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   ● ぐっすり眠れる耳かきボイスβ-2
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ぐっすり眠れる耳かきボイスβ-2

サークル「チームランドセル」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、三途の川の橋渡しをしてるクールな死神が
自分の領域に迷い込んできた女性と耳かきしながら色んなことを話します。

サークルさん最大の武器とも言えるアンビエントBGMはもちろん
彼女のキャラ、耳かき音、環境音など作品を構成する色んな要素が高い水準を誇ります。
物語の前半と後半で彼女の属性やお話の内容が大きく変わるのも魅力です。
音と言葉が紡ぐ癒しの物語
死神のユリに耳かきしたりされるお話。

「気がついた? 私の名前はユリ この小舟で橋渡しをしている」
ユリは淡々と話す優しい声の女の子。
どういうわけか霧に覆われた不気味な世界に迷い込んだ主人公に声をかけると
記憶を失ってる彼女にここがどこか教えてあげます。

本作品は今年8月に発売されたサークルさんの代表作「ぐっすり眠れる耳かきボイスβ」の続編。
何らかの事情で生きたまま三途の川に舞い降りた主人公を現世へ送り返そうと
彼女がおよそ80分に渡って2種類の耳かきをします。
シリーズものですが総時間のほとんどが耳かきですし、前作とは主人公が違うので今作からでも問題ありません。
ちなみに主人公はSなお嬢様キャラ、つまり女性に設定されてます。

チームランドセルさんと言えばアンビエントBGMを取り入れた耳かきで有名なサークルさんです。
本作品もその例に漏れず、音声開始1秒の時点から色んなタイプのBGMが流れます。
場所が生と死の狭間ということで全体的にダウナーな曲調ですが
ホラー作品によくある背筋が凍るものではなく、ミステリー作品で流れる不穏なものが中心です。

また不穏なだけでは安眠できないだろうということで
二人の会話や心理状態に合わせて癒しを感じる曲も適度に流れます。
簡単に言うと若干おどろおどろしい雰囲気の癒し系BGMです。
3分程度の間隔で曲が変わっていきますから最後まで飽きずに聴けるでしょう。

それ以外の要素もアンビエントBGMに引けを取らない品質を誇ります。
メインのサービスにあたる耳かきは音質と動きの両方がリアルで変化に富んでますし
作品の大部分で川の流れる音、水面が揺れる音、焚き火の音といった環境音も流れます。
音量や割合のバランスも取れており作品世界が音だけで見事に表現されてます。

「私は見る人によって性格が変わるの あなたが見て 好ましい性格に」
もちろん耳かきや会話をするユリの存在も忘れてはいけません。
彼女には相手に合わせて自分の性格を変化させる能力があるらしく
耳かきの前半と後半で態度やセリフが大きく変わります。

具体的には前半がドM、後半はSに振る舞います。
といっても全年齢向けですからそこまで行き過ぎた描写はありません。
彼女の魅力を引き立てるための演出あたりに留まってます。

シーンによって小まめに変化するアンビエントBGM、効果音、環境音
ユリの特性を盛り込んだ落差のあるセリフ。
音声作品を構成する色んな要素に個性があり、尚且つどれもハイレベルな総合力の高い作品です。
両方の立場を楽しめる落ち着いた耳かき
6分程度のドラマパートの後に始まる「ドM耳かき」はユリが耳かきされてる様子を楽しむパート(約38分)。
彼女の媚びた言葉にS心をくすぐられた主人公が押し倒し
最初はうつ伏せに、しばらくすると仰向けにさせたまま特殊な器具で耳をお世話します。

「言っておくけど いくら私でも刺さったら 間違いなく死…あっ あ…入ってく」
本作品の耳かきで使う器具は一般的な耳かき棒ではなく、ユリが持つ「地獄蜂の毒針」と呼ばれる武器の一種。
彼女によるとそれに刺されたら死神ですらあっさり死ぬほどの威力があるそうです。
三途の川で耳かき棒や綿棒を取り出したら逆に不自然だからこうしたのでしょう。
効果音自体は至って普通の耳かき音です。

毒針耳かきは「かりかり くしゅっ」と細く硬さのある音が使われており
ゆっくり掻き出したり耳の壁を擦るなどを短い間隔で切り替えながら動きます。
作中には「~を掃除しますね」などの耳かきに関するセリフは一切なく、すべてを音だけで表現してます。
力がかなり抑えられてますから長時間聴いても耳や頭が痛くなることはないでしょう。

「あなたみたいな美少女に そんな汚いものを見る目で見られるなんて…いい」
最中のユリは主人公の性的嗜好をくすぐる言葉を囁き声で適度に投げかけます。
死神の力を使って常に耳元から話しかけるので普段の耳かきとまったく同じスタイルです。
パートの前半はあまり話さず吐息をメインに、後半は会話量を多めにすることで
アンビエントBGM、効果音、環境音といったセリフ以外の部分もバランス良く楽しめるようになってます。

続く「ドS耳かき」は攻守が逆転しユリが主人公を責めるパート(約35分)。
前のパートの最後で主人公が根っからのドSではないと見抜いた彼女が
ドMからSへ属性を一気にシフトさせてスリリングな耳かきをします。

「やっぱり こっちのほうがゾクゾクする 命を握る感覚」
前項で説明したように彼女は相手の心に同調して自分の性格を変化させます。
だからSの心が弱まった主人公を死神らしいセリフを織り交ぜて積極的にお世話します。
耳かき自体は普通にやってセリフでSっ気を出す感じです。
前作を聴いてる人はこっちのほうがユリらしいと思うのではないでしょうか。

「もしかしたらとても辛いことかもしれない 楽しいことかもしれない けれど それをまっすぐ受け入れて 自ら望んで火を灯し続ける限り 必ず あなたの熱を求めて 人は集まってくる」
しかし彼女は死神ですからまだ死ぬ予定のない人間を無理矢理死後の世界へ送る気はありません。
人の命を火や薪に例え、人生をより良く生きるためのアドバイスもします。
このシーンでは環境音が川の音からパチパチと火が燃える音へと変化し別の癒しを与えてくれます。
最初はSらしく振る舞い、中盤以降は優しく接することで前のパートとは違う彼女の魅力を引き出してます。

このパートは会話量が結構多いので「安眠できるか?」と言われれば少し首を捻りますが
癒しのパワーは強くキャラも立っていて音声としての面白さを十分過ぎるほど持ってます。
同じ耳かきでも前半と後半で随分違う印象を抱くでしょう。

このように、各要素のバランスや方向性に変化をつけた珍しい耳かきが繰り広げられてます。
不穏だけど落ち着ける作品
安眠、癒し、勇気といった心にプラスに働く成分を送り込んでくれる作品です。

ユリは生きたまま生死の狭間に飛ばされてきた主人公を無事現世へ送り返そうと
相手が望むサービスや性格でもてなしながら色んなことを話します。
そして耳かきの様子はもちろん、周りの状況や二人の心理状態をBGMや音でリアルに表現します。

サークルさんの専売特許とも言える多彩かつ高品質なアンビエントBGM
それに効果音と環境音を違和感なく盛り込んだ完成度の高い作り
ユリの特性を色濃く反映させた構成とセリフの方向性。
耳かき音声だからといってそれだけを突き詰めるのではなく、作品全体のバランスを大事にしながら物語を進めます。

「もし あなたが自信をなくしたら また 来るといいわ」
中でもユリは死神らしさを出しつつ主人公を元気づける重要な役割を果たします。
このところの耳かき音声はセリフよりも効果音に力を入れたASMRが多くなってますが
本作品は耳かきよりもキャラやBGMといった他の要素の存在感を大きくしてます。

アンビエントBGMは総時間が前作の2倍以上になったのを受けて曲の種類が増えてます。
癒し→不穏→癒し、みたいにどちらかへ傾かないよう流す順番を考えてますし
二人の気持ちに曲調を合わせるなど、垂れ流すのとは明らかに違う使い方がされてます。
環境音も同時に流れるおかげで現実世界のノイズが遮断され、異世界に降り立った気分が味わいやすいです。

耳かきは特製の毒針だけを使う至ってシンプルなものです。
音や動きは多彩ですが色んなタイプの音を聴きたい人には物足りなく感じるかもしれません。
アンビエントBGMや環境音も一緒に楽しんでほしいから敢えてこうしたのだと思います。

前作の正統進化と呼ぶのが相応しい個性溢れる作品です。

CV:七瀬真結さん
総時間 1:20:12

オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

追記
2017年12月31日まで20%OFFの560円で販売されてます。
その場合の点数は10点です。

ぐっすり眠れる耳かきボイスθ

サークル「チームランドセル」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、1歳違いで友人よりもずっと深い関係にある二人の女の子が
散髪や耳かきをしたり一緒のベッドで寝て幸せなひと時を過ごします。

アンビエントBGMと効果音を組み合わせた独特なサービスが行われており
シーンによって曲調を切り替えながらリアルな音を鳴らして臨場感と癒しを与えます。
最中に交わされる百合成分強めの会話も大きな魅力です。
癒しの音楽に包まれて
水那(みな)と心陽(こはる)がイチャイチャするお話。

「あ、はるちゃん 起きちゃった?」
水那は素朴で甘い声のお姉さん。
親しい間柄にある心陽を起こさないようにお店で髪を切ってると
目覚めた彼女に百合っぽいことを言って軽くからかいます。

本作品は大きく2つのパートに分かれており
水那Partは親が美容師で自分もそれを目指し専門学校に通ってる水那が
間もなく大学受験を迎える1歳下の心陽に散髪と耳かきをします。
もうひとつの心陽Partはそのまま水那の家にお泊りし、一緒のベッドで会話してから眠りにつきます。
パートごとに話し手が切り替わる作りになってるので二人が掛け合うことはありません。

「ぐっすり眠れる耳かきボイス」の名の通り安眠効果が強く
特に多くのシーンで流れ続けるアンビエントBGMが大きく貢献しています。
前作「ぐっすり眠れる耳かきボイスβ」では舞台が三途の川ということでおどろおどろしさを感じるものだったのですが
今作では物語に合わせてゆったりした温かみを感じるものに揃えてます。
音声作品でこの要素を使ってるサークルさんはほとんどいませんし、間違いなく最大の個性と言えます。

本作品の良さはもちろんそれだけではありません。
散髪シーンでは「ざしゅっ」という小気味いいハサミの音が位置や距離を小まめに変えながら鳴り
耳かきも使用する器具の質感に合った音と動きをします。

アンビエントBGMと効果音のバランスに気を遣った親和性の高いサービスをしていてレベルが高いです。
二人がしゃべらず音だけが流れる時間もそれなりに取られてますから
音フェチ(ASMR)系の作品が好きな人も十分に楽しめます。

水那「私の前で寝てるはるちゃんを見てるとね 可愛いから ちょっと悪戯したくなっちゃう」
心陽「嬉しかったなぁ 好きな人に髪を切ってもらうのって こんなに幸せなんだって思ったよ」
もうひとつ、最中に交わされる百合会話も大きな魅力です。
全年齢向けなのでそこまで踏み込んだことは言わないものの
お互いのことを「好き」と言ったり、体を密着させた際に恥ずかしがるなど
相手を友達よりも恋愛対象と認識してるふうに見える描写がいくつも登場します。

しばらく話し、しばらく黙るのを繰り返す流れなのでASMRと共存できてますし
何よりセリフの内容がどれも甘くて聴いてるこっちがムズムズしてきます。
明らかに相思相愛なんだけど最後の一線を踏み出せずにいる感じですね。
付き合いはそれほど長くないそうですが、セリフの端々から絆の強さが自然と伝わってきていい雰囲気ができてます。

シーンに合わせて変化するアンビエントBGM、音と動きの両方にこだわった効果音、そしてイチャラブ成分の強いセリフ。
色んな方向から癒しを注入してくれる総合力の高い作品です。
思いやりに満ちたサービス
前半にあたる水那Partはおよそ34分間。
挨拶などの前置きは省略して髪を切ってるシーンから始まり
一通り終わった後は椅子に座ったまま耳かきに移ります。
水那視点のお話なのでセリフを言うのは彼女だけです。

美容師の卵なだけあってハサミ捌きに不安や緊張は特に見られず
もみあげのあたりをお世話する際は耳に軽い刺激も伝わってきてかなりリアルです。
切るスピードや大きさも目まぐるしく変化しますし、効果音だけでも十分な癒しが得られます。

「うん 可愛い子だった なんか 前から学校とかで見かけたことがあったらしくて ずっと好きだったんだって」
「私も今こんな風に はるちゃんを独り占めできてて 嬉しいな」

そして水那のセリフが散髪に彩りを与えます。
友人に頼まれてその妹と会い交際を迫られたことを話したり、焼きもちを焼く心陽に自分の気持ちを素直に漏らすなど
特別な感情を抱くもの同士だからこそできる踏み込んだ会話が多いです。

前項で書いた通りASMRの側面も持ってるので時間に対するセリフの量は少なめですが
ひとつひとつの濃度が高く、お互いがお互いを思いやってるのがわかります。
傍から見て恥ずかしいと思うセリフを公然と言えるところに仲の良さを感じました。

続く耳かきは綿棒だけを使って右耳→左耳の順にお掃除します。
「ずりっ ぷすっ」という乾いた引っ掛かりのある音が軸を中心にゆっくり回転したり手前と奥を往復します。
両耳合わせて12分程度しかない関係で多少物足りなくも感じますが品質は高めです。

後半の心陽Partは42分間。
水那に誘われて彼女の家に泊まることになった心陽が
一緒のベッドで体を密着させながら羊を数えたり安らかな寝息を立てます。
前のパートの終盤から雨が降り始めたのを受けてほぼずっと雨音がバックで流れ続けます。

「今みたいに抱き合ってる姿想像したりすると なんだか心が温かくなってね でも私だけが水那ちゃんに癒されてばっかりじゃ申し訳ないから 私も何かしてあげたい」
心陽は優しくて純粋な女の子。
色んなことをしてくれた水那に対する感謝の気持ちを自分なりのやり方で伝えます。
水那に求められてちょっぴり戸惑いつつ正面から抱き合う姿や
眠そうな声で羊を1匹ずつゆっくり数えていく姿に水那への思いやりがよく現れてます。

そして一人でも多くの聴き手がそのまま安眠できるように無言の時間が長めに取られてます。
アンビエントBGM、雨音、心陽の吐息や寝息だけが流れる時間はとても静かで落ち着いており
心の通じ合った女の子同士が体を寄せ合って寝るシチュにも癒されます。

終盤には目覚めた心陽が心温まる独り言を漏らしますし
何かひとつの要素ではなく全体で癒そうとする姿勢が見られます。
このように、音楽やセリフで個性を持たせたシンプルなサービスが繰り広げられてます。
百合百合したASMR作品
特別な関係にある女性たちがイチャイチャする様子をリアルに描いた作品です。

水那は以前家庭教師として自分の勉強を教えてくれた心陽の受験勉強を応援しようと
現在腕を磨いてる散髪と簡単な耳かきで頭と耳をスッキリさせます。
そして心陽はその気持ちに報いようと体の温もりと羊数えで水那を安眠に導きます。

シーンによって曲調が変化するアンビエントBGM、サービス中に鳴るリアルな効果音
そして女性同士の恋愛を感じさせるセリフの数々。
音楽や音を大事にしつつ二人の関係も活かしたサービスが味わえます。

アンビエントBGMは言葉で説明しにくい部分があるのであまり細かく書きませんでしたが
最初から最後まで垂れ流すのではなく、二人の会話に合わせて中断や再開を繰り返す凝った演出がされてます。
ピアノやギターを基調にした穏やかなもの、神秘的なもの、多少おどろおどろしいものなどを
効果音とセリフの邪魔にならない音量に抑えて流します。

個人的に最も面白いと感じたのは聴き手の立ち位置です。
百合っぽさをほぼ出してなかった前作とは違って今作はどちらのパートも主人公を女性に設定し
「可愛い」「好き」といった好意を感じる言葉を適度な分量でお互いに投げかけます。
そして聴き手は二人が仲良くする様子を見守る役にまわります。

男性の場合主人公=聴き手にならないので作中のキャラになりきる楽しさは薄くなってますが
彼女たちのやり取りをニヤニヤしながら鑑賞する別の楽しさがあります。
音による癒しも十分得られますし、音声作品としての完成度は高いです。

音楽はもちろん、それ以外の部分にも光るものを持ってる作品です。

CV:水那…七瀬真結さん 心陽…笹原ぽたこさん
総時間 1:16:56

オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

追記
2017年10月15日まで3割引の490円で販売されてます。
その場合の点数は10点です。

ぐっすり眠れる耳かきボイスβ

サークル「チームランドセル」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、三途の川の橋渡しをしてるクールな女の子が
偶然迷いこんできた人間にちょっぴりスリリングな耳かきをします。

効果音や環境音に加えてアンビエントBGMを流しながら物語を進めるのが特徴で
ゆったりしたリズムやほのかな寂しさが漂う曲調が声や音とは別方向の癒しを与えてくれます。
涼しさを感じる要素が充実してますから暑い時期ほど気分がスッキリするでしょう。
生と死の狭間にある癒し
死神のユリが耳かきするお話。

「気がついた? 私の名前はユリ この小船で橋渡しをしている」
ユリは無感情に話す可愛い声の女の子。
夢のような世界に佇んでる主人公に声をかけると
彼の記憶が戻るのを待ちながら今の状況やここがどこかを教えます。

本作品は現世とあの世の境界にあたる三途の川を舞台に
彼女が30分程度の時間を使って会話や耳かきをします。
主人公が何らかの事情で死んだなどの重い設定は特にされておらず
作品の個性や非現実感を出すための演出としてこのようにしています。

ちなみに販売ページのジャンルに「百合」が入ってますが
主人公が女性だと断定できる描写は見あたりませんでした。
女性っぽく感じるのは体臭を嗅がれて恥ずかしがるシーンくらいですね。
メインのサービスは耳かきですから男性でも他の作品と同じ感覚で聴けます。

本作品を語る上で絶対に外せない要素はアンビエントBGM
音声の開始から終了までシーンの状況に合った緩やかな音楽が流れ続けます。
催眠音声ではサークルF・A・Sさんが技術と音楽を融合させた作品をいくつも制作されてますが
耳かき音声でこういった要素を取り入れてるものは今のところ非常に少ないです。

ユリの声や他の音を阻害しないレベルの音量に設定されており
シーンの状況や二人の会話の内容に合ったものが流れるので統一感があります。
聴いた感じではミステリー番組で流れそうなひんやりした雰囲気の曲が多かったです。

アンビエントBGM以外の音も全体的にハイレベル。
川に浮かんでる状況を踏まえてバックに緩やかな水音が流れ続け、時々水滴の落ちる音が入り
ユリが体を動かす時には涼やかな鈴の音も鳴ります。

本作品が発売した8月は一年で最も暑い時期ですから、聴き手をぐっすり眠らせるには涼を与えるのが一番です。
単に珍しい設定を用意するだけでなく背景を見据えた素材を用いるところが素晴らしいです。

「万が一 船から落ちたら 命の保障はできない」
耳かきをするユリのキャラも音楽や音と同じ属性を持ってます。
感情をほとんど表に出さず淡々と話し、その中で彼にちょっとしたスリルを与えて反応を観察します。
意地悪に振舞うこともありますが、からかう程度で悪意を感じるほどではありません。
終盤には優しいところも見せてくれますから無感情キャラ、あるいは不器用キャラと呼ぶのが妥当です。

声、音、音楽といった作品を構成するすべての要素が涼しい。
暑い時期に安眠を提供することを強く意識した独特な作品です。
様々な音に包まれながら
ユリと出会い6分程度のやり取りをした後に始まる耳かきはおよそ26分間。
「地獄蜂の毒針」と呼ばれる怪しい器具を綿で包み右耳→左耳の順にお掃除します。
他の器具や息吹きはありません。

毒針耳かきは「ざり ずり」とざらつきのある尖った音が使われており
耳の壁を優しく引っかくようにゆっくり動きます。
音自体は一般的な耳かきとほぼ同じなのでヤバさは薄いです。
動きのペースやストロークも小まめに変化しますし比較的レベルの高い耳かきと言えます。

「もし私の手元が狂って 1cm いえ、3mmでも奥に行ったら…」
ただし、合間に入る彼女との会話はそれなりにスリリングです。
彼が暴れて船から落ちないように体の動きを封じ、耳の中を鋭利な道具でお世話する。
圧倒的に有利な状況を通じて彼女に生殺与奪を握られてることを意識させます。

怪談などを聴いた時によくある背筋が凍る感覚を与えるわけです。
といっても耳かき中は吐息を漏らすほうが圧倒的に多いですから脇役に近い位置づけです。
耳かき中は音重視、それ以外は会話多めとメリハリがあるのも本作品の魅力です。

バックで流れ続けるアンビエントミュージックも癒しに大きく貢献してます。
右耳の手入れを始めた当初はピアノベースのものだったのが
左耳に移ると寂しさや懐かしさを感じるものへ変わります。
また二人が会話するシーンでは無音になって静けさを演出します。

ユリの声、言葉、耳かき音、川の音、吐息、音楽。
様々な音に包まれ続けるひと時はとても心地よく、後になるほど心が落ち着いたりスッキリするのを感じます。
このように、ASMR系でありながらキャラも立ってる質の高い耳かきが繰り広げられてます。
ひんやりした作品
暑さや気だるさをある程度吹き飛ばしてくれる作品です。

何らかの事情で三途の川に飛ばされた人間を見つけた死神の女の子が
軽いスリルを与えながらなんだかんだで彼の耳を綺麗にしてあげます。

うるささを感じないレベルで流れ続けるアンビエントBGM、耳かきを彩る様々な音
そして基本的にはSだけど一部でデレる彼女のキャラ。
耳かき音声の要所をしっかり押さえ、それ以外は定番のものをできるだけ避けてお世話します。

中でもアンビエントBGMは環境音とは違った方向の癒しを与えてくれます。
耳かきを決して邪魔しない程度の存在感に留めてあるのが素晴らしいですね。
これによって二人の会話や耳かきといったメインコンテンツが上手く引き立ってます。

耳かきは他の部分を頑張ってるからというのもあるのでしょうけどとてもシンプルです。
でも音質や動かし方が優れてるので単調に感じることはありません。
他の要素とのバランスも取れていて完成度が高いです。

「私はいつでもあなたを待っている でも ここに来るたび あなたの心を蝕んでいく」
ユリについては死神っぽさをできるだけ崩さない形で彼に接します。
声や表情には出しませんが彼女も彼と過ごすこのひと時に安らぎ感じてるように映りました。
クールでありながらそこはかとない温もりも感じる不思議な女性です。

ひんやりした雰囲気漂う個性的な作品です。

CV:七瀬真結さん
総時間 35:05(BGMなしのバージョンもあります)

オススメ度
■■■■■■■■□□ 8点


体験版はこちらにあります

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