捕虜になった女騎士 腹パンサンドバッグ

サークル「ケチャップ味のマヨネーズ」さんの同人音声作品。(R-15指定)

本作品は捕らわれの身となった女騎士が盗賊たちにとことん腹パンをされます。
(腹パン…腹パンチ、ボディブローのこと)
音声作品の中でも非常にニッチでちょっと他に思いつく作品がありません。
このジャンルが好きな人は「ようやく来たか!」と喜んだのではないでしょうか。

ジャンルのユニークさに胡坐をかくことなく音声作品としてもきちんと作り込まれており
腹パンの1発1発についてどこをどのように殴るかを綿密に描写し
食らった瞬間の女騎士の反応とその後の肉体および精神へのダメージ具合を
呻き声や荒い息遣いで臨場感たっぷりに表現しています。

※この先、精神衛生上あまりよろしくない表現がいくつか登場します。
できれば食事の前後には読まないことをお薦めします。



礼儀正しい騎士と気さくな盗賊
女騎士が盗賊から様々なタイプの腹パンを何度も食らうお話。

「騎士であるこの私が 盗賊団を捕まえに来たのに 反対に捕らわれてしまうなんて」
女騎士は礼儀正しく甘い声の女性。
仲間の静止を振り切って一人で盗賊の隠れ家に乗り込んだところ
落とし穴にはまって逆に彼女たちの捕虜になってしまいます。

本作品はいきなり腹パンをするのではなく、そこに至るまでのストーリーも描かれており
最初の2パートは彼女を捕えている盗賊団のリーダーと軽いやり取りをします。
音声作品としてはやや珍しくこの2人が掛け合う形で物語は進行します。

内容は女騎士がリーダーに1対1の決闘を申し込む、といったもので
今回は相手を殺さないように武器は使わず素手で行います。
戦闘なら明らかに女騎士が有利に思えるかもしれませんが
彼女は落とし穴に落ちた際に足を痛めていて思うように動けません。
キャラの性格や物語の背景などもきちんと設定し、違和感なく腹パンへともっていきます。
ボイスドラマとしても結構楽しめるのではないかなと。

「おい! さっきから何をごそごそしてるんだ?」
盗賊団のリーダーはやや粗い言葉遣いをするトーンの低い声の女性。
女だけで構成されている盗賊団の頭目である彼女は、女騎士の半ば無茶な申し出に対して
意外にも快くそれを承諾し、女騎士の縄を解いてやります。
盗賊よりは義賊っぽい印象がする彼女の言動に好感を持つ人がおそらくいるでしょう。

「騎士様ってかなり可愛いし 殴って欲しそうなほど お腹露出させてるし あぁ すごくエロい声出して苦しむんだろうなぁ」
しかし彼女は盗賊ですから当然正々堂々と戦う気はありません。
「殴ってください」と言わんばかりに露出した女騎士のお腹をいかに気持ちよく殴るか
そのための算段をきちんと立てているから受けるのです。



殴り方にまでこだわった濃厚な腹パン
腹パンシーンは4パート合わせて45分ほど。

最初は決闘で女騎士の隙を伺いながら盗賊が何度か攻撃し
その後若干ルールが変更されると彼女の部下たちも加わって立て続けに腹パンをかまします。
当サイトでは前者を「決闘」、後者を「リンチ」と勝手に命名してこの先説明していきます。
テーマがテーマなので女騎士が反撃するシーンは一切ありません。
また殴ったり嘔吐する際にリアルな効果音が鳴ります。

「腹パンを音声としてどう表現するのか?」ここが一番の焦点になるわけですが
本作品では殴る前後の様子をとても丁寧に描写することで
女騎士の苦しみと盗賊の愉悦をバランスよく聴き手に伝えています。


「でも今の一撃 結構深くめり込んでたよね?」
「お腹を ぐちゅっと潰す感じのアッパーですね でも こういう攻撃は 何度も食らったことありますから」

決闘での腹パンはやり取りをしながら1発ごとの効き具合を確認するスタイル。
数分ごとに一撃を入れながら、盗賊が女騎士に「痛いでしょ?」と訊いてきます。
この時点では腹筋も使えるし腰を引いてダメージを軽減できるため
女騎士は普通に受け答えするし、のたうち回ったりもしません。
腹パンの入門編ってところでしょうか。

「効いてませんから 全然平気ですから…」
女騎士も訓練で何度も腹パンを食らった経験があるそうで
平気とまではいきませんが強がりを言うくらいの心の余裕が見られます。
騎士ですしメンタル面は相当に鍛えられているのでしょう。

「やめてください お腹に膝蹴りは… えへっ えうぅ ごほっ」
しかし数発攻撃を受けて盗賊が相当な達人であることを思い知ると
その仮面もだんだんと剥がれて悲痛な声を漏らし始めます。
特に終盤に登場する膝蹴りシーンは強烈で、食らった時の声もそうですが
その後の呻き声を上げながら必死に嘔吐感を抑えようとする姿に心が痛みます。
普通の聴き手ならこのあたりでギブアップするのではないでしょうか。

「額を地面に擦りつけて 身動き一つ取れないなんて …可愛すぎるっ!」
それに追い打ちをかけるように放たれる盗賊のセリフも容赦がありません。
女騎士が悶絶する姿に大いに喜び、この後さらに手厳しい攻撃を加えようとします。
この2人の様子の落差が非常に大きくその場の凄惨さを何よりも克明に物語っています。

対するリンチシーンは殴り方にこだわるスタイル。
女騎士を実験台にして腹パンに未熟な部下たちに殴り方をレクチャーしたり
試しに殴らせてそれぞれを評価したりします。
完全にサンドバッグ状態ですね。

「お腹の真ん中 特にうっすらと筋が浮いているだろう? そこを狙って殴ればいいからね」
「お臍あたりの腸は 腹膜に守られているけど 胃袋は守られてないからね」

レクチャーの内容は単に「どこをどう殴る」だけではなく
人間の体の構造、特に筋肉や内臓の位置についても言及している本格的なもので
盗賊が腹パンに対して並々ならぬ情熱を持っているのがひしひしと伝わってきます。

「じゃあ次は 胃袋を掴むいじめ方をしようか ストマッククローね」
「ぐっ えぐっ ぐはっ えっ えへうぅ」

極めつけは最後の方に登場するストマッククロー。
一度腹パンをして拳をお腹にしっかりめり込ませてから
指を使って胃袋の位置を探し当て、掴みます。

途中で何度か失敗して他の部位を掴んでしまうのですが
その時の声と胃袋を掴んだ時の声が明らかに違って
女騎士がこの攻撃にどれだけ苦しみを感じているかがよくわかります。
私も記事を書くのでなければきっとイヤホンを外していたでしょう。

ちなみに腹パンの回数はおよそ19回です。
紹介した以外にもエグい殴り方がたくさんありますので
腹パンフェチな方でもおそらく満足していただけます。

このように、とことんまで腹パンを追求したぶっ飛んだプレイが楽しめます。



腹パン好きにはたまらない作品
一番の売りである腹パンに加えてボイスドラマとしても優秀な作品です。

礼儀正しく正直な女騎士と狡猾な盗賊とのやり取りが普通に面白く
女騎士の自尊心を煽ってリンチプレイへ持って行ったりと
キャラの個性を活かして腹パンを始めるまでの道筋やその後の展開を組み立てています。
作品のコアとなる腹パンも1発ごとに意味や価値を明確に定め
それらを食らわせながら女騎士の心と体が徐々に崩れていく様子も描いています。

そして後になるほど生気を失っていく女騎士とは正反対に
どんどん活気づく盗賊の姿が非常に残酷で印象的でした。
盗賊が話している間も後ろで女騎士の息遣いが聞こえるのがいいですね。
2人の様子が把握しやすく、その場のヤバさが伝わってきます。

女騎士の声も最初はまだ可愛さが残っていたのが
終盤は嘔吐するようなややグロい声を上げて苦しみを露わにします。
正直かなり人を選ぶ声ですが好きな人ならゾクゾクするかなと。

腹パンについても人によって大きく好みがわかれるでしょうが
ボイスドラマ的な観点から見ると恐ろしいほどに洗練されています。
聴く前は漠然と「ドカドカ殴りまくるのかな?」と予想していただけに驚きました。

そして殴られた際の女騎士の反応も殴り方や殴られた部位でどれも違って
視覚的な情報無しでも十分イメージできるような演技がされています。
声優さんもかなり考えながら演技をされたとのことで、その努力が結実していると言えます。
私も聴き終えた際にお腹のあたりに軽い痛みを感じていました。

ジャンルのニッチさを考慮して当サイトではやや低い点数とさせていただきましたが
完成度が非常に高く好きな人ならまず確実に満足できる作品です。

おまけは長瀬さんと渡会さんによるフリートークです。

CV:女騎士…長瀬ゆずはさん 盗賊…渡会ななせさん
総時間 本編…1:04:59 おまけ…12:05


オススメ度
■■■■■■□□□□ 6点


体験版はこちらにあります