サークル「チキンハーツ」さんの同人音声作品(全年齢向け)。
2012年から始まって4作品目となる「うざあね」シリーズ最新作は
弟のことが好きで好きでたまらない構ってちゃんなお姉ちゃんが
耳かき・シャンプー・添い寝の3つのサービスをしてくれます。
タイトルにもなっている彼女のウザさだけでなく
サービスの要となる効果音の質も大幅にパワーアップ。
この2つの長所が心に温もりを、耳に心地よい刺激を与えてくれるでしょう。
相変わらず弟離れができていないお姉ちゃん
「お姉ちゃんの 耳かきタイムだよー」
お姉ちゃんは明るくて可愛い声の女の子。
弟と少しでも長く一緒にいたい彼女は
唐突に耳かきをしてあげると宣言し、実行します。
シリーズを聴いたことのない人のためにこの「うざあね」が何かを説明しますと
簡単に言えば極度のブラコンで寂しがり屋なお姉ちゃんが
あの手この手で弟に何かをしてあげたりしてもらおうとします。
他の癒し系音声のように奉仕してもらうのではなくサービスを強いてきます。
この彼女の強引さやウザさが本作品の大きな特徴の一つです。
「はいっ あ・た・ま こ・こ・に あっ それともあれかい? お姉ちゃんスカートに穿き替えてきたほうがいいのかい?」
「こっちに来ないと死んじゃうぞー お姉ちゃん来ないと死んじゃうぞー じ・け・つ はいっ じ・け・つ」
冒頭に行われる耳かきをするまでのやり取りを聴いただけでも
彼女がいかに弟を愛し、強く求めているかが嫌と言うほど伝わってきます。
ここまでストレートに愛情を表すキャラもなかなか珍しいです。
でも元々の声が可愛いことや、弟に煙たがられてもヤンデレ行為に走らないこと
そして弟もそこまで強い拒絶をしないことから
とても仲のいい姉弟のほのぼのとした風景あたりに留まっています。
きちんと弟のことを考えながらウザく振る舞ってる感じですね。
一番最初に行われる耳かきはおよそ16分間。
右→左耳の順に耳かき棒で大きな汚れを、綿棒で小さな汚れを取り
そのあと息吹きをしてから化粧水に浸した綿棒で仕上げます。
耳かき棒は「ぽり しょり」と乾いた軽い音
綿棒は「ずずっ じー」と耳かき棒より柔らかく平べったい音が使われており
どちらも不規則に耳の壁を奥から手前、あるいは逆にかき出すように動きます。
音質・動かし方いずれもかなりリアルな部類と言えるでしょう。
また本作品の耳かきは5秒程度効果音を鳴らした後
取れた耳垢を処理しているのか、無音の時間がその都度小まめに入ります。
耳かき音声を色々聴いている方にはややテンポが悪く感じるかもしれません。
リアルさを追求する反面、音フェチ度がやや弱まっているように思えます。
「なかなか大きいの発見 じゃあそーっと」
最中のお姉ちゃんはと言うと、冒頭のウザさは一気に薄れ
あまりしゃべらず静かな吐息を漏らしながら一生懸命耳かきに取り組みます。
耳かき中までウザくされたらさすがに困りますし、このへんは妥当な演出かなと。
今穿いてる下着の色をアピールするシーンもありますが、基本的には落ち着いて聴けます。
きめ細かいシャンプーと心安らぐ添い寝
いい加減な洗い方をしている弟を見かねてお姉ちゃんがお風呂へ乱入し
一旦シャンプーを洗い流してから改めてシャンプーとリンスをかけ、背中を流します。
「しゃくしゃく しょわ」と若干粗さのある軽快な音が
前後左右に掻くように動いたり、優しくかき回したりする様子はとってもリアル。
そのポリッとした音の質感も耳に適度な刺激を与えてくれます。
実録としか思えないほど音も動かし方も洗練されています。
「流す時は ぱぱっと洗い流すんじゃなくて シャンプーと同じくらい時間かけたほうがいいんだよ」
さらに素晴らしいのがサービスそのものの進め方。
シャンプーで髪を洗った後、流す時にはそれと同じくらい入念に行い
続くリンスは髪に軽く馴染ませる程度につけ、その後すぐさま洗い流します。
リアルな効果音を取り入れている作品では
その良さをアピールするために意識して長めに流す場合があるのですが
そういう考えを敢えて切り捨て、サービスをリアルに提供することに努めています。
お姉ちゃんの健康に関する小話もその様子をイメージする良い手助けになっています。
そして十分温まったところで2人一緒の布団に入り眠ります。
2人とも社会人として立派に働いてるはずなのですが
未だにこういう寝方をしているところに仲の良さが感じられます。
「それにゲームは好きだけど どうせお金使うなら 2人でできるゲームを買ったりしたいかなー」
自分の好きなゲームをするにしてもやっぱり弟と一緒がいい。
彼女にとって弟は必要不可欠なかけがえのない存在です。
そんな彼と抱き合いながら寝る様子は安らぎに満ちており
会話の後に聴こえてくる寝息もとても幸せそうに感じます。
多少行き過ぎたところもあるけどここまで深く愛してくれる肉親はそうそういません。
だからこそ聴いているうちになんとなく心がぽかぽかしてくるのだと思います。
一風変わった癒し系作品
リアルなサービスによる音フェチ向けの側面も持っている作品です。
家にいる時は弟にべったり、外に行く時も一緒じゃないと気が済まない
彼のすべてを求め、自分のすべてを捧げるお姉ちゃんの真っ直ぐなキャラが
ちょっぴり煩わしくもありますが大きな温もりを感じさせてくれます。
過去作では一部やりすぎな感もあった彼女なのですが
今作ではそういったシーンも特に無く安心して聴けます。
個人的には絶妙なラインのウザさ加減だと思います。
どこまで構えるかを考え、引き下がるべきところはきちんとそうしています。
もう一本の柱であるサービスや効果音についても
過去作や月宮さんの個人サークル「ドット*ハーフ」での経験を活かし
できるだけリアルに、そしてわかりやすくを心がけながら作られています。
中でもシャンプーシーンはバイノーラル録音ではないはずなのに
音の質感や位置がとても立体的に感じられました。
個性的かつ安定感のある守備範囲の非常に広い作品です。
リアルに疲れて心が渇いている人、寂しい思いをしている人が聴くと
きっと勇気や安心といった心にプラスに働く感情が湧いてくるでしょう。
CV:月宮怜さん
総時間 49:59
オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点
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