サークル「ネモン℃」さんの同人音声作品。
今回紹介する作品は、「紡ぎ手」と呼ばれる上品で温かい女の子が
再び宿を訪れた男性と2人きりで過ごしながらあれこれお世話します。
リアルな音の数々と何気ないセリフを組み合わせた家庭的なサービスが魅力で
時間と共に変化していく優しい雨音、耳かき棒や梵天が生み出すリアルな効果音が純粋な癒しを
心の距離を感じさせない彼女の親しげな態度と細やかな気配りが温もりを与えてくれます。
心を洗い流す雨の中で
「あの… 雨の中、ボーッと立って、どうされたんですか?」
かさねは明るくてふんわりした声の女の子。
雨が降る森の中で立ち尽くしてる主人公に声をかけると
ここがどこかを説明し、まずは近くの小屋へ案内します。
本作品はサークルさんの処女作「【耳かき・耳舐め音声】たまゆらの宿 かさね」の続編。
現実世界で疲労やストレスを感じた彼が再度この世界を訪れて彼女と出会い
宿ではなく2人きりになれる小屋で耳かき、折り紙、エッチなサービスを楽しみます。
普段なら続編だと登場人物たちがより親しくなる過程も描かれてるのですが
たまゆらの宿では紡ぎ手がサービスを行った後、元の世界に送り出す際に相手の記憶を消す必要があるため
彼女は彼をよく知ってるけど彼は彼女のことを覚えてません。
お話自体も独立してますから本作から聴いても問題なく楽しめます。
たまゆらの宿は過去4作に渡り効果音や環境音に力を入れてきたシリーズです。
本作もその例に漏れず様々な音を使って物語の世界に引きこんでくれます。
舞台が雨の日ということで音声開始から終了直前まで雨音が流れ続け、シーンに応じて勢いと質感も変化します。
しとしとと降る優しい雨なので聴けば聴くほど心が落ち着いてくるのを感じるでしょう。
また外ではクリアだったのが小屋の中に入るとやや篭った控えめな音量へと変わり
さらに耳かき中だと膝枕されてる側はほとんど聞こえなくなる、といった細かな演出もされてます。
効果音についても処女作で疑問を感じた部分がことごとく解消されており
音質・動き・力加減がどれも丁度良く安心して聴けます。
音フェチ作品と言うほどではないですが音を使った珍しいサービスもありますし
彼女と2人きりでのんびり過ごす様子をセリフとは別の方向から上手に表現しています。
声と音のバランスが取れた癒しのサービス
非エロのサービスは大きく分けて2つ。
小屋に到着後、雨に濡れた体を拭いて衣服を着替えてからまずは耳かきを始めます(約27分)。
膝枕の状態で左耳→右耳の順に耳かき棒と梵天でお手入れし、最後に軽く息を吹きかける家庭的なものです。
ちなみに体を拭くシーンも効果音がちゃんと入ってます。
耳かき棒は「ずずっ ぞりぞり」と篭ったやや硬い音
梵天は「さわさわ しゅるっ」と面積広くふわふわした音が使われており
前者は耳の壁をなぞるようにゆっくり優しく、後者は小刻みに回転させるように動かします。
処女作の段階では音質は良いのだけど動きにかなりの問題を抱えてました。
それが今作では耳かきらしい不規則な動きになっており、適度に休憩も挟んでいて実に良いです。
特に耳かき棒は質感が硬めなのを踏まえて力加減をかなり弱くしてます。
30分近く聴き続けても耳や頭が痛くなることはまずないでしょう。
「止みませんね 秋雨は風流ですけど お洗濯ができなくて困っちゃいます」
「けど こうしてお兄さんとゆっくりできるのも 雨でお外に出られないからですし やっぱり 私は好きです」
もうひとつのポイントは最中に交わす彼女との会話。
雨のこと、たまゆらの宿で一緒に住んでる他の紡ぎ手のこと、彼女が好きなお茶のことなど
耳かきとはまったく関係のない話題を間を取りながらゆっくり語ります。
サークルさんが作品説明文でおっしゃられるように、たまゆらの宿はお店ではありません。
だから健康知識を披露するとか、他人行儀な労わりの言葉をかけるとかではなく
家で寛ぐのに近いスタンスで何気ないことをしゃべります。
この適度な緩さや素朴さが癒しの効果をさらにパワーアップさせてます。
セリフと音のバランスを意識した耳かきという印象を受けました。
耳かき中は一切話さず吐息だけを漏らし、話すときは必ず手を止めます。
個人的には手を動かしながらしゃべってもいいんじゃないかと思うのですが
バックで流れる雨音も一緒に聴いてもらえるように配慮したのかもしれません。
パートの時間が長めなので効果音・セリフ共に十分なボリュームと言えます。
耳かきでスッキリした後にするのは折り紙(約8分)。
最初は彼女が、次は彼女に手伝ってもらいながら一緒に鶴を折ります。
「三角にしたら もう一回半分にして うん、綺麗です」
手を動かすたびに鳴る紙の音が耳に心地よく、彼女のセリフも丁寧でイメージしやすいです。
彼女が折るときはやや遠くで、一緒に折るときは近くで音が鳴るのがいいですね。
彼女の声も一気に近づいて距離の近さを感じます。
密着感のある上品なエッチ
プレイは耳舐め、手コキ、乳首責めです。
手コキの際に効果音が鳴ります。
「あなたのカチカチになったこれと コリコリになった乳首を かさねに悪戯させてください」
鶴を折り終わった後、体を密着させたせいで彼が勃起したのに気づいたかさねは
その気持ちを察してエッチなことをさせて欲しいと自らおねだりします。
エッチは彼の衣服だけを脱がして彼女が責め続けます。
プレイ一覧を見ていただければわかるようにハードなことは特にしないものの
ここでも作品の売りである「音」を使って彼女にされてる雰囲気を作り上げてます。
「綺麗にしたお耳を かさねのお口で ぺろぺろしてあげますね」
中でもプレイ開始2分後くらいから始まる耳舐めは
最初は甘噛みに近い感じでソフトに、少し経つと唇で咥え込んで泡立った音を鳴らすといったように
彼女の興奮具合に合わせて責め方やちゅぱ音が大きく変わります。
一緒に乳首もいじってるらしいのですが音が無いので正直よくわかりません。
また手コキもプレイ中盤からようやく聞こえ始め、徐々に粘性が増していく感じで抜き要素としては弱いです。
淫語もほぼゼロですし耳舐めと彼女の吐息で抜かせるエッチと私は見ています。
実用性については残念ながらあまり高くないかなと…。
せめてもっと時間を長く取るか、前のパートにもう少しエッチな要素が混じってたら違ったのかもしれません。
ずっと癒しできたのにいきなりエッチに持ち込んでも抜きにくいというのが率直な感想です。
「エッチするぞ!」という雰囲気をしっかり作ってから移ったほうが流れも自然になります。
雰囲気の良い作品
かさねは何らかの事情で再びこの世界に降り立った主人公の心身をリフレッシュさせようと
最初から家族のような親しげな態度で接しつつ心を込めてお世話します。
プロの洗練された腕よりも素朴さを重視したシンプルな耳かき、童心に戻ってする折り紙など
お店との違いを明確にしたサービスや会話が多く、聴いてると心がほっこりします。
またほぼ全編で流れ続けるリアルな雨音も気持ちをスッキリさせてくれます。
「はい 大丈夫です かさねは いつでも いつまでも あなたと共におりますから」
「同一ヒロインによる続編」から連想されるお話の繋がりはやや薄いものの
処女作よりも色々な部分がクオリティアップしていて彼女の成長が窺えます。
またエッチシーンで彼女がさらなる続編の可能性を仄めかしており今後への期待も持てます。
サークルさんにとっては初の試みですし、このスタイルに対して良し悪しを言うのはまだ早いと思います。
主人公の記憶を毎回消す設定をどう活かすかがカギになるでしょうね。
サービスは全体的に丁寧と言いますか、音の細かな扱いに対するこだわりが随所に見られます。
耳かきも過去作から全部聴いてますが良い方向に随分変わりました。
折り紙という珍しいものも入っていて癒しのパワーは相当に強いです。
エッチはこの内容だとおまけに近い位置づけです。
続編ならもう少し踏み込んだプレイをしてもよかったのではないでしょうか。
ここだけは処女作との違いがほとんど見られず残念です。
射精シーンは1回。
ちゅぱ音そこそこ、淫語とくちゅ音ごく僅か、喘ぎ声はありません。
しっかりした世界観を持ってる癒し特化の作品です。
環境音の流れる作品が好きな人には特におすすめします。
CV:橘まおさん
総時間 1:10:15
オススメ度
■■■■■■■■□□ 8点
体験版はこちらにあります