サークル「風に塗るクレヨン」さんの同人音声作品。
今回紹介する作品は、主人公に密かな恋心を抱いている恥ずかしがり屋の女の子が
修学旅行を通じて恋人同士になり、後日初めてのSEXをする様子が描かれています。
エッチよりも2人の心が少しずつ近づき、結ばれる過程を重視した内容となっており
最初はただの友達だった彼女がだんだんと彼に心を開き
やがて戸惑いながらもエッチを受け入れる初々しい姿が甘酸っぱい気分を呼び起こしてくれます。
修学旅行で結ばれる男女の物語
「あっ! おーい いたいた」
彼女は明るくて素朴な声の女の子。
修学旅行先の京都でたまたま班のメンバーとはぐれてしまった彼女が
主人公と2人で探しながらお寺を巡るシーンから物語は始まります。
本作品は冒頭のシーンではまだ友達同士に過ぎなかった2人が
今回の旅行で起こったいくつかのイベントを経て恋人同士になり
その3ヵ月後に彼女の部屋でSEXをするまでの模様を描いたボイスドラマです。
18禁音声の場合、エッチでどんなプレイをしているかを中心に描く作品が多いのですが
本作品では総時間の半分近くを非エロのシーンに割き
その中で2人がどのように仲良くなっていくかをかなり細かく表現しています。
目的よりも過程を重視した作りになっているため、抜きに使うには不向きなのですが
彼女の心情変化が掴みやすく、作品の世界にどっぷりと浸かりながら音声を楽しむことができます。
2人とも未経験なだけあってエッチの内容や進め方はかなりソフトです。
最初の2パート15分間は2人が恋人として付き合い始めるまでのお話。
はぐれた仲間を探すために清水寺から高台寺に向かう最中
他愛もない会話をしてお互いの親睦を深めます。
「今日は清水寺の見学と聞いて 張り切りすぎてパパのカメラ持ってきちゃったのだ」
最初の段階では彼女はまだ旅行を楽しむことに熱中しており
彼のことを気になるクラスメイトあたりに思っているように見て取れます。
しかし途中で別の女友達に「お似合いのカップル」と茶化されたり
混雑している高台寺ではぐれないよう手を繋いだことから彼を異性として意識し始めます。
彼女は元々彼に気があったそうですから
自分の中でもその気持ちが大きくなっていくのを感じたのかもしれません。
人が減った後も手を繋ぎ続け、彼の突然の告白もモジモジしながら受け入れます。
彼女の態度が少しずつ変化していく様子が初々しく、聴いていると自然にニヤニヤしてしまいます。
続く「宿泊ホテルにて あまあま会話」パートはその日の夜のお話。
風呂上りでジュースを飲んでいた彼に偶然出会った彼女が
明日の予定を打ち合わせることを名目に彼を自分の部屋に招待します。
「湯上りにジュース飲んでるの? 一口? …うんっ」
ここでも彼女が彼のジュースを一口いただく=間接キスをしたり
記念に体を寄せ合ってツーショットの写真を撮るなど
不器用ながらも2人が少しずつ恋人らしい関係になっていく様子が描かれています。
人によっては展開の緩さにやきもきするかもしれませんが
私個人は青春時代の思い出が蘇ってくるように思えて心が温まりました。
失ったものを取り戻させてくれるような甘酸っぱい要素が随所に登場します。
静かでしっとりとした雰囲気のエッチ
プレイは相互愛撫、手コキ、キス、フェラ、クンニ、SEX(おそらく正常位)です。
彼女の体を愛撫する時のみリアルな効果音が鳴ります。
「どうしても? んもぅ 手で触るだけだよ?」
打ち合わせの最中、見回りに来た先生をやり過ごすために彼女の布団に入った主人公は
女性に密着して興奮したのか、その後彼女の体を触りたいと言い出します。
エッチは恋人らしくお互いが責め合う形で行います。
最初の「ひそひそエッチ」パートは修学旅行編最後のシーン。
他のルームメイトが帰ってくるまでの短い時間の中で
外に聞こえないよう2人がお互いの体の違いを確かめるように撫で回します。
「こんなに硬いの? どうすればいい? こうやって 撫でてればいいの?」
「なんかいっぱい出てる すごい… ビクン ビクンってなってるよ」
プレイ自体は彼女が彼のパンツに手を入れて直におちんちんをしごき
彼は服越しにお尻やおっぱいをいじるかなりソフトなものなのですが
彼女が彼にどうやって責めればいいかを訊ねたり
初めて触れるおちんちんの硬さや熱さ、精液の質感に驚いた表情を見せてくれます。
純粋なエロさよりも雰囲気を楽しむエッチですね。
その後の3パートは修学旅行から3ヶ月が経過し
すっかり打ち解けた2人がいよいよ初めてのSEXを経験します。
「こーら 汚い部屋に住んでるんじゃないの? 今度お掃除に行ってあげよっか」
修学旅行の時は彼に遠慮しているように見えた彼女も
随分大人びたと言いますか、接し方が自然になったように感じます。
こういう細かな部分にも気を配っているところがいいですね。
プレイについては軽いキスをしてから裸になり
お互いの体や性器を口で愛撫してから最後に繋がります。
ここも全体的に責めのペースが緩く、ちゅぱ音や喘ぎ声もエロさが抑えられています。
静かで落ち着いた雰囲気の中、2人がゆっくりと一線を越える感じです。
「私だって嬉しいよ 好きな人が 気持ちよさそうな顔してて」
「舐めるの? 待って 脱ぐから」
しかしエッチの最中に見せる彼女の態度は修学旅行の時とは明らかに違います。
以前は体に触れられることすら恥ずかしがっていたのが自ら進んで服を脱ぎ
彼のおちんちんをしゃぶってあげる積極的な姿を見せてくれます。
付き合い始めて彼のことをより好きになり、気持ちよくしてあげたいと思うようになったのでしょう。
最後に登場する「痛がる彼女とはじめてのセックス」パートは
処女な彼女ができるだけ痛みを感じないようゆっくりと挿入してから
段階的にペースを上げていく形で徐々に絶頂を目指します。
しかし、プレイ中は彼女のセリフがほとんどなく喘ぎ声だけが流れ続ける作りなため
2人がどのように体を動かし感じているのかを聴き手側でイメージする必要があります。
せめて効果音があればもう少しわかりやすかったのですが…。
ここまでの道筋がと丁寧で良かっただけに残念でなりません。
このように、プレイそのものよりも2人の心情を重視したエッチが繰り広げられています。
キャラやストーリーがしっかりしている作品
やがて恋人として結ばれるまでの気持ちの変化が綿密に描かれている作品です。
彼のことが気になっていたのだけどなかなか想いを伝えられなかった彼女を
同じ気持ちを抱いていた彼が勇気を振り絞って告白し、その結果結ばれる展開や
彼をエッチだと思いながらも少しずつ受け入れていく彼女の態度など
単にエッチをして終わりではなく、シーンごとに2人のセリフや様子に微妙な違いがあります。
そして後になればなるほど2人の心の距離がより近く感じられます。
童貞と処女のエッチということでプレイだけを見るとエロのパワーはかなり弱いです。
しかし背景がしっかりしているから感情移入はとてもしやすいです。
主人公自身になりきれるから楽しめる、そんな作品です。
しかし、少なくとも私には最後のSEXシーンがどうしても納得できません。
初めてのSEXならお互いに思うところがあるはずです。
なのにそれらを一切語ることなく喘ぎ声を流すのに終始しています。
キャラやストーリーが立っている反面、エロが弱くなっているのは仕方ないことだと思います。
だからこそ山場のSEXはしっかり盛り上げ、抜ける気分にさせて欲しかったです。
SEXシーンだけ2人の心情にほとんど触れられていないのが引っかかりました。
「ひそひそエッチ」パートのほうが不得手なりに頑張る彼女の姿に興奮できます。
他には同じセリフを2回繰り返しているシーンがあったり
SEXでの喘ぎ声の最中にプレイとは関係ないと思われる早口の独り言が混じっていたりと
編集ミスらしき部分が見られたのも残念です。
エッチはここまで書いてきたように雰囲気で抜くタイプです。
射精シーンは全部で2回。
淫語、ちゅぱ音、喘ぎ声いずれもそこそこです。
キャラやストーリーは良いのだけど完成度に難があることを考慮し
今回はやや低い点数とさせていただきました。
CV:伊ヶ崎綾香さん
総時間 1:00:07
オススメ度
■■■■■■□□□□ 6点
体験版はこちらにあります