サークル「みるくやしき」さんの催眠音声作品。

今回紹介するサークルさんの処女作は、名前も素性もわからない可愛い女の子が
何らかの理由で記憶を失った男性のそれを催眠で蘇らせます。

彼女視点のセリフを多く盛り込みながらソフトにイチャイチャするのが特徴で
街中、夏の海、クリスマス、そして彼の自宅と場面を変えながら
遠回しに誘惑してやる気にさせたりややパワフルなちゅぱ音を鳴らして射精を応援します。

同人音声と催眠音声のハイブリッドみたいな作りになってるので
催眠にかかりにくい人でも楽しめると思います。
恋人との思い出を取り戻す旅
女の子に催眠をかけられ4つのシチュでエッチするお話。

女の子は明るくて可愛い声の女の子。
これから寝ようとしてた主人公に突然話しかけると
自分をすっかり忘れてる彼に昔深く愛し合ってたことを教えます。

本作品は付き合ってた恋人との思い出を蘇らせることを目的に
彼女がおよそ90分に渡って催眠をかけたりイチャラブ系のエッチをします。
音声開始から2分30秒後には早速催眠を始めるため、序盤は彼女のことがほとんどわかりません。
ですがその後のパートを聴けばどんな人物か、彼とどれくらい仲が良かったかが少しずつわかります。

最初に催眠をかけるので催眠音声なのは間違いないのですが
その後のエッチが催眠から大きく脱線しており
少なくとも私は同人音声と催眠音声のハイブリッド作品と見てます。
催眠に多少は入れるけどそれを最後まで維持するのが難しい感じです。

催眠はおよそ8分間。
横になって目を瞑り、3分くらい深呼吸を続けてから彼女が色んな暗示を入れます。
また催眠の開始に合わせて「ぶぅぅぅん」という振動音が左のほうで鳴り始めます。

深呼吸は彼女が実際に呼吸してペースをわかりやすく指示し
少し経つと呼吸音をバックで流しながら脱力する暗示を入れます。
みるくやしきさんが催眠音声を作るのはこれが1本目のはずですけど
事前に勉強されたのかセリフの表現方法がしっかりしてました。
シーンによって何を伝えるか決め、それに関する言葉を繰り返し入れるのが大きいです。

振動音については最初バイノーラルビートだと思ってたのですが
他の作品を聴いた時のように頭を小刻みに揺らされる感覚は特にしませんでした。
もしかしたら雰囲気作りをするための単なる振動音なのかもしれません。
音の質感も明らかに違いますし、この音を聴き続けたから催眠に入りやすくなる可能性は低いと思います。

次の暗示はタイトルについてる耳舐めが登場します。
耳舐めされるほど催眠状態が深くなる暗示を入れ
実際にソフトなちゅぱ音も鳴らしてそれに反応できるようにします。


催眠の段階で耳舐めするのは珍しいですね。
この後から始まるエッチも散発的に鳴らすシーンが何度も出てきます。

軽くリラックスさせてから深化とメインの暗示を同時に行うコンパクトな催眠です。
女の子の声と言葉へ釘付けにすることを目的に
深呼吸しながら脱力する暗示を入れる→ちゅぱ音を鳴らしながらそれに反応する暗示を入れると
時間がかなり短いことを考慮しほぼ一直線に進めます。

内容が軽いので深いところまで入るのは難しいですけど
私が聴いた時は意識が多少ぼやけて心地よかったです。
たぶん今の倍くらいの時間を割いてたらもっとしっかり誘導できたでしょう。

技術面で明らかにおかしいと感じるところもなかったです。
この時間で目的を達成するならこうするのが妥当かなと。
甘く切ないエッチ
エッチシーンは4パート55分間。
プレイはデートのイメージ、おちんちんを足で踏みつける、日焼け止めを塗られる、キス、オナニー、SEX(体位不明)、耳舐めです。

日焼け止めを塗られる際に効果音が鳴ります(鳴らないバージョンは入ってません)。
セルフはありです。
途中で服を脱ぐ指示が出ることはありません。

催眠を使って主人公を普段よりも集中できるようにした女の子は
自分たちが過去に体験した楽しい思い出を順番に語ります。

エッチは彼女の物語を聴きながらイメージの中でイチャイチャします。
前半の2パート28分間は2人の日常風景。
「02「町中デートで思わずおっき?」(約13分)」はラーメン屋とカフェに出かける様子
「03「真夏の海でイケナイ遊び」(約15分)」は海でオイルを塗られたり
岩場で彼女に見られながらオナニーする様子を彼の視点で楽しみます。
ちなみにどのパートも射精する直前にカウントダウンします。

そしてここからは過去の彼女がメインの語り手になります(声質は現実の彼女と一緒)。
ラーメン屋で並んでる時は麺の硬さを尋ねるついでにフェラしたいことを伝え
その後のカフェでは周りにバレないよう足でおちんちんを擦る淫乱なところを見せます。

声のイメージよりも積極的に仕掛けてくるので多少のギャップを感じました。
公共の場でエッチするため02、03パートいずれも体を責める時間は約3分と短いです。
ノーマル向けの言葉責めで興奮させてからサクッと抜かせる流れになってます。

そしてここからは彼女視点のセリフが大幅に増えます。
催眠音声の場合、通常は聴き手視点のセリフを中心にして臨場感を出すのですが
本作品はそれと真逆のことをやっており、暗示にあたるセリフがほとんどありません。

同人音声のように出来事をそのまま伝えてるだけなので、残念ながら催眠音声のエッチと呼ぶのは難しいです。
射精シーンもカウントの後に「ぴゅー」と言うだけで、前後最中に追い込み暗示を入れてませんでした。

例えば02パートならラーメン屋やカフェの内装がどうなってるかや
周りにいるお客や従業員の様子を彼の視点で語ったり
彼女の足でおちんちんを責められた時にどう気持ちいいのかを伝えていれば随分違ったでしょう。
事前の催眠誘導が短いことも相まって、この内容なら視聴中に催眠状態が解けてしまうと思います。
これが前項で「同人音声と催眠音声のハイブリッド」と書いた主な理由です。

03パートは海で彼女に日焼け止めを塗ってもらってから
人気のない岩場へ移動し水着姿をオカズにオナニーします。
ここも主人公が何を思い、感じてるかを綿密に描いてたらずっと催眠音声になってたでしょう。

後半の2パート27分はさらに後のお話。
「04「クリスマスの夜、性なる時間」(約10分)」はクリスマスイブにキスとSEX
「05「ある夜の出来事、初めての魔法」(約17分)」は独特なプレイをします。

クリスマスは特別な日ということで彼女もエッチする気満々。
3分ほどキスを続けてから暖かい部屋へ移動し、そこでSEXして身も心もひとつになります。
実プレイ時間は短めですが雰囲気はとても甘くて他のパートよりも抜きやすく感じました。

最後の05パートは具体的に何をするか内緒にさせていただきます。
この4パートの中では一番催眠音声らしいプレイじゃないかなと。

このように、2人の仲の良さを前面に押し出した比較的ソフトなエッチが繰り広げられてます。
変わった切り口の作品
催眠音声よりも催眠の要素を取り入れたボイスドラマと呼ぶほうがしっくりくる作品です。

女の子は自分との思い出をすっかり忘れてしまった主人公にそれを疑似体験させようと
まずはコンパクトな催眠をかけてリラックスと集中力を高めます。
そしてエッチは街中デート、海水浴、クリスマス、別の日とパートごとにシチュを変え
それぞれに合ったノーマル向けの言葉責めや軽めのプレイで射精を応援します。

声は可愛いけど性格は割と淫乱な女の子が恋人だった男性の記憶を呼び起こす珍しいシチュ
深呼吸を挟んでから耳舐めに反応する暗示を入れる催眠
彼女視点のセリフを多く盛り込んでひたすらイチャイチャする恋人らしいエッチ。
催眠よりもエッチの比重を高くして甘い作品に仕上げてます。

中でもエッチはひたすら体を責め合うのではなく
彼をその気にさせたり彼女の心情を伝えるといった心の繋がりも感じられます。
記憶を失った彼と関係を取り戻そうとする展開も愛に溢れてますし
精神的に満たされながら抜くことを目指した内容になってます。

催眠に関してはこれまで書いてきたように色々疑問が残ります。
記憶支配がテーマなのに催眠誘導が軽いところが一番引っ掛かりました。
(記憶支配がわからない人は「催眠用語集」をご覧ください)

記憶支配は一般的に催眠状態が深いほうが暗示も入りやすいとされてます。
でも本作品は時間、内容いずれも深く誘導することを想定してるようには見えません。
この作品が1本目、つまりサークルとしての威光がまだないことも考えれば
むしろ通常より長く手厚く誘導するのが順当です。

要は作品が目指してることと実際にやってることが噛み合ってないんです。
エッチが全然催眠になってない点も十分まずいですけど
こちらも同じくらい気をつけたほうがいいんじゃないかと思います。

射精シーンは4回。
ちゅぱ音それなり、淫語と吐息そこそこ、くちゅ音と喘ぎ声ごく僅かです。

以上を踏まえて今回はこちらの点数とさせていただきました。
コンセプトが面白かっただけに、それを形にする段階で躓いてしまったのが残念です。

CV:もっと(仮)さん
総時間 1:30:30

オススメ度
■■■■□□□□□□ 4点


体験版はこちらにあります

追記
2021年4月11日まで30%OFFの770円で販売されてます。
その場合の点数は5点です。