サークル「チームランドセル」さんの同人音声作品(R-15指定)。
今回紹介する作品は、戦争により多くの生き物が死に絶えた終末世界で
少女が元兵士の男性と色んな場所を旅しながらイチャイチャします。
効果音、環境音、音楽、セリフを上手に組み合わせて独特な世界を構築してるのが特徴で
彼ら以外に誰もいない荒れ果てた場所で過ごす寂しさと
そんな中でのんびり楽しく生きようとする彼女の姿が癒しや温かさを与えてくれます。
暗い世界を明るく生きる少女
「あ、へーたいさん こんばんは 眠れなくて起きてしまいました」
少女は明るくて優しい声の女の子。
ある日の夜、主人公と一緒に海を眺めてると
浜辺で寝転んで色んなことを話します。
本作品は2020年から続いてる人気シリーズの第3弾。
戦争のせいで人類がほぼ死に絶えた世界で
運よく生き残った男女がおよそ100分に渡ってのんびり過ごします。
今からおよそ1年前に倒れてた彼を彼女が偶然見つけて看病し
その後は2人で緑あふれる大地を目指して旅を続けてます。
私は今作から聴き始めたのですが、あらすじやキャラ説明が販売ページに書かれてるから
1~2作目を未視聴でも特に違和感なく楽しめました。
1作目は11月7日まで3割引きになってるので、最初から聴きたい人はそちらをおすすめします。
最大の特徴は独特な世界観とそこに没入させる様々な演出。
浜辺、雨が降る森、雪国とパートごとに場所を切り替え
それぞれに合った環境音を流しながら彼女が色んなことを話したりお世話します。
また一部のシーンでは音楽も流して雰囲気を作ったり彼らの心情を表現します。
セリフ、効果音、環境音、音楽を組み合わせて癒すスタイルなので
ASMR系ですが会話は多いしキャラも立ってます。
彼女が何を思い、感じてるかを伝えたほうがその場にいる気分も出ますからね。
どの要素もレベルが高くてシリーズ化されてるのも頷けます。
「へーたいさん 少し 潮風が冷たいです 抱っこしてくださいってことです」
パートナーを務める少女は一言で言えば「複雑な女性」です。
年齢相応の可愛らしいところを見せたかと思えば
終末世界で過ごす寂しさや恐怖を漏らすこともあります。
しかし彼に対してネガティブなことを言うシーンは特になく
今の状況を受け入れたうえで強く生きようとする意志が伝わってきます。
寂しさと温かさを織り交ぜて物語を進めますから
一般的な癒し系作品とは聴き心地が違うし深みもあります。
静けさを出すために効果音や環境音は優しいもので統一してます。
セリフの間隔を長めに取ることも含めて、各要素をバランスよく楽しめるように組み立ててます。
言葉と音で癒すサービス
穏やかな波音をバックで流しながら少女が色んなことを話したり指で耳かきします。
「へーたいさんは 海で泳いだことがあるんですか?」
主人公の髭が伸びてるのを見てちゃんと剃るように言ったり
彼や自分が海で泳いだことがあるかを確認するなど
悲壮感はほとんど持たせず何気ない話題ばかりでほのぼのします。
そして5分ほど経つと片方ずつ指を使って耳をマッサージします。
彼に対して恋愛感情を抱いてるかどうかはわかりませんが
少なくともソフトなスキンシップをする程度なら問題ないと考えてます。
この後のシーンでも彼の胸を揉んだり耳舐めして親しみを表現します。
「へーたいさん 万が一ですよ 万が一 ここで寝てしまったら 海に飲まれませんかね 私たち」
しかしそんな彼女でも終末世界にいる不安は捨て切れないようで
時折弱音と見て取れることを漏らして彼の反応を見ます。
彼女は人に対する愛情が希薄だから、たぶん他人から愛されたことがないのでしょう。
この世界を旅しながら自分が生きる意味を探す別の旅の様子も描きます。
多少の陰を持つキャラに描かれてるところにテーマ性を感じます。
2番目の「02 灰の森 可能性(約40分)」は耳舐め重視のパート。
雨の中1人で探索してた彼を彼女が舌とハグで温めます。
「へーたいさんの命も 私のものですよ そのことだけは 覚えておいてください」
彼が勝手に行動したのが余程心配だったのでしょう。
優しい声と口調で今後は無理しないよう遠回しに諭します。
病院すらない世界なら軽い風邪や怪我でも重病になる可能性がありますし
彼女が言うことは合理的で思いやりに溢れてると言えます。
耳舐めはR-15作品なだけあってかなりソフトなちゅぱ音です。
唇で耳をはむはむしたりコリコリした音をゆっくり鳴らします。
しばらく舐めてからしばらくしゃべるのを繰り返す流れになってるので
耳舐めだけのパートではなく、耳舐めと会話のバランス型だと思います。
そしてここでも彼女が続けてる別の旅に関する話題が出てきます。
1人ぼっちだった頃に彼を見つけてどう思ったのか
2人で旅を続けるうちにどのような心境に至ったかなど様々です。
優しい雨音やピアノBGMも心に染み入りますし、色んな方向から働きかけて癒しと感動を与えます。
本編最後の「03 雪小屋 愛(約37分)」は雪深い地方が舞台。
外が吹雪いてるので無理に出ようとせず、小屋で焚火を作ってから添い寝して過ごします。
「へーたいさん キス してあげましょうか」
自分から密着して彼の胸を撫で始めたり、途中でキスしたい素振りを見せるなど
友達以上恋人未満あたりの距離感でのんびりイチャイチャします。
ここは胸を撫でる以外はサービスと呼べることをほとんどしないので(軽く耳舐めする程度)
主に2人の会話を楽しむパートだと思います。
環境音は吹雪と焚火、音楽は今までと違うものを10分くらい流してました。
具体的に何を話すかは伏せますが、彼女が少し成長したように感じられます。
このように、場所に応じて音とサービスを変えながら言葉でも癒す総合力の高い物語が繰り広げられてます。
切なくて温かい作品
少女は以前助けて一緒に旅を続けてる主人公と少しでも幸せな時を過ごそうと
気さくに話しながら軽いスキンシップを取ったり耳舐めして親しみを表現します。
そしてこれらの最中に色んなことを話して自分自身もスッキリします。
明るくて陰もある少女と終末世界を旅しながらイチャイチャするシチュ
会話、効果音、環境音、音楽を組み合わせて癒すバランス型のサービス
彼女の心情やその変化を適度に漏らして成長する姿を描く演出。
キャラと音の両方が良い優れた作品に仕上がってます。
中でもサービスはどの音も質が非常に高いですし
これらの組み合わせ方や割合も丁度良くて独特な世界観がリアルに表現されてます。
例えば波の音や雨音は常に流れるけど鳥の声はまったく聞こえません。
人間だけじゃなく他の生物も死に絶えてる世界なので現実世界以上の静けさを感じます。
「慎み? ふーん 私に耳を舐めさせておいて 今さらそのようなことをおっしゃると 舐めるのを拒否しないってことは 舐めさせてるのと同義ですよ」
そして寂しい世界に住んでるからこそ、彼女とする他愛もないやり取りが余計ほのぼのします。
見た目通りの可愛さがあるのと同時に、人生について深く考える真面目さも持ってます。
キャラ作りもしっかりしてて「隙がない」と言えるくらい完成度が高いです。
以上を踏まえてサークルさんでは初の満点とさせていただきました。
おまけは60分の耳舐め音声と作中BGMです。
CV:こやまはるさん
総時間 3:03:14(本編…1:43:26 おまけ…1:19:48)
オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点
体験版はこちらにあります
追記
これは1作目からじっくり聴いてみたいですね。
2023年10月22日まで25%OFFの990円で販売されてます。
1作目も11月7日まで30%OFFの924円で販売されてます。
(25%OFFクーポンを併用すると693円まで下がります)