同人音声の部屋

同人音声および催眠音声(トランス/暗示ボイス)について、平均3000文字程度のオリジナルレビューを掲載しているサイトです

タグ:藍月なくる

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   ● 【耳かき・マッサージ】時が流れる部屋【寝息】


ぐっすり眠れる耳かきボイスω

サークル「チームランドセル」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、忘れ物がある人にそのことを教えてくれる不思議な駅を舞台に
駅員さんが菓子職人志望の女性と会話や耳かきを楽しみます。

ストーリーとサークルさんの特徴を上手く融合させたドラマ性のある耳かきが行われており
女性が抱えてる悩みに関する物語を通じてまずは心を温め
それからセリフをほとんど挟まず効果音と吐息だけを鳴らしてさらなる癒しを与えます。
人と思いの集まる場所で
夢の中で駅員と耳かきや添い寝をするお話。

駅員「今日も平和ですねー」
改札ペンギン「むきゅー」
駅員は素朴で可愛い声の女の子。
普段よりも利用者の少ない駅でお供のペンギンと一緒に行き交う人々を眺めてると
改札でうろうろしてる女性に話しかけ、何か忘れ物がないか確認します。

本作品は忘れ物や心残りがある人を見つける能力を持つ彼女が
菓子職人を目指してる女性と駅で出会い、悩みの解決と耳かきをします。
全年齢向け作品の場合、大抵は主人公を男性もしくは性別不明に設定するのですが
チームランドセルさんは百合好きなサークルさんなので敢えて女性にしてあります。

ストーリーを簡単に説明しますと、この女性の母親は街一番の菓子職人をしており
彼女も同じ道を歩み技術を学びたいと思ってました。
しかし数年前病気で他界したため現在は独学で少しでも近づこうと頑張ってます。
そして彼女が駅を訪れたこの日は丁度母親の命日にあたります。

駅員「時をここまで遡るのは珍しいです 私の見立てでは5年くらいでしょうか」
耳かきがメインの作品ですけどドラマ性もそれなりに備わってます。
駅員が持つ特殊能力を使って過去へ遡るシーンもあったりと設定が色々凝ってます。
菓子職人を目指す女性も普通に話すので主人公の心情が捉えやすいです。

もうひとつの大きな特徴は作中で流れる音。
シーンごとの雰囲気に合ったアンビエントBGMが流れ、さらに駅らしく汽車の音も適度に鳴ります。
音と音楽の両方で癒す作りになってますから音単体の時よりも落ち着く感じがするでしょう。
耳かき音や彼女たちの吐息を妨げないようやや音量を下げてあるのも良いです。

一番最初の「序章」は女性の悩みを解決するパート。
彼女と駅員が出会い、母親がまだいた頃に戻ってお菓子作りや耳かきの様子を眺めます。

駅員「お母さんの胸の中で 甘えるあなた とても幸せそうですね」
「ぷすぷす」というアップルパイが焼ける音、ボウルに入った生地をかき混ぜる音
「ぷす しゅくっ」という綿棒の柔らかい音など早速色んな音が登場して物語を盛り上げます。
そしてそれらを通じて女性が一体何を忘れていたのか思い出させます。

詳細は聴いてのお楽しみにさせていただくとして、心温まるお話でした。
耳かきの前に物語を挟むことで聴き手を作品世界へ引き込むことにも成功してます。
様々な癒しの音に包まれて
メインのサービスにあたる耳かきは2パート59分間。
忘れ物が無事見つかり安心した女性が元の世界へ戻る前に耳かきをリクエストします。
そして一通り終わった後は立場を逆転させ、今度は駅員の耳を綺麗にします。
どちらも膝枕の状態で左耳→右耳の順に綿棒でお掃除し、仕上げに数回息吹きします。

会話重視だった序章パートから一転してセリフが極端に減り
最中は耳かき音、2人の吐息、アンビエントBGM、汽車の音だけが流れ続けます。
タイトル通り安眠を強く意識した耳かきですね。
耳かき棒だとそれに合わないから優しい質感の綿棒を選んだのでしょう。

実況を特に挟まないので耳かきの様子はややわかりにくいですが
軸を持って回転させる、耳の壁を優しく撫でる、奥まで差し込んで短いストロークでお世話するなど
効果音の質、量、動きにこだわっていてとても癒やされます。
音同士の連携も取れていて2人がいる夢の世界がリアルに形作られてました。

駅員と女性の違いを強いて挙げるとするなら進め方です。
前者は4分程度の間隔で左右の耳を切り替えながらお世話し
後者はパートをほぼ半々に分けて片方ずつ固めてお掃除します。

そうやって心の芯からスッキリできた後、添い寝を挟んで元の世界へ戻ります。
お菓子の話をするついでに耳を軽く舐めるシーンがあるもののエッチに感じるほどではありません。
シーンの中盤以降は本作品の主題歌も流れて穏やかに締めくくります。

このように、セリフと音の配分を大きく切り替える温かな物語が繰り広げられてます。
ホッとする作品
胸のあたりにぽかぽかしたものを感じながら眠れる作品です。

駅員は母親と同じく菓子職人を志す女性の探しものを見つけようと
彼女を過去の世界へ案内し、母親との思い出を振り返りながらそれを思い出させます。
そして無事解決できた後は長めの耳かきを交互にやって純粋な癒しを楽しみます。

変わった駅員と女性の物語を交えて耳かきするドラマ性を含んだ作り
話す時とそうでない時をハッキリ分けて会話と音の両方を楽しんでもらう演出
百合、アンビエントBGM、交互に耳かきするスタイルなどサークルさん独自の要素。
元々持ってた良い部分を継承しつつ、新しいタイプの音フェチ系耳かき音声を作り上げてます。

駅員「皆の笑顔が見れて 私も幸せいっぱいです」
特に1番目の要素は耳かき音声だと不足しがちな部分なので個性を出すのに役立ってます。
駅員は変わった属性や特殊能力を持ってるものの性格は至って善良です。
駅という多くの人々が訪れ、旅立っていく場所を穏やかに見守り続けます。
彼女とコンビを組んでる改札ペンギンにもマスコット的な可愛さを感じました。

耳かきはリアリティよりも長く多く音を鳴らすことを重視してます。
本作品のコンセプトが安眠にあるからこういうふうにしたのでしょう。
垂れ流し気味ではありますがかなり癒やされるのも事実です。

風変わりな音フェチ系耳かき音声を探してる人には特におすすめします。
おまけは主題歌、改札ペンギンの耳かきボイスです。

CV:駅員…藍月なくるさん 改札ペンギン…秋野かえでさん
お菓子職人を目指す女性…七瀬真結さん ナレーター…美吹ゆうささん
総時間 2:04:19(本編…1:32:44 おまけ…31:35)

オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

猫と彼女と一週間

サークル「クラリムステラ」さんの同人音声作品(全年齢向け)。
声優として活躍されてる藍月なくるさんの個人サークルです。

今回紹介する作品は、ある日突然家にやってきたミステリアスな女の子が
そこに住む男性と色んなことをしながら幸せなひと時を過ごします。

音声を聴き進めていくうちに彼女の素性やここへ来た理由が明らかになったり
終盤に聴き手が2つのルートから1つを選択するなど
女性から一方的に癒され続けるのではなく
彼女にもそれを分け与えてお互いを幸せにするキャラ重視の物語が楽しめます。
家に迷い込んできたのは女の子
ありすと1週間の同棲生活を送るお話。

「んっ ちょっ…やめてください」
ありすは素朴で可愛い声の女の子。
ある休日の朝、主人公の家で飼ってる猫に悪戯されてくすぐったがると
自分がいるのを不思議がる彼に昨日のことを話します。

本作品はとある事情で彼の家に迷い込んできた彼女が
およそ90分に渡って様々な癒しのサービスをします。
タイトルからもわかるように全編が丁度1週間になっており
髪を乾かす、一緒のベッドで寝る、膝枕で耳かきするなどパートごとに異なる手段でお世話します。

「恋人はいるのでしょうか? …やっぱりいいです」
彼女は一言で言えば謎の多い女性。
なぜここに来たのか、なぜ一緒に暮らしたがるかをあまり語ろうとせず
道端の猫をたくさん拾ってるお人好しな彼にしばらく置いて欲しいと頼みます。
そして交渉成立後は時々彼の女性事情を探ろうとするセリフを投げかけます。

友達以上恋人未満と呼ぶのがピッタリな関係です。
でも彼女には彼にそうする確かな理由があります。
最後まで聴けば明らかになりますから、そこで胸のあたりがじんわりするのを感じるでしょう。

「女の子を貴方の手で幸せにしていく」をサークルコンセプトにされてることもあり
専門店のようにひたすら尽くすのではなく物語を通じて彼女も幸せにする方向で進めます。
終盤の土曜日に2つのパートを用意し、聴き手にどちらの結末を迎えるか選んでもらうのがいい例です。

具体的にどんな内容かは伏せますが、たぶん多くの人が同じ選択をするのではないでしょうか。
そうしたいと感じるほど彼女は魅力的に描かれてます。

サービスについてはセリフよりも音の量を多くした音フェチ系の作りになってます。
特に耳かきは会話を一切挟まずに効果音だけがしばらく鳴るシーンを用意し
2人の間で時間がゆっくり流れていく様子を表現してます。
またバイノーラル録音の長所を活かして耳にこそばゆい刺激を適度に送ってくれます。

話す時とそうでない時のメリハリをつけてるので両方をバランスよく楽しめるでしょう。
全年齢向けで人気のある声優さんなだけあって処女作の時点で高品質な作品を制作されてます。
くっつきそうでくっつかない微妙な距離感
2人の同棲が決まった後、最初にするサービスは髪のお手入れ(約12分)。
ドライヤーが壊れても新しいものを買わず濡れたままにしてる主人公の髪を乾かそうと
ありすがタオルを使って丹念にごしごしします。

「どうですか? 彼シャツです な、じょ 冗談です 何変な反応してるんですか」
「痒いところはありませんか? 気になるところがあれば遠慮せずに言ってくださいね」

ほぼ身一つで居候を始めたため彼のシャツをパジャマ代わりにし
それを見せつけて恋人っぽく振る舞う可愛い姿を見せてくれます。
そしてサービス開始後は左右の側頭部を中心に若干ざらつきのある摩擦音をリズミカルに鳴らします。
耳のやや上あたりに振動が伝わってくるおかげで実際にされてる気分が味わいやすいです。

彼を十分に信頼してるけどあと一歩をなかなか踏み出せないところに初々しさを感じました。
この後も2人の微妙な関係を意識させる描写がいくつも登場します。

本作品で最も大胆なサービスは水曜日の添い寝(約14分)。
床に寝ると言う彼女とそれを許さない彼が一通りの会話を交わしてから
結局一緒のベッドで眠ることになります。

「私が床で寝るなら お兄さんもそうするって 子供みたいなこと言わないでください」
突然やって来たとはいえ女の子に辛い思いをさせたくないのでしょう。
彼女が床に寝ると言い張ったら自分もそうすると言って苦労を分かち合おうとします。
彼が言ったことを彼女がオウム返しするスタイルも彼の存在感を大きくするのに役立ってます。
最終目的の「彼女を幸せにする」を意識した効果的な演出です。

添い寝についてはパートの前半はそうなるまでの会話に割き
後半はセリフが一気に減って彼女の安らかな寝息が流れ続けます。
前項で説明した話す/話さないのメリハリがはっきりしていて後半はとても静かに感じました。

単体で最も長いサービスは木曜日の耳かき(約34分)。
膝枕の状態で右耳→左耳の順に耳かき棒と梵天でお手入れします。
そして左耳の梵天シーンでのみ時折息を吹きかけます。

耳かき棒は「ずずっ くしゅっ」という乾いた硬めの音
梵天は「ぽすぽす しゅるっ」という面積が広く柔らかい音が使われており
前者は弱めの力で奥から手前に掻き出す、後者は耳の中で軽く回転させてから掻き出す感じに動きます。
藍月さんが耳かき音声に多数出演されてるだけあって音質、動きともにレベルが高いです。

「大丈夫でしょうか? 心配しますよ 耳は大切な受容器ですからね」
最中のありすは彼の大事な部分を痛くしないよう会話を挟まず黙々と取り組みます。
特に後半の左耳はパート開始から8分間ほとんどしゃべらない音フェチ成分の強いものです。
耳かきの心地よさで眠った彼に息吹きをする点だけはちょっと首を捻りますが
それ以外は静かで癒される空間が見事に形成されてます。

そうやって十分に親睦を深めた後、「金曜日の真相」でようやく彼女のすべてが明らかになります。
ちょっぴり切ないお話が楽しめますから興味のある方は是非ご自分の耳で確かめてみてください。

このように、2人の距離を縮めつつ音で癒す流れのあるサービスが繰り広げられてます。
心温まる作品
ありすの癒す姿と癒される姿で心が二度潤う作品です。

何らかの事情で主人公の家に潜り込んできた女の子が
彼の家の一員として家事をこなし、彼自身にも様々なサービスを提供します。
そしてその中に彼女も幸せになっていく要素を盛り込んで聴き手を別方向から癒します。

最初の時点で彼女の情報をほぼ全部伏せ、物語を進めることで明らかにしていく展開
セリフと音の分量をほぼ均等にし、それらが活躍する場を別々に設けたバランスの良い作り
癒される側だけでなく癒す側も幸せにするストーリー。
専門店形式よりも登場人物に光を当てた風変わりな音フェチ作品に仕上がってます。

「温かくなって眠くなっちゃいましたか? 猫じゃないんだから」
特に彼女は表面上はごく普通の可愛い女の子なのに
そこからはまったく予想できない一面も隠されていてミステリアスです。
終盤にようやくすべてが明らかになるから最後までダレずに聴けます。

もうひとつの柱にあたるサービスは家庭的なもので揃え、それぞれをコツコツ丁寧に行います。
私個人は髪をタオルやドライヤーで乾かすパートが好きですね。
音を通じて触覚を刺激する演出は録音環境の向上がもたらした新しいアプローチ法です。

キャラやストーリーがしっかりしてる音フェチ作品が好きな人には特におすすめします。

CV:藍月なくるさん
総時間 1:37:36

オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

声付き耳かき音を作ってみた(終)

サークル「とみみ庵」さんの無料の同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、素朴でちょっぴりいたずら好きな女の子が
友達あたりの関係にある男性に丁寧で幅広い耳かきをします。

従来のシリーズと同じく効果音の質と量にとことんこだわった作りや
親しみを感じる彼女のセリフと態度で癒しの空間を作り上げてます。
前よりもちょっぴり近い心の距離で
女の子に耳かきしてもらうお話。

「あ、また来たんですか? 凝りないですね ほんと」
女の子は素朴で優しい声の女の子。
自分の部屋に再びやって来た主人公をクールな表情で迎えると
膝枕に誘ってからお世話する順番や使用する器具を考えます。

本作品はこれまで58本出てる同シリーズの最終作。
声や口調は素っ気ないけど実は優しい彼女が、耳かき好きな彼におよそ24分間の耳かきをします。
彼女はシリーズの過去作にも何度も登場してるキャラで「炭酸ちゃん」の愛称を持ってます。
以前は割と変わったこともやってたのですが、今回は原点に戻って耳かきだけを時間いっぱい頑張ります。

「いいえ 今は暇なんでいいですよ 忙しいって言ったらどんな反応するか気になっただけです」
性格は一言で言えばいたずら好きでしょうか。
自分の思ってることとは違うことをわざと言って彼の反応を楽しみ
耳かき中も今までになかった原始的な手段で綺麗にするシーンがあります。

でも耳かき自体はとても真面目にやるので悪意があるとは思えません。
楽しそうにお掃除してるのがはっきりわかる描写もありますし、彼女なりの愛情表現と見るのが妥当です。
言葉よりも態度で気持ちを伝えるタイプのキャラで独特な可愛さを持ってます。

もうひとつの柱となる耳かき音も魅力的。
耳かき棒、綿棒、梵天と定番の器具をシーンに応じて使い分けながらリアルな音を存分に鳴らします。
とみみ庵さんと言えば時間に対するセリフの量を減らし、音ですべてを表現する作風が持ち味です。
今作もその例に漏れず、効果音と彼女の吐息だけが流れる時間を長めに取って癒します。
質感、動き、力加減、リズムのすべてが繊細で優しくて本当に素晴らしいです。

耳かきはほぼ全編にあたる24分間。
膝枕の状態で左耳→右耳の順に穴の手前は耳かき棒、奥は綿棒で汚れを取り
仕上げに梵天と3回程度の息吹きをします。

耳かき棒は「ずすっ じりじり」と尖りのある乾いた音
綿棒は「すりずり」という面積広めで柔らかい音が使われており
前者は耳の壁を優しく引っかくように往復させ、後者は汚れを絡め取るようにゆっくり擦ったり回転させます。
梵天もふんわりした優しい質感の音で心地いいです。

この4年間耳かきをひたすら追求してきたサークルさんなだけあってすべてが自然です。
綿棒は動きに軽い引っ掛かりがあり、梵天は耳に軽い圧迫感があるといったように
器具ごとの細かな特徴まで音でリアルに表現されてます。
またこれらが耳垢に触れた際はほんの少しの時間だけ効果音がパリパリしたものに変わります。

「ふわ ふわ 気持ちいいですか? 私も ちょっと楽しいかな」
「人の耳に指を入れるって 面白い感覚かも」

最中の彼女は「かりかり」「ふわふわ」などの擬声語で耳かきの様子を実況しつつ自分の気持ちを漏らします。
また後半の右耳をお世話するシーンでは自分の指を彼の耳の穴に入れて掻き出します。
「ぐぐっ すいっ」という弾力のある摩擦音を掻き出すように鳴らしてて結構リアルです。

そしてこれは恋人まではいかないにしても彼女が彼に対して一定以上の好意を抱いてることも表します。
今は耳かき中ですから彼の耳の中は当然ある程度汚れてます。
それを知ったうえで自分から直接それを掬うのは一種の愛情表現と言えるのではないでしょうか。
行為自体の珍しさに加えて彼女の内面も描かれてるのが面白いです。

このように、リアルな音と2人の仲の良さで癒す温かい耳かきが繰り広げられてます。
シンプルで洗練された作品
王道のサービスに色々な工夫を加えた高度な耳かき作品です。

女の子は自分に何度も会いに来てくれる主人公を満足させようと
素っ気ない態度を取りつつしっかりお世話して耳と心を綺麗にします。
そしてその様子を主に効果音で表現し、合間に彼女らしさを感じるセリフを挟みます。

数多く存在する耳かき音声の中でも最高品質を誇る効果音
現実世界の耳かきをそのまま音声化したような自然な演出、クールな態度の中に垣間見える彼女の優しさ。
音フェチ系でありながらキャラも立ってる優れた耳かきが楽しめます。

「ふわふわでおねむですかね そのまま寝ちゃってもいいですからね」
私が炭酸ちゃんの作品をいくつか聴いてるからなのでしょうが
以前よりも彼女の態度が柔らかくなり、彼を素直に受け入れられるようになったと感じました。
最初の彼女は彼を実験台にしてあれこれ試す感じにサービスしてました。
しかし今回は特殊なことをほとんどやらず、彼を気持ちよくすることを第一に考えてお世話します。
ただそれだけだと個性が失われてしまうから時々からかってバランスを取ってます。

効果音が抜群に優れてるおかげで耳かきの様子を細かく説明する必要がなくなり
その結果何気ない会話にセリフの多くをつぎ込む余裕が生まれてます。
音が主役なのは間違いないのですが、一般的な音フェチ作品とは違う魅力を持ってます。

シリーズの最後を飾るに相応しい安定感のある作品です。

CV:藍月なくるさん
総時間 27:24

声付き耳かき音を作ってみた(終)
https://www.youtube.com/watch?v=4uccah3DTkU

癒彼女-亜季【期間限定価格】

サークル「ディーブルスト」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、最近恋人になったばかりの優しくて世話好きな彼女が
お疲れ気味な彼氏を4種類のサービスでもてなします。

リアルな音をたっぷり鳴らしつつ恋人らしい会話をする音フェチ系の作りが魅力で
料理を作る音、耳かき音、マッサージ音などパートごとに違うタイプの音を用意し
それらを鳴らすシーンと話すシーンをある程度分けて別方向の癒しを与えます。
愛する人に初めてのご奉仕
恋人の亜季(あき)と一緒に夜を過ごすお話。

「こんばんはー ごめんね、遅くなっちゃって」
亜季は素朴で澄んだ声の女の子。
ある日の夜、同じ町に住んでる主人公の家に行くと
買ってきた食材を使って肉じゃがを作ります。

本作品は「身近な人からの癒し」をテーマに、彼女が2時間以上に渡って癒しのサービスを行います。
料理、耳かき、目&手のマッサージと家でできるもので統一し
短いものでも22分、長いものだと50分もかけてゆっくりじっくりお世話します。

全体を通じて言える特徴は大きくふたつ。
ひとつはサービスの様子を主に音で表現すること、もうひとつは会話とのバランスに気を配ってることです。

前者は例えば料理パートではボウルに水を入れる音、お米を研ぐ音、野菜の皮を剥いて包丁で切る音など
細かな動作に至るまで専用の音を用意し、それらを組み合わせて進めます。
もちろんセリフも入りますが何をどう料理してるか実況する程度ですから主役はやはり音です。
他の3つのサービスについても効果音だけが流れる時間を長めに取って落ち着いた雰囲気を作り上げてます。

「うん、肉じゃがだよ♪ 手作りお料理の定番だよね そ、それに…彼女に作って欲しいお料理で人気があるし…」
後者はサービスの開始前や終了後、それから最中に固めて話すシーンを用意してます。
話す時とそうでない時のメリハリがあるので音と会話の両方を楽しみやすくなってます。
恋人同士なのにまったく話さなかったら味気ないですから音フェチ系といえどもセリフは重要です。
彼のために一生懸命尽くす姿や上手く癒せた時に喜ぶ表情に癒しを感じるでしょう。

音を中心に据えつつ彼女の魅力も引き立つサービスをする。
サークルさんが得意とされてる「音」と「癒し」をストレートに活かした質の高い作品です。
ほのぼのした温かいサービス
亜季が主人公の家にやって来た直後にするのは料理(約23分)。
お米を研いで炊飯器で炊く準備をしたり肉じゃがを作る様子を楽しみます。

「さてと…まずはお米を研いでおかないとね んっ… 米とぎ用のボウルでしっかり研いでっと…」
「おっと、その前に糸こんにゃくを湯通ししておかなきゃ んしょ…」

彼女が彼氏のために料理を作るのは今回が初めてらしく
ちょっぴり覚束ない姿を見せながらひとつずつ丁寧にこなしていきます。
彼はリビングで寛いでるのでセリフはほぼすべて彼女の独り言です。

そして料理の一部始終を多種多様な音でリアルに表現します。
ジャガイモの皮を剥く時は包丁だったのがニンジンはピラーへ切り替わり
野菜を切る時は小気味よい音だったのが牛肉だと控えめなものに変化するなど
食材ごとの違いが音だけでなんとなくわかるくらいにリアルです。

夜中に聴いたらお腹が空いてくる人がきっといるでしょう。

ディーブルストさんの中の人は料理を得意とされてますから
このシーンもおそらくすべてご自分で録音されたのだと思います。
そして音だけだとうまく伝わりにくい部分を彼女のセリフで補ってます。
料理を取り入れてる音声作品はまだ数が少ないですし、色んな行為を音で表現する本作品との相性も非常に良いです。

最も時間の長いサービスはその次に登場する耳かき(約50分)。
膝枕の状態で左耳のマッサージから入り、そのまま左右の耳をお掃除したり息を軽く吹きかけます。
耳マッサージをするのは左耳だけで右耳は最初から耳かきをします。
耳かきで使用する器具は耳かき棒のみです。

耳マッサージは「しょりっ」という弾力のある音
耳かき棒は「ずすっ しゅりっ」という乾いてて平べったい音が使われており
前者は耳全体を揉む、長めのストロークで優しく擦る、耳たぶを引っ張る
後者は入り口付近はクリアな音で対象部分をなぞるように、穴の中はややこもった音で耳の壁をなぞるようにと
お世話してる部位ややり方に応じて質感や動きを変えながらゆっくり丁寧に行います。

特に耳かき棒は長時間聴いても耳や頭が痛くならないよう優しい音を使ってます。
一箇所をひたすら擦り続けるのではなく、穴の中全体を満遍なく刺激してくれるので心地良いです。
効果音と微かな吐息だけが流れる時間はとても静かで落ち着きます。

「揉むだけじゃなくって指で擦ったり引っ張ったりするのもマッサージにいいんだって」
「本当に気持ち良さそうな顔しちゃって…可愛いな、もう よしよし…よしよし…」

最中の彼女は今日のために勉強してきた健康知識を披露しながら熱心に手を動かし
彼の安らいだ表情を見ると嬉しそうな表情を見せます。
母親っぽい仕草も時折見せるので甘えたくなるのではないでしょうか。
効果音とぶつからないように気をつけて彼女の優しさや温かさを表現してます。

終盤の2パートは耳かきと同じくらい定番のマッサージ(26+22分)。
Track4は目の周り、Track5は手とお世話する部位を切り替え
どちらも専用のオイルを使って対象の部位を撫でたり押して疲れを取り除きます。

「このツボは頭痛とかに効くツボなんだって あなたって時々、頭痛がするって言ってたから、目の使い過ぎも原因なんだろうなって思ってたんだ」
彼が以前に比べて疲れてるように見えることを心配してるのでしょう。
彼の弱ってるところによく効くツボを押しながらその効能をわかりやすく説明します。
もう寝る時間、しかも彼が眠そうにしてるのを見て世間話はあまり挟まず静かに続けます。
普段あまり頻繁に会えないからこそ、一緒にいるこの時間を大切にしてるように映りました。

このように、疲労回復しながら親睦を深めるあまあまなサービスが繰り広げられてます。
家庭的な音フェチ作品
専門店よりもサービスの内容を簡略化する代わりに音の多彩さや登場人物との仲の良さを強化してる作品です。

亜季は仕事が忙しくて外食ばかりしてる主人公を少しでも助けようと
まずは愛情のこもった栄養バランスの良い食事を用意し
それから特に汚れてる、あるいは疲労の溜まってる部位を重点的にお世話します。
そしてその中に彼を甘やかすセリフや仕草を盛り込んで恋人の優しさと温もりも与えます。

作中に出てくるほぼすべての動作をリアルな音で表現する作り
それと上手く共存できる形で盛り込んだ癒しを感じるセリフの数々。
恋人同士が健全にイチャイチャする様子をストレートかつリアルに描いてます。

ディーブルストさんは以前から音を活かした作品を数多く制作されてるサークルさんです。
だから今作もその質感、鳴らし方、他の音との組み合わせが完璧ですべてが自然です。
音だけが鳴る時間も多く用意されていてこれらを聴くだけでも相当な癒しが得られます。
中でも料理は個性的な音が多くて面白いです。

「眠くなってきたんだったら、そのまま寝ちゃっても大丈夫だよ 痛くしないように軽く押すようにするから…」
もうひとつの柱にあたる亜季については彼を思いやる姿で愛情を表現してます。
料理を作るのも、耳かきやマッサージするのもすべて彼のためです。
この日に向けて自分で色々勉強してきた背景も健気で可愛いです。
恋人以上の関係を匂わせるシーンもあったりと、二人が特別な仲にあるのが自然と伝わってきます。

音で癒し、会話で癒し、雰囲気で癒す正統派の癒し系作品です。
以上を踏まえて本作品をサークルさんでは7本目の満点とさせていただきました。

CV:藍月なくるさん
総時間 2:07:28

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は9点。
127分で700円とコスパがいいので+1してあります。

2018年3月10日まで20%OFFの560円で販売されてます。

【百合×耳かきボイス】ゆりかき!~Vol.2 姉妹編~【バイノーラル】

サークル「ゆづみ荘」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、実の姉に肉親以上の好意を抱いてる妹が
夕方から夜にかけて二人きりの甘い時間を過ごします。

音フェチ(ASMR)に多少の百合成分を組み込んだ作りが魅力で
日常生活でよく聴くタイプの音を存分に鳴らしながら
彼女の姉に対する想いの強さを感じるやり取りを挟んで仲の良さを演出してます。
中でも料理シーンは実録されただけあって非常にリアルです。
姉さんと過ごす幸せな一日
妹と料理を作ったり耳かきしてもらうお話。

「あっ 姉さん あの服可愛いですね 姉さんに似合いそう」
妹は明るくて透き通った声の女の子。
デート中に気に入った服を見つけ姉に勧めると
ナンパしに近づいてきた男性にきつい言葉を浴びせかけて追い払います。

本作品は実の姉に肉親以上の親密な気持ちを抱いてる妹が
デートした後に家で夕食から寝るまでの時間を一緒に楽しく過ごします。
料理、髪のお手入れ、耳かきと家庭的なサービスを中心に据え
その一部始終を高品質な音によってリアルに表現してます。

イチャラブっぷりを出すためにセリフもある程度挟んできますが
無言になって効果音や吐息だけを流す時間のほうが明らかに多いです。
現実世界でもよく聴く音ばかりなので何をしてるかがイメージしやすく自然な癒しが得られます。
癒しを感じる音の数々
二人が家に戻った後、一番最初にするのは夕食の準備(約20分)。
姉のリクエストに合わせてメニューをペペロンチーノとクラムチャウダーに設定し
料理が苦手な姉に妹がアドバイスしながら一緒に作ります。

冷蔵庫や戸棚を開けて食材を用意する音、鍋に水を入れて火にかける音
玉ねぎの皮を取って包丁で切る音、油をひいたフライパンに野菜を入れて炒める音など
料理の最初から最後までほぼ音だけで表現する非常に凝ったものです。
実際に料理しながら録音されたらしく細かな音まできちんと入ってます。

「料理するところを見たいんですか? 別に構わないですけど …ちょっと近すぎ 近すぎです もう 危ないからもうちょっと離れて見ててくださいね」
最初はやや遠くから聞こえてたのが、姉が料理を手伝い始めるのに合わせて一気に近くなるのがいいですね。
音の位置や距離にも気を配って妹と一緒に作ってる様子を主観的に楽しませてくれます。
クラムチャウダーを作る時に玉ねぎ、人参、じゃがいもを入れてしばらくしたら牛乳を注ぐシーンがあって
そこでは焼ける音が一気に収まり、少し経つと今度は液体の泡立つ音が聞こえ始めます。

何かをする時に妹がその内容を軽く説明してくれますからイメージしやすいです。
夜中に聴いたらお腹が空いてくるのではないでしょうか。
サークルさんご自身が「今回の目玉」とおっしゃられてる通り最も特徴的なパートです。

続く「ブロー&ブラッシング」は入浴後のお話(約19分)。
お風呂上がりなのにまったく手入れをしない姉の髪を綺麗にしようと
妹がトリートメント、ブラシ、ドライヤーを使って丁寧にケアします。

これだけに1パート割くのが女性同士らしくていいですね。
ドライヤーが耳のあたりにかかると「ぼぼぼぼぼー」という音と共に軽い圧迫感がありますし
ブラシで梳く時も滑らかで優しい摩擦音が同じ方向へ繰り返し動きます。

「ほんとに綺麗な髪 ずっと触っていたい」
最中の会話がもう少しあってもいいかなとも思いましたが
無言の時間を増やすことで愛する人の髪を大事に扱おうとする気持ちを表現したかったのかもしれません。
音の品質も引き続き高く癒しはもちろん、安眠のお供にも役立ちそうなパートです。

就寝前にする最後のサービスは耳かき(約27分)。
膝枕の状態で左耳→右耳の順に耳かき棒と梵天でお手入れし
最後に弱い→強い風圧でそれぞれ4回程度息を吹きかけます。
ちなみに耳かき音だけは他サークルさんの素材を使用してるそうです。

耳かき棒は「ずすっ さすさす」というやや尖りのある乾いた音
梵天は「そしゅっ ぽすぽす」という広がりのある柔らかい音が使われており
前者は耳の外、穴の入口、奥を優しく撫でるように、後者は軸を持って回転させるように動きます。

「ここ気持ちいいですか? わかりました ここを集中的にカリカリしてあげます」
耳かき棒が穴の外にある時はクリアだった効果音が
中に入ると低く鈍い音へと変化し位置もやや近くなるなど変化に富んでます。
姉の耳が元々綺麗だったため、汚れを取るよりもマッサージする方向で進めます。
姉と肌を密着できて嬉しそうに手を動かす妹の姿も印象的でした。

このように、最大の武器である音を中心に据えた比較的質の高いサービスが繰り広げられてます。
家庭的な音フェチ作品
女性同士特有の甘さが多少漂ってる音重視の作品です。

妹は大好きな姉とデートできた幸福感を彼女にも分け与えようと
自分から積極的にあれこれお世話しながら嬉しそうに振る舞います。
そしてその様子をセリフよりも音の質、位置、距離によって表現します。

リアルな音をふんだんに盛り込んだ作り、家にいる雰囲気が感じられるサービス
これらの合間に入る二人の甘く和やかなやり取り。
男女がするものとは違う部分を持たせながら癒す方向で進めます。

私はタイトルから百合と耳かきが売りの作品だと聴く前は思ってました。
しかし実際は料理とブロー&ブラッシングのほうがずっと魅力的に映りました。
音声作品だとまだあまり見かけないことや音そのもののレベルが高いことが大きな理由です。

「えっ? 膝枕? 生足で? それはちょっと なんていうか…恥ずかしくないですか?」
個人的にはもうちょっと百合に力を入れて欲しかったなぁと。
どのパートも会話量が少なくイチャラブ成分が控えめになってます。
妹が意外と奥手な性格で姉がスキンシップを取ろうとすると控えめな反応を見せるのもあります。

耳かきの効果音が自作じゃないことも含めて、タイトルと内容の方向性にズレを感じました。
「ゆりかき!」と命名するからにはこのふたつを最も頑張るのが望ましいです。

一部で引っかかるところもありますが十分な品質を持ってる作品です。
おまけは「デート待ち合わせ」と「翌日朝」です。

CV:藍月なくるさん
総時間 1:12:35(本編…1:09:56 おまけ…2:39)

オススメ度
■■■■■■■□□□ 7点


体験版はこちらにあります

追記
2018年2月15日まで50%OFFの450円で販売されてます。
その場合の点数は8点です。

Reposer ~優子・瞳・香乃~

サークル「Butterfly Dream」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、それぞれに違った個性を持つ3人の女性が
とある悩みを抱えてる男性に心のこもった癒しのサービスをします。

癒しパートはサービスごとに担当するスタッフを切り替えリアルな音を多めに鳴らし
ドラマパートは音の割合を一気に下げ彼女たちの会話や反応を楽しむ、といったように
音フェチとボイスドラマ要素をはっきり分けた作りになってます。
癒しの音で安眠をサポート
Reposerの店員「優子」「瞳」「香乃」からサービスを受けるお話。

「いらっしゃいませ リラクゼーションサロン Reposerへようこそお越しくださいました」
優子は上品で穏やかな声の女性。
予約を取って来店したお客を丁寧な挨拶で迎えると
履物を脱ぎソファに座ってもらってから温かい飲み物を差し出します。

本作品は現代人の多くが抱えてるストレスを軽減し安眠できる環境を整えることを目的に
彼女たちがおよそ1時間30分に渡って3種類の癒されるサービスを提供します。
耳のマッサージ、耳かき、会話しながらの安眠と癒し系作品では定番の行為を用意し
担当者を切り替えながらどれも一対一でゆっくりじっくりお世話します。
ちなみに店名のReposerはフランス語で「休息」を意味するそうです。

また今回はサークルさん初のシリーズ作品ということで
代表者の浅見ゆいさん以外に藤堂れんげさんと藍月なくるさんも登場します。
全年齢向けでは人気の高い方ばかりですから声による癒しも相当なものです。
大人の女性、子供っぽさの残る女性、その中間とそれぞれのキャラにも違いを持たせてます。

全体の特徴としてまず挙げられるのが音とセリフのバランス。
最初の癒しパートは施術風景を描きながら癒し系の音をたっぷり鳴らし
続くドラマパートは彼女たちの日常風景に焦点を当てて魅力が引き立つ会話をします。


音フェチ(ASMR)作品は落ち着いて聴ける反面、それらを行う女性たちの存在感が薄くなりがちです。
その部分を解消するためにドラマパートを別途用意されたのでしょう。
といっても時間は全部合わせて13分程度ですからメインはあくまで癒しパートです。

一番最初の「ご来店ありがとうございます_優子」パートはサービスを始める前のやり取り(約6分)。
店長にあたる優子がお店のコンセプトを説明してからお客の症状を確認し
これから何をすれば最も効果的に癒せるかを探ります。

「当サロンでは お客様のストレスを少しでも癒やして差し上げることを 目標としています」
Reposerには彼と同じくストレスを抱えてやって来る人が多いらしく
彼女がそのことに触れながらちょっとしたアドバイスをしてリラックスを応援します。
履いてる靴を脱ぐ、ソファに座る、飲み物を用意するなど小さな動作に専用の効果音が入っていてリアルです。
サービスを始める前に聴き手を作品の世界に引き込む役割を果たしてます。
音とセリフが織りなす癒しのひと時
カウンセリングで方針を決め、施術室に移動した後にするのは耳のマッサージ(約18分)。
お店で最年少のスタッフである香乃が初めての経験に緊張してるお客を軽くほぐし
それから膝枕の状態でオイルを馴染ませた手を使い丁寧に揉みます。

香乃「こうすると 耳全体がほぐれて 血行も良くなるので 体もぽかぽかしてくるはずです」
最初は「そりゅっ」という滑らかな摩擦音を鳴らしながら両方同時に
次は右耳→左耳の順に短いストロークでやや力強く、と同じマッサージでも音に明確な違いがあり
最中は両耳に微かな振動も伝わってきて心地いいです。
中でも終盤の両手で耳を覆ったり倒すサービスは軽い圧迫感や空気の振動まで伝わってきます。

音を通じて触覚を刺激してくる作品はまだ数が少ないですから
初めて聴く人は実際にそうされてる感覚がして驚くでしょうね。
サービスの前後は割としゃべり、最中はそれを控えて音に集中させるメリハリのある作りです。

続く「耳かき_瞳」は名前の通り瞳がする耳かき(約32分)。
前のパートと同じく膝枕で左耳→右耳の順にまずは濡れタオルで外側を拭き
それから耳かき棒、粘着綿棒、梵天を使い分けて中の汚れを落とします。
息吹きは最後に弱めの風圧で4回程度行います。

耳かき棒は「ずすっ」という乾いた平べったい音でゆっくり何度も掻き出す
粘着綿棒は「ぷちゅっ ぷすぷす」と粘性のある音で中の壁をなぞる
梵天は「しゅるー」というふわふわぱちぱちした音で軸を持って回転させる、と器具ごとにまったく異なる音や動きをします。
マッサージと同じくどれもリアルで聴けば聴くほど眠くなってきます。

瞳「粘着綿棒っていう綿棒なんですけど 使ったことあります?」
中でも粘着綿棒は耳かき音声でもあまり使われない道具なので音と動きが新鮮です。
従来の綿棒よりも湿気が高く動きも滑らかで違いがよく出てます。
効果音と彼女の吐息だけが流れ続けるひと時は静かでとても癒やされました。

最後の「おやすみなさい_優子」は最終目的にあたる安眠させるサービス(約29分)。
冒頭で相手を務めた優子が再び現れ、最初は同じく膝枕のまま色んな会話をし
彼が十分眠れる状態になったところでベッドに移り体をとんとんと優しく叩きます。

「お客様は 春 夏 秋 冬 どの季節がお好きですか?」
「なで なで なで なで いーっぱい甘えてくださって よろしいですよ」

最中の話題は季節のこと、寝る時にする習慣や部屋の明るさなど当たり障りのないものばかり。
普段以上にセリフごとの間を長く取ってのんびり話す彼女の姿には母性が漂っており
成人男性にとって不足しがちな甘えたい欲求を満たしてくれます。

ですが安眠目的ならパート全体で散発的に話すよりも
前半に固めてしゃべり、後半は吐息だけを漏らす構成のほうが良かったんじゃないかなぁと。
ぐっすり眠れそうになったところで体を起こしてベッドに移らせる流れも首を捻ります。

このように、多くの人が癒しを感じる音を中心に据えた堅実なサービスが繰り広げられてます。
雰囲気のいい作品
リアルな音を違和感なく組み合わせた比較的安眠しやすい作品です。

優子、瞳、香乃は仕事でストレスを抱えなかなか寝つけずにいるお客の悩みを解消しようと
まずは耳を中心に指や道具を使って凝りと疲れを取り除き
それからお話しながら彼がぐっすり寝るのを見守ります。

全編を通じて鳴るリアルで優しい効果音、パートごとに担当を切り替えゆっくり取り組む流れ。
彼の症状に合わせたプロらしい施術で眠気を膨らませます。

耳のマッサージと耳かきは耳をケアする点では一致してますが
その内容、方向性、音のタイプ、得られる刺激が随分違います。
前者は外側がメインなので圧迫感や振動、後者は内側に移ってこそばゆい感覚を与えます。
安眠させるのは最後のパートですけど、これらを聴いてる最中に寝落ちする人がそれなりにいるでしょうね。

ドラマパートについては時間が短いことやネタバレするとつまらなくなることから
どんな内容かを敢えて伏せさせていただきました。
明るくて砕けた彼女たちの様子が描かれていて癒しパートとの違いがよく出てます。

音フェチ要素を多めに持たせつつキャラにも焦点を当ててる作品です。

CV:優子…藤堂れんげさん 香乃…藍月なくるさん 瞳…浅見ゆいさん
総時間 1:39:26

オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は8点。
99分で800円とコスパが良いので+1してあります。

声付き耳かき音を作ってみた46

サークル「とみみ庵」さんの無料の同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、声や口調はややつれないけど根はとっても優しい女の子が
一風変わった器具を取り入れた耳かきで耳と心を綺麗にします。

サークルさんが以前からこだわり抜いてるリアルな音や動きに加えて
音声作品だと伝えるのがなかなか難しい「刺激」も重視したサービスが味わえます。
用がないなら作ればいいじゃない
女の子に耳かきしてもらうお話。

「こんばんは 用件はなんでしょう?」
女の子は素朴で優しい声の女の子。
これといった用事もなしに自分の部屋を訪れた主人公を温かく迎えると
早速彼の頭を膝に乗せ、いつもとは一味違う耳かきをしてあげます。

本作品は知り合い以上恋人未満の関係にある彼女が
手持ち無沙汰な彼を気遣って耳かきとマッサージを志願します。
声付き耳かき音を作ってみた26」「声付き耳かき音を作ってみた番外編2」など
過去にいくつもの作品に登場してるキャラなので最初からリラックスした様子で接します。

「ほら 手のひらで大きく撫でてみると ゾクゾクってしませんか?」
今回のテーマはズバリ「音による刺激」
20分程度の時間内に3つの器具が登場し、そのどれもが異なる感覚を耳にもたらします。
音声作品と言えば音質の良さや動きが注目されがちですが
とみみ庵さんの作品は効果音がバイノーラル録音なだけあってこそばゆい感覚も味わえます。

乱暴に擦って振動を無理矢理作るのではなく
動きや力に強弱を持たせて刺激の違いを楽しませる繊細な演出です。
現実世界のサービスにできるだけ近づけつつ作品の特徴が出るように製作されてます。

「へぇ 耳があったかい? 今度自分でもやってみよっかな いい実験台になってもらいましたね」
耳かきを担当する女の子はクールで優しいキャラ。
声や口調はややつれない感じですが、サービスはとても丁寧で癒しに満ちてます。
以前の作品を視聴済みの人が今作を聴くとやや丸くなった印象を抱くでしょうね。
彼が彼女に癒しを感じてるのと同じく、彼女も彼と過ごすひと時に楽しさを見出してます。
様々な刺激が味わえる耳かき
軽いやり取りを済ませた後、女の子がする最初のサービスは耳のマッサージ。
とあるアイテムを主人公の耳に装着してから右耳→左耳→両方の順に指や手のひらで優しく撫でます。

「はい? ああ 耳のマッサージですよ ちょっと変わってますけどね」
彼女自身がこう言ってるように、素手でやるマッサージとは音の質感が随分違います。
「ぞすっ」というやや粗さのある摩擦音で指の時は細めに、手のひらだと範囲が広がります。
やや引っ掛かりがあるので耳や首筋あたりにゾワゾワした感覚が走るでしょう。
実際に耳を覆われるような軽い圧迫感もあってとてもリアルです。

メインのサービスにあたる耳かきは16分間。
膝枕の状態で右耳→左耳の順に綿棒と梵天を使ってお掃除し、最後に弱めの風圧で2回程度息を吹きかけます。

綿棒は「ずずっ さすさす」と乾いた滑らかな音、梵天はふわふわした柔らかい音が使われており
前者は耳の中全体を隅々までなぞるようにゆっくりと、後者は優しいタッチで小刻みに動かします。
器具の質感が音でしっかり表現されてますし、テーマの刺激もそれぞれに適したレベルで伝わってきます。
使用する器具ごとに刺激の違いも表現されてるところが素晴らしいです。

「はいはい お腹見られるの恥ずかしいですぅ …満足ですかね? これで」
最中の女の子は基本的に無口で合間合間に軽いやり取りを挟みます。
そして彼のニーズに合わせて形だけでも恥ずかしい仕草をしたり
左耳のお掃除中に寝入った彼を起こさないよう囁き声で話すなど細かな気配りを見せます。

以前の彼女は彼の相手をする時に何らかの目的を用意してたのですが
今作ではただ一緒にいることに安らぎを感じてるように映りました。
スキンシップにまったく抵抗を見せないことも合わせて彼をそれなりに信頼してるのがわかります。

このように、リアルな音とそれが生み出す刺激で癒す高度な耳かきが繰り広げられてます。
ちょっぴり刺激的な作品
音、動き、キャラ、雰囲気などあらゆる部分が癒し一色な作品です。

女の子はこれといった用事もなく自分のもとを訪れた主人公に対して
追い返すどころか自ら進んで耳のマッサージや耳かきをします。
これまでの制作活動で培ってきた比類なき品質の耳かきに「刺激」という新たな要素を盛り込み
それらをバランスよく組み合わせて癒しや眠気といったプラスの感覚を伝えます。

「ここかな? 少し強めに刺激してみたりして」
とみみ庵さんの耳かきは以前から音を通じて耳をくすぐられる感覚がしてたのですが
今作はそれに一層力を入れてるように感じたのでこのように書かせていただきました。
音や動きにこだわる作品は数多くあるものの、それ以外の部分にも働きかけてくるものはまだまだ少ないです。
中でも最初の耳マッサージは作品の良さをわかりやすくアピールしてます。

耳かきは綿棒と梵天を組み合わせてるのがやや珍しいですね。
似たような形状を持つ器具なのに音と感触にはっきりした違いがあります。
女の子についても若干ですが気持ちの変化が見られますし、シリーズ作品としての要所をきっちり押さえてます。

触ってないのに触られてる感じがする不思議な作品です。

CV:藍月なくるさん
総時間 22:04

声付き耳かき音を作ってみた46
https://www.youtube.com/watch?v=zLI1_PdTVXo

年下に音でおしおきされる音声【声付き耳かき音を作ってみた番外編3】

サークル「とみみ庵」さんの無料の同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、態度はつれないけど実はとっても優しい女の子が
知り合いの男性に音を使ったちょっぴり意地悪なお仕置きをします。

耳かきやマッサージといった特定のサービスは行わず
家庭にある様々な道具を動かし、それらが生み出す音を聞かせる展開が最大の魅力です。
音当てクイズみたいな作りになってますから、目を閉じて音の正体を考えてみるとより楽しめるでしょう。
多彩な音で優しくお仕置き
女の子に目隠しされて色んな音を聞くお話。

「どうも …なんですか? 挨拶ならしたじゃないですか」
女の子は素朴で優しい声の女の子。
自室にやって来た主人公をちょっぴりつれない態度で迎えると
不本意なあだ名をつけられたお返しに音を使った罰を与えます。

本作品はサークルさんの過去作「声付き耳かき音を作ってみた26」や
【炭酸マッサージ】声付き耳かき音を作ってみた番外編2【シャンプー】」に登場した彼女が
今までとはまったく異なるスタイルで癒しを提供します。

その方法はズバリ「音当てクイズ」
彼女がいくつかのアイテムを使って音を鳴らし、それが何かを考えます。
個性的な音が鳴るものを意識して選んでくれてますから
特に耳元至近距離に寄った時は心地いい刺激を感じます。

「誰かさんが 私のこと 炭酸系女子だとか 炭酸ちゃんだとか 炭酸娘だって言ってるって聞いたくらいで 怒ってないでーす」
しかし今日の彼女は機嫌があまりよくありません。
そのため冒頭に彼の視界を覆い、ちょっぴり意地悪なことする素振りを見せながら音を鳴らします。
これがタイトルの「音でおしおきされる」の意味です。

といっても根は優しい子ですし全年齢向けですから過激に感じるレベルのものではありません。
本題の音当てクイズを特徴付けるスパイスとして用いられてます。
位置も距離もバッチリな臨場感抜群の効果音
音声開始からおよそ2分後、簡単なやり取りをしたところで
女の子は早速一番目のアイテムを取り出し右へ左へと動かしながら音を出します。

数々の名作を生み出されてるとみみ庵さんの実力は今作でも遺憾なく発揮されてます。
正解を言うとつまらないでしょうから伏せますが、パリパリした音が耳に心地いいです。
またしばらくするとそれを頭に被せるシーンがあり
そこでは彼女の声が篭るだけでなく、実際に耳を塞がれてるような軽い圧迫感があります。

「ふふっ 本気にしました? 大きい○○だからそういうことできませんよ 見えてないんでしょうけど」
「こうして 頭からかけたらどうなっちゃうんでしょう?」

最中の彼女は彼をおもちゃにできるのが嬉しいのか、どのシーンでも楽しそうに振舞います。
そして各アイテムの特徴を踏まえて若干のスリルを与えます。
本作品は音がとにかくリアルですから、悪戯をされそうになる感覚が味わいやすいです。

「最後は私の好きなこれにしましょうか ぷしゅっと」
彼女のあだ名の元になったアイテムもちろん登場します。
シュワシュワ、パチパチした刺激的な音が爽快感を与えてくれるでしょう。
音声の終盤で彼女が見せるほのかな優しさにもほっこりします。

このように、バリエーションに富んだ音によるサービスが繰り広げられています。
文字通りの音フェチ作品
音を聞かせる行為そのもので癒しを与える風変わりな作品です。

感情をあまり表に出さないクールな女の子が
主人公の弱みを握ったのをいいことに音を使った悪戯をします。
目隠しの後に誰もが知ってるアイテムを中心に方向性の異なる音を鳴らし
少し経つと正解を教えるクイズ形式に沿って進めます。

「私も楽しかったんで また来ていいですよ」
音声を聴く限り、彼女はあだ名をつけられたことに対してそれほど怒ってないようです。
むしろそれを口実に彼を弄ぼうとします。
からかい上手と言いますか、普段の態度とはやや違う内面を持った愛嬌のある女性です。

音については明確な表現を敢えてせずに紹介してみました。
ですがどれも非の打ち所がないくらいにハイクオリティです。
とみみ庵さんの効果音は聴覚を通じて触覚も刺激してくれるのが大きな特徴です。
最近流行ってるVRに近い感覚を音で味わわせてくれます。

短時間で手軽に癒しを得られる作品です。
無料ですから興味を持った方は是非お試しください。

CV:藍月なくるさん
総時間 17:22

年下に音でおしおきされる音声【声付き耳かき音を作ってみた番外編3】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm30201418

後輩との甘い時間を

サークル「アクア・アルタ 」さんの同人音声作品(全年齢向け)。
今年7月に処女作を出されたばかりの新しいサークルさんです。

今回紹介する作品は、先輩のことを密かに想ってる世話好きな後輩が
部屋の掃除や耳かきをしながら色んなことを語ります。

2人の仲の良さを感じさせる和やかなやり取りに加えて音の扱いにも力を入れており
特に耳かきシーンは耳かき音と降り続ける雨音を組み合わせて静かな空間を作り上げています。
すれ違う男女の甘い物語
後輩に部屋の掃除や耳かきをしてもらうお話。

「こんにちは先輩 来ちゃいました」
後輩は素朴で穏やかな声の女の子。
とある夏の日、散歩のついでに先輩の家へ突然やって来ると
ネトゲ三昧で引きこもりがちな彼を外へ誘います。

本作品は友達以上恋人未満の関係にある若い男女が
家で一緒に過ごしながら親睦を深める様子を「会話」と「音」の2つに焦点を当ててお届けします。
メインのサービスは30分近くある耳かきなのですがキャラ作りもしっかりしており
聴いてるうちにお互いがお互いをどう想ってるかが自然と伝わってきます。

一番最初の「先輩・・・来ちゃいました」パートは後輩が家に訪問し
「外に出たくない」と先輩に言われたのを受けて散らかった室内を隅々まで掃除します。

「そこは友達を呼べって? 別にいいじゃないですか 先輩といるほうが楽しいですもん」
「なるほどなるほど 今の先輩のトレンドは耳かきお姉さんか…」

彼女は夏休み中も怠け者な彼に代わって身の回りのお世話をする面倒見のいい女の子。
掃除しながら世間話をしたり、部屋に置いてある本を読んで彼の好みを研究します。
最中のセリフも異性を意識してようには感じられません。
2人にとってこういうことをするのが当たり前になってるのが会話を通じてわかります。

しかし、彼女は彼に対してひとつだけ心に引っ掛かるものを持ってます。
出会った当時は明るくて積極的だった彼がいつしか大人しくなってしまったからです。
彼女に目もくれずネトゲに明け暮れてるのがそのいい証拠です。

彼女が彼をお世話する背景には「あの頃の先輩に戻って欲しい」という思いも込められています。
そういった経緯や最終的に2人がどうなるかもきちんと綴られてますから
一般的な耳かき音声よりもドラマ性を持ってる作品と言えます。

もうひとつの「音」については冒頭に彼女が家のインターホンを鳴らし
それを聞いた彼が二階から下りて玄関の引き戸を開ける様子を効果音だけで表現したり
開けた瞬間にセミの鳴き声が流れ始めるなど、雰囲気作りに力を入れています。

また耳かきを始めてからしばらく経つと雨が降り出し
それに合わせて彼女のセリフが減って音だけが流れ続けるようになります。
最初のパートは会話重視、耳かきは音重視といった感じにメインの癒し要素が大きく切り替わります。

聴き始めた段階では「騒がしいかな?」と思うかもしれませんが
その反動で耳かきに差し掛かると余計静かに感じるでしょう。
2種類の音で癒しを与える静かな耳かき
メインのサービスにあたる耳かきはおよそ30分間。
膝枕の状態で右耳→左耳の順に耳かき棒を使って汚れを取り
左耳の最後でだけ1回息を吹きかけます。

耳かき棒は「ずりずり じじっ」という細く乾いた音が使われており
耳の中をゆっくりかき回したり掻き出す動きをします。
乾燥度のかなり高い音なので、耳の中が乾燥してる人にとっては比較的リアルな音に感じられるでしょう。
力加減も抑えられていてずっと聴いても耳や頭が痛くなる可能性は低いです。

ただし、動きについては物足りない部分があります。
具体的には耳かき棒の動き自体はそれなりの変化が見られるものの
音を鳴らす位置がほぼ固定されてるおかげで、耳の中全体をお掃除されてる感覚が味わいにくいです。
音質だけでなく音の位置取りにもこだわってこその耳かき音声ではないでしょうか。

「…あれ 雨降ってきましたね」
また前項でも触れたように開始から7分程度経過すると雨が降り始めます。
夏によくあるゲリラ豪雨のような激しい雨音ではなく、しとしととした比較的静かな環境音です。
効果音より雨音の音量を大きくしてるのは残念ですが音質は非常に良く
20分以上も流れ続けるだけあって後になるほど気持ちが落ち着きます。

「そんな耳かきお好きなんですね えっ? いえ…そんな引いたりなんかしませんよ とっても可愛いと思います」
最中の後輩は耳かきのこと、自分の弟のこと、先輩と初めて出会った時のことなど
2人の身の上に関することをぽつりぽつりと話します。
そしてパートの後半に差し掛かると彼が変わってしまったことに対する素直な気持ちを漏らします。

癒し系作品ですから残念だったりブラックな展開には決してなりません。
「あぁよかった」とスッキリした気分で聴き終えることでしょう。

このように、2種類の音にストーリーを絡めたシンプルな耳かきが行われています。
ほのぼのした作品
耳かきに若い男女の人間模様を織り交ぜたバランスのいい作品です。

後輩は大好きな先輩が夏の日を快適に過ごせるように、そして2人の間に漂う気まずい空気を吹き飛ばすために
終始明るく振舞いながら友達同士よりもずっと踏み込んだお話をします。
年上の彼をぐいぐい引っ張る積極性やパンツの後片付けまでする甲斐甲斐しさを見てると
なんだか彼女の方が年上なんじゃないかと思えてきます。

「先輩 大好きです」
ですがそういったことをするのもすべて彼のことが好きだからです。
出会った当時とは変わってしまってもやっぱり一緒に居続けたい。
しっかり者な彼女の言葉と行動の中には強い一途さが窺えます。
ハッピーエンドになるストーリーも手伝って聴いてるとだんだん心がぽかぽかしてきます。

耳かきについては音声2作目ということで仕方ない部分もあるのでしょうが
現在の水準で考えるともうひと頑張りが欲しいです。
耳かき棒でお掃除してるのに梵天へと繋がなかったのも残念です。
環境音の扱いは現時点で十分に優れてますから、効果音をレベルアップさせればさらに良くなると思います。

年下の魅力と音の両方で癒してくれる純愛系作品です。
環境音の流れる耳かき音声が好きな人におすすめします。

CV:藍月なくるさん
総時間 42:37

オススメ度
■■■■■■■□□□ 7点


体験版はこちらにあります

【耳かき・マッサージ】時が流れる部屋【寝息】

サークル「Project E.L.C」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、義理の妹であり恋人でもある女の子が
同棲開始のお祝いに3つの癒しのサービスを提供します。

サークルさんが以前から得意とされてる音重視の作りが魅力で
静かな雰囲気の中で鳴り響く様々な音が安らぎや眠気を与えてくれます。
大好きな人と2人きりの生活
葉知見 萌里(はちみ もえり)に色々お世話してもらうお話。

「わーい! お兄ちゃんの部屋だー ってことで早速ベッドにどーん!」
萌里は明るくて可愛い声の女の子。
お兄ちゃんと一緒に住む部屋に入り新品のベッドにダイブすると
これから始まる同棲生活に思いを馳せながらゴロゴロします。

本作品は大学に進学し親元を離れることになった2人が
新しい家で同棲生活を始めた直後の様子が描かれています。
内容は添い寝が25分、耳かき50分、マッサージ15分と種類が少ない代わりに個々のボリュームが多く
サービスの一部始終を多種多様な音を中心に据える形でお届けします。

最中に萌里が話しかけてくるシーンももちろんありますが
セリフのボリュームは総時間の3分の1程度に抑えられています。
当然のように音だけが流れる時間が多く、後になるほど心落ち着くものを感じるでしょう。
効果音自体も刺激の弱いもので統一されてますから睡眠中のBGM代わりに聴くのも大いに有りです。

「お兄ちゃんも隣に寝て? 寝てよー」
これらの相手を務める萌里のキャラももちろん癒し特化。
お兄ちゃんと2人で暮らせるのが幸せで堪らない表情であれこれ語りかけてきます。
お世話の途中で甘えたり「好き」と愛の言葉を投げかける甘えん坊な仕草を見せることが多く
すぐ近くにいたら抱きしめてあげたくなるような可愛さを持っています。

ちなみに彼女は彼と小さい頃から一緒に過ごしてきたものの血の繋がりは無く
物語の開始時点でほぼ恋人の関係になっています。
おかげで抱き合ったりデートの話をするといった恋人同士に見られるやり取りが多めです。
純粋な妹モノとは違うことだけご注意ください。
リアルな音を駆使した癒しのサービス
彼女が最初にしてくれるのは添い寝(約22分)。
萌里が寝ていたベッドにお兄ちゃんを呼び、一緒に横になって引越しの疲れを取ります。
そのまま寝るのではなく仮眠を取るスタイルです。

「お兄ちゃんの手握ってると 幸せになれるんだー」
サービスが始まるとすぐ近くで彼女の安らかな寝息が流れ始めます。
冒頭に結構活発なやり取りをするので余計静かに感じるでしょう。
数分おきに入るセリフも2人きりになれたことを素直に喜ぶものばかり。
彼女の表裏の無いキャラも別方向の癒しを与えてくれます。

メインのサービスは次に始まる耳かき(約50分)。
ベッドから起きて彼女に膝枕してもらい、右耳→左耳の順にお掃除します。
使用する器具は明言されてませんが音の感じからして耳かき棒と綿棒だと思います。
最中にほんの少しだけ息を吹きかけるシーンもあります。

耳かき棒は「そりゅっ くしゅ」とやや篭った軽い音
綿棒は「ぱちぱち しょりっ」という柔らかい音が使われており
前者は奥から手前に掻き出すように、後者は耳の壁をなぞるように動きます。

そしてここでも2人の会話を最小限に留めて音だけをたっぷり楽しませてくれます。
50分で使用する器具が2種類は少なく感じるかもしれません。
ですが器具の動きは非常に多彩で実際に聴いてみるとそれほど単調さはありません。
特に綿棒は音の位置が微妙に変化し、耳全体に弱めの刺激を与えてくれます。

ただし、音をできるだけ多く聞かせることに固執してる面も見られます。
もう少し詳しく書くと、音そのものはリアルなほうですが効果音の途切れが極端に少ないです。
耳かきは手でやるものですから位置を変えたり休む際に音が鳴らなくなります。
その部分があまりないおかげで現実世界で行う耳かきとしてはややリアリティに欠けます。
耳かき音声よりは音フェチ音声の色が強い耳かきかなと。

最後に登場するのは肩のマッサージ(約14分)。
体を起こしたお兄ちゃんの後ろに萌里が正座し
手のひらで撫でる、拳で左右交互に軽く叩く、手を合わせて甲で叩くなどの動作をします。

「これからも 疲れたらいつでも言ってね 私がいつでもマッサージして お兄ちゃんの疲れ 癒してあげるから」
他の2つに比べて時間は短いものの、音のバリエーションは最も豊富です。
音の位置取りがしっかりしていて左右にスライドする細かな演出も光ります。
彼の願いを何でも聞きいれ、尽くそうとする彼女の健気な姿も心を潤します。

このように、最大の武器である音を使った癒されるサービスが繰り広げられています。
音に包まれる作品
効果音や萌里の息遣いといった「音」をたっぷり楽しめる作品です。

血は繋がってないけど強い絆で結ばれてる若い兄妹が
新しい場所で幸せに生活する様子を多彩な音を使って表現しています。
サービスの時に鳴る音以外にベッドに倒れこむ音、ゴロゴロする音も入っており
2人が部屋で寛ぐ様子をセリフを極力使わずにイメージさせてくれます。

各サービスについても音質・音の位置・動きに気を使って丁寧に進めてます。
細かい部分では本格的な耳かき音声に及ばないところもありますが
音で癒しを与えることを目的とした作品なのを考えれば十分許容できます。
聴いてる最中はかなり眠かったし、聴き終えた後は気分がとてもスッキリしました。

「君のこと大好きだよ これから萌里のこと たーくさん楽しませてね」
萌里については妹と恋人の両方の特徴を持つ女性です。
基本的には甘える態度を取り、ところどころでより踏み込んだことを言ってきます。
「好き」と言ってくれることが多いのが印象的でした。

気になったところを強いて挙げるとするならタイトルでしょうか。
「時が流れる部屋」から連想される時計の音は残念ながら鳴りません。
音重視の作品ですし、入れておけばもっと大きな癒しが得られたように思えます。

音フェチや安眠を重視した癒し系作品です。
90分でたったの200円とコスパに優れてるのも魅力です。
女性の声よりも効果音を楽しみたい人におすすめします。

CV:藍月なくるさん
総時間 1:30:57

オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は8点。
コスパがいいので+1してあります。

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