同人音声の部屋

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しろなこおすーヒーリングサロンシエルー

サークル「Crescendo」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、のほほんとしてるけど腕はいい店員さんが
すっかり顔なじみになってるお客を専用のサービスで癒します。

和の心を強く意識したASMR系の作りが魅力で
サービス中はどのパートもセリフよりも音の割合を増やし
あずき、抹茶、ヨモギといった珍しいアイテムを使って色んなマッサージをします。
音の質が非常に高く耳に優しいですから安眠のお供にも役立ってくれるでしょう。
常連さんへのオリジナルサービス
ヒーリングサロンシエルの店員「朝霧代菜」が耳かきやマッサージをするお話。

「お客様ー お待ちしてました 本日はしろなこおすをご予約いただいて ありがとうございます」
代菜は甘く可愛い声の女の子。
店長に呼ばれて主人公がいる受付に行くと
自分の名前がついたコースを何度も言ってニヤニヤします。

本作品はゲーム大好きでちょっぴり抜けたところもある彼女が
自分をこれまで何度も指名してくれた彼に新しいサービスをします。
「しろなこおす」という彼女の名前を冠したこのコースはテーマを「和風」に定めており
作中ではそれを匂わせる様々な要素を盛り込んで日本人向けの癒しを提供します。

「そういえば 今日の服はどうですかね? 店長に着付けしてもらったんですけど 似合いますか?」
挿し絵のような着物で登場するところから始まり、場所を和室に変更して椅子ではなく床に寝かせ
物語の前半ではバックに風鈴の音が時々鳴ります。
彼女も一人前の店員として認められたことがとても嬉しいようで
過去作よりも活き活きした表情でお世話に取り組みます。

販売ページに書いてある通り効果音が中心の作品なのは間違いありませんが
彼女ののほほんとしたキャラや頑張る姿も別の癒しを与えてくれます。
「良い意味で店員らしくない」とでも言えばいいのでしょうか。
何度も顔を合わせてる相手なので終始リラックスしてるように映りました。

サービスについては定番の耳かき、マッサージ、シャンプーに和風のアレンジを加え
さらに音声作品ではなかなかお目にかかれないものも取り入れてます。
総時間が140分程度あるおかげで各パートに十分な時間を確保できており
通しで聴いたら寝る人がそれなりにいると言えるほど穏やかな空気が漂ってます。

どのパートも音がリアルかつ優しいもので統一されてますし
彼女もそれを集中して聴けるようセリフの間隔を長く取って話しかけます。
前半と後半で環境音が切り替わるなど、音に対する並々ならぬこだわりを持って作られてます。
また一部のシーンではわざと手間をかけて音をより多く聴けるようにする工夫もされてます。

愛らしい女の子がリアルな音を駆使した和風のサービスでもてなす。
サークルさんの持ち味を活かしつつ捻りも加えた総合力の高い作品です。
音が織りなす癒しのひと時
店内にある和室に移動し浴衣へ着替えた後から始まる3パート52分間はマッサージ。
あずきの入ったお手玉を温めて彼の首筋から腕にかけてをとんとんし
代菜がその場で点てた抹茶を顔に塗ってパックし、ヨモギをすり潰したものを耳に塗って揉みます。
またバックで風の吹き抜ける音と風鈴が流れます。

「どこかで聞いたことがある気がして 懐かしい気分になりますよねー」
そして彼女は早速音をメインに据えて癒しを与えます。
あずきマッサージは「ずしゅっ」という適度な重みのある優しい音が
耳の下あたりで転がったり肩たたきするように小まめに上下し
抹茶マッサージは床屋でやる顔剃りの泡を塗りつけるような音が至近距離で鳴ります。
そしてこれらの合間にサービスにちなんだ話題を振って心もケアします。

世間一般的なマッサージとは方向性が違うので最初は戸惑うでしょうけど
音の質感、位置、距離、鳴るタイミングがしっかりしていてきちんとサービスになってます。
聴いてる最中は時間の流れが緩やかに感じるでしょうね。
ヨモギもオイルマッサージとはやや違うみずみずしい音が耳元で鳴ります。

続く3パート70分間は定番のサービスを本作品なりにアレンジしたもの。
シャンプーしながらタオルだけでは落とせない顔と耳の汚れを落とし
「ひびきがね」と呼ばれる音叉のようなもので耳の汚れを浮かせ
最後に30分以上をかけてじっくり丁寧に耳かきします。
またここからは環境音が雨音やカエルの鳴き声に変化します。

「アレンジした」と言える理由はやり方にあります。
例えばシャンプーはお風呂場じゃないので木製のたらいと桶を用意し
髪を濡らしたりシャンプーを洗い流す時はちょろちょろとした水の音が鳴ります。

「シャワーもいいですけど ざばーってされるのも気持ちいいんですよねー なんだか洗ってるーって感じがして」
効率だけを考えればシャワーのほうが向いてるのでしょうけど
本作品は和風が売りですからこうしたほうが物語の雰囲気に合ってます。
また桶で流すほうが音が静かで環境音を聴きやすくなります。
シャンプーをしっかり行い、コンディショナーに切り替え、ドライヤーで乾かす無駄のないサービスです。

「この音だけが 頭の内側で響いて ゆらゆら 音に揺られて」
ひびきがねは右耳→左耳の順に「ぽーーーーん」という澄んだ音が鳴り響きます。
本作品以外ですとVOICE LOVERさんやとみみ庵さんあたりでしか登場してないサービスなので
今回初めて聴く人も結構いるんじゃないでしょうか。
体験版を聴いていただければわかるように、小刻みに振動しながら強弱を繰り返す不思議な音です。
ちなみにこの器具は以前日本でも使われてたそうです。

そして最後の耳かきは王道の編成にして安定感を出します。
これまでとは違い膝枕の状態で耳かき棒→綿棒→梵天と繋ぎ、最後に指で軽くマッサージします。
息を吹きかけるシーンはありません。

耳かき棒は「ぞすっ」という丸みを帯びた硬い音
綿棒は「ずすっ」という広く柔らかい音、梵天は綿棒よりも広くふわふわした音と
器具ごとの特徴を的確に捉えた耳触りの良い効果音を時間いっぱい楽しめます。

通常ですと綿棒を間に挟むことはあまりないのですが
音の変化を感じ取りやすくするためにこうしたのかもしれません。
後になるほど音の面積が大きく、質感が柔らかくなります。

このように、テーマに沿ったやり方で頭部を癒やす充実したサービスが繰り広げられてます。
のんびりした作品
聴いてるだけで自然と心身が脱力する作品です。

代菜はこれまで自分を何度も指名してくれた主人公の期待に応えようと
自分だけがやれるコースを新設し、そこで和風情緒漂う癒しのサービスをします。
そしてそれらの様子を主に音で表現し静かな空間を作り上げます。

可愛い店員さんが長時間に渡って健全なお世話をする癒しに満ちたシチュ
セリフよりも音の分量を多くし、それらを上手に組み合わせた質の高いサービス
着物、和室、風鈴など和風を意識した演出の数々。
シリーズの過去作とはやや違った趣の作品に仕上がってます。

「はーい 粗茶ですが 略式ですけど 精一杯点てました」
特に3番目はサービスそのものから細かな描写に至るまで幅広く取り入れており
本作品にとって重要な部分だというのが自然と伝わってきます。
それでいて堅苦しさを感じないのは彼女のキャラが普段通りだからでしょう。
ゆるーいキャラでしっかりご奉仕することで丁度いいバランスになってます。

サービスはどれも優れてますが私はひびきがねが最も印象に残りました。
これを取り入れてる作品がレアですし、音もかなり癒やされます。
その一方であずきマッサージ、抹茶フェイスマッサージ、ヨモギ耳マッサージは
もう少し実況を増やしたほうがイメージしやすかったかもしれません。

古いようで新しい癒し系作品です。

CV:朝霧代菜…和鳴るせさん 店長…いたちゆーとさん
総時間 2:21:30

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は9点。
141分で432円とコスパが良いので+1してあります。

ひなちゃんのすっきりコースーヒーリングサロンシエルー

サークル「Crescendo」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、のほほんとしてるけど腕は確かな店員さんが
常連客に4種類のサービスをして頭、手、耳を癒します。

リアルかつ多彩な音を鳴らしながら色んな会話をするバランスの良さが魅力で
サービスはもちろん、それ以外の細かな動作にも専用の音を用意し
店員と友達の中間あたりの距離感であれこれ話しかけて心の中もケアします。
常連客への温かいサービス
ヒーリングサロン シエルの店員「黒瀬ひな」からサービスを受けるお話。

「まぁまぁ店長 予約できない時もありますよ」
ひなは甘く可愛い声の女の子。
来店後にお気に入りの店員「朝霧代菜」が外出中なことを聞いた主人公に声をかけると
自分が代わりにサービスすると志願し、まずはコースを決めてもらいます。

本作品はサークルさんの人気シリーズ第四弾。
予約を取ってないせいで代菜を指名できなかった彼を癒やすために
彼女が2時間近くに渡って合計4種類のサービスをします。
ヘッドマッサージ、ハンドケア、シャンプー&トリートメント、耳かきとパートごとに異なるものを用意し
その多くを主に音で表現するASMR(音フェチ)系の作りになってます。

Crescendoさんは有料での活動は間もなく1年になる新しいサークルさんですが
効果音の質感や使い方に関しては大手に並ぶものを既に持ってます。
メインのサービスはもちろん、細かな動作に至るまで専用の音が入ってますから
音声を聴いてるだけでお店にいるような感覚が自然と湧いてきます。

本作品のタイトルを見て2018年6月に発売された
ヒーリングサロンシエルーすっきりコースー」を思い出す人もいるでしょう。
確かに両者は同じコース名で大筋の流れも一緒です。
しかし代菜からひなに担当者が変わったこと以外にも様々な違いが見られます。

「ん? 何の音だろう? プログラムは あ、温泉か」
まずコースを決めて部屋に移動した直後から流れ始める環境音が
波の音ではなく温泉の湧き出す音になってます。
ごぽごぽ、ぶくぶくという涼やかな音がコース名の「すっきり」にマッチしており
純粋な癒しに加えて現実世界の雑音をかき消す効果ももたらします。

サービスについてもシャンプーのついでにやってた手のケアを独立させたり
炭酸の使い方や耳かきで使用する器具を別のものにするなど
あちらを既に聴いてる人でも満足できるように様々な工夫がされてます。
ASMR作品が好きな人ならもうその時点で満足できると言い切れるくらいに優れてます。

「なんだか 生クリームをデコレーションしてるみたいで 名前も美味しそうです あ、食べたりはしませんので ご安心くださいね」
これらを行うひなのキャラも大きな魅力。
プロらしい流れるような手つきでお世話しながらのほほんとした声と口調で語りかけます。
主人公がお店の常連客ということで堅苦しいやり取りは排除し
何をするか、してるか説明しながら時折ちょっぴり間の抜けたことを話します。

作中で彼女自身も言ってるのですが、今回のサービスは単に体を綺麗にするだけでなく
心を温めたりリフレッシュさせることも見据えて行います。
そんな状況で堅苦しく接したらおかしいですから彼女もできるだけフレンドリーな態度を取ります。
サービスの種類が多彩なのでASMR作品にしては会話量が多めです。

リアルでバリエーション豊富な音と彼女の愛らしいキャラ。
音声作品を構成する「音」と「声」の両方から癒やす完成度の高い作品です。
専門店らしい心の行き届いたサービス
2人が施術室に移動した直後にする最初のサービスはヘッドマッサージ(約21分)。
専用の椅子に座った主人公の髪を前半は櫛でとかしてからオイルを塗り込み
後半は炭酸をムース状にして頭部全体にまぶし頭皮の汚れを落とします。

そして本作品の醍醐味であるリアルな音が早速活躍します。
オイルで揉む時は「しゅくっ」というややざらつきのある摩擦音が位置と動きを小まめに変え
後になるほど徐々に力を入れていき、それに合わせて音の粗さが若干変化します。

また炭酸を使う時はよくあるしゅわしゅわ、パチパチした音ではなく
シャンプーの泡を頭に乗せていくような柔らかい音が鳴ります。
炭酸をこういうふうに使ってる作品を私は初めて聴きました。
バックで流れ続ける温泉の音も相まってこのパートだけでもかなり癒やされます。

「どうでしょう? 私の手がこうして触れているところから ぽかぽか温かくなってきませんか?」
最中の会話はイメージ力を高める実況のセリフに
彼を気遣ったり彼女の趣味であるお菓子作りの話を交えて和やかさを出します。
あまり話しすぎると音の良さが活かせないだろうということで
セリフごとの間隔を長めに取って両方をバランスよく楽しめるようにしてました。

続く「ネイルケア・ハンドマッサージ」は手に的を絞ったサービス(約22分)。
左手→右手の順にお湯で浸して爪を柔らかくしてから爪切りで短くし
さらにエメリーボードと呼ばれるヤスリをかけて形を整えます。
そして後半はクレイを手に塗り込んで全体の汚れや疲れを取り除きます。

「私 一人でいるのが苦手で こうやって仕事で 人と触れ合えるのが すごく幸せなんです」
パチンパチンとリズミカルに鳴る爪切り、ぞりぞりと素早く往復させるエメリーボード
若干ざらざらした水音をゆっくり鳴らすクレイマッサージと
シーンごとにまったく違う音を用意し、それらを組み合わせてお世話の様子をわかりやすく表現します。
これらを楽しそうに行う彼女の表情にも多くの人が癒しを感じるでしょう。

最も長いパートは最後の耳かき(約29分)。
シャンプーやトリートメントで今度は髪を綺麗にした後
座ってる彼の周りを彼女が移動するスタイルで左耳→右耳の順にお掃除します。

「たびたび道具が違うのは お客様に合わせた耳かきをしているからなんです」
彼の耳の中がそこまで汚れてないことを考慮して
最初は粘着効果のある綿棒を使って耳垢を丁寧に取り除き
それから普通の綿棒に切り替えて穴の中全体をマッサージします。
そして最後は梵天と息吹きで細かい汚れを掻き出します。

同じ綿棒でも粘着と通常では音の質感に大きな違いがあって面白いです。
器具によって動きやリズムもちゃんと変わりますし、お客の目線に立った良質な耳かきと言えます。
彼がうとうとしてたからか、他のパートよりもセリフを少なめにしてあって静けさも感じました。

このように、作品が持つ良い部分をそのまま活用したきめ細かいサービスが繰り広げられてます。
すっきりする作品
心の内側から浄化してくれる大変優れた作品です。

ひなは代菜目当てで来店した主人公を満足させようと
店員と友達の中間くらいの距離感で接しながらコースに合った様々なサービスをします。
そしてその様子を効果音で表現しつつ、合間合間に彼女の会話を挟んで体の外と内から温めます。

専門店の店員がじっくり時間をかけて頭、手、耳を個別にケアする癒されるシチュ
最高クラスの音をふんだんに盛り込み的確なお世話をする音フェチ系のサービス
実況を交えながら時折ちょっぴり間の抜けたことを話す彼女ののほほんとしたキャラ。
ASMRでありながらキャラにも十分に光を当てた作品に仕上げてます。

中でも音は現在活動されてるサークルさんの中でも確実に上位に位置する品質を持ってます。
質感、位置、距離、リズム、タイミングなどあらゆる部分が練りに練られていてため息が出ました。
ここまで完璧に音を扱えてるサークルさんはなかなかいません。
定番のサービスに捻りを加えて個性を出すなど、さらに向上しようとする意気込みも見られます。

「あれ…なかなか開かない んっ んーー あっ、開いた開いた」
ひなについてはサービスに直接影響を与えない部分で茶目っ気を出してます。
腕は確かなんだけどちょっぴり気が抜けてるところもあるのが
良い意味で店員らしくなくて面白いです。
そんな彼女の表情や仕草も作品に温かい空気を送り込んでます。

154分ものボリュームで価格が324円とコスパも驚異的。
以上を踏まえてサークルさんでは4本目の満点とさせていただきました。
番外編は店長のサービスです。

CV:黒瀬ひな…小山ハルさん 店長…いたちゆーとさん
総時間 2:34:40(本編…1:56:10 番外編…38:30)

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

ヒーリングサロンシエルーすっきりコースー

サークル「Crescendo」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、ちょっぴり抜けてるけど腕は確かな店員さんが
お店を再び訪れた男性の頭部や耳を入念にマッサージします。

会話よりも音で癒すことを意識した音フェチ系の作りになっており
サービスはもちろん、細かな動作に至るまで専用の効果音を用意し
さらに序盤から中盤は波の音、終盤は雨音を流して癒しと爽快感を与えます。
暑い季節を乗り切るために
ヒーリングサロン シエルの店員「朝霧代菜」からサービスを受けるお話。

「あぁっ ほんとだー いらっしゃいませー また来てくれたんですね」
代菜は甘く可愛い声の女の子。
店長に呼ばれて再び来店したお客に挨拶すると
コースの概要をいくつか説明してその中から選んでもらいます。

本作品は2018年4月に発売された「ヒーリングサロンシエル」の続編。
前作でセラピストとしての第一歩を踏み出した彼女が
彼の指名を受けて暑い季節に効果的なサービスをします。
お話は完全に独立してますから2人が顔見知りなことさえ知ってれば今作からでも大丈夫です。

「こちらのすっきりコースというのは ヘッドマッサージやシャンプーとか 名前の通りにリフレッシュするものが多めになってます」
今回彼が選んだのはすっきりコース。
日本特有のじめじめした暑さによる疲れや汚れを吹き飛ばそうと
オイルや炭酸水を使った頭皮マッサージ、シャンプーといった爽快感を与えるサービスをメインに行います。
そしてすっきりできた後はオーソドックスな耳かきで締めくくります。

前作に引き続きあらゆる動作をリアルな効果音で表現しますから
それらを聴いてるだけでも相当な癒しが得られるでしょう。
総時間が長いので彼女との会話もそれなりにありますが、やはり音のほうが存在感は大きいです。

前作との違いは特徴のある効果音を多めに取り入れてることです。
例えば炭酸水はシュワシュワパチパチした音が頭部全体で断続的に鳴りますし
その次のシャンプーもやや力を入れて小刻みに擦りつつ小気味よい泡音を鳴らします。
最後の耳かきもお掃除とマッサージを兼ねてるので一般的なそれとは動きにやや違いが見られます。

水に関する環境音がバックで流れ続けるのもポイント。
耳かきの手前までは部屋に備え付けられてるスピーカーから波の音を
耳かき中は外で降り始めた雨音を聴かせて別方向の癒しを与えます。
そしてこれは現実世界の雑音を遮断し作品世界に没頭しやすくする役割も果たします。

「疲れが溜まりやすい時期なので さっき話したすっきりコースがおすすめです 新しいことを勉強したとか そういうのじゃないですよ」
代菜については良い意味で店員らしくない女性です。
プロらしい流れるような手つきでお世話しながらつい本音を漏らしたり好きなゲームの話をします。
まだ新人なのですが十分な研修を受けてるようで不安なところは一切ありません。
サービスを始める前後に少し手間取る程度で最中はどれも丁寧に行います。
涼を感じる音に包まれて
諸々の準備を終えた直後に始まる最初のサービスはヘッドマッサージ(約25分)。
椅子に座ったお客の服が濡れないようタオルとケープを身につけてまずブラシをかけ
それから中盤までは専用のオイルを使って頭皮をゆっくりマッサージし、残りは炭酸水をかけて汚れを落とします。

ブラッシングは「ささー」と若干ごわごわした摩擦音
オイルマッサージは「じゅるー」というやや荒い音、炭酸水は泡が爽やかに弾ける音といったように
早速本作品の長所である多彩かつリアルな音が色々登場します。
タオルとケープをかける音や椅子を倒す音まで入ってるのには驚きました。
動きについても丁度いい長さ、ペース、力加減で頭全体を小まめに移動するリアリティを追求したものです。

「私は(髪が)結構絡まっちゃうんですよ お手入れしないとすぐもふもふになっちゃいます」
最中の代菜は今何をしてるかをその都度説明しつつ
健康知識を披露したり自分自身のことをさり気なく話します。
専門店だとお客との距離感を大事にする作品が多いのですが
本作品の場合はそれよりも近づけて彼女に親しみを感じられるようにセリフを組み立ててます。

代菜役の和鳴るせさんはナチュラルな話し方に定評のある声優さんですから
それが活きるようにゆるーい雰囲気でしっかりしたサービスを行います。

続く「シャンプー・ハンドマッサージ」は頭部全体の調子を整えるサービス(約34分)。
シャンプーやトリートメントをかけて髪に潤いを与え
トリートメント中の空いた時間を使って手もマッサージします。

「たくさん出ちゃったから よーく泡を立てて…」
「ヘッドマッサージって お店じゃないとなかなか体験できませんよね 珍しい体験だからこそ 1回1回を素敵な思い出にして欲しいなって思います」

ポンプを押しすぎたせいでシャンプーを多く出してしまうお茶目な姿を見せる一方で
彼の体だけでなく心も気遣うプロらしいところも見せてくれます。
シャンプーは頭皮マッサージよりもやや力を入れて擦っており、音を通じて微弱な振動が頭全体に伝わってきます。
またハンドマッサージはスクラブを混ぜることで音の違いを出してます。

音フェチ作品は時間が長くなればなるほど単調になりがちです。
だから同じマッサージでも音の位置、質感、動きを変えることでその問題を解消します。
音をただ垂れ流すのではなく、実際の施術を強く意識した目的のある鳴らし方をしてます。

最後の耳かきはおよそ28分間。
倒した椅子に座ったまま右耳→左耳の順に耳かき棒と綿棒でお手入れし
合間にほんの少しだけ息を吹きかけます。

耳かき棒は「ぞすぞす くしゅっ」という乾いた平べったい音
梵天は「ぷしゅっ」という広く柔らかい音が使われており
前者は奥から手前へ掻き出したり奥と手前を往復させて壁を優しく擦る
後者は素早く何度も掻き出したり軸を回転させるように動きます。

彼の耳が意外に綺麗だったことから本作品の耳かきは掃除とマッサージを並行して行います。
通常の耳かきより若干刺激が強くゾワゾワする人がいるでしょう。
その一方で耳かき棒は穴の手前と奥の2パターンが存在し
奥に移ると音がざらついたものに代わり動きもゆっくりになる繊細な演出もされてます。

「雨といえば 降り始めの土の匂いもなんだか好きで 濡れた道路から ちょっと湿った空気と一緒にふわーっとくるあの匂い」
環境音が波の音から雨音に切り替わるのも魅力です。
結構強めに降ってるようですが室内にいるのでうるさく感じるほどではなく
これまでよりもしっとりした雰囲気を醸し出してます。
またこれを受けて代菜も雨に関する話題を適度に投げかけます。

専門店にしては内容が大人しいかなぁとも思うのですが
前の2パートが個性的だったからここでバランスを取ったのかもしれません。
クオリティは非常に高いので耳かき音声を数多く聴いてる人でも満足できでしょう。

このように、多種多様な音を違和感なく組み合わせた涼やかなサービスが繰り広げられてます。
ほっこりする音フェチ作品
音に対する並々ならぬこだわりを感じる作品です。

代菜は自分に再び会いに来てくれたお客を満足させ、ついでに自身のスキルアップもしようと
最初から親しげな態度で接しながら慣れた手つきで色んなお世話をします。
そしてその様子を言葉よりも音で表現し作品世界へスムーズに引き込みます。

サービスだけでなく細かな動作にまで専用の音を用意した作り
そのすべてが現実さながらのクオリティを持つレベルの高さ、これらを行う代菜のゆるーいキャラ。
専門店形式で家庭的な雰囲気を持たせた音フェチ系の物語が楽しめます。

中でも効果音と環境音はまだ有料2作目なのに大手の癒し系サークルさんに並ぶ
あるいは凌駕するほどのものを作り上げてます。
内容もタイトルのすっきりコースにちなんだものが豊富で爽やかな印象を受けました。
最終パートに他の店員が登場するシーンがありますし、今後もきっと面白いものを聴かせてくれるでしょう。

以上を踏まえてサークルさんでは初の満点とさせていただきました。

CV:朝霧代菜…和鳴るせさん 黒瀬ひな…小山ハルさん(最後のパートのみ登場) 店長…いたちゆーとさん(最初と最後のパートのみ登場)
総時間 1:49:22

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は9点。
109分で300円とコスパが非常にいいので+1してあります。

ヒーリングサロンシエル

サークル「Crescendo」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、人懐っこくのほほんとした店員さんが
お店を初めて訪れたお客にベーシックな癒しのサービスをします。

サービスはもちろん、最中の細かな動作に至るまでを音で表現する作りに加えて
話す時とそうでない時をはっきり分け、健康知識や何気ない会話を適度に挟むなど
専門店らしさを出しつつ音とセリフの両方から癒す和やかなお話が楽しめます。
プロの手並みで和やかに
ヒーリングサロン シエルの店員「朝霧代菜」からサービスを受けるお話。

「騒がしい店長ですみません ええと 本日担当させていただきます 朝霧代菜と申します」
代菜は甘く素朴な声の女の子。
受付をしていた店長に呼ばれて主人公の前にやって来ると
サービスの内容を簡単に説明してから施術室へ案内します。

本作品は老若男女誰でも入店できるリラクゼーションスポットで
そこの新人店員がおよそ1時間に20分に渡って3種類のサービスをします。
足湯+肩揉み、顔から首にかけてのマッサージ、耳かきと基本的なもので構成されており
どのパートもプロらしい流れるような手つきで丁寧にお世話します。

全編を通じて言葉よりも音で行為の様子を表現する作りになってますから
リアルで優しい音の数々を聴いてるだけで相当な癒しが得られるでしょう。

Crescendoさんの作品は初めて聴いたのですが
現在活躍されてる大手のサークルさんに引けを取らない品質を持っててびっくりしました。
音の質感はもちろん、位置や距離もバッチリでこだわりを持って制作されてるのがわかります。
足音や服を着替える音などサービス以外の細かな動作にも専用の音が入っていて臨場感が高いです。

「あ、ここはちょっとコリコリしてますね ものを近くで見ることが多かったりしませんか?」
「お客様も ゲームってします? ゲームをしていると 時間がいくらあっても足りませんよね」

これらを行う代菜のキャラも個性的。
お客と1対1で接するのが初めてということで会った直後は緊張した表情を見せますが
施術室に移動した後は終始リラックスした様子で色んなことを語ります。
サービスの内容やそれに関する健康知識を説明してたかと思えば
趣味のゲームや散歩の話にいつの間にか脱線する天然なところも持ってます。

ある程度話したらしばらく黙り、それからまた話すのを繰り返す流れになってるおかげで
最大の武器である効果音とうまく共存できてます。
代菜役を務める和鳴るせさんのほんわかした声や口調も彼女のキャラに合ってて良いです。

すべての部分にこだわった多彩で高品質な効果音と代菜のキャラ。
専門店ならではのサービスを家庭的な雰囲気で行う音フェチ作品です。
静かで温かいひと時
施術室に移動しガウンに着替えた後から始まる最初のサービスは足湯と肩揉み(約12分)。
用意されたお湯入りの桶に足を浸し、血行が良くなるまでの時間を使って代菜が後ろから手と指でほぐします。

お湯を桶に注ぐ音、足を入れる音、事後にタオルで水気を取る音など
早速色んな音が登場して耳を楽しませてくれます。
彼女の説明も少しは入りますが必要最低限に抑えられてて音フェチ色が強いです。

メインの肩揉みは「すすっ しゅるっ」という滑らかな音が使われており
左右同時に手のひらで揉んだり擦る、左右交互にやや力を入れて刺激を与えるなど
音を無意味に垂れ流すのではなくサービスとして成り立つように変化をつけて鳴らします。
ガウン越しに擦ってるのを踏まえて地肌の時よりも若干音が粗くなってるのも細かくて良いです。

「ぐっぱっ ぐーっぱっ ふふふっ」
パートの終盤からお湯の音が加わるのもポイント。
足湯は桶に浸してるだけでは音がほとんど出ないので彼に軽く動かしてもらいます。
肩揉み単体の時は静かすぎて環境音が欲しいなとも思ったのですが
この演出をするために敢えて入れなかったのかもしれませんね。

その次に登場するのはマッサージ(約26分30秒)。
頭にタオルを、顔に温めたアイマスクを装着してから使用するオイルを温め
デコルテ(首から胸元の部分)、耳、顔の順にゆっくり塗り込んでいきます。
アイマスクは顔をケアする直前に外します。

「真面目、ですかね? そんなことないと思いますよ お客様の喜ぶ顔を見るのが好きなだけですから」
「くりゅっ ちゅぷちゅぷ」という若干粘性のある水音を状況に応じて位置と距離を変えて鳴らしながら
マッサージのことや彼女自身のことをのんびり語ります。
耳かきなどに比べて大人しい音なのでとても静かに感じるでしょう。
指の動きやストロークもリアルかつ多彩で耳をケアする時は微かな振動まで伝わってきます。
音で表現するのが難しいサービスを十分すぎる品質で形にされてます。

体の血行が良くなった後、締めを飾るのは耳かき(約21分)。
膝枕ではなくベッドに寝たままの状態で右耳→左耳の順に
耳かき棒で大きな汚れを、梵天で小さな汚れを取り除きます。
耳に息を吹きかけるシーンはありません。

耳かき棒は「ぞすぞす しゅぷっ」とやや平べったくて尖りのある音
梵天は「しゅるっ ふすふす」と柔らかく広がりのある音が使われており
前者は奥と手前をゆっくり往復させたり小刻みに優しく引っかくように
後者は軸を持って細かく回転させたり素早く掻き出すように動かします。

肩揉みやマッサージと同じく音の質感、動き、力加減のレベルが高く安定してます。
また耳かき棒は穴の手前から奥に移ると音が若干低く鈍いものに変化します。

「私は 耳かきをされるより するほうが好きで 大きな耳垢がぽろっと取れた時の ちょっとした達成感が楽しくて」
最中の代菜は好きな耳かきや散歩のことを嬉しそうに話したり
耳の奥で見つけた耳垢が無事取れて満足げな表情を見せます。
彼が途中で眠そうにしてるのに気づいたからか、前のパートよりもセリフを減らし黙々と続けます。

このように、音を中心に据えつつ彼女の魅力も引き立ててる緩いサービスが繰り広げられてます。
ほんわかした作品
優しい女性が優しい音をたっぷり鳴らして癒す正統派の音フェチ作品です。

代菜は自分にとって最初のお客にあたる主人公を心の芯から癒そうと
これまで磨いてきた技術を駆使しながら専門的なことや何気ないことを話します。
そしてその様子を言葉よりも音を使って聴き手に伝えます。

質と動きにこだわったリアルな効果音の数々、腕は確かにプロなんだけど性格は少し抜けてる彼女のキャラ。
音フェチ作品の要所をしっかり押さえ、なおかつ多少のキャラ成分も含んだサービスをします。

特に効果音は同じサービスでもシーンによって違う音や動きに変え
さらに位置や距離も小まめに切り替わる大変手の込んだものになってます。
このところ録音環境の向上に伴い音の品質は全体的に上がってます。
でも器具の動きや間の取り方といった他の部分はサークルさんによって結構差が出ます。
このへんも上手にこなしてるのが素晴らしいです。

「私は疲れてないですよー すごく楽しかったです」
もうひとつ、物語の最初と最後のパートに長めの時間を割いてるのも大きな魅力です。
癒し系音声作品はサービスを中心に組み立ててるからか
冒頭の挨拶や事後のやり取りをごく簡単なもので済ませることが多いです。
しかし本作品は両方に9分程度の時間を用意し、2人が出会ってから別れるまでの様子もきっちり描いてます。

余韻や後味を大事にしてるとでも言えばいいのでしょうか。
すべてを終えて緊張が解けた彼女が微笑ましいミスをするシーンがあったりと
最後の最後まで時間がゆっくり流れていきます。

音が主役なのは間違いありませんが、それだけでは語りきれない魅力を秘めてる作品です。

CV:代菜…和鳴るせさん 店長…いたちゆーとさん(最初と最後のパートにのみ登場)
総時間 1:23:41

オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は8点。
83分で300円とコスパがいいので+1してあります。

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