
サークル「桃色CODE」さんの同人音声作品。
今回紹介する作品は、上品で落ち着いてるけど可愛いところもある店員さんが
遠路はるばるやって来た常連客を昼から夜にかけてのんびりもてなします。
最初はコーヒーを淹れる音、ネジを巻く音、ノスタルジックな音楽といった日常に関するもの
次は耳にクリームを塗ったりお掃除するお店のサービスに関するものと
シーンによってサービスと音の構成を変えながら癒したり興奮させるのが特徴です。
エッチ以外は2人で会話やお世話をするので1人の時よりも賑やかに感じるでしょう。

寒い日を道草屋で暖かく
「お散歩にでも行かれるのですか?」
はこべらは丁寧語で話す上品な声のお姉さん。
休憩室の前を通りがかった主人公に声をかけると、中へ案内してからコーヒーを淹れ始めます。
本作品は年末から年始にかけての寒い時期を暖かく過ごしてもらおうと
彼女がおよそ140分に渡って癒しとエッチなサービスをします。
「おこたと時計とごはんの支度」「はこ芹さんとちょっと寝耳かき」「お風呂場のえんまさま」と
全編を大きく3つに分けそれぞれで方向性を変えながら色んな音を鳴らします。
例えば最初のシーンははこべらが時計の修理、芹は栗の皮むきをしてるので
左から機械をいじる音やネジを巻く音、右からはジャリジャリと皮を剥く音やボウルの音が鳴ります。
そして正面は昔の音楽やコーヒーに使うお湯の沸く音が流れます。
同時に鳴らす音の種類が多い、それらの位置や距離を変えて立体感を出す
さらに音の質感も非常に優しくてリアルなど、道草屋にいる気分が味わえるように作られてます。
時間が長いのでセリフもそれなりに入ってますが間隔を空けて音を聴きやすくしてます。
たぶんこれらの音を聴いてるだけでも癒しや眠気を感じるでしょう。
芹「正直 私はあんまりこだわりないんですけどね これが豆から淹れろとうるさいもので」
はこべら「豆のほうが美味しいです」
最中に交わされる様々な会話も場を和ませるのに役立ってます。
タイトル通りはこべらをメインヒロインに据えたうえでふたつのシーンに芹も登場させ
何気ない掛け合いを挟むことで2人の魅力を引き出します。
また耳かきする時は左がはこべら、右は芹と分担してお掃除します。
最近の道草屋は複数の店員を同時に出演させることが多いです。
6作目になると一対一のスタイルを維持した場合、過去作と内容が被る可能性があるので
常に新しいことに挑戦するサークルさんの気風から自然とこうなったのだと思います。
一部ですずなやいのこが出てくるシーンもあったりして割と賑やかです。

時間がゆっくり流れていく感覚
はこべらが主人公を道草屋の休憩室へ招き入れ、そこで雑談しながら目の前の仕事を片付けます。
芹「お客さんも気をつけてくださいね 隙を見せるとすぐですから」
はこべら「大切なお得意様ですから 優しく優しくしてますよ ねぇ?」
はこべらは時計の掃除、芹は栗の皮むきをしてますがそれほど急いでる様子はありません。
主人公に話しかけたり2人で話しながら手を動かしてのんびり進めます。
そしてコーヒーが出来上がるとそれを飲んで一息つきます。
彼女たちの掛け合いもテンポが良くて仲の良さが自然と伝わってきます。
このシーンは主人公に対して何かをすることはありません。
コーヒーを用意する以外は仕事をこなしながらのんびり過ごして心を温めます。
ストーブと思しき稼働音や昔の音楽も流れていてレトロな印象を受けました。
お店なのにお店らしくないことをするのが道草屋の面白いところです。
次の「はこ芹さんとちょっと寝耳かき(約46分)」でするのは耳かき。
前のシーンから少し後、仕事を片付け手を洗ったはこべらが戻ってきて左耳をお世話します。
そしてしばらく経つと芹も加わって右耳を綺麗にします。
使用するのは耳かき棒と綿棒で体勢は膝枕じゃなく寝ながらやってます。
耳かき棒は「ぞすっ」という乾いた滑らかな音が使われており
奥から手前へ掻き出すようにゆっくり動きます。
そして綿棒は洗浄液に浸したものを使うので通常よりもやや湿った摩擦音を鳴らします。
どちらも音が優しくて聴けば聴くほど心が落ち着きます。
芹「なんか変な感じですねー この感じ 妙に馴染んでるのが なーんとも」
はこべら「もう長いですからね」
そしてここでも2人の会話が別の癒しを与えます。
主人公は過去に何度もはこべらを指名してるのですっかり仲良しです。
彼女もそれを芹に堂々と教えて彼を特別扱いします。
恋愛感情よりも友達に近い感覚じゃないかなと。
芹が耳かきをしてる間はみかんを食べる子供っぽいところも見せてくれます。
このふたつのシーンは音と会話のバランスが一番の魅力だと思います。
音のほうが量と種類は多いですけど、登場人物を2人に増やすことで
主人公に話しかけるのとは違うセリフを随所で挟みます。
耳かき中も音の邪魔にならない程度に話しますから安眠よりも癒し重視の作りです。
何をしてるか実況することはほとんどなく、世間話を中心に据えて自然さを出してました。

さり気なく責めるエッチ
プレイはキス、耳舐め、手コキ、乳首舐めです。
手コキの際に効果音が鳴ります(鳴らないバージョンは入ってません)。
「いちご色の舌の味は 普段の舌と変わらない、と結論付けたでしょう? 本当ですか?」
耳かきを終えて主人公と一緒にお風呂へ入ったはこべらは
唐突に素朴な疑問を投げかけ、それを確かめようと彼にキスします。
エッチは終始彼女が責め続けます。
一番最初の「2-いちごみるくの舌の味(約11分)」は雰囲気作りをするパート。
彼女のほうからキスを始めて彼の舌の味を確かめ
その後に今度はいちご味の飴を舐めさせたままキスして先ほどとの違いを確かめます。
エッチな描写がある「お風呂場のえんまさま」だけははこべらが1人でお世話します。
「タオル 不自然に浮いてらっしゃいますので はだけないよう押さえて差し上げますね」
道草屋は風俗店じゃないので基本的にエッチはNGです。
それを踏まえて彼女は偶然そうなったことを装いながら彼を責め続けます。
最初のキスも口実を設けてますし、おちんちんの勃起を確認したら押さえる名目で優しく握ります。
シリーズの過去作と同じく淫語は一切出てきません。
彼女の思わせぶりなセリフとリアルな音を組み合わせてこっそり気持ちよくします。
音に強いサークルさんだからこそできる独特なプレイスタイルです。
続く2パート16分間は射精に向けて追い込みます。
「3-100を数えましょう(約5分)」は数字を数えながら左耳とおちんちんを同時に責め
「4-お風呂場のえんまさま(約11分)」はキスや乳首舐め+手コキに変わります。
「今は…まだ8つくらいだったと思うのですが まだまだ続けないと上がれませんね」
ここでは普段よりも若干意地悪に振る舞って彼を喜ばせます。
100まで数えたら終わりにするのにわざと数字を忘れて責める時間を延ばしたり
「公共の場だから汚しちゃダメですよ」と言って射精のタイミングを遅らせます。
そして中央やや下からぐちゅぐちゅと泡立った水音をリズミカルに鳴らします。
前のシーンと同じく実況をしないのでややイメージしにくいところもありますが
音に明確な違いを持たせて何をしてるかだいたいわかるようにしてます。
残り10カウントをきちんと数えてくれるので射精のタイミングは合わせやすいです。
時間も十分にありますし1回抜くくらいならいけるでしょう。
このように、ストレートな描写をわざと避けてさり気なく責める音重視のエッチが繰り広げられてます。

賑やかで落ち着いてる作品
はこべらは遠路はるばる道草屋へやって来た主人公に満足してもらおうと
昼間は休憩室での雑談や芹と協力しての耳かきで純粋な癒しを与えます。
そして夜は2人きりになれる場所でこっそりエッチして性欲解消のお手伝いもします。
上品でサービス精神旺盛な店員さんと冬の日をまったり過ごすノーマル向けのシチュ
リアルな効果音と環境音を組み合わせて道草屋にいる気分に浸らせてくれるASMR系の作り
これらの最中に交わされる他愛もない会話の数々。
音声を通じて心がぽかぽかになるよう作品を組み立ててます。
中でも音は過去作と同じくどれも最高品質で素晴らしいです。
以前に比べて今の同人音声は音の良い作品が増えてきましたけど
そんな状況でも道草屋シリーズは頭ふたつくらい抜きん出てます。
ひとつひとつのレベルが高く、それらを違和感なく共存させてるのが大きいです。
ループして聴けるように音だけを入れたパートもありますし
この業界でASMRが流行する前から音に力を入れてたサークルさんの貫禄が窺えます。
各シーンを45分程度に収めて聴きやすくする配慮がされてるのも良いです。
射精シーンは1回。
くちゅ音とちゅぱ音そこそこ、淫語と喘ぎ声はありません。
146分で880円ならコスパもかなり良いと言えます。
以上を踏まえてサークルさんでは26本目の満点とさせていただきました。
CV:はこべら…琴香さん 芹…雁庵うずめさん すずな…藤堂れんげさん いのこ…箱河ノアさん
総時間 2:25:56(予約電話…4:34 おこたと時計とごはんの支度…46:29 はこ芹さんとちょっと寝耳かき…45:48 お風呂場のえんまさま…49:05)
オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点

体験版はこちらにあります