同人音声の部屋

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タグ:円木左右子

   ● ほんわか魔女のお散歩お取り寄せ便
   ● ほんわか魔女の癒しお届け便


ほんわか魔女のお散歩お取り寄せ便

サークル「ステレオポッシ」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、普通の人とは少し違うことのできる可愛らしい魔女が
男性を海辺に連れて行き色んなサービスをして眠りに導きます。

良い意味で魔女らしくない彼女のふんわりしたキャラや
ありとあらゆる行為にリアルな効果音を入れてるきめ細かな作りなど
聴き手が物語の世界に自然と入り込み、癒しを感じるような工夫が随所にされてます。
不思議な力で夜の海へご案内
海辺で魔女のルゥから癒しのサービスを受けるお話。

「あのー お散歩お取り寄せ便です」
ルゥは明るくてほんわかした声のお姉さん。
ある日の夜、寝付けない主人公に呼ばれてやって来ると
不思議な扉を使って彼を海の散歩へ連れ出します。

本作品はサークルさんの処女作「ほんわか魔女の癒しお届け便」の続編。
彼の家でのんびり過ごす様子を描いた前作から大きく場所を移し
今回は夜の海辺を散歩したり、近くで座ってお茶・音楽・耳かきを行います。
登場人物が一緒なだけで内容は独立してますから今作から聴いても問題ありません。

「かの有名な どこでも扉ほどは自由ではありませんけれど きちんと使用すれば危険はありませんから ご安心くださいね」
そして作中では彼女が魔女らしくちょっぴり不思議な力を交えて彼を癒します。
魔女と言うと怪しい女性をイメージするかもしれませんが
彼女は「薬草魔女」と呼ばれており、様々な植物の力を借りて人々に生きる活力を与えています。
今回するサービスもその活動の一環なのでしょう。

声や態度が本当に普通の女の子といった感じで、作品全体に柔らかい雰囲気が漂ってます。
それでいて癒し系専門店とはやや違った切り口のお世話をするのが魅力です。

彼女と並ぶもうひとつの魅力は効果音と環境音。
場所が海ということで二番目の「歩きましょう」パート以降は風の音や波の音が流れ
彼女が何かをする時はそれぞれに適したリアルな効果音が必ず鳴ります。

耳かきをするとか、散歩中の足音といった定番のものだけでなく
彼女が何かを取り出す音、体を少し動かしたときに椅子が軋む音、サンダルを履く音など
非常に細かいところまで専用の効果音がちゃんと用意されていてどれもリアルです。
そしてあらゆるものを音で表現できてるから会話がとても自然です。

環境音については季節が冬、それも天気がやや荒れてる日に設定されており
音声作品でよく聴く「ざざー」という穏やかな波音ではなく「どごーん」と打ちつけるような荒々しい音が使われてます。
体験版を聴いていただけばわかるように音量も結構大きいです。

ですが心配はいりません。
製品版には環境音の音量が抑えられてるバージョンも同梱されてます。
私も最初に通常版で聴いてたら気になって、試しに小さいほうに変えたらとても聴きやすくなりました。
音が大きいほうがリアリティがあると思う人もいるでしょうし、このへんは好みで選ぶといいです。

風変わりな魔女と物語の世界を形作る様々な音。
キャラとサービスのバランスが取れてる優れた作品です。
寒い夜も2人一緒なら…
不思議な扉を通って海に到着した後、最初にするのはお散歩。
お話しながら足が濡れるかどうかくらいまで海に近づき、少し佇んでから扉の近くまで戻ります。

「お住まいの土地と比べて 空気はどうですか? 同じ気温でも 山と海だと感じ方が随分違いますよね」
「こうして 誰かと歩くのもいいですね 向かい合って座ってお話するのとは 違った良さがあります」

ルゥは彼が眠れないことを心配してるのか、気遣う言葉を適度にかけます。
そして自分と一緒に歩いてることを意識させて安心感を与えます。

彼女は専門店の店員ではありませんから会話も普通の女の子とさほど変わりません。
この何気ないところが逆にホッとさせてくれます。
海に着いたばかりということで、まずは聴き手を作品の世界に引きこむことを目標に進めます。

「段差 ありますからね 足元気をつけてください」
もうひとつの売りである音も優れたものばかり。
風や波の音がリアルなだけでなく、2人が移動するのに合わせてだんだんとそれらが近づいてきます。
また途中で段差を下りる/上るシーンがあり、そこではすぐ横にいた彼女が中央やや遠くへ移り
彼が無事通過したのに合わせて元の位置へと戻ります。

彼女が先に移動し、それに彼が続く様子を声の位置や距離の変化で表現してるわけです。
こういった細かい演出をひとつひとつ積み重ねて臨場感を上げてるのが本作品の素晴らしいところです。
二作目とは思えないほどあらゆる部分にこだわりが見られます。

本格的なサービスが始まるのはその後から。
彼女が用意した椅子に座って一緒にお茶を飲んだり、挿し絵にあるギタレレの弾き語りを披露します。
そして最後は40分近くもの時間をかけてじっくり耳かきします。

「あぁ まーぶたのなーかでー なにをみつーめーて いーるーも しらずー」
弾き語りは音声作品だと滅多に聴けないサービスですし
実際にやってるとしか思えないほど声と音のリズムが取れていて品質も高いです。
普段とは違う囁くような声で彼女が歌うところも夜の海の雰囲気に合ってます。

耳かきは膝枕の状態で右耳→左耳の順にタオルを使って外側を拭き
それから耳かき棒のみを使ってゆっくりお掃除します。
息吹きや耳舐めをするシーンはありません。

タオルは「ずりずり くしゅっ」と面積が広く篭った音
耳かき棒は「ずしゅっ しょりしょり」と乾いたやや硬い音が使われており
前者は軽く撫でるように、後者は掻き出したり壁を優しく小刻みに引っかくような動きをします。
効果音の音量がやや大きいのが気になるものの、どちらもペースが緩く力加減は優しいです。

内容だけを見るとごくごくシンプルですが、彼女が時折手を止めて軽く休んだり
耳かき棒を外に出してトントンと叩き、取れた耳垢を処理するといった細かな動きが適度に入ります。
今までとは違い彼女があまりしゃべらずに進めるのもポイント。
眠りに落ちようとしてる彼を妨げないよう静かに、そして丁寧にお世話します。

寝ながら聴くのに適した比較的レベルの高い耳かきです。
風変わりな癒し系作品
敢えて野外を選び、そこにいる気分に浸らせながら様々にお世話する癒しに満ちた作品です。

ルゥは主人公が眠れない理由を自分なりに考察し
散歩=軽い運動をさせたり、リラックス効果のあるお茶を出したり
音楽を聞かせてまずは心身を眠りやすい状態へと導きます。
そして最後にできるだけ話さずにリアルで優しい音をゆっくり鳴らして眠らせます。

「私は ここに いますから ゆっくりお休みくださいね」
彼女が癒し系の女性で尚且つ医術の知識があるからか
単にお世話するのではなく相手の症状に合ったサービスを選んでるように思えます。
そこに彼女の特徴である「魔女らしさ」を付け加えてオリジナリティを出してます。
夜に彼を一瞬で海に移動させるのも彼女だからできることです。

そして海に行けば誰でも聴ける風の吹く音や波の打ち寄せる音を使って別の癒しを与えます。
環境音が流れる作品は現実世界のノイズが遮断されるおかげで音声に集中しやすいです。
通常版では多少うるさいと感じた人も小さいバージョンなら落ち着いて聴けるでしょう。
多彩な効果音も含めた「音による癒し」も本作品の重要なポイントと言えます。

個人的には前作で非常に淡白だった耳かきを大幅に増強してきたのが一番の驚きでした。
最後のサービスなので音重視にして他のサービスとの差別化を図ってますし
効果音についても音量を多少下げて聞けば問題なく楽しめます。

ちょっぴり幻想的な雰囲気漂う癒し系作品です。
1時間20分で500円ならコスパも申し分ありません。
以上を踏まえて今回も満点とさせていただきました。

CV:円木 左右子(つぶらぎ さうこ)さん
総時間 1:20:52

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

ほんわか魔女の癒しお届け便

サークル「ステレオポッシ」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する同サークルさんの処女作は、明るくほのぼのとした雰囲気の魔女が
癒しのサービスや何気ない会話でひと時の安らぎを提供します。

良い意味で魔女らしくない彼女のキャラ、最中に鳴るリアルな効果音など
すべてがありのままの癒しの要素で統一されており
聴いているだけで自然とリラックスできる温かい空気に包まれています。
魔女が届ける癒しのプレゼント
魔女のルゥから癒しのサービスを受けるお話。

「あのー 癒しお届け便です 失礼します」
ルゥは明るくてほんわかした声の女の子。
主人公の依頼を受けて癒しを届けに彼の家へやって来ると
最初のサービスとしてハーブティーを淹れてあげます。

本作品は彼にひと時の癒しを提供するために
彼女が紅茶を淹れたりマッサージや耳かきをしてくれます。
魔女というとちょっぴり怪しいイメージを抱く人もいるでしょうが
魔術的な要素はほとんどなく、人間の女性と一緒に過ごす場合にとても近いです。

「簡単かとは思いますが あなたさまがリラックスでき 少しでも お疲れを労えましたら幸いです」
それどころか彼女は専門店の店員さん以上に親身になってサービスをしてくれます。
言葉使いは上のセリフのように丁寧なのですが
声や態度がとても柔らかく、その飾らない姿には大いに親しみを感じます。
「ちょっと変わったことのできる女の子」といった印象です。

サービスについても誰でもできる何気ないもので統一し
それらの多くをクリアでリアルな効果音を使って巧みに表現しています。


作品説明文には書いてありませんが、おそらく声と効果音の両方ともバイノーラル録音と思われます。
おかげで彼女が実際にサービスしてくれている気分がとても味わいやすいです。
特に紅茶を淹れるシーンは絶品と呼ぶに相応しい臨場感のあるサービスを聴かせてくれます。

一番最初に登場する紅茶を淹れて飲むシーンは15分ほど。
彼女が持っている大きなカバンの中に入ったティーセットを使い
カモミールティーを淹れて2人が飲むまでの一部始終を様々な効果音を交えてお届けします。

テーブルクロスを敷いてカップを置く音、特製のケトルとポットスタンドでお湯を沸かす音
カモミールの入ったティーポットにお湯を注ぐ音、カップに注いだ紅茶を彼女が飲む音など
セリフなしでもわかるくらいにありとあらゆる部分を音だけで表現しています。
「新規のサークルさんだから大したことはやってこないだろう」と思っていただけに正直びっくりしました。

さらに素晴らしいのがこれらを会話を交えながらスムーズに行っていることです。
音声作品は効果音を個別に録って、それらをセリフと組み合わせているはずなのですが
本作品の場合は先ほど挙げたすべての工程を慣れた手つきで切れ目なく行っています。
実際に紅茶を淹れている様子をそのまま音だけ切り抜いた感じですから当然リアルです。

「目の前で茶葉が踊るのを見ていると 水中庭園みたいで 少しだけ非日常感があって それだけを見てる なんだか 贅沢な時間」
「ふぅー やっぱりお茶はいいですねー ほっこりします」

最中に見せるルゥの屈託のない様子も心を潤します。
ティーポットにお湯を入れた後、そこに入ったカモミールの花が開く様子を楽しげに眺めたり
できたお茶を一緒に飲んで美味しそうな表情を見せたりと
癒しを提供する立場でありながら、彼女自身もこのひと時を楽しんでいる表情を見せます。

こういった様々な「何気なさ」が本作品が持つ癒しの源だと私は考えています。
温まった心と体で安らかな眠りへ
次に登場するマッサージはおよそ7分間。
座っている主人公の後ろにルゥがまわり、肩・首・頭の順に揉んだり擦ったりします。

ここでも擦るときは「しゅりー さすっ」とかなり滑らかな音
叩くときはトントンと拳が優しくぶつかる音
頭部マッサージでは「じり じょり」と髪越しにを指で擦っているような音、といったように
体の部位に合わせて音の質感や動き方を上手に切り替えてその様子を描いています。
特に頭部は音が一気に近づきますから、その特徴的な音が耳に心地よい刺激を与えてくれます。

もう一つの大きなポイントはバックで鳴る水滴の音。
マッサージをする前に彼女がラベンダーのアロマを焚くシーンがあり
ここから音声終了時まで水の滴る音がやや間を置きながら流れ続けます。

じっくり聞くと音の間隔が不規則なことから実際に焚いて流しているのでしょう。
音量も控えめで彼女の声やサービスの音を邪魔せずに良い雰囲気を出しています。

最後に行う耳かきは約8分。
膝枕の体勢でまずは指で両耳を同時にマッサージし
それから右耳→左耳の順に耳かき棒と綿棒で汚れを取り、最後に息を吹きかける家庭的なものです。

マッサージは「こしゅっ しゅりっ」と滑らかな音
耳かき棒は「ずり じょりっ」と若干ざらつきのある軽い音
綿棒は耳かき棒よりも音の位置がかなり近くざらつきのある音が使われており
マッサージと同じく音質、動かし方いずれもリアルと言えます。

「耳も「凝る」って言うんでしょうか? 痛いとき ありませんか? ふふっ 効くといいですね」
中でも耳をマッサージしている最中、彼女が話しかけてくるシーンで
セリフが若干篭るところが非常に印象的でした。
彼女の手が耳を覆っている状況ですから当然声は聞こえにくくなります。

こういった細かな部分もしっかり表現しているのは大手のサークルさんくらいです。
それを処女作でやってのけているのが素晴らしいですね。

しかし耳のマッサージと耳かきを合わせて時間が8分しかない影響で
ここだけはやや慌しくなっているのが残念です。
最低でも倍、できれば20分くらいの十分な時間を取ってじっくりやって欲しかったです。

このように、リアルな音を活用した臨場感のあるサービスが繰り広げられています。
何気ないひと時を切り抜いた作品
ルゥと同じ時間を過ごしている気分が味わえる良作です。

彼女は癒しを求める主人公のために、魔女らしいことは敢えてあまりせず
それぞれのサービスを心を込めてゆっくりと行います。

サービスの内容だけを見ると至ってシンプルです。
しかし、彼女の口調や態度から伝わる人としての温かさやリアルな効果音の数々が
実際にその場にいるような気分にさせてくれます。
そして彼女が紡ぐ何気ない言葉の数々が心をホッとさせてくれます。
作品を構成する諸々の要素が生み出すまったり感がとても心地いいです。

個人的に最も印象的だったのがこだわりのある演技の数々です。
ルゥのキャラやセリフ、最中に鳴る効果音を違和感無く組み合わせている点に加えて
一つ一つの動作に対しルゥ役の円木さんが実際にそう動きながら演技しているように見て取れます。

「和んでほっこりするような 癒しの時間をお届けに参りました どうぞ よろしくお願いいたします」
例えば冒頭で彼女が挨拶をするシーン。
上のセリフを言うとき「よろしくお願いいたします」の部分だけ声が若干篭ります。
それは円木さんがお辞儀をしながら言っているからと思われます。
他にも紅茶を淹れる準備のために取り出したカバンの説明をする際に
それをポンポンと叩いたり擦っているような微かな効果音が鳴ったりもします。

要は声だけでなく身振り手振りも交えながら演技しているっぽいのです。
これが本作品を妙にリアルに感じる要因なのではないかなと。
耳かきを実際に手を動かしながら演技されている作品とかはあるのですが
こういう何気ないセリフや動作にまでそうしている作品はあまり見ないです。
この作品に対するサークルさんの熱意が強く感じられました。

唯一残念なところを挙げるとするならやはり耳かきの短さですね。
サークルさんも自覚されているようですし、次回以降もっとボリュームのあるサービスにしてくれると思います。
この点を除けばパーフェクトと言えるくらいに高いクオリティを持っています。

ありのままを音声にしたような心安らぐ作品です。
約50分で300円とコスパもバッチリ。
以上を踏まえて本作品を条件付きの満点とさせていただきました。

CV:円木 左右子(つぶらぎ さうこ)さん
総時間 47:33

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は9点。
コスパがいいので+1してあります。

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