サークル「ホワイトピンク」さんの催眠音声作品。
開設初期に紹介した作品を現在の視点から改めてレビューする再レビュー企画。
その第106回目は声も態度も穏やかなボクっ子が
エッチな催眠で快感と幸福感を与えます。
イメージと暗示を組み合わせて深化と絶頂を促す催眠重視の作りが魅力で
催眠パートは深呼吸と脱力で心身をリラックスさせてから
真っ白な世界でふわふわ浮かぶ様子を主観視点で話して心地よさを与え
エッチは純粋なエロ要素をほとんど使わず感度強化を厚めにやってからドライへ導きます。
男女どちらでも聴けるようになってるので女性の方にもおすすめします。
ボクっ子と一緒に幸せな世界へ
「こんばんは それとも こんにちはかな? 今日はここに来てくれてありがとう」
ボクっ子は優しくて中性的な声の女の子。
音声を聴く際の注意事項を簡単に説明すると
自己紹介してから男女どちらに見えるか尋ねます。
本作品は少年っぽいしゃべり方と女性の優しさを合わせ持つ彼女が
自分に会いに来てくれた彼におよそ60分間の気持ちいいサービスをします。
彼を幸せにすることを目標に掲げてるのでM向けの要素は一切なく
催眠とエッチの時間を同じくらいに設定してゆっくり丁寧にリードします。
「今日は君の自由 君の思うようにしてくれればそれでいいの」
そして彼女は作中の至るところで「自由」という単語を使います。
服装や視聴環境といった準備から始まり
催眠開始後も聴き手にある程度判断を委ねて緩い雰囲気を作ります。
すべてを投げっぱなしにするわけじゃないからいい加減さはありません。
やることをきっちりこなしたうえで多少のゆとりを持たせてます。
イメージを使って感覚を操作するシーンも多いのも自由を意識してるのでしょう。
エッチについては男女どちらでも楽しめるように純粋なエロさはかなり抑えて
その代わり感度を上げるアプローチを入念にかける催眠重視の内容です。
全然エロくないからこそ、催眠状態ならではの快感を味わいやすくなってます。
2015年に出た作品なので奇抜さよりも品質を大事にする形で組み立ててます。
リラックス重視の柔らかい催眠
楽な姿勢で目を瞑り、まずは深呼吸と脱力で心身をリラックスします。
「こんなふうに横になったら なんだか心が落ち着いて 力が抜ける そんな感覚を感じられるかもしれないね」
そして彼女は聴き手が自由を感じられるように堅苦しさをできるだけ和らげた誘導をします。
深呼吸は最初に大まかなペースを教えたら後は任せて暗示に専念し
さらに「~かもしれない」などのやや曖昧な表現にして押しつけがましさを薄めます。
ややトーンが低い声も相まって落ち着ける空間ができてます。
本作品の催眠はベースは思いっきり古典ですけど
これらの中に現代催眠のテクニックを加えたハイブリッド型です。
これのおかげで指示的な暗示が減っており、テーマの「自由」に寄り添った催眠になってます。
「意識を向けると ほら 今度は右脚から力が抜けていく すーっと抜けていく ゆっくりと 気持ちよーく抜けていく」
次の脱力は右腕→左腕→右脚→左脚→全身の順で
「力が抜ける」などの暗示を小まめに入れます。
最後の全身だけは「ずーんと沈む」と言って深化させますし、技術面が安定してて入りやすいです。
2番目の深化パートは内容を大きく変えて働きかけます。
真っ白な空間に漂ったり好きな人とデートするイメージを行い
そこで手に入れたガス風船が空に浮かんでる様子を語って心を和ませます。
「どこまでもどこまでも 風船が気持ちよさそうに ふわふわと浮かんでいく 心地よさそうに 広い空を漂い続けていく」
風船を聴き手の意識に当てはめて話しますから
彼女の言葉に合わせて浮遊感や心地よさを感じる人がきっといるでしょう。
「ふわふわ」を適度に挟んでリズムと柔らかさを持たせるなど
前のパートとは違うやり方で癒しと幸福感を与えます。
心身の脱力を厚めに行う癒し系の催眠です。
聴き手を真っ白な世界へ案内して幸せにすることを目的に
深呼吸から入って手足に的を絞った分割弛緩法、風船のイメージを使った深化と
古典催眠の技術にイメージを盛り込んでのんびり進めます。
キャラ、声、セリフ、技術のすべてが優しいもので統一されてるおかげで
20分程度の長さでもかなりのリラックス効果が見込めます。
脱力は「力が抜ける」、深化は「真っ白」とシーンごとにキーワードを定めて
それを何度も言って少しずつ確実に感覚を伝える手堅いアプローチをします。
風船なら誰でもイメージできるので、催眠音声の初心者でも普通に楽しめると思います。
色を使って気持ちよくするエッチ
プレイは感度上昇、エッチなイメージ、カウントによる絶頂です。
エッチな効果音はありません。
セルフはありません。
「快感の白が 君の中に溜まっていって 気持ちのいい感覚に染め上げていく」
催眠を使って主人公を2人だけの世界へ案内したボクっ子は
暗示を駆使して心地よさをエッチな快感に変えていきます。
エッチは体の接触を一切せず言葉とイメージだけでイかせます。
最初の2パート18分間は心身の感度を上げるシーン。
「4.えっちな感じへと(約4分)」はさらなる深化と感度強化
「5.えっちパート(約14分)」は白い世界をピンク色の世界に変えて興奮を煽ります。
「意識も思考も 真っ白になって消えていく ただただ 真っ白 まーっしろ 幸せの白」
そして彼女は引き続き幸福感を与えて頭の中をとろとろにします。
4番目のパートは催眠の終盤とエッチの序盤を兼ねた内容になっており
深化の暗示を入れながら白い世界に気持ちよさを感じるように誘導します。
催眠特有の感覚を突き詰めた感じになっててなかなか気持ちいいです。
「意識すればするほど あそこがいやらしく反応しちゃう 触られているような なぞられているような 舐められているような そんな感覚を感じちゃったら…ふふっ 気持ちいいね」
それに対して5番目のパートはピンクが持つ印象を通じて感度を上げます。
体が敏感になる暗示を入れたり、エッチなイメージをいくつか列挙して好きに選ばせます。
そして誰かに性感帯を触られてる感覚を与えて徐々に盛り上げます。
ちなみに性器は「あそこ」とぼかした表現にしてました。
白い世界をピンクの世界に変えるのはサークルさんの名前を体現したようなアプローチです。
ピンクは風俗店やアダルトサイトでよく使われており
人々にとってエッチなイメージが無意識的に定着してます。
そういう情報を呼び起こして感覚を操作するのは催眠ならではと言えます。
最後の「6.ドライ絶頂(約8分)」は絶頂シーン。
あるイメージを織り交ぜながらカウントを数えて着実に追い込みます。
1回目は軽め、2回目は強めと刺激を変えて連続絶頂させてました。
0を宣言した後は畳みかけるように暗示を入れて上手に盛り上げます。
このように、技術とイメージを駆使して絶頂させる催眠色の強いエッチが繰り広げられてます。
催眠重視の穏やかな作品
ボクっ子は自分に会いに来てくれた主人公に幸せなひと時を提供しようと
まずは深呼吸や脱力を中心に据えた催眠で別の世界に招待します。
そしてその後は白い世界をピンク色の世界に変えて気持ちよくなる暗示を入念に入れます。
優しいボクっ子が「自由」をテーマにしたあまあまなサービスをするシチュ
古典催眠の技術に現代催眠のテクニックを盛り込んだ柔らかい催眠
淫語やちゅぱ音をほとんど使わず暗示とイメージで気持ちよくする独特なエッチ。
催眠音声の魅力をストレートに追求した高品質な作品に仕上がってます。
中でも催眠は催眠パートはもちろん、エッチにも強く反映されててこだわりを感じます。
全然エロくないのに気持ちいい不思議な感覚が味わえました。
一応股間に快感を集中させてきますけど、脳で絶頂する人も普通にいると思います。
幸福感に包まれながらイけるおかげで気分がスッキリしました。
絶頂シーンは2回。
淫語ごく僅か、ちゅぱ音と喘ぎ声はありません。
以上を踏まえて前回と同じ点数にさせていただきました。
CV:沢野ぽぷらさん
総時間 57:29
オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点
体験版はこちらにあります
追記
作品自体の点数は8点。
57分で770円とコスパがいいので+1してあります。