同人音声の部屋

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タグ:とみみ庵

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鈴の緒を引けば

サークル「とみみ庵」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、古風な言葉使いをする寂しがり屋の巫女が
神社に偶然訪れた主人公を心のこもった耳かきでもてなします。

物語を3つに分けそれぞれで異なるスタイルの耳かきをしているのが特徴で
耳かき棒、梵天、綿棒などが生み出す効果音と
境内に流れる涼やかな川の音や雨音が大きな癒しを与えてくれます。
川の流れる静かな神社で
狐巫女のテンに耳かきしてもらうお話。

「鈴の緒を鳴らす音がするから来てみれば 本当に人がおったわ」
テンは可愛くて落ち着いた声のお姉さん。
散歩中に見つけたとある神社で拝んでいる主人公に声をかけると
退屈しのぎに一緒にお茶でも飲もうと誘います。

本作品は二人が初めて出会った日、しばらくした別の日、そのまた後日の3部構成。
どのシーンも冒頭に縁側で寛ぎながら軽い会話をし
それから日に応じて器具を変えながら彼女が耳かきします。

1日あたりの時間が40分前後と手ごろな長さになってますから
無理に通しで聴こうとせず日を分けて楽しむのがいいでしょう。
1日分だけでも十分過ぎるほどの癒しのパワーを持っています。

とみみ庵さんと言えばニコニコ動画で耳かき音声をいくつも出されているほど
耳かきに並々ならぬ情熱を燃やしているサークルさんです。
今作でも耳かきに合計70分近くもの時間を用意し
その中で専門店よりは家庭に近い多彩で温かなサービスを行っています。
耳かき好きなら間違いなく満足できる作品です。

「うむ 快晴快晴 縁側で茶を飲むにはうってつけじゃな」
耳かきをしてくれるテンのキャラも大きなポイント。
「~じゃ」など特徴的な話し方をするのに加えて
ひと気のない神社を訪れてくれた彼のために一生懸命尽くします。

最初からフレンドリーに接してくれるおかげで尊大さは特に感じられず
和やかで落ち着いた雰囲気が終始漂っています。
またこの神社は境内に川が流れているらしく、縁側に移動すると涼やかな水の音が流れ始めます。

リアルな効果音と環境音、テンの和風で可愛いキャラ。
そういった諸々の要素を上手に組み合わせて物語の世界をリアルに表現しています。
没入感が得やすい点も癒しにプラスに働いていると言えます。
徐々に変化していく環境とテンの態度
一番最初の「出会いの日」はおよそ37分間。
神社に初めて訪れた主人公がテンと出会い少し会話をした後で
元々団小屋だった建物の縁側に移動し、お茶を飲んだり耳かきをしてもらいます。

本作品はシーンごとに環境音が切り替わる凝った演出がされており
二人が縁側に移動する際にも川の音が徐々に近づき大きくなります。
また雨が降る日には最中に雨足が微妙に変化したりもします。

この日の耳かきの時間はおよそ21分30秒間。
膝枕の状態で右耳→左耳の順に耳かき棒を使って大きな汚れを取り
仕上げに梵天や息吹きをするシンプルなものです。

耳かき棒は「ぞり ずずっ」と細く硬さのある音
梵天は「すすっ しゅっ」と柔らかく広がりのある音が使われており
前者は耳の壁をなぞるようにゆっくりと、後者は軸を持って小刻みに回転させたり掻き出す動きをします。

数々の耳かき音声を作られてるサークルさんなだけあって
音の質、動かし方いずれも文句のつけようがないほどに優れています。
特に耳かき棒は手前と奥で別の音と動きが楽しめます。
梵天も実際に耳に入れられてるようなこそばゆい感触がして面白いです。

「ゆーっくり 入れるからのう」
最中のテンは久しぶりの耳かきで緊張しているのか
あまり多くをしゃべらずに彼の耳を傷つけないよう全体的にゆっくり動かします。
おぼつかないというよりは丁寧にやってる感じです。

そしてセリフがあまりないからこそ効果音や環境音に集中しやすく
聴いてると自然と心が落ち着いたり眠くなるほどの安らぎを感じます。
二人がまだ会ったばかりということでキャラよりは音の方に魅力を感じるシーンです。

2番目の「別の日」は41分30秒ほど。
再び神社を訪れ鈴の緒を引くとテンが現れ
初日よりもずっと人懐っこい態度であれこれお世話します。

「わ、わしの話し相手になってゆかんか? 嫌なら無理にとは言わぬが…」
彼女は立場上なかなか素直になれないところがあり
彼の気持ちを考えながら語りかけるシーンをよく見かけます。
かといって自分の気持ちを完全に隠しきれてるわけでもなく、その不器用な姿には愛らしさを感じます。
ツンデレというよりは恥ずかしがり屋な印象ですね。

縁側に移動した後で始まる耳かきについても
前回とは違い主に綿棒を使って耳を綺麗にします。
一日ごとに別の器具やサービスが登場するのも本作品が持つ特徴のひとつです。

綿棒は「すすっ ずりずり」と耳かき棒より面積が広く柔らかな音が使われており
耳の穴の縁や中の壁を円を描くようにゆっくり動かします。

実際に聴いてみると耳かき棒とまったく違う動きをしているのに気づくでしょう。
音に若干の引っ掛かりがあるのも特徴的です。
器具ごとに最適な音や動かし方をしているあたりにサークルさんのこだわりがよく出ています。

「やむをえんのう そのまま目を瞑っておるのだぞ?」
またこの日は彼女が変わった方法で耳の細かい汚れを落とすシーンが登場します。
今までのどの器具とも違う滑らかな音が鳴りこちらもリアリティがあります。
彼女が彼に対して心を開き始めているのが行為によっても表現されています。

最後の「また別の日」は43分間。
神社で二人が会話を始めた直後に雨が降り出し
雨宿りも兼ねてテンが再度の耳かきをしてあげます。

「耳のな 穴ではなく外じゃ 手ぬぐいで少し拭いておこうと思ってな」
耳かき自体は耳かき棒と梵天を使う1日目とほぼ同じスタイルなのですが
開始前に彼女が手ぬぐいで耳を綺麗にするサービスが追加されています。
神社なので手の込んだことはできないけど感謝の気持ちは伝えたい。
そんな彼女の彼に対する感情が滲み出ているシーンと言えます。

またバックで流れる雨音も1日目とは違った雰囲気を生み出しています。
場所が同じだから当然川の流れる音もするわけで
2種類の水音が自然な癒しを与えてくれます。

このように、日によって異なるサービスや要素を交えたきめ細かい耳かきが繰り広げられています。
ストーリー性のある耳かき作品
耳かきの要である効果音、バックで流れる鳥の声や川の音、テンの優しくて愛らしいキャラなど
ほっとしたり癒される要素を数多く持ってる良作です。

テンは久しぶりに神社にやって来た主人公を気に入ったのか
最初から対等の立場で彼に語りかけ、自分にできる限りのサービスを提供します。
やってることは世間話、耳かき、膝枕による添い寝とシンプルなものばかりなのですが
ちょっとしたセリフや動作に彼女の「彼と一緒にいたい、癒したい」気持ちが表れていて
後になるほど心がぽかぽかしてきます。

そして二人がどんな場所にいるのか、彼女がどのようにお世話しているのかを
様々な効果音を組み合わせてリアルに表現しています。

今回はほとんどのシーンで川の音が流れますからそれだけでも相当な癒しを感じます。
耳かきについても現実さながらの音や動きがされていて隙がありません。
個々の素材に高いクオリティを持たせ、それを損なわないように融合しています。
テンが体を動かすたびに耳にかけてある鈴が鳴るのも実に良いです。

「また会いに来るといい わしはここで待っておるからな」
ストーリーについても二人が親密になっていく様子を和やかに描いています。
サークルさんの別シリーズ「休日屋」のように込み入った展開にもなりませんし
純粋に癒しだけを提供する作りです。

質の高い耳かきと女性の優しさが心に潤いを与えてくれる作品です。
合計2時間でたったの300円とコスパも申し分ありません。
以上を踏まえて本作品をサークルさんでは8本目の満点とさせていただきました。

CV:藤堂れんげさん
総時間 2:02:26(出会いの日…37:38 別の日…41:28 また別の日…43:20)

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

休日屋 ━真家━

サークル「とみみ庵」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、人里離れた場所にある癒し系専門店で
素朴な店員さんとのんびりまったり休日を過ごします。

一緒にご飯を食べる、散歩するといった家庭らしさを重視したサービス
シリーズ3作目に相応しい登場人物の心情もわかりやすく描いたセリフなど
従来の専門店系作品とは違った切り口で癒しを与えてくれます。
休日屋で過ごす最後の一日
休日屋の店員「安土日向(あづちひなた)」と一日を過ごすお話。

「お久しぶりです 安土日向です 首をながーくしてお待ちしてました」
日向は明るくて可愛い声の女の子。
再び休日屋にやって来たお客を最寄りの駅まで迎えに行くと
世間話をしながらお店まで徒歩で一緒に向かいます。

本作品は昨年4月に発売された「休日屋」、同8月の「休日屋 ━丹の家━」に引き続き
彼女がほぼ一日中つきっきりで多種多様なサービスを提供します。

耳かきやマッサージといった専門店ではお馴染みのサービスに加えて
お店の中を探検する、風呂上りにアイスを食べるといったあまり見かけないシーンも登場したりと
店名通り彼女と休日を過ごす様子をありのままに描いているのが特徴です。
家庭らしさを感じる要素がとても多いので聴いてると自然にほっこりします。

とみみ庵さんと言えば効果音のクオリティが極めて高いことで有名なサークルさんです。
本作品もその例に漏れず、日向やお客のありとあらゆる動作に専用の効果音を用意し
それらを組み合わせることで休日屋の雰囲気をリアルに表現しています。
同じ足音でも外と中では当然違いますし、登場人物の心情を音だけで演出する面白いシーンもあります。

「手…繋いで えへへ ぎゅっ」
お相手を務める日向のキャラも大きなポイント。
3回目ということで最初からお客ともすっかり打ち解けており
店員よりも友達や恋人に近いスタンスで終始親しげに接します。
最中に2人が何度も手を繋いでいることからも仲の良さが伝わってきます。

「都会の喧騒を忘れて「私の最後のお休み」を一緒に過ごしていただけませんか?」
しかし彼女はサービスの最中しきりに今回が最後のおもてなしであることを告げます。
彼を嫌いになったようにはとても見えないだけに
彼女がどういった事情でこの決断をしたのか、そして最終的に2人はどうなるのか
物語が進むにつれて事の真相が少しずつ明らかになります。

終盤にはほろりと泣けるシーンもありますし
癒しだけでなく心の汗を洗い流すのにも役立ってくれます。
キャラ、ストーリー、サービスと様々な部分が優れている総合力の高い作品です。
効果音を中心に据えたリアルなサービス
ここからは各サービスについて説明していきます。
総時間が2時間30分と長くサービスの種類も豊富なため
個人的に気になったパートをいくつかピックアップする形で紹介します。

お店に着いて軽い挨拶を済ませた後、最初に登場するのはマッサージ。
肩や背中を手で揉みほぐす至って普通のサービスなのですが
最初はお客が日向に、その後でお返しに彼女が彼にしてあげます。
専門店でお客が店員にサービスをするというのは初めて聴きました。

「覚えててくださったんですね 私にマッサージしてくれるって」
そしてこれは1作目で彼が言った約束を果たす結果に繋がります。
彼女も多少戸惑いつつ受け入れ、最中は気持ちよさそうな表情を見せます。
音声作品ではお馴染みのサービスを別の形で行い2人の親密な様子を描いています。
お金をいただかないお店だからこそできる面白いシーンです。

マッサージに必要不可欠な効果音もハイレベル。
「すりゅっ すすー」と滑らかな摩擦音が鳴り
擦ったり、揉んだり、叩いたりと動きが小まめに変化します。
しかも日向にする時はやや遠くで、お客にする時はかなりの至近距離で音が鳴ります。
マッサージをする感覚とされる感覚の両方を味わわせてくれるのが実に見事です。

ストーリーが大きく進展するのが6番目の「いつもの道をお散歩」パート。
昼食で膨れたお腹をへこませようと近くを散歩する最中
彼女が自分のことや今回を最後に決めたいきさつを思いつめた様子で語ります。
詳しい内容は伏せますが、物語の中盤でこれを語ることにより
その後のサービスの雰囲気や2人の心情がやや変化しているのがわかります。

このパートのもうひとつの魅力は環境音。
2人が歩くにつれて小川の流れる音が徐々に大きくなり、その後遠ざかっていきます。
移動する様子を音だけでここまでリアルに表現している作品はまだまだ少なく
サークルさんの音へのこだわりが強く表れています。
盛り上がるシーンだからこそ、バックの演出にもこだわっているのがわかります。

特徴的な音が楽しめるのはその次の「すっかり冷えちゃいましたね」パート。
冷えた体を温めようとお風呂に入り、日向が背中を流したりシャンプーをかけてくれます。
全年齢向け作品なのでエッチな描写はありません。

「気づきました? そうなんですよ シャワーがついたんですよ」
今までは桶でお湯を掬って流していたのが今回からシャワーへと変化し
わしゃわしゃという小気味良いボディソープやシャンプーの音と一緒に耳を楽しませてくれます。
音の位置や動かし方も実際のサービスさながらでとてもリアルです。

そして最後を飾るのはサークルさんが最も得意とされている耳かき(約25分間)。
膝枕の状態でまずは両耳を温かいタオルで拭き
右耳→左耳の順に綿棒で汚れを取り、仕上げに梵天と軽い息吹きをする家庭的なものです。

綿棒は「しゅりっ ずずっ」と若干ざらつきのある柔らかな音
梵天は「すりゅっ じりじり」と面積が広くふわふわした音が使われており
前者は耳の壁をなぞるようにゆっくり優しく
後者は軸を回転させたり優しく掻き出す動きをします。

耳かき棒に比べて幅広い音なので刺激が耳全体に届きやすく
最初は手前、次に奥と掃除する位置の変化に応じて音の質も微妙に変わります。
どちらも力加減が弱めに設定されており長時間聴いても耳が痛くなりません。
梵天も柔らかさが音によく出ていてこそばゆく感じます。
いつも通り安心して聴けるハイレベルな耳かきです。

「ずっと こうしていれたら いいのにな…」
最中の日向は微かな吐息を漏らしながら真剣にやるシーンが多くあまりしゃべりません。
ですが最後の一日が間もなく終わることを名残惜しく思うセリフを時々呟きます。
このほんのり感じられるもの悲しさがシーン全体に静かな雰囲気を与えています。

このように、様々な音と2人の心情を織り交ぜたサービスが繰り広げられています。
何気ない日常を切り取った作品
温かい女性が温かいサービスを提供してくれる癒しに満ちた作品です。

日向は大好きな人と過ごす最後の日に悔いを残さないように
最初から自分ができる限りの技術と思いやりをもってお客をもてなします。
途中で立場が逆転するシーンもありますが、基本的には彼女が終始尽くしてくれます。
その飾らない姿や一生懸命な様子が自然と心を温めてくれます。

そして最中に時折見せるちょっぴり寂しそうな顔が彼女の魅力を引き出しています。
普段が明るいキャラだからこそ余計に儚く感じるでしょうね。
彼女の複雑な心境がセリフや動作から伝わってきます。

…といった感じのお話なのですが、最終的にはハッピーエンドを迎えます。
ですから聴き終えた段階で気落ちする人はまずいないはずです。
ただこの終わり方だと休日屋シリーズは今作がひとつの区切りになるのだと思います。
今後引き続き彼女が活躍するのか、はたまた姉の日登魅の出番が増えるのかが気になるところです。

サービスは専門店の要素を押さえつつ家庭的なものも取り入れています。
レビューでは紹介できなかった昼食を作るシーンなどは
その一部始終を音だけで表現する凝った作りをしています。
耳かきも休日屋の特性を踏まえてわざと家庭っぽさを出しながら行っています。

ストーリーは終盤が割と泣けるシーンですね。
今まで我慢してきた日向の想いが一気に爆発します。
その後の展開も面白いですし最後まで楽しく聴けるでしょう。

田舎の家庭にいる雰囲気を大事にした質の高い癒し系作品です。
このクオリティとボリュームで200円とコスパも驚異的。
以上を踏まえてシリーズ3作すべてを満点とさせていただきました。

おまけは後日のお話です。

CV:安土日向…浅見ゆいさん 安土日登魅…藤堂れんげさん(終盤とおまけにのみ登場)
総時間 本編…2:24:18 おまけ…6:00

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

声付き耳かき音を作ってみた26

サークル「とみみ庵」さんの無料の同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、丁寧な言葉使いをするマイペースな女の子が
耳に関するちょっとした実験と耳かきのサービスをします。

シリーズを通じて培ってきた質の高い耳かきを継承しつつ
今までになかった効果音も取り入れられており
実際の耳かきとほぼ同じのリアルな音と動きが耳に心地よい刺激を与えてくれます。
特殊なジェルを耳に塗り塗り
女の子に耳のケアをしてもらうお話。

「こんばんは 今日は何か用事があって来たんですか?」
女の子は素朴で優しい声の女の子。
部屋にやって来た主人公に親しげな挨拶をすると
この前買ったとあるアイテムを試したいので耳を貸して欲しいと言います。

本作品は序盤に彼女が耳に特殊なジェルを塗って皮脂を綺麗にし
その後綿棒と梵天を使って丁寧な耳かきをします。

サークルさんが「今回ははじめて収録した音もあります」とおっしゃられていたのは
おそらくこのジェルの音なのだと思います。
といっても最初に2分程度かけて軽くやる感じですからメインはあくまで耳かきです。

「何ですか? 梵天って あぁ これ梵天って言うんですね」
やり取りを聴く限り2人は高校の先輩と後輩あたりの関係なのでしょう。
恋人よりはやや距離を出しつつ和やかな雰囲気でサービスを行っています。
従来通り効果音重視ですがキャラも意外と立ってる作品です。

耳のケアはほぼ全編にあたる19分30秒ほど。
最初は膝枕の体勢で先ほど説明した特殊なジェルを左→右の順に耳の外側に塗ります。

「すりゅりゅっ」という滑らかな水音を鳴らしてジェルを塗った後
耳全体を覆うように「ぽりゅっ」とやや低い篭った音が鳴ります。
後の音は今までの耳かき音声ではちょっと聴き覚えのないものでした。
耳の中にポップコーンくらいの軽いものを詰め込まれるような微妙な重さと圧迫感があります。
適度な刺激を与えてくれる独特な音ですね。

その後に始まる耳かきはおよそ16分30秒間。
右耳→左耳の順に綿棒と梵天を使って汚れを取り、左耳だけ最後に軽く息を吹きかけます。

綿棒は「ずずっ しゅりっ」と若干のざらつきが混じった滑らかな音
梵天は「すりすり ぷしゅっ」と面積が広く柔らかい音が使われており
前者は短めのストロークでゆっくりと擦る動きを
後者は軸を持って小刻みに回転させたり細かく掻き出す動きをします。

サークルさんらしい音も動きもパーフェクトな耳かきです。
綿棒は多少の引っ掛かりがあるので耳に心地よい刺激が伝わりやすく
梵天も綿棒とは明らかに違うふわふわ感と適度な圧迫感があります。
今回は梵天が左右合わせて6分近くと長めに取られてますから、梵天好きな人は聴いて損は無いです。

「やっぱりこっちもジェルが残ってますね こうして…綿棒を少し押し付けて 取って…」
他に気づいた点といえば、左耳を掃除するシーンで綿棒の音に若干の湿り気を感じたことです。
直前に塗ったジェルが耳に残っていて、それを掻き出す際に鳴ったのでしょう。
従来の綿棒とは明らかに違った要素が混じっています。
乾き・湿り気の両方が感じられる不思議な音です。

「あーはいはい 太もも触っちゃいやーん …満足ですか?」
「ははぁん 耳の奥が弱点みたいですねぇ 痛くない程度に くりくりしちゃいましょうか?」

最中の彼女はというと、基本的には微かな吐息を漏らして黙々と行います。
しかし器具や体勢を切り替える際に入るやり取りでは
甘えたりちょっかいを出す彼を彼女が上手にあしらう様子が楽しめます。

友達以上恋人未満の関係とでも言えばいいのでしょうか。
口調はクールなんだけど冷たさや事務的っぽさはほとんどありません。
年下に弄ばれてる感じを出したセリフが多くほのぼのします。

このように、新要素を交えたリアルな耳かきが繰り広げられています。
安心して聴ける作品
家庭的な耳かきを極めて高い水準で表現している作品です。

好奇心旺盛で感情を表に出すのがちょっぴり苦手な女の子が
主人公を相手にあれこれ試したり、お礼に耳かきをしてあげます。
タイトルにもなっている耳かきは言うまでもなく優れてますし
追加のサービスであるジェルを塗るシーンも個性的な音を出しています。

サークルさんの過去作を聴いてきた方なら間違いなく満足できるでしょう。
そうでない方は聴いてみれば耳かき音声の素晴らしさを知る良いきっかけになります。
ここまでのものを無料で公開してくれている点も素晴らしいです。

「そんな顔されると悪い気はしませんね ほーら ふわふわー ふわっふわー」
サービスをしてくれる女の子も十分に個性的です。
主人公に他人行儀な言葉使いをし、軽く突き放す態度を取りながらも
結局は彼の言う通りにしっかりお世話してあげる愛らしいキャラです。
彼女の存在も本作品における重要ポイントと言えます。

シンプルで遊び心もある耳かき音声です。
無料ですので興味の湧いた方は是非お試しください。

CV:藍月なくるさん
総時間 21:31

声付き耳かき音を作ってみた26
http://www.nicovideo.jp/watch/sm28012402

お家でゆっくり癒されませんか?PLUS

サークル「とみみ庵」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、和風の情緒漂うお屋敷を舞台に
明るいお姉さんが頭部を中心としたきめ細かい癒しのサービスを提供します。

サークルさんが得意とされている耳かきはもちろん
整髪、洗髪、首や肩のマッサージ、さらには爪切りなど
ありとあらゆるサービスを様々な音を使ってとてもリアルに行っています。
緑豊かな場所で癒しのひと時を
なおさんから10種類の癒しのサービスを受けるお話。

「こんにちは この度は リラクゼーション体験ソフト お家でゆっくり癒されませんか?PLUSをダウンロードくださいまして 本当にありがとうございます」
なおさんは明るくて優しい声のお姉さん。
音声に関する説明や簡単な自己紹介をすると
和風のお屋敷を舞台に様々な癒しのサービスを提供します。

本作品はサークルさんが2014年に発売された
お家でゆっくり癒されませんか?」のパワーアップバージョン。
2時間30分という大ボリュームの中、サービスの内容を大きく3つに分け
それぞれを手を変え品を変えながら行う非情に充実した作りになっています。

とみみ庵さんと言えばありとあらゆる動作をリアルな音を駆使して表現されているサークルさんです。
今作もその例に漏れず、すべてのサービスで別々の効果音を用意し
さらには現実さながらの動きまでする本格的なものばかりです。


「聞こえます? 風鈴と 庭を流れる小川に ししおどしの音」
他にも開始1秒の段階から小川の流れる音をバックで流し
タイミングよく風鈴やししおどしの音を鳴らす「和」を意識した雰囲気が魅力です。
環境音がずっと流れるおかげで現実世界のノイズが聞こえにくくなり
その結果作品の世界に実際にいるような現実逃避感が味わえます。

これらを行ってくれるなおさんについては
要所要所で何をするかを説明したり、簡単な健康知識を語ることが多いです。
サークルさんの別シリーズ「休日屋」に見られるキャラやストーリーの要素は弱めにし
その分を音に注力している音フェチ要素の強い作風になっています。
セリフが少ないので安眠目的で聴くのにも大いに役立ってくれます。
音を中心とした質の高いサービス
ここからは各サービスの詳しい内容を紹介していきます。
時間が長くサービスも多岐に渡るため、個人的に面白かった部分をピックアップする形でお届けします。

なおさんが最初にするサービスは「髪と頭のケア」。
4パート45分ほどの時間をかけて髪を切りそろえる、髪を洗う、頭皮のマッサージ&トリートメントと
床屋さんのサービスに近いものをじっくり丁寧に行ってくれます。

「毛先を整えるだけでも いい効果があるんですよ?」
整髪パートは「シャク ショキ」と小気味良いハサミの音が軽快に鳴り響くだけでなく
それらを数回ごとに微妙に位置を切り替えて鳴らす凝った演出がされています。
前半は普通のハサミを使い、後半はすきバサミに切り替えるのもいいですね。
同じハサミでもすきバサミの方が微妙に粗く、耳に違った刺激を与えてくれます。

本作品の音へのこだわりは留まるところを知りません。
整髪を始めるにあたって主人公が椅子に座るシーンがあるのですが
そこでは今まで右手に流れていた小川の音が中央へと移動します。

他にも整髪中になおさんが移動するときは軽い足音が鳴ったり
シャンプーをかける際に椅子を倒す音がきちんと入っていたりと
サービスとは直接関係ない音まで余すことなく鳴らしています。
こういった細かな演出がその場にいる気分をより強く実感させてくれます。

序盤で最も特徴的な音が楽しめるのは4番目の「頭皮のトリートメント」パート。
「プシュー ジュー」というムースっぽいものをかける音が鳴り
その後なおさんが指を使って頭をゆっくり揉みほぐします。

トリートメントが生み出すシュワシュワ、パチパチと泡の弾ける音が実に面白く
7分弱と時間は短いながらもスッキリした清涼感を与えてくれます。
この4パートはあまり聴かないタイプの音が多いので
耳かき作品を聴き慣れている人でも新鮮な気分で楽しめると思います。

2番目に登場するのは「顔から腕にかけてのケア」。
3パート40分ほどをかけてフェイスマッサージ、首と肩のマッサージ
爪きり&ハンドマッサージと筋肉を揉みほぐすタイプのサービスを中心に行います。

「右手の手首のほうから オイルを肌に馴染ませて…」
オイルやハンドクリームを使っているため「シュッ スリッ」と滑らかな摩擦音を鳴らすシーンが多く
顔は短いストロークで素早く、肩と背中はトントンと拳や手のひらで叩く音を織り交ぜながらといったように
ケアする部位に応じてオリジナルの要素を織り交ぜながら進めています。

髪や頭部のケアに比べて全体的に音が大人しい感じなのですが
動かし方についてはかなり考えられているのがわかります。

そして最後に登場するのが「耳へのケア」。
2パート50分と十分すぎるほどの時間を設け
産毛剃り、マッサージ、泡洗浄で耳の外側を綺麗にしてから
30分以上の時間をかけて耳の中をたっぷりお掃除します。

耳かきは膝枕の体勢で右耳→左耳の順に綿棒、耳用のブラシ、ベビー用綿棒で汚れを落とし
仕上げに梵天と息吹きをするやや専門店寄りの内容です。

綿棒は「ズリズリ ススッ」と若干ざらつきのある滑らかな音
ブラシは「ゾリゾリ プスプス」とやや尖った優しい音が使われており
前者は耳の壁を優しくなぞるように軽く縁を描いたり前後に動かす
後者は前後に動かしたり掻き出したりする動きをします。
どの器具も面積が広いので耳かき棒よりも音が柔らかく感じます。

「このブラシ プチプチと不思議な音がしますよね?」
中でも2番手に登場する耳用のブラシは綿棒と耳かき棒の中間的な音が鳴り
なおさんが言うプチプチした感触が耳に適度な刺激を与えてくれます。
音の動きも使用する器具の目的に合わせてきちんと変化しますし
サークルさんの耳かきに対する情熱がしっかりと込められています。

このように、多種多様なサービスを的確な音を使って忠実に表現し癒しを与えてくれます。
2015年における癒し系作品の集大成
総時間の長さ、サービスのバリエーションの多さ、それぞれの質の高さなど
すべての要素が高いレベルでまとまっている素晴らしい作品です。

なおさんは主人公に心の底まで癒しを感じてもらえるように
彼を緑豊かな屋敷へと招待し、そこで主に上半身をとことんまで綺麗にしてあげます。
そしてパートをかなり細かく分け、その中で行うサービスに明確な違いを持たせ
さらにはそのすべてをリアルな音によって極めて忠実に表現しています。

今回は遊び心と言いますか、オーソドックスなサービスの中に
変わった音を意識的に織り交ぜているように思えます。
具体的には頭皮のトリートメント、温水と炭酸水による頭皮マッサージ、耳の泡洗浄などです。
柔らかいんだけど刺激的でもある音が聴覚と触覚の両方を楽しませてくれます。

あとはやはり動きですね。
どんなに良い音でも的確に鳴らさなければどうしても違和感が生まれます。
聴き手にそう感じさせないように相当細かいレベルで編集されています。
音が良くて動きもいい、パーフェクトだからこそより大きな癒しが得られるのだと思います。

前作との大きな違いは環境音の扱いです。
特に小川の流れる音が主人公のいる位置や体勢に応じて小まめに変化します。
この演出は昨年の夏あたりから見られ始めた新しい要素です。
今のところできるサークルさんがほとんどいませんから今後も大きな武器になるでしょう。

癒しに関するありとあらゆる要素が詰まっている総合力の高い作品です。
2時間30分もの時間に対して価格がたったの200円とコスパも驚異的。
以上を踏まえて本作品をサークルさんでは6本目の満点とさせていただきました。

CV:ししゃもさん
総時間 2:33:51

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

【少年声】声付き耳かき音を作ってみた25

サークル「とみみ庵」さんの無料の同人音声作品(全年齢向け)。

2014年5月からニコニコ動画で公開が開始された同シリーズ。
その25番目を飾る本作品は、主人公のお姉さんに一方ならぬ好意を抱いている少年が
マッサージや耳かきのサービスで癒しを提供します。

普段のサークルさんの作品に比べてキャラ萌え要素が強くなっており
女性との接し方に不慣れな様子や、自分の気持ちを隠しきれない彼の未熟さが
聴いてるこちらが恥ずかしくなってくるようなニヤニヤした気分を与えてくれます。
少年からの温かいプレゼント
少年にマッサージと耳かきをしてもらうお話。

「おっ おかえり…なさい」
少年は穏やかで中性的な声の男の子。
帰宅した主人公の疲れを癒すために早速マッサージをしてあげます。

本作品は音声作品としては珍しく少年がお姉さんに癒しのサービスをします。
少年が相手をするのは女性ですからアレな部分は一切ありません。
そんなわけで女性の方がもちろん楽しめるわけですが
所謂イケボではないので男性が聴いても問題なく楽しめます。

「あっ いえ 綺麗なうなじ…してますね ボクの手で触ってしまっていいのかなって」
そして作中には彼が男性として成長期にあるのを感じさせる描写が随所に登場します。
音声を聴く限り2人はまだ恋人同士の関係にはなってないのでしょう。
彼女の体に手を触れる事や膝枕をする事に明らかな遠慮が見られます。

彼女がちょっぴり積極的にスキンシップを取り
その結果彼が慌てる、なんていう微笑ましいシーンも登場します。
彼の純情さや可愛さに萌えを感じる人がきっといるでしょうね。
リアルな音と心温まるやり取り
最初に行うマッサージはおよそ4分間。
うつ伏せになった彼女の肩・背中・首筋を優しく擦ったり
拳や手の甲でリズミカルに叩く家庭的なものです。

擦るときは「さすさす しゅりっ」と滑らかだが若干ざらつきもある音
叩くときは「とんとん」と肉がぶつかる音が鳴り響き
それらが体の部位に応じて音の位置を切り替えながら小まめに動きを変えていきます。

キャラが立っている作品なのですが効果音のクオリティも極めて高く
実際のマッサージに非常に近いものを音だけで見事に表現しています。
特に肩を叩くシーンは音の近さのおかげで軽い振動まで感じる人もいるでしょう。
彼が未熟といってもサービス自体は従来通りしっかりと行っています。

その後に行う耳かきは18分ほど。
膝枕の体勢で右耳→左耳の順に耳かき棒で大きな汚れを、梵天で細かな汚れを取り
仕上げに短く数回息を吹きかけるシンプルなものです。

耳かき棒は「ずりっ ずずー」とやや硬くて滑らかな音
梵天は「ぽりぽり ぷしゅっ」と柔らかくふんわりした音が使われており
前者は奥から手前に掻き出す、耳の壁を優しくなぞる動きを
後者は耳の中を軽く擦る、小さく回転させる動きを中心に目まぐるしく変化します。

何度も言っていますがとみみ庵さんの耳かき音は現在の業界における最高峰に位置します。
ですから癒しの効果も抜群に感じられるはずです。

「いえっ その 膝枕に抵抗ないみたいだったので そうだったら 嫌…だなぁ」
「耳が気になったら頼んでください また耳かきしましょう これでボクだけの耳かき、ですね」

最中に交わされる2人のやり取りも大きなポイント。
主人公が自分から膝枕をして欲しいと言ったことや耳が意外に綺麗なことから
少年が他の男性との関係を不安に思い、彼なりのやり方で詮索しようとします。

彼のセリフを聴いていると明らかにその気持ちがバレバレなんですよね。
彼が十分以上に彼女を大事に思っており
さらにそれを堂々と伝えられず、かといって隠しきれてもいないところに一層魅力を感じます。

彼女が彼に体を預けている時点である程度の答えは出ているのに
それに気づいていないところも彼の恋愛に対する未熟さが窺えて面白いです。
効果音のクオリティと相まってとても温かい雰囲気が漂っています。

このように、キャラの特徴を活かした癒しのサービスが繰り広げられています。
心がぽかぽかしてくる作品
元々高水準だったサービスと珍しいキャラを上手に組み合わせている作品です。

マッサージ・耳かきいずれも有料作品を軽く凌駕するクオリティを持っています。
音の良さ、キャラの良さ、雰囲気の良さなどいずれかに特化している作品は割と多いのですが
この作品のようにどの要素もレベルが高い作品はまだまだ少ないです。

無料作品と舐めて聴いたらきっと驚くに違いありません。
耳かき作品を数多く聴いてる私も毎回同じような気分を抱いています。

そして今回は様々な効果音と登場人物とのバランスがきっちり取れています。
少年によく見られる年上の女性に対する憧れをセリフや行動に取り入れ
主人公をからかう役に据えることで彼の初々しい反応を引き出しています。

全年齢向けですからいやらしく感じる描写も特にありませんし
2人の仲の良さが良い形で表現されていると思います。

基本的な部分はしっかり行い、それ以外で個性を出している作品です。
無料ですから興味の湧いた方は是非ともお試しください。

CV:藤堂れんげさん
総時間 24:36

【少年声】声付き耳かき音を作ってみた25
http://www.nicovideo.jp/watch/sm27431332

声付き耳かき音を作ってみた22

サークル「とみみ庵」さんの無料の同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、主人公を癒すことが大好きな優しいお姉さんが
彼の家で専門的な要素を交えた珍しい耳かきを行います。

泡で耳の外を洗浄する音、梵天の音など
耳かきではあまり注目されない音を敢えて中心に据えているのが特徴で
そのリアルで特徴的な音の数々が耳に程よい刺激と心地よさを与えてくれます。
勉強熱心なお姉さんの耳かき
お姉さんに耳かきしてもらうお話。

「こんばんはー あぁ…またパソコン」
お姉さんは明るくて優しい声の女性。
耳かき店のサイトを見るほど耳かきが大好きな主人公のもとにやってくると
自分で勉強してきた成果を披露するために早速耳かきの準備を始めます。

本作品はこのひとつ前に公開された「声付き耳かき音を作ってみた21」の続編。
耳かき店のサイトに書いてあるサービスをやや不慣れな感じでやっていた前作に対し
今作はみっちり勉強してきただけあって終始慣れた手つきで行っています。
興味のある人は2作を聴き比べてみるのもいいでしょう。

そして今作の大きな特徴として挙げられるのが
一般的な耳かき音声ではあまり見かけない音を意識的に多く取り入れていること。
具体的には泡立てた石鹸をチークブラシで耳の外側に塗ったり
それを綿棒でゆっくりと落としていく専門店っぽいサービスが登場します。

シャンプーをしてくれる作品を聴いたことがある人ならわかるでしょうが
「ぱちぱち ぷすぷす」という泡の弾ける音が非常に個性的。
今回は頭ではなく耳に直接つけるので音の近さや臨場感も極めて高く
耳に爽快感のある心地よい刺激を与えてくれます。

他には耳かきの仕上げに行う梵天のボリュームを多くしていたりと
耳かきのメインから焦点をわざと外して個性を出している部分も見られます。
効果音が好きな人にはたまらない作品と言えるでしょう。
リアルであり個性的でもある耳かき
耳かきの時間はほぼ全編にあたる21分間。
膝枕ではなくマットに頭を乗せた状態で左耳→右耳の順に
先ほど言った泡洗浄から始まり、綿棒で耳の中をマッサージしてから
仕上げに梵天をかけたり右耳にだけ息を吹きかけたりします。

泡洗浄は「ぷちぷち しゅりっ」と泡の弾けるような音
綿棒は「ずりずり じじっ」と若干ざらつきのあるふわふわとした音
梵天は綿棒に比べて軽い圧迫感のあるふわふわした音、など
サークルさんらしいリアルな音の数々がサービスごとにきちんと使い分けられています。

「洗浄が終わったら このまま綿棒で 掃除する というよりは 耳の中をマッサージするように…っと」
普通なら耳かきのメインになるはずの綿棒でのお掃除を
敢えて穴の中のマッサージに位置づけているのも大きなポイント。
それを反映して綿棒は手前→奥の順にゆっくり回転させる動作を多くし
直後の梵天で耳の壁を優しく擦る動作を何度も行っています。

耳かきにおける主役と脇役を意図的に入れ替えている感じです。
主人公が耳かき好き=定期的に耳かきをしているということで
耳の中がそこまで汚れていなかったのかもしれません。
外側を泡で洗浄しているのも、見落としがちな部位のケアが目的のように思えます。

「そういえば 手前から掃除をするのは 耳垢を奥に入れないようにするためらしいですよ」
最中のお姉さんはと言うと、作業を切り替える際にその内容を説明したり
時々手を休めて自分が勉強してきた耳かきに関する豆知識を教えてくれたりします。

前作で満足のいくサービスができなかっただけに
今回それが無事成し遂げられたことに幸せを感じているようにも思えます。
彼女がお世話してくれている雰囲気作りもしっかりされています。

このように、変わった音を多めに鳴らすリアルな耳かきが繰り広げられています。
音フェチ要素の高い作品
耳かきの王道からちょっとずらし、珍しいタイプの音を多めに盛り込んでいる個性的な作品です。

耳かきの定番とも言える綿棒でお掃除する時間をある程度抑え
その代わり前後に特徴的な音が鳴るタイプのサービスを配置しています。

こうやって書くと耳かき音声としてアンバランスに思えるかもしれませんが
根幹部分をしっかり維持したまま拡張させているような作りです。
耳かきでは最大手のサークルさんですからこのへんはきちんと考えられています。

個人的には梵天の音が最も印象的でした。
音の質感や動きがリアルなのに加えて、耳のあたりに軽い圧迫感があります。
物理的な接触無しにそう感じさせてくれるのが素晴らしいですね。
もちろん泡洗浄の音もちょっぴり刺激的で面白いです。

普段とは違う方向性を持つ耳かき作品です。
無料ですから興味を持った方は是非お試しください。

CV:下明穂茶さん
総時間 22:53

声付き耳かき音を作ってみた22
http://www.nicovideo.jp/watch/sm27181941

休日屋 ━丹の家━

サークル「とみみ庵」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今年4月に発売された大人気作品「休日屋」の続編にあたる本作品は
可愛い女の子と一緒に過ごす田舎の休日を隅から隅までお届けします。

専門店よりは家庭に近いのんびり、まったりしたサービスを行ってくれるのが特徴で
耳かきやマッサージはもちろん、お散歩や花火といった何気ないものも取り入れながら癒しを与えてくれます。
都会を離れて田舎でのんびり
休日屋の店員「安土日向(あづちひなた)」と一日を過ごすお話。

「あっ! こんにちはー こっち こっちですよー」
日向は明るくて優しい声の女の子。
とある夏の日、休日屋にやってきたお客を駅まで迎えに行くと
一緒の日傘に入りながら歩いてお店に向かいます。

休日屋は都会で忙しい日々を送っている人々に個別に手紙を送り
来てくれた人には無料で様々なサービスをしている変わった専門店です。
サービスの内容は汗拭き、かき氷、マッサージ、お散歩、花火、お風呂での洗浄、耳かき、添い寝、朝食など
専門店では定番のものからあまり見かけないものまで多種多様。
まさに休日を丸々切り取ったかのような充実したひと時が味わえます。

総時間が3時間30分(おまけも合わせると約4時間)と大ボリュームなため
今回は個人的に気になったサービスをいくつかピックアップしながら紹介します。
価格がたったの200円とコスパが驚異的に良いですから興味を持った人が聴く分には100%損はしません。
ですから残りの部分は聴いてのお楽しみとさせてください。

作品全体における大きな特徴はリアルな効果音や環境音が効果的に使われていること。
冒頭のお客が乗った電車が到着するシーンでは
電車の音はもちろん、ドアが開くのと同時にセミや鳥の鳴き声が聞こえ始めるなど
その場の様子を細かな変化も見逃さずに音だけでリアルに表現しています。

日向や彼女の姉の安土日登魅(あづちひとみ)もそれなりにしゃべるのですが
聴いた限りではやはり音を中心に構成されている印象を受けます。
特に今回は場所や時刻の変化による環境音の移り変わりに力を入れることで
夏のとある一日の様子を臨場感たっぷりに演出しています。
定番のものから変わったものまで
ここからは本作品ならではのサービスの中からかき氷とお散歩を
他の作品にもある定番のサービスとしてお風呂と耳かきを個別に紹介していきます。

日向がかき氷を振舞ってくれるのは4番目の「夏といえば!」パート(約9分間)。
お店の縁側で彼女が手動のかき氷機でかき氷を作り、日登魅を含めた三人で食べます。

日登魅「あっ 私メロンがいいわ メロンー」
日向「はいはい 自分でかけてくださいねー」
氷を削る際に鳴る「シャリ シャリ」という小気味のいい音が耳に心地よく
姉妹のテンポのいいやり取りやかき氷につきものの頭がキーンとなるシーンなど
夏らしさを押さえながら癒しも感じるほのぼのとした一幕が楽しめます。

本作品における日登魅は日向がいない間にお客にちょっかいを出したり
逆に二人がより親密になれるよう密かにサポートするゲストキャラみたいな位置づけです。
専門店といえばお客と店員が一対一であれこれすることが多いだけに
彼女の存在がちょっとしたアクセントになっています。

そして先ほど説明した「環境音の移り変わり」が最も如実に表れているのが6番目の「お散歩」パート。
13分ほどをかけて近所の川辺まで歩きお店に戻ってくる至ってシンプルな内容なのですが
1分ほど経つとセミが止まっている木を通り過ぎたのか、鳴き声が徐々に近づいてから遠ざかっていったり
しばらくすると今度は鳥が鳴くようになり、それに合わせて川のせせらぎが少しずつ近づいてくるなど
二人が移動している様子がほとんど音だけで見事に表現されています。

こういう環境音がリアルタイムで変化する作品は、他のサークルさんで1作出ているくらいで非常に少ないです。
音質自体も極めてリアルですし、すべてが自然だから聴いていてとても落ち着けます。
本作品の音の良さがよく表れているパートと言えます。

対する後半に登場する定番のサービスはいずれも20分前後と時間が長く
質の高い音の数々を落ち着いた雰囲気でたっぷりと楽しませてくれます。
中でもサークルさんが最も得意とされている耳かきは2パート55分(おまけも合わせればさらに増えます)もあり
そのまま寝てしまいたくなるほどの大きな癒しのパワーを秘めています。

その前に紹介するお風呂での洗浄が登場するのは9番目の「夏のお風呂!」パート。
水着姿の彼女に背中を流しシャンプーとトリートメントをかけてもらってから一緒に湯船に入ります。

「次に シャンプーなんですけど じゃーん 冷やしシャンプー!」
ここでは夏に合わせて冷やしシャンプーを使っているのがいいですね。
「ぽしゅ しゅくっ」という独特な効果音を左右別々の位置やペースで鳴らして洗い
それからしばらく放置してパチパチと泡が弾ける音を楽しみます。
シャンプー音が耳に与える心地よい刺激が癖になる人もいるでしょう。
水着姿を見られてちょっぴり恥ずかしがる日向の姿も初々しくて可愛いです。

そして本作品では最も長い時間が取られている日向の耳かきは31分間。
耳の外側を蒸しタオルで拭き、膝枕の体勢で右耳→左耳の順に耳かき棒と綿棒を使って汚れを取り
仕上げに梵天をかけながら数回息を吹きかける丁寧なスタイルです。
ちなみにもうひとつのパートは後日お客の自宅で日登魅がしてくれます。

耳かき棒は「すり ぞり」と比較的滑らかで乾いた音
綿棒は「すすっ ちり」と軽い圧迫感のある柔らかいとした音が使われており
前者は耳の壁を奥から手前に優しく引っかくようにゆっくりと
後者は軸をゆっくり回転させて汚れを絡め取っていくように動きます。
サークルさんの過去作同様極めて質の高い耳かきと言えます。

「気持ちいいです? 癒されてますか? 私も あなたにする耳かき 幸せですよー」
どの音も力加減が弱められているので30分聴き続けたとしても耳が痛くなる可能性は低く
日向の微かな吐息や幸せそうなセリフも心を温めてくれます。
ここまで来るとバックでは控えめな鈴虫の声が鳴るようになり
前半とはまるで違う静かな夜の雰囲気を醸し出しています。

このように、明るい癒しと落ち着いた癒しの両方が味わえる濃ゆいサービスが繰り広げられています。
季節感を大事にしている作品
夏という題材を様々な部分に織り交ぜながら癒してくれる作品です。

本作品ならではのものから王道的なものまで数多くあるサービスを
時間や場所の変化を意識しながら上手に繋げて夏の一日を演出しています。
専門店におけるサービスは個々が独立している場合が多いのですが
本作品には内容はまったく違ってもサービスごとにきちんとした関連性があります。
例えばお店に来るまでに汗をかいたからタオルで拭き、それから涼を取るためにかき氷を食べるといった感じです。

サービスの内容も夏の中にある涼を感じさせるものが多く
それをバックで流れるセミの鳴き声や風鈴の音が盛り上げます。
効果音と環境音のレベルが高く扱いにも長けているサークルさんだからこそ作れる作品です。

「私もこの一日を ずーっと忘れません」
それらを行ってくれる日向の存在も忘れていけません。
田舎の子らしい純真で献身的なキャラが癒しを与えてくれます。
前作では効果音が圧倒的に強く影が薄い印象を受けたのですが
今作では日登魅とのやり取りも交えつつ彼女らしさをしっかりアピールしています。

今の季節にぴったりな癒し系作品です。
サービスのクオリティの高さ、ボリュームの多さ、それに対する価格の安さを考慮し
本作品をサークルさんでは5本目の満点とさせていただきました。

おまけは「ある日の休日屋」です。

CV:日向…浅見ゆいさん 日登魅…藤堂れんげさん
総時間 本編…3:28:20 おまけ…32:17

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

追記
おまけの「ある日の休日屋」はニコニコ動画に投稿されている「声付き耳かき音を作ってみた20」と同じです。
購入を迷われている方は参考に聴いてみてください。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm26778548

【シャンプー】声付耳かき音を作ってみた番外編【マッサージ】

サークル「とみみ庵」さんの無料の同人音声作品(全年齢向け)。

ニコニコ動画に公開されている人気シリーズ初の番外編となる本作品は
お姉さんが耳かきではなくシャンプーとマッサージで癒しを提供します。

耳かき音声と同じく極めて高いレベルの効果音をふんだんに駆使しながら
彼女に頭をケアされている気分を臨場感たっぷりにお届けしています。
諸々の音が生み出す適度な刺激が耳や頭に心地よい感覚をもたらしてくれるでしょう。
お姉さんへのいつもと違ったお願い
お姉さんにシャンプーやマッサージをしてもらうお話。

「いらっしゃーい 今日も耳かき してあげようか?」
お姉さんは素朴で優しい声のお姉さん。
耳かきではなくシャンプーをして欲しいと主人公にお願いされると
多少戸惑いながらも道具の準備に取り掛かります。

とみみ庵さんと言えば中の人が耳かき大好きなこともあり
「声付耳かき音を作ってみた」シリーズを初めとする耳かき音声で大変有名なサークルさんです。
しかし最初から言ってしまうと本作品は耳かきを一切行いません。
その代わりに最近ちらほら普及し始めているシャンプーやトリートメントを行い
そのあと頭部・肩・首筋を手でマッサージしていきます。

得意の耳かきをやらないといっても効果音が中心のサービスですから
サークルさんの持ち味はいささかも失われていません。
質感・位置や距離・動かし方すべてが考え抜かれた効果音の数々が耳を楽しませてくれます。

聴いている間は別の空間にいるような心安らぐ気分を抱くでしょうね。
大げさに感じる人もいるでしょうが、実際のところとみみ庵さんの効果音はずば抜けて優れています。
多彩な音が作り出す癒しの空間
最初に行うシャンプーはおよそ9分間。
シャワーではなく桶に汲んだお湯で髪を濡らしてから
シャンプー→トリートメントの順にかけ、仕上げにドライヤーで乾かします。
シャンプーとトリートメントはもちろんその都度お湯で洗い流します。

「まずは 髪の毛をお湯で濡らすね ざばーっと」
髪を濡らす際は手桶で掬ってかけているかのように間隔を空けながらゆっくりと水音が鳴る
シャンプーはわしゃわしゃした音で大きく撫でたり小刻みに擦る
トリートメントはシャンプーよりもずっと滑らかな音で頭全体を撫でる、といったように
各工程における音に明確な違いを設けながらそれぞれに適した動かし方がされています。

とりわけ優れているのが音の位置と動かし方です。
彼女が実際に後ろにいる感覚を出すためにやや後ろの至近距離から音が鳴りますし
シャンプーでは20秒くらいの短い間隔で音を鳴らす位置や動かし方が小まめに切り替わります。
サークルさんのことですから実際にダミーヘッドに向かってやられているのでしょう。
すべてが自然だから音だけでも何をやってるかが手に取るようにわかります。

さらに面白いのが音なのに触覚を刺激されるシーンがあることです。
シャンプーで側頭部を擦っている時やドライヤーをかけている時がわかりやすいのですが
聴いてみると頭を軽くごしごしされている感覚や耳に程よい風圧を感じるはずです。
これもバイノーラル録音による効果で、サービスをよりリアルに演出するのを助けています。

続くマッサージは4分ほど。
肩を手のひらで擦る、こめかみのあたりを指の腹でなでる、首周りを拳で軽く叩くなど
複数の動作を短い間隔で切り替えながら行います。

「痛くない? 気持ちいい? うん 嬉しいかも」
お姉さんがマッサージをあまりやり慣れていないこともあって時間は短めですが
指・拳・手のひらの違いによって動かし方や面積がきちんと変化しますし
特に拳で叩いた際は適度な振動が伝わってきます。

このように、様々な音を上手に用いたハイレベルなサービスが繰り広げられています。
濃いエキスがたっぷり詰まった作品
すべての部分がパーフェクトと言っても過言ではないほどの優れた作品です。

部屋でお姉さんにシャンプーやマッサージをしてもらっている様子をありのままに表現しています。
やってるサービス自体は至って普通なのですが、その再現率が半端なく高いため
聴いていて実際にされているかのような感覚やそれに付随した心地よさが沸いてきます。
聴き手にそう感じさせるための音の使い方がされているのだからある意味当然です。

音声作品における効果音は現在においても平面的なものが多く
本作品のようなクリアさに加えて距離や位置が微妙に変化していく音はまだまだ少ないです。
それを作り出すだけでなくサービスに違和感無く定着させている手腕は見事と言う他ありません。
耳かき無しでもサークルさんの実力が遺憾なく発揮されています。

…ここまで書くと贔屓しているように見られるかもしれませんが
色々な作品を日々聴いている中で一際優れているのは紛れもない事実です。
このレベルの音を出せるサークルさんは他に片手で数えられるほどしかいません。
だからこそ、作品を無料で楽しませてくれることは本当にありがたいことだと思います。

短時間のリフレッシュにもってこいな作品です。
耳かき以外の癒し系作品を聴いてみたい人には特にお薦めします。

CV:小日向さくらさん
総時間 16:26

【シャンプー】声付耳かき音を作ってみた番外編【マッサージ】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm26582932

声付き耳かき音を作ってみた16

サークル「とみみ庵」さんの無料の同人音声作品(全年齢向け)。

サークルさんがニコニコ動画に公開されているこちらの作品は
ちょっぴりノリの軽いお姉さんが綿棒や梵天を使って耳かきをしてくれます。

現時点で他の追随を許さない、と言っても過言ではない
音質・動かし方・間のすべてが洗礼されている効果音に加えて
今回はお掃除している彼女の声に合わせて音を鳴らす
ちょっぴり変わった試みがされていたりもします。



春のようにぽかぽかなお姉さんの耳かき
お姉さんに耳かきをしてもらうお話。

「こんばんはー 今日は私から耳掃除を提案したいんですけど ダメです?」
お姉さんは穏やかで可愛い声の女の子。
主人公に自ら耳かきを志願すると
膝枕をして早速耳の縁のお掃除を始めます。

耳かきの時間はほぼ全編にあたる19分間。
膝枕の体勢でまずはタオルを使って両耳を軽く拭き
綿棒で耳の穴の入り口と奥をお掃除
それから梵天で細かい汚れを落とし、仕上げに弱めの風圧で息を吹きかけます。

時間が短いことを考えてコンパクトにまとめた手堅いサービスですね。
しかし内容はどのシーンも極めてリアルに作りこまれており
実時間以上に濃密な癒しのひと時を送ることができます。

私も毎回聴かせていただいてますが、その度に驚かされています。

例えば一番最初のタオルで拭くシーンでは
柔らかくてちょっぴりざらつきのある効果音が耳の上から下へと優しく撫でます。
音声作品はすべての物事を声と音だけで表現する必要があるため
どうしても全体的に音を強めに鳴らしたくなるものなのですが
本作品ではわざと適度に力を抜いた状態で音を鳴らしています。
この音の強弱の加減が絶妙だからこそ、とてもとてもリアルに感じるわけです。

メインのサービスとなる耳かきも同じくこだわり抜かれた音ばかり。
入り口では「ずりっ すすー」と滑らかで乾いた音
奥のほうではそれよりも低く重く、さらには音の位置をより近くしながら
下から上へ楕円を描くように長めに動かしたり
耳の壁をなぞるようにゆっくりと回転させながら動かしています。

耳にもたらされる刺激も強すぎず弱すぎずの丁度いい具合で
特に耳の奥を掃除するシーンでは、ちょっぴりこそばゆい刺激があると思います。

「ふん ふん ふーん ふふん ふん ふーん」
最中のお姉さんは落ち着いた調子で吐息を漏らすことが多いのですが
耳かきしているのが嬉しいのか、時折鼻歌交じりにお掃除するシーンもあります。
そしてこの鼻歌に合わせて効果音を鳴らし
耳かき自体にリズムを持たせるといった面白い演出もされています。


といっても無理に全部を合わせているわけではなく
いけそうな部分だけやってる感じですから、耳かきとしての違和感は特にありません。
ですが彼女の嬉しい気持ちが伝わってくるように思えてなんだか妙に癒されます。
吐息も耳かき音を妨げない程度の控えめなボリュームで
作品全体に静かで落ち着いた雰囲気を与えています。

このように、従来の品質を保ちつつ新しい要素も取り入れた耳かきが行われています。



安心して聴ける作品
無料の中で最高峰の耳かきが味わえる作品です。

過去作で着々と積み上げてきた耳かきのクオリティを維持しつつ
耳かきをしているお姉さんの存在や個性もきちんと表現されています。
音自体が相当な癒しのパワーを持っているのでそれだけでも十分リラックスできますが
彼女の温もりや息遣いも違った方向から癒しを与えてくれます。
以前に比べてこの両者のバランスが良くなったように思えます。

とみみ庵さんは先月発売された「休日屋」にもあるように
効果音偏重なスタイルからキャラも生かすスタイルへと
作風をほんの少し切り替えつつあるのが窺えます。

今後具体的にどうなっていくのかはさすがにわかりませんが
このレベルにあってもなお上を目指そうとするのが素晴らしいです。
これからも癒し系サークルの中では一頭地を抜く存在であり続けるでしょうね。

本作を聴いて最も印象的だったのが声と音のコンビネーションです。
以前に他のサークルさんなどで出された耳かき音声でも
これを多少意識しながらサービスを行っているものがあったのですが
今回はそれら以上にテンポ良く音を鳴らしています。
音のリアルさだけでなく、こういった側面からも癒しを感じることでしょう。

以前の作品と同様に無料とは思えないほどレベルの高い作品です。
短時間でのリフレッシュにどうぞお試しください。

CV:ししゃもさん
総時間 19:53

声付き耳かき音を作ってみた16
http://www.nicovideo.jp/watch/sm26098032

休日屋

サークル「とみみ庵」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、とある田舎にあるお店を舞台に
可愛い女の子が様々なサービスをしながら癒しを与えてくれます。

耳かきやマッサージといった王道ものから食事などのあまり見みかけないものまで
ありとあらゆるシーンをリアルな効果音によって見事に演出しています。
合間に見せる彼女の言葉や仕草も店員よりは恋人に近い人懐っこさがあり
聴き進めていくほど心が落ち着いたり温まる気分が強くなります。



田舎で女の子と過ごす静かな一日
休日屋の店員「安土ひなた」からサービスを受けるお話。

「こんにちはー あれ…お客様ですよね?」
ひなたは明るくて柔らかい声の女の子。
お店の近くにある無人駅まで主人公を迎えに行くと
軽い挨拶をしてから早速案内します。

本作品は2人がとある休日をお店で過ごす様子を
全部で12ものシーンに分けてリアルに描いています。
とみみ庵さんといえば耳かきを中心とした高品質な音で有名なサークルさんなのですが
今回は効果音や環境音に加えてストーリーもしっかりと組み立てられており
作品の世界にどっぷりと浸かりながら癒しを得ることができます。

「手を引いてもらうほどじゃないんですけど でもせっかくなので このまま手を繋いで上がってもらえますか? えへへ」
お相手を務めるひなたも主人公が休日を満喫できるようにと
堅苦しい言葉遣いをせずとても親しい態度で接してくれます。
よくある専門店のように決まりきったサービスを淡々と行うのではなく
主人公のリクエストに応える形で進めていきますから
どちらかというと店員さんより友達とか恋人に近い印象を抱くでしょう。

実際に行うサービスも家庭的なものが多く
田舎のお家で普通に過ごすのんびりとした雰囲気が漂っています。



飾らないサービス、飾らない音、飾らないひなた
休日屋に着いた後に行うサービスは全部で7つ。
登場順に肩や首のマッサージ、昼寝&添い寝、食事、散歩、お風呂、爪切り&顔の保湿、耳かきです。
さすがに全部説明していくのは字数的に難しいので
今回は個人的に気になったサービスを抜粋して紹介します。

「それじゃあまずは… 電車と慣れない田舎道でお疲れでしょうから マッサージなんてどうですか?」
一番最初に行うマッサージはおよそ5分30秒。
主人公にうつぶせになってもらってから
肩のあたりを手のひらで擦ったり、拳で軽く叩いたりします。

擦るときは「サッサッ シュルー」と乾いた滑らかな音
叩くときは「ぺちぺち ぱたぱた」と肉が軽快にぶつかる音など
サークルさんの持ち味とも言えるハイレベルな効果音が序盤から数多く登場し
音だけでマッサージの様子をとてもわかりやすく伝えてくれます。

音の動かし方についても同じ音やリズムがほとんど無いほど変幻自在。
特に拳で叩くシーンでは耳の下あたりに心地よい振動が感じられます。
毎回聴いてる私がその都度「すげぇ」と思うくらいですから
サークルさんの作品を初めて聴く方はそのリアルさにきっと驚くはずです。

「少しずつ ほぐれてきたんじゃないです? せっかくのお休みなんですから 緊張したままじゃ損ですよ?」
合間に交わされるひなたとの会話も重要なポイント。
彼女はいつも都会で過ごしている彼が休日を存分に楽しめるよう
マッサージをしながら少し砕けた調子で語りかけます。
このフレンドリーな態度がいい意味で専門店らしくない雰囲気を出しており
それが自宅で過ごしているかのような寛いだ気分にさせてくれます。

サークルさんのいつもの作品だとサービス中はほんどしゃべることがないだけに
ファンの方はいつも以上に彼女の存在や温もりを強く感じるでしょう。
といっても常にべらべらしゃべるのではなくそれぞれを固めて聴かせてくれますから
従来どおりの音フェチ的な要素もかなり強く残っています。
セリフと効果音のメリハリを持たせながらサービスを行っているところがいいですね。

耳に最も心地よい刺激を与えてくれるのは中盤に登場するお風呂パート(約13分)。
ここでは水着姿になったひなたが背中を流したりシャンプーやトリートメントをかけます。
全年齢向けですのでエッチな描写は一切ありません。

「人に髪を洗ってもらうのって 私も好きなんですよ 気持ちよくって」
シャワーも無い旧式のお風呂なのがわかるように
その都度湯船から盥にお湯をすくって背中や頭にゆっくりとかけながら
背中を洗うときは「ぷすぷす しょわしょわ」とスポンジで泡立てるような音
シャンプーは「しゃくしゃく わしゃわしゃ」と柔らかく弾けるような音を
それぞれの部位に応じた動かし方や距離で鳴らします。

どちらもかなり特徴のある音なので刺激が伝わりやすく
とりわけシャンプーは音が耳に非常に近いことや動かし方がややハードなことから
耳の表面を軽く叩かれているような心地よい感覚がするでしょう。
今までいくつかシャンプーをかけてくれる作品を聴いていますが
これほどまでにパーフェクトなシャンプーは初めてです。

そして最も時間の長いサービスはもちろん耳かき(23分)。
最初に仰向けの状態で左右同時に保湿クリームを塗ってから
右→左耳の順に綿棒を使って耳の入り口や奥のほうを掃除し
仕上げに梵天で細かい汚れを落とします。
息吹きは左耳の時にほんの少しだけ行ってくれます。

綿棒は手前では「すりすり しゅるー」と面積が広く滑らかな音
奥に移ると手前に比べて低く篭った音へと変化し
いずれもやや力を込めてゆっくりと前後に、あるいは回転させるように動きます。
時間が長いこともあってそれぞれの音を十分に楽しめますし
音の質や動かし方も非の打ち所が無いほど優れているので多く人が癒しを感じるでしょう。
仕上げの梵天もふわふわとした質感と適度な圧迫感がありとてもリアルです。

このように、現実さながらのリアルなサービスをたっぷりと楽しむことができます。



心の汗を洗い流してくれる作品
様々な部分から癒しを与えてくれる総合力の極めて高い作品です。

「田舎で過ごす休日」のテーマに沿って専門店らしさを敢えてあまり出さずに
それぞれのサービスを素朴に、かつ心を込めて行っています。
機材の豪華さやサービスの奇抜さなどを見れば他の作品に分があるのですが
サービスそのものの表現力の高さやもたらされる癒しのパワーは
本作のほうが格段に優れています。

そう感じる最も大きな理由はサービス全体に流れがあるからだと私は考えています。

一番最初に行うマッサージは主人公が長旅で疲れているから
次の昼寝は心身が程よくほぐれて眠くなったから
その次のご飯もしばらく寝てお腹が空いたから、といったように
ひなたは常に主人公の心身の状態を観察しながら最適なサービスを提供します。

このおかげでサービス内容がまるで違うものになっても作品の雰囲気が損なわれず
聴き手としても「次はどんな展開が来るのかな?」という楽しみが湧いてきます。
癒し系作品でありながら全体としてのストーリーがきちんと出来上がっています。
これが本作品を聴いた時に感じた一番の驚きでした。

もちろんサービス自体も質の高い効果音や環境音を使ってリアルに表現しています。
中でも食事を用意するシーンはすべてを音だけで表現しているのに
何をやっているのかがきちんとわかるほど細かく描写されています。

そしてほとんどの部分を音だけで表現できるからこそ
ひなたのセリフをストーリーに関係のある自然なものだけにすることができています。
今まで培ってきた技術を活かして作品をより質の高いものへと昇華させています。

「もうちょっとだけ 一緒にお休みしたかったです」
また本作品には癒し以外にほろりと泣けるシーンも用意されています。
詳しいところは伏せますがちょっぴり切ない気分で聴き終えることになるでしょう。
こういう要素があるのも個性的でいいですね。

以上のことから今回も満点とさせていただきました。
良いところを挙げていったらキリがないほど様々な部分が優れています。
これだけの内容とボリュームで200円なのも本当に驚きです。
音声作品を知るすべての人にお薦めします。

おまけはひなたとお姉ちゃんのやり取りです。

CV:浅見ゆいさん、藤堂れんげさん(おまけにのみ登場)
総時間 本編…2:10:38 おまけ…4:40


オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

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