
今後の作品で改善されることを期待したいです。
エッチはテーマに合わせて彼女が乱れるシーンを多めに入れたのは良いと思います。
ですがそれによって暗示や状況説明を極端に少なくするのは疑問です。
例えば2番目の連続絶頂パートはカウントを数えた直後に彼女のイキ声が流れます。
催眠音声のエッチならまずは絶頂を促す追い込み暗示を入れるのが望ましいです。
私にはこれらの描写がかえって聴き手を置いてけぼりにしているように映りました。
絶頂シーンは全部で7回。
喘ぎ声それなり、淫語そこそこ、ちゅぱ音ごく僅かです。
以上のことから今回はかなり厳しい点数とさせていただきました。
CV:秋山はるるさん
総時間 1:07:07
オススメ度
■■■□□□□□□□ 3点
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