双子催眠

サークル「わたがし家」さんの催眠音声作品。

今回紹介する作品は、男性をおもちゃにして遊ぶのが好きな双子が
左右に寄り添いながら催眠をかけたりエッチな責めをします。

催眠音声では既に一つのジャンルとして確立されている双子形式を採用しており
特にエッチシーンではエッチな音と暗示の役割分担を適度に切り替えながら
女性に耳を舐められている感覚やSEXの快感を主観的に伝えてくれます。
Sな双子のエッチな遊び
双子の姉妹「マイ」と「マキ」にエッチな催眠をかけられるお話。

「うふふっ こんにちは こういうところに来るの 好きなのね」
マイは上品で落ち着いた声のお姉さん。
「呼んだ? マイお姉ちゃん ってうわ変態さんだ」
マキは明るくて可愛い声の女の子。
自分たちの前に現れた主人公を興味深そうに観察すると
彼をおもちゃにして苛めるために催眠をかけてあげます。

本作品はMっ気のある彼を満足させるために
マイが右、マキが左に陣取り交互に語りかけながら催眠を施し
それから2人が一人ずつ、あるいは同時に責める形でノーハンドの射精を促します。

今年に入って様々なサークルさんが2人の術者が同時に話す双子形式を取り入れるようになりました。
その多くが2人のコンビネーションを大事にしているのに対し
本作品はひとつひとつのセリフを交互に話すことだけを考えながら進めています。

2人がセリフを同時に言うシーンはごくごく僅かですし
正反対の暗示を入れて混乱を誘う、といった演出も特にされていません。
双子のシステムをそれほど活用してないので純粋な双子とは違うものだと私は考えています。

催眠は11分30秒ほど。
部屋の暗さなど周りの環境を軽く確認してから横になって目を瞑り
まずはマキの声に合わせて深呼吸をしたり、自分のペースで深呼吸しながら脱力します。

マイ「肺の中にいっぱい酸素を溜めて それを循環させることで 嫌なことや不安な気持ちが すーっと 溶けていくの」
双子ということで深呼吸と同時にマイが暗示を入れてくるのですが
呼吸のタイミングに合わせたりはせず、ほぼ普通に話しているのは疑問です。
深呼吸は吐くのに合わせて暗示を入れられるほぼ唯一のシーンですし
効果的なリラックスを促すためにもそうしたほうがよかったと思います。

マイ「深呼吸するごとに 足の先から太ももが ぽかぽかしてくるのを感じるわよね?」
マキ「それは 陽だまりのように安心できる温もり」
その一方で暗示の表現方法はかなり優れています。
聴き手が主観的に感じられる言い回しが多くのシーンでされていますし
マキが同じ暗示を別の表現で言ったり、暗示の内容に同意を示すことで後押ししています。

脱力の時間が2分程度と短いため体の重さは感じにくいものの
手足や胸がほんのり温かくなる感覚はしました。
シーンごとにキーワードを定め、それを意識的に重ねながら話しかけてくれます。

マイ「階段を一段下りるごとに あなたの催眠状態はさらに深まって 気持ちよくなれるわ」
マキ「普段よりも体があったかくて敏感になっちゃうの」
次の深化シーンは暗い世界にある階段をイメージし
それをカウントに合わせて一段ずつ下りていきます。

催眠音声でよく使われているイメージですし、これを用いること自体は良いと思うのですが
0カウントの直後に手を叩くだけで終わらせ、追い込み暗示を一切入れていないのはまずいです。
残念ながら私は催眠に入った感覚がほとんどしませんでした。

マイ「友達と一緒に 元気に外で走り回ったあの日」
マキ「難しいことなど考えず どんなことでも笑えたあの日」
そして最後は彼女たちのおもちゃになるための準備として
昔の記憶を思い出し、心だけを少年の頃に戻していきます。
時間が2分程度しか取られていないことと思い出すよう言われるだけですから
退行催眠と呼ぶには色々と腑に落ちないところがあります。

双子がこの先のエッチで主人公が抵抗できなくするために退行させている背景を考えると
無理に退行を絡めず脱力を入念に行うほうがおもちゃ化に適していたと思います。
この理由のためにわざわざ退行を施す必要はないかなと。

古典系のメジャーな技術を組み合わせているシンプルな催眠です。
双子に対して従順な心になってもらうことを目的に
それぞれの技術を2人が常に交互に語りかけながら進めています。

一部のシーンで暗示の方向性を分けて役割分担していたり
重要な暗示を意識的に重ねるなど光る部分もそこそこ見られます。
ですが催眠として見た場合、先に挙げた息を吐くのに合わせて暗示を入れていないことや
カウントの扱いなど基本的な部分に問題があります。

処女作で双子に挑む心意気は大いに買うのですが
残念ながら手足が伴っていないと言わざるを得ません。
正直なところ催眠と呼ぶには非常に厳しいです。
襲い掛かるエッチな音と暗示の数々
エッチシーンは27分ほど。
プレイは耳舐め、おちんちんの踏みつけ、SEX(騎乗位)です。

エッチな効果音はありません。
セルフもありません。

マキ「こうして 息を吹きかけると その部分が熱くなるでしょ?」
催眠によって主人公の心を少年に戻した双子は
今まで以上に近くに寄り添い耳を舐めたり息を吹きかけ興奮を促し
それと同時に射精を制御してもどかしい気分を味わわせます。

エッチは前半は双子から同時に耳を責められ、後半はマキ→マイの順にSEXをします。
術者が2人いることを考えて片方が舐めている、あるいは繋がっている最中に
もう片方が暗示で感覚を操作するシーンが多いです。
このおかげで一般的な催眠音声に比べるとエロのパワーは高くなっています。

マイ「あなたは耳を舐められるごとに 気持ちよくなる でも 射精はできない もどかしくて気持ちいい感覚だけが膨れ上がる」
マイ「マキの舌が 竿の部分を這い回る おちんちんの周りに 柔らかな刺激が走る」

前半は催眠音声らしく暗示とイメージによる性感の上昇が中心。
マキが耳を舐めるのに合わせてマイが気持ちよくなる暗示を入れたり
ちゅぱ音の性質を利用して彼女にフェラされているイメージを実況してくれます。

催眠パートではかなりひどいことを言いましたが
エッチに関してはきちんと双子の長所を活かしています。
2人の役割分担がしっかりしているなと。

マイ「ほら 感じなさい あなたの足裏がおちんちんに触れている」
マキ「私の足裏も あなたのおちんちんも踏んでいる」
足踏みなんていうあまり見かけないプレイが登場するのもポイント。
主人公のM心を満たすために2人が同時におちんちんを踏み
その感触をセリフで上手に伝えてくれています。

他にも催眠からやや脱線するのですが「変態」と軽く罵ってくれるシーンがちらほらあります。
プレイや責めっぷりは優しいけどシチュはややM向けですね。
ここでは最後に1度ドライ絶頂をさせるシーンがあります。

対する後半は催眠よりも同人音声のエッチに近いプレイ。
すっかり発情したマキがまずおちんちんをおまんこで飲み込み
彼女がイった後は代わってマイが同じ体位で相手をしてくれます。

マイ「もっと気持ちよくなって もっとおちんちんを大きくするのよ これはお願いじゃない 命令よ」
マキ「柔らかな快楽に おちんちんが包まれる 気持ちいい」
SEXですから当然のように2人が色っぽい喘ぎ声を漏らしますし
一部のシーンでは同時に耳を舐める密度の高い責めを繰り出してきます。
2人のキャラを考えて喘ぎ声の質を変えてあるのもいいですね。

ちなみに最後はカウントに合わせて手を使わずに射精する指示が出ます。
この内容でノーハンド射精をするのは相当に難しいですから
無理にやろうとせずセルフでの絶頂を目指すことをおすすめします。

このように、2人の女性がいるのを活かしたエッチが繰り広げられています。
良いところもあるのだが…
どちらかと言えば催眠よりもエッチに魅力を感じる作品です。

双子は主人公のM心を見透かしているかのようにわざと射精をぎりぎりまで遅らせ
その最中にエッチな声や音と性感が高まる暗示でとことん追い詰めます。
終始ノーハンドなので寸止めほどのきつさやもどかしさはないものの
左右の至近距離に女性がいて、色々やってくれているシチュにはやはり熱くなるものがあります。
催眠音声なのに意識的にエロさを持たせている点も良いです。

しかし催眠音声はやはり催眠状態下でエッチを楽しむものですから
その根幹となる催眠部分がしっかりしていなければどうしようもありません。
残念ながら本作品のエッチを催眠に入りながら聴くのは難しいと私は考えています。

シナリオ担当の方が過去に同人音声をいくつか書かれている方らしく
セリフ周り、特に暗示の表現は割としっかりしています。
だけど技術の行使が…というのが率直なところです。

他にもエッチにそれほど関係ない退行要素を無理矢理組み込んでいたりと
聴いてみて疑問を感じる部分がいくつもありました。
聴き手に違和感や疑問を抱かせないことも催眠音声にとっては重要です。

双子についてはエッチを見据えてこのようにしたのかもしれません。
私が本家の大ファンだからというのもあるのでしょうが
少なくとも催眠に関しては双子を有効活用できているとは思えません。
おそらく使用している技法が1人でもできるものだからでしょう。
今後の作品ではそういったところの工夫にも期待したいです。

エッチは暗示を入れる役と舐める/喘ぐ役を上手に分けて行っています。
絶頂回数は前半にドライ1回、後半にウェット1回。
淫語・ちゅぱ音・喘ぎ声いずれもそこそこです。

以上のことから今回は非常に厳しい点数とさせていただきました。

CV:誠樹ふぁんさん
総時間 47:27

オススメ度
■■■□□□□□□□ 3点


体験版はこちらにあります

追記
作品説明文にある「HQステレオサウンドによる、臨場感あふれる音声作品」は
聴いた限り一般的な音声との違いは特に感じられません。
バイノーラルみたいな立体感もないごくごく普通の音声です。

体験版のテキストに書いてある
「催眠音声の制作には、催眠音声の専門「おどく」氏にお力添えを頂いています。」について
私はこの方のお名前を今回初めて知りました。
催眠音声製作者なのか、それとも催眠音声の評論家なのかよくわかりません。