サークル「催眠日記」さんの催眠音声作品。
開設初期に紹介した作品を現在の視点から改めてレビューする再レビュー企画。
その第4回目は上品なお姉さんの誘導で深い催眠に入った後
様々な暗示と命令を聞き、それに従う喜びを感じながら気持ちよくなります。
催眠音声では珍しく主人公の属性をSに設定し
Mじゃない人でもM向けのプレイが楽しめるよう親切丁寧なリードをします。
一応調教プレイになりますが、どぎつい指示は特に出ません。
ですからSやノーマルな方がMの気分や快感を味わうのに向いています。
SなあなたにMの喜びを
「こんな夜遅くまで起きてたの? もう悪い子ね」
お姉さんは明るくお淑やかな声の女性。
夜更かししている主人公の前に突然現れると
Sな彼をMにするための催眠をかけてあげます。
冒頭でも書いたように、本作品は催眠音声では珍しくSな人を対象に作られています。
催眠音声は精液を飲むとか、スクール水着を着るなど
ドMや変態をターゲットにした作品が非常に多く人気もあります。
そういった作品を多少なりとも楽しめるようにするのがひとつの目的です。
もちろん、SからMに属性を切り替えさせるのは容易ではありません。
だから彼女は最初に深い深い催眠状態に聴き手を誘導し
その後にややMあたりのプレイをしながら少しずつMの喜びを教えてあげます。
催眠特化の作風を得意とされている催眠日記さんらしいきめ細かなリードが光っています。
催眠は2パート22分30秒ほど。
最初のパートは心身を催眠に入りやすい状態にするために
深呼吸や脱力をしてしっかりリラックスします。
「体の力が抜けてくると それに応じて 脳の力も抜けてくる」
テーマがM化なのだからSっぽく振舞うのだろうと思いきや
お姉さんはまるで母親のように穏やかな声と言葉で安らぎを与えてくれます。
ここが本作品の面白いところで、彼女はエッチの後半に入るまで完全に対等な立場で接してきます。
M向けの要素がまったくないからSやノーマルな人も安心して聴けるし、すんなり催眠にも入れるでしょう。
難しいテーマだからこそ慎重かつ丁寧にサービスを進めています。
「力が抜ける そして 少しずーつ トランス状態へと入っていく」
催眠についてもサークルさんの実力が遺憾なく発揮されています。
どのシーンも最適なタイミングで「力が抜ける」「気持ちいい」と暗示を入れてくれるおかげで
最初のパートを聴き終える頃には適度な意識のぼやけや脱力感が湧いてきます。
最も感銘を受けたのはお姉さん役を務める紅月ことねさんの演技。
かける言葉や暗示、カウントのひとつひとつに至るまで
すべてをその状況に適したペース・語気・スピードで投げかけています。
この素晴らしい演技が催眠により入りやすい雰囲気を作り上げています。
続く深化パートはさらに深い催眠状態へと導くために
彼女がカウントを何度も数えてその都度催眠が深まる暗示を丁寧に入れます。
「ずーんと 落ちていく… 考える力が 脳から抜けていく…」
「ただ真っ白な世界 気持ちのいい世界 あなたの心は 真っ白だから 私の言葉 ひとつひとつに 素直に従う」
前のパートでリラックスできているおかげで多くの人が彼女の声に心地よさを感じると思います。
そして後になるほど「ずっとこうしていたい、何もしたくない」感覚が強くなるはずです。
それが催眠が深まりつつあるひとつの目安です。
最後のほうに少しだけ揺さぶりをかけて催眠に入りやすくしてくれてもいます。
リラックスして深化する至ってシンプルな催眠です。
聴き手の心を一旦リセットし、彼女の言葉を受け入れやすくするのを目的に
古典系の催眠法を使ってゆっくりじっくり催眠を深めてくれます。
この時点で彼女はテーマのM化にまったく触れてきません。
声や口調もSっぽさがまるで感じらないノーマル向けの催眠を施しています。
最初から目的に絡めようとしていないところがとても印象的でした。
まとめると、誰にでも安心して聴ける親切丁寧な催眠です。
彼女に従う喜びを感じながら
プレイは声による絶頂、命令の遂行、オナニーです。
エッチな効果音はありません。
セルフとドライ両方の絶頂形式が登場します。
「この気持ちよさも大好きだけど エッチな気持ちよさも 好きだよね?」
主人公を深く心地いい催眠の世界に案内したお姉さんは
彼にさらに気持ちよくなってもらうために
さらなる言葉を使ってその体をエッチな熱で包み込みます。
エッチの最初に登場する「ドライ」パートは声だけでイク催眠音声らしいプレイ。
引き続き短めのカウントを細かく刻んでその都度体の熱が高まる暗示を入れ
準備が整ったところで軽く絶頂する指示が出ます。
「ほらっ 全身に熱いのが広がって 体が熱くなっていく」
プレイが5分程度とかなり短いこともあり、時間内にドライ絶頂できるかは正直微妙です。
しかし彼女に言われてお腹のあたりがぽかぽかしてくる人は普通にいるでしょう。
ですから自分が催眠に入っているのを実感できるパートだと思います。
そしてこれは彼女の声に依存=隷属しつつあることも表します。
彼女もこのあたりからだんだんとM化に向けて本格的なアプローチをしてきます。
続く「命令」パートはいよいよ本作品のメインディッシュ。
彼女が出すいくつかの命令を聞き、最終的にはセルフによる射精を目指します。
「私の命令を実行したら とっても とっても幸せになるの」
「ご主人様の命令に背いた罪悪感が一気に押し寄せて 不安になって 悲しくなって 寂しくなって そして とっても泣きそうになってしまう」
これだけの準備をしてきたにも関わらず彼女はまだ手を緩めません。
パートの開始直後に簡単な命令を出し
それに従うと幸せ、従わないと不安になる暗示を何度も何度も入れます。
ここでのポイントは両方のケースに暗示を入れていることです。
従う場合のメリットと従わなかった場合のデメリットを鮮明に印象付け
聴き手がなんとなく「従ったほうがいいな」と思えるように誘導しています。
要は彼女はこちらを無理矢理Mにするのではなく、自分からMになりたくさせているんです。
押し付けがましくないからMじゃない人でもある程度受け入れやすく感じるでしょう。
相手の性質を踏まえた現実的かつ効果的なアプローチと言えます。
最初の命令を出した際に彼女は敢えてそれに抵抗するよう呼びかけます。
実際にやってみたところ、そこまで強くありませんが心に引っかかるものを感じました。
そして次に命令通りにしてみたらえらくスッキリしたのを覚えてます。
この2つの感覚を使って彼女はこちらの動きを巧みに操作します。
「ほらっ 気持ちいい! 今まで感じたことのない幸福感が あなたの頭を支配する!」
その後に行うオナニーも多少の焦らしを交えて性感を高め
最後にカウントを使ってタイミングよく射精させてくれます。
純粋なプレイ時間が4分程度と短いにも関わらず問題なく射精できたのは
適度な焦らしをしてくれたことや彼女の命令に従うことに喜びを感じていたからだと思います。
このように、催眠が持つ可能性を使ってM化を進める変わったエッチが繰り広げられています。
Mの心が少しだけわかる作品
声に従う喜びや快感も教えてくれる優れた作品です。
お姉さんはMなプレイや指示に抵抗を感じる主人公の特性を踏まえて
エッチの後半に差し掛かるまではごくごく普通に接し
まずは自分の言葉を素直に受け入れられる体勢を築きます。
そして2種類の相反する暗示を使って彼が自らそう願うように命令を出します。
結果だけを見れば確かにM化の調教です。
しかしそこに至るまでの道筋は極めてソフトです。
彼女は最後の命令をするシーンですらこちらに拒絶する権利を与えています。
この優しさもM化を達成するのに大きく役立っています。
「拒絶しにくいから従ってしまう」そんな極めて変則的な調教が行われています。
催眠は流れや技法はシンプルですが細部の作りが素晴らしいです。
序盤のシーンから催眠特有の心地よい感覚が湧いてきました。
後半の深化も段階的に落ちていく感覚が味わえます。
エッチはドライパートは準備に近く、その後の命令パートがメインです。
ドライよりもセルフによる射精を楽しみたい人に向いています。
命令といっても服を脱いでオナニーするくらいですから変態プレイが苦手な人でも普通に聴けます。
淫語ごく僅か、ちゅぱ音と喘ぎ声はありません。
サークルさんらしい変わった手法でM化を推し進めている異色作です。
既にMな方には手ぬるく感じるでしょうからノーマルやSの方にのみおすすめします。
CV:紅月ことねさん
総時間 50:07
オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点
体験版はこちらにあります