同人音声の部屋

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キーワード:添音亭を含む記事

   ● 気になるあの子
   ● 雨と還る
   ● 世話好きな彼女。
   ● Fall in dream
   ● おひるねびより
   ● 波の音と彼女に癒される安眠音声
   ● 深層世界で癒される安眠音声
   ● 雨の音と彼女に癒される安眠音声


気になるあの子

サークル「添音亭」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、小さい頃はよく遊んでたけど近頃すっかり疎遠になった幼馴染が
一緒の部屋で勉強したり耳かきをしながら再び心を通わせます。

サークルさん最大の特徴とも言える効果音だけですべてを表現する静かな作りや
少ないながらも心を打つセリフの数々が心をたっぷり癒します。
久しぶりに先輩の部屋で
後輩と一緒に勉強したり耳かきをしてもらうお話。

「あっ! 先輩 よかった 今LINEしようかと思ってたんです」
後輩は明るくて可愛い声の女の子。
試験を間近に控えたある日、先輩を呼び止めると
彼の家で一緒に勉強させて欲しいとお願いします。

2人は小学生くらいの頃からの幼馴染で
その頃は実の兄妹のようによく遊んでいました。
しかし先輩が中学に上がったのをきっかけに出会う機会が一気に減り
最近は同じ高校に通ってるのにほとんど会話をしない関係になっています。
成長するにつれて性の違いを意識するようになったのかもしれません。

「先輩って普段どれくらい勉強するんですか? 課題やるだけ?」
そこで彼女が昔の関係を取り戻そうと彼に声をかけ
試験勉強を名目に彼の家でお話したり耳のお世話をしてあげます。
恋人や友達のような親しい間柄ではないため、彼女は基本的には丁寧語を使い
彼に自分の気持ちを悟られないようやや遠回りをしながら様々なやり取りをします。

男女が過ごすごくごく普通の日常なのですが
2人が数年ぶりに同じ時間を過ごすことになった背景や
時折見せる彼女のとても嬉しそうな様子が心を潤します。
年齢相応のピュアで献身的な女の子ですね。

そして2人が部屋で過ごす様子を多種多様な効果音を使ってリアルに表現しています。
耳かき棒や勉強の際に鳴るペンの音はもちろん、物を置いたり体を動かす時の小さな物音
鳥の鳴き声、車やバイクの通る音、付近の子供の話し声など
一般的な癒し系音声作品以上に音を重ねて臨場感を出しています。

しかも勉強や耳かきの最中は後輩のセリフが一気に減ります。
音だけが流れ続ける空間に多くの人が心落ち着くものを感じるでしょう。
効果音をただループさせるのではなく、状況に応じて変化させているおかげで
実際にその場にいるかのような自然さがあります。

彼女のキャラと効果音、この2つの要素が本作品の癒しの大きな源です。
音をメインに据えつつキャラも立たせているサービス
先輩の部屋に移って最初に行うのは試験勉強。
後輩が数学の問題を解きながら先輩にあれこれ質問する様子が描かれています。

ノートに書き込む際に鳴る「コツ コツ」というリズミカルなペンの音が耳に心地よく
他の環境音もそれを邪魔しないレベルで適度に鳴ります。
ページをめくったり消しゴムで消す音が入るのもリアルでいいですね。
勉強ですから彼女も用がない限りは黙々と手を動かしています。

「でも 先輩と一緒に勉強するなら 楽しい気がするな…」
数分ごとに彼女が投げかけるセリフも大きなポイント。
この時点では2人は他人同士に近く、彼女も彼にかなり遠慮している様子が伺えます。
そこを改善しようと自分の気持ちをほんのり伝えたり
勉強に付き合ってくれたお礼に耳かきの約束を取り付ける積極的なアプローチを見せます。

このなんとかして彼に振り向いてもらおうと頑張る彼女の健気な姿が胸を打ちます。
登場するセリフが少ないからこそ、ひとつひとつの言葉を選んでいるようにも思えます。
音重視なんだけど2人の心情や心の距離の近づき具合もしっかり描かれています。

「ほんと? じゃあ勉強が終わったら(耳かき)してあげますね」
個人的には彼女が丁寧語の中にちょっぴり友達らしい言葉使いもしているところが印象的でした。
年上、しかも仲が冷え切っている状況だから馴れ馴れしく話すのはあまりよくない。
でも相手に親しくしたい、そう思われたいという仄かな想いが言葉に表れています。

次の「うたた寝」パートは勉強で疲れた彼女が昼寝をするシーン。
彼女の寝息と周りの環境音だけが流れ続ける前パート以上に音特化な作りですが
寝ぼけた彼女が踏み込んだことを言うドキッとする場面も登場します。
重要パートなので詳しい内容は伏せさせてください。

そして最後は勉強が終わった後、少し空いた時間を利用し彼女が耳かきをします。
膝枕の体勢で左→右の順に耳かき棒を使ってお掃除し、最後に1回ずつ息を吹きかける家庭的なものです。

耳かき棒は「そりそり ずずっ」と面積広めのざらついた音が使われており
ゆっくりペースで前後に擦ったり掻き出したりを繰り返します。
そして奥に入るとパチパチとした綿棒っぽい音へと変化します。
力加減がかなり抑えられているため耳への刺激は弱めですが
寝ながら聴いても邪魔にならない優しさがあります。

ちなみに使用器具は作中で明確な表現がされていません。
彼女のセリフや動きから耳かき棒だろうと判断しました。
耳かき棒にしては音が幅広いし粗すぎるように思えます。
まとめると、動きはいいのだけど音の質感がややリアルさに欠ける耳かきです。

「やっぱり 先輩が先に中学に上がって 学校で会わなくなった一年間が大きいんだろうなぁ」
最中の後輩は微かな吐息を漏らして耳かきに集中するシーンが多いです。
そして時折これからのことや昔のことをぽつりぽつりと語ります。
昔のような楽しいひと時は送れなくても好きな人とできるだけ長く近くにいたい。
はっきりとは言いませんがそんな気持ちが言葉の端々から滲み出ています。

このように、リアルな音をふんだんに使った心温まるサービスが繰り広げられています。
心を綺麗にしてくれる作品
サークルさんの過去作にあった強い音フェチ要素を維持しつつ
後輩の魅力もしっかりと表現されている総合的な癒し系作品です。

開幕の後輩が駆け寄ってくる足音から始まり、荷物を置く音、飴の袋を開ける音など
ありとあらゆる動作に効果音を用意し、それを組み合わせて現実世界さながらの空間を作り上げています。
そして後輩のセリフを意識して減らし、効果音だけを聴ける時間を長く用意しています。
音声作品は声優さんがしゃべってこそ成り立つ印象が強いからこそ
こういう極端なまでに音に寄せた作りはむしろ新鮮味を感じます。

またすべてを音だけで表現できるおかげで
後輩のセリフに説明的なものがほとんどなく自然な会話が成立しています。
これも作品の臨場感を高めるのに大いに役立っています。

「あの 迷惑じゃなかったら また一緒に勉強してもらってもいいですか?」
そしてここまで音に傾倒しているのにも関わらず
後輩に十分以上の存在感があり、音とは違う癒しも与えてくれるのが素晴らしいです。
彼女は彼のことを異性として相当に好きなのでしょう。
勉強や耳かきをしている最中、次回以降も会えるように約束を取り付けようとします。

この控えめであり積極的でもある彼女の態度がとても愛らしいです。
とにかくまずは失った時を取り戻したい、そして自分の良さを改めて知ってもらいたい。
「こんな女性が近くにいたらすぐさま告白するのになぁ」と思わせる健気さに溢れています。

その一方で最後まで彼女の気持ちに気づかなかった彼にやきもきする人もいるでしょう。
彼女がここまで頑張ってるのだから彼も多少は男気を見せて欲しかったです。
ここだけがどうしても気になりました。

一途な女性の溢れんばかりの愛が感じられる良作です。
総時間80分に対し500円とコスパも抜群。
以上踏まえて条件付きではありますがサークルさん初の満点とさせていただきました。

CV:浅見ゆいさん
総時間 1:22:15

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は9点。
コスパがいいので+1してあります。

雨と還る

サークル「添音亭」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、とある事情で突然の離別を余儀なくされた彼女が
雨の降る日に主人公と再会し幸せなひと時を送ります。

サークルさんの最大の武器とも言える音のリアルさに加えて
癒しのサービスを行いながら過去の思い出や現在の心情を語るといった
ボイスドラマ的な要素も色濃く持っているのが特徴です。
彼女の言葉や仕草の中に見え隠れする物悲しさが心の汚れを洗い流してくれるでしょう。
大切な人と送るこの世で最後の一日
元恋人の詩織に耳かきや添い寝をしてもらうお話。

「久しぶり あの… 信じてもらえるかわからないけど 帰ってきちゃった」
詩織は明るくて穏やかな声の女性。
とある雨の日、一年前に事故で亡くなった彼女が主人公の目の前に現れ
事情を説明するところから物語は始まります。

彼女はこの世の未練を断ち切るために一日だけ特別に現世に行くことを許され
家族でも友人でもなく恋人と過ごすことを自ら選び、彼の前に現れました。
つまり幽霊に近い存在なのですが物理的な接触は可能らしく
この後彼の家で一緒にお茶を飲んだり耳かきをしたりして過ごします。

一般的な癒し系作品で行うサービスに彼女の境遇や時間制限といった別の要素が加わり
それが二人が過ごすこのひと時をとても濃厚なものへと作り変えています。

この世で送る最後の一日に何を思い、どうやって過ごすのか。
セリフだけでなく行為や仕草によっても彼女はその胸の内を語ってくれています。

「病気とかしてなくてよかった だってそりゃ 元気に笑ってて欲しいからさ」
こんな風に書くとえらく寂しい雰囲気の作品に思えるかもしれません。
ですが実際は世間一般的な恋人たちが過ごす様子とそれほど変わらず
彼女は最近の仕事の調子や体調など他愛も無い話から切り出します。

耳かきや添い寝は割と普通に近い感じにやって最後に泣かせてくれる作品ですので
サークルさんの過去作と同様にリアルな音を楽しみたい、安眠目的に寝ながら聴きたい人も問題なく楽しめます。
今作は雨の日らしく全編を通じて落ち着いた雨音がバックで鳴り続け
一部のシーンでは雨足をちょっぴり変化させるきめ細かな演出もされています。
愛に溢れた癒しのサービス
主人公の家で一息ついた後に行う耳かきは20分30秒ほど。
膝枕の体勢で右耳→左耳の順に耳かき棒のみを使って丁寧に汚れを取り
最後に一回ずつ長めに息を吹きかける家庭的なものです。

耳かき棒は「しょり ぽり」と乾いた柔らかい音が使われており
前半から中盤にかけては穴の下から上へと掻き出すように
終盤は奥を掃除しているのか、それ以前よりも少し近い位置でゆっくりと動きます。

耳かき音の刺激・ボリューム・動かし方のすべてがソフトなものに統一されており
耳をくすぐられる感覚が若干弱くなってる半面、耳に優しく聴きやすさを感じます。
最中微かに聞こえてくる彼女の吐息や遠くで聞こえる雨音も落ち着いた雰囲気を与えています。
しっとりとした耳かきと表現するのが妥当でしょう。

「いつも頑張ってるから 頑張りすぎてないか ちょっと心配」
「何回死んで 何回生まれ変わっても また好きになりたいし 好きになって欲しいよ」

そして耳かきをしながら詩織は一年間の隙間を埋めようと様々な話題を振ります。
その多くが彼の体や行く末を気遣うものなのですが
初デートの思い出を語りながらこの世に未練があることを告げるなど
大事な人を想う気持ちと己の願望の間で葛藤する様子が窺えます。

聴いた限りでは二人のやり取りを重視している耳かきに思えます。
彼女が語り始めるタイミング、話題の内容、その際の気持ちやその移り変わりが
短いながらも美しいセリフの数々によって事細かに描かれています。

彼女が残り少ない時間を大切に思い、悔いの残らないよう過ごそうとしているのが強く伝わってきます。

続くおやすみパートは添い寝がメイン。
詩織が同じベッドの左側に陣取って寝息を立てたり時折語りかけてきたりします。
サークルさんの他作品と同じくセリフを極端に絞った安眠重視の作りです。

「いつまでも 私のこと 想ってなくていいよ」
彼女は夜が明けると雨が止む、つまりこの世から去らなければならないことを知っており
彼が幸せに暮らせるよう自分のことを忘れ他の女性を愛するよう持ちかけます。
本人にとっては身を切るような思いだったに違いありません。
それを敢えて行うところに彼女の愛の強さが現れています。

時間に対する会話量が少ないからこそ、そのひとつひとつの言葉や表現が選び抜かれており
彼女が彼に対して伝えたかった想いがストレートに、そして濃密に込められています。
ホッとする、安心する要素に加えてホロリと泣ける要素もある。
サークルさんの長所を活かした癒し系音声としてのひとつの終着点がそこにはあります。
心洗われる作品
詩織の献身的な態度が癒しを、寂しさを含んだセリフが涙を与えてくれる作品です。

現世での自分に後悔を残さないように、そして残された最愛の人がこの先幸せに生きていけるように
彼女は癒しのサービスをしながら彼に対して気遣い、勇気付け、感謝するセリフを投げかけます。
これらのセリフ自体は他の癒し系作品でもそれなりに見かけるものなのですが
彼女が既に死んでおり、彼と元の関係に戻る可能性も断たれている背景があるおかげで
どのセリフもとても重く価値のあるものに感じられます。

そして静かな雨音や控えめな耳かき音といった諸々の音も彼女の心情を語っています。
ストーリー・キャラやセリフ・声や音のバランスが高いレベルで取れているからこそ
聴いていて落ち着く、泣けるといった感情が湧き上がってくるのです。
どれかひとつでも欠けていたらここまで心に響くことはなかったでしょう。

「私のこと 好きになってくれて ありがとう たくさん たくさん愛してくれて ありがとう」
一番最後の「雨と還る」パートではすっかり寝入った主人公に
彼女がお別れの挨拶をしながら自分の本音を漏らします。
100%ハッピーエンドとはさすがに思いません。
でも過ごした日々を振り返ってみて、それが幸せと感じられたのならいいのではないでしょうか。
悲しさをはらんでいながら最後はスッキリさせてくれるところも見事です。

一般的な癒し系作品とは違った方向から心を温めてくれる作品です。
人の優しさに触れたい人、泣ける作品を求めている人に特にお薦めします。

CV:浅見ゆいさん
総時間 1:29:14

オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

世話好きな彼女。

サークル「添音亭」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

前作「Fall in dream」からおよそ3ヶ月半ぶりの新作となるこちらは
風邪を引いた主人公を彼女が優しく看病する様子が描かれています。

サークルさんの一番の持ち味とも言えるハイクオリティな効果音を使いながら
彼女が身の回りのお世話をする様子を必要最小限のセリフのみで演出しています。
また今回はパートごとに彼の体調が回復していく時間の概念も取り入れており
心配そうにしていた彼女が次第に安心し、いつもの姿に戻っていく様子も癒しを与えます。



不摂生な彼氏を看病する家庭的な彼女
彼女に風邪の看病をしてもらうお話。

「あ もしもし 具合どう? 大丈夫?」
彼女は明るくて穏やかな声のお姉さん。
病気で寝込んでいる主人公の家にお見舞いにやってくると
泊り込みで食事など身の回りのお世話をします。

本作品は起きることもできない彼に
彼女が心配そうに声をかけたりご飯を食べさせてあげる初日と
その次の日、病気が快方に向かっている彼と一緒にご飯を食べたり
耳かきや添い寝のサービスをしてあげる2日目に分かれています。

内容が一部重複しているところもあるのですが
主人公の容態に大きな違いがあるおかげで
サービスのスタイルや彼女の態度・セリフも大きく変化します。
癒し系作品でありながら時間の流れを取り入れているところが大きな特徴です。

もちろんサークルさんが創設以来こだわられている効果音や環境音も健在。
今作では全編を通じて時計の音をバックに絶えず流しながら
諸々の行為を効果音のみで表現するシーンがいくつも登場します。

音の質だけでなく位置や距離についてもきっちり考えられていますから
まるで彼女が実際にそばにいてくれているかのような体験が味わいやすいです。
また総時間に対するセリフのボリュームがかなり少ないことを考えると
安眠特化であり音フェチ向けでもある作品と言えます。
その静かで落ち着いた雰囲気が自然な安らぎを与えてくれるでしょう。



時が経つにつれて変化していく情景と彼女の様子
初日のシーンは2パート16分間。
事前に電話をかけて主人公の様子を確認してから
彼女は泊まりの道具と料理の材料を揃えてやってきます。

ここでは台所で水枕や卵粥を作る様子がすべて効果音で演出されており
右手のやや遠い位置から水を流したり卵をかき混ぜる音が聞こえてきます。
時間が夜なこともあって家の周りもとっても静か。
おかげで今だけ時間がゆっくり流れているかのような感覚が湧いてきます。

「しょうがないな・・・ 今日は体調悪いから 特別だからね はい あーん」
彼女は彼とは長い付き合いのようで、日ごろの不摂生ぶりを心配しながら
お粥を1杯ずつふーふーしながら食べさせてあげます。
男性からすれば恥ずかしくもあり嬉しくもあるシチュですね。
自分のことを親身になってお世話してくれるその姿が心を潤します。

続く2日目は3パート67分間。
昼過ぎまで熟睡してすっかり体調が良くなった主人公と
彼女が今度は同じテーブルで向かい合いながらうどんをすすったり
リンゴをその場で切って差し出したりします。
ちなみにここでは時計の音以外に鳥の鳴く声などの環境音がほのかに流れます。

「お礼なんていいよ 好きでしてるんだし ずっとここにいるから 安心して休んでて」
食事中に食生活に関する注意をするシーンがあるものの
彼女は昨日と同じくとってもあまあま。
元々家庭的な女性のようで病気が治りつつあることに安心しながら
大好きな人と2人きりでいるこの瞬間を心から喜んでいる節が窺えます。
少しずつ普段の態度に戻っていくこの変化が面白いですね。

食事の後に行う耳かきは17分ほど。
膝枕の体勢で耳かき棒のみを使い、右→左の順にお掃除
最後に1回ずつ息を吹きかけるシンプルなものです。

耳かき棒は「ズリー ジッジッ」っとやや尖った軽い音が使われており
下から上へ、あるいはその逆に短いストロークを描きながら掻き出していきます。
耳の外側とか穴の奥といった部位の違いを設けていないところが少々残念ですが
音や動き自体は十分にリアルと言えるでしょう。

特に耳かき音をゴリゴリとした耳に響くものにせず
軽くくすぐる程度の刺激の少ないものにしているのがいいですね。
本作品は聴きながら眠ることを強く意識した作りになっていますから
眠りを妨げないようにとかなり優しい音で統一されています。

「やっぱり ご飯を美味しく食べられるのって 幸せだと思うんだよね」
また最中の彼女は緩やかな呼吸音を漏らしていることが多いのですが
普段の恋人同士が交わす他愛も無いやり取りも時折入ります。
それは彼女が彼の体調に対して一定以上に安心していることを意味します。
状況の変化に応じてセリフの質を少しずつシフトさせている演出も見事です。

「やっぱり来てよかった」
そして最後のパートは彼女に右に寄り添われながら眠りにつきます。
サークルさんの過去作同様ほとんどセリフが無く彼女の寝息だけが聞こえ続けます。
完全に寝るために聴くパートですからこういう演出も十分ありでしょう。

このように、音・サービス・セリフを上手に使いながら看病の様子をリアルに描いています。



優しさが心に染み入る作品
聴いてるだけで胸のあたりにぽっと明かりが灯る温かい作品です。

彼女が料理を作ったりそばにいてくれる様子を
バイノーラル録音による多種多様な音を使って感じさせてくれます。
そして合間に入る彼女の心配そうな、あるいは安心したセリフが
作品全体の雰囲気をより温かいものへと変化させています。

実際に聴いてみると他の作品に比べて無言の時間が結構多いです。
ですが彼女に存在感が無いとはちっとも思いません。
それは諸々の音を発しているのが彼女自身だからです。

そして音声作品の弱点とも言える説明的なセリフを排しているからこそ
物語の世界がいつも以上にリアルに感じます。
桃色CODEさんなどの音に強いサークルさんだからこそできる特徴的な演出です。

「寝込んでるときって なんとなく心細くなるもんね ずっとここにいるよ」
さらに作中で発せられるセリフが少ないからこそ
1つ1つに重みと言いますか、彼女の素直な気持ちがにじみ出ています。
彼女は滅多に病気にならない彼が倒れたことを心から心配しており
看病の最中は彼を安心させようとする言葉を何度も投げかけます。
その温かい声も相まって心がじんわりと温かくなるような思いがしました。

安眠効果については最後の2パートが効果音のウェイトを特に重くしてますから
それらを聴きながら眠るのがいいでしょう。
一番最後のおやすみパートは本当に心安らかに眠ることができます。

癒しに関する様々な要素をバランスを取りながら組み合わせている作品です。
安眠特化な仕様ですのでそれ目的で聴くのが一番なのですが
リアルで辛いことがあったなど、心に潤いを求めている人にもお薦めします。

CV:浅見ゆいさん
総時間 1:24:17


オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

Fall in dream

サークル「添音亭」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介するこちらの作品は
穏やかな物腰の年上彼女が耳かきや添い寝で安らぎを提供します。
過去作で培ってきたリアルな効果音や環境音がもたらす抜群の臨場感に加えて
今回は聴き手のニーズに合わせて2通りの聴き方を用意するなど
安眠音声としての機能性がさらにパワーアップしています。

彼女と過ごす静かで安らぎに満ちたひと時が
徐々に心をほぐし、安らかな眠りへと誘ってくれるでしょう。



安眠スタイルに合わせた2つの聴き方
彼女に耳かきや添い寝をしてもらうお話。

「あっ ごめん 見つめちゃってた」
彼女は穏やかで温かい声の女性。
秋の夜、美味しそうに夕食を食べている主人公を嬉しそうに眺めながら
彼女が自分の淹れた熱いお茶を飲むところから物語は始まります。

本作品は大きく2つのシーンに分かれており
最初は純粋な癒し系音声として彼女に長めの耳かきと添い寝をしてもらい
その後どういうわけかほぼ同じサービスを短めの時間で2巡、3巡と繰り返します。

サークルさんによるとこの作品は普通の安眠音声としてだけでなく
ループ再生することを想定した構成がされているそうです。
なぜこんな作りになっているかはネタバレになるので伏せますが
ちょっと変わった要素を持った安眠音声であることだけ頭に留めておいてください。

ちなみに1巡目だけはショートバージョンとロングバージョンが存在します。
安眠目的ならロングを、ループ目的ならショートを再生するのがいいでしょう。

「第一 私のほうがお姉さんだしね 年上を敬いなさい」
彼女は同棲中の主人公を励ましたりなだめる年上らしい態度を見せる一方で
お昼に食べたカレーうどんの汁が服についてるのに気付かず働き続けるような
ちょっぴりお茶目な部分も持っている女性です。

この先行われる耳かき・添い寝でも彼女の声や仕草は慈愛に満ちており
その表裏のない姿に多くの人が自然な癒しを感じるでしょう。

しかしそんな彼女も実は一つだけ秘密を隠し持っています。
それがいったい何なのか、最後に語られる真相を聴くことで
本作品に対する印象がそれ以前とは違ったものへと変わるかもしれません。
安眠音声でありながらちょっとしたストーリー性があるのも魅力です。



自然な安眠をもたらす静かで心安らぐ雰囲気
1巡目の最初に行われる耳かきは11分30秒ほど。
膝枕の体勢で右耳→左耳の順に耳かき棒のみを使って中を掃除し
仕上げに息を吹きかけるシンプルなものです。

耳かき棒は「シャク ズリ」という乾いた軽い音が使われており
耳の穴の中で上から下に、あるいはその逆にゆっくりとかき出すように動きます。
耳の外側や穴の入口、奥といった部分ごとに分けて掃除をするわけではないので
音が動き回ることはありませんが音質はとってもリアルです。

「今年もそろそろ会社にひざ掛け持って行かなくちゃ」
また耳かき中の彼女は耳かきに集中して無口になることが多く
合間に入る会話も二言程度の他愛もない話題に留まっています。
おかげで耳かき音や微かに聞こえる彼女の吐息
そしてバックで常に流れ続ける虫の鳴き声を思う存分楽しむことができます。

静かな雰囲気を非常に重視した、安眠の妨げにならない耳かきですね。
耳を切り替えた時に虫の音の位置が移動するなど細かい演出にもこだわっています。

「ほんと… あったかい…」
続く40分に渡る安眠パートも会話を極力少なくした落ち着ける作りです。
右側至近距離からゆっくりとリズミカルに聞こえてくる彼女の寝息が
耳への適度な心地よさと眠気をもたらします。
「敢えてしゃべらない」ことを徹底したサークルさんらしいシーンですね。

ショートバージョンはロングバージョンに比べて
どちらも効果音・環境音・寝息だけが聞こえ続けるシーンをカットしています。
会話量が元々少ない作品ですので、ストーリーのほうが気になる方は
とりあえずショートを聴いてから後日改めてロングを聴くのもいいと思います。

続く2巡目と3巡目は前項で言った通りほぼ同じサービスを短い時間で繰り返します。
3巡目の耳かきシーンだけは耳マッサージに切り替わるのですが
6分程度の簡素なサービスに留まっています。

「ん? 不思議そうな顔してる もしかして これも覚えがあるの?」
「あっ でももしかしたら その夢って思ってるのが現実で 今が夢かもね」

先ほどとまったく同じサービスが繰り返されていることに戸惑う主人公ですが
彼女はそんなことがあったのすら知る由もありません。
彼が心身に疲れを感じていると判断し、いつも通りに癒してあげます。

3巡目の安眠パートを終えた先、最後に彼女が何を語るのか。
ここだけは聴いてのお楽しみということで伏せさせていただきます。

このように、安眠を重視しつつ謎も秘めている一風変わったサービスが繰り広げられます。



安眠効果の高い作品
セリフを極端に減らし、その分をリアルな効果音を巧み使って表現することで
聴き手が自然に頭を空っぽにできるようにしている安眠特化の作品です。

食事中にナイフやフォークが食器に当たる音、お茶を淹れる音
彼女が布団に潜り込む際に鳴るふんわりとした自然な布の擦れる音など
物語の雰囲気を演出する様々な効果音が耳を楽しませてくれます。

過去作でも効果音のレベルの高さに定評のあったサークルさんなのですが
今回は音の間に無音の時間を適度に設けて静けさが際立たせているように思えます。
音そのものも眠りを妨げない優しいものばかり。
この静かでしっとりとした空間に浸っているととても気持ちが落ち着きます。
特に1巡目の安眠パートは眠くて眠くて仕方ありませんでした。

そんな純粋な安眠性能の高さに留まらず
彼女にちょっとした謎を設けて聴き進める楽しさを提供しているところも見事です。
本当に最後の最後まで聴かない限りどう転ぶかがわかりません。
それほどまでに彼女は徹底して落ち着いた態度を貫き通します。

といっても癒し系作品ですからそこまでブラックな結末を迎えるわけではありません。
彼女の普段とは少し違った顔を垣間見ることができる程度です。
でも安眠音声ではあまり見かけないオチだと思います。

現在の長所を生かしつつ新しい事にも挑戦しようとする
サークルさんの心意気が感じられた作品です。
年上好きや安眠を求める人にお薦めします。

CV:浅見ゆいさん
総時間 共通パート…29:13 1巡目ショート…14:38 1巡目ロング…52:09


オススメ度
■■■■■■■■□□ 8点


体験版はこちらにあります

おひるねびより

サークル「添音亭」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

こちらは優しい彼女に耳かきや添い寝をされながら
のんびりと休日を過ごす気分が味わえる作品です。
毎回リアルな環境音を聴かせてくれるサークルさんの今回のテーマは「住宅街の音」。
閑静な住宅街ならではの様々な音が自然な雰囲気を形成し、癒しを与えてくれます。



休日は彼女とのんびり
家で彼女とごろごろするお話。

「読み終わっちゃった この本結構面白かったよ」
彼女は明るく穏やかな声のお姉さん。
主人公の恋人として一緒に本を読みながら折角の休日を2人きりでのんびり過ごしています。

本作品は2人が家で過ごしている様子を主に環境音を使って演出しており
音声が始まると早速様々な音が聞こえてきます。
具体的には風の吹く音、車・バイク・飛行機の通り過ぎる音、犬や鳥の鳴き声などです。
そして住宅街らしさを出すために、それらをいくつか重ねるようにして鳴らしています。

実録したとしか思えないほどリアルな音に加えて
現実に即した違和感のない鳴らし方も物語の舞台に臨場感を与えています。
環境音を鳴らす作品自体は最近増えてきているのですが
こういう複合的に鳴らすタイプの作品はまだまだ少なく、強烈な個性にもなっています。

またシーンは少な目なのですが家の中での効果音にも非常にこだわっています。
例えば冒頭で彼女がお茶を淹れてくれるシーンがあるのですが
ぺたぺたと足音を鳴らしてまず冷蔵庫からお茶を取り出し
それからコップを2個持ってきて今度は冷凍庫を開け、氷を入れた後にお茶を淹れる。
これらの動作をすべて効果音のみで表現しています。

今回はバイノーラル録音なだけあって音の位置や距離感もバッチリ。
体験版でも確認できるシーンですので気になった方は是非聴いてみてください。
とんでもなくリアルです。

「今日はお家でまったりプランだから ごろごろするの」
一緒に過ごす彼女も恋人と家で休日を過ごしているのがわかるように
声が常にリラックスしていて聴いていると自然とこちらもほぐれてきます。
どちらかというと音フェチ寄りの作品なので彼女の出番は控えめなのですが
それでも柔らかで温かい物腰が一定以上の癒しを与えてくれます。



移り変わる環境音を聴きながら
最初に行う耳かきは14分間。
右耳→左耳の順にまずは耳かき棒を使って大きな汚れを落とし
しばらくしたら綿棒に切り替えて細かくお掃除するシンプルなものです。
ちなみにここでもバックで常に環境音が流れます。

耳かき棒は「ソリ ズッ」と乾いた軽い音
綿棒は「ショリ ズズッ」と耳かき棒より重く籠った音が使われており
前者は下から上へかき出すように、後者は撫でる感じに動きます。
音も動かし方もリアルな方と言えるでしょう。

家庭的な耳かきらしくそこまで凝ったことを行ってはいませんし
時間についても主人公が定期的に自分で耳かきをしている設定があるため
長すぎず短すぎずで丁度いいくらいだと思います。

「ん? 耳冷たかったから気持ちよくって 嘘だよ 温めてあげようと思ったの」
耳かき中の彼女はあまりしゃべらず主に吐息を漏らし続けます。
こちらも耳かき音や環境音をメインに楽しむような作りですね。
耳かきを終える頃に彼女がおそらく手を使って耳を塞ぐシーンがあり
そこでは実際に塞がれたかのように急に音が聞こえにくくなる面白い感覚が味わえます。

「なんか眠くなってきちゃったなぁ ちょっとお昼寝しよ?」
そして耳かきが終わったところで2人一緒にお昼寝をします。
時間が約40分ありますからここがメインのパートと言えるでしょう。
過去作同様彼女のセリフはかなり少なく、主に寝息や環境音を楽しみます。

リアルタイムに変化する風の強さ、通り過ぎる人や車両、鳥・犬・虫の鳴き声など
本当にその場にいるかのような音の数々が耳に心地よさを与えてくれます。
ここまで多彩な環境音が登場する作品は他に聴いたことがありません。
音声の時間が進むにつれて物語の場面も本当に目まぐるしい変化を見せます。
住宅街らしいというより住宅街そのものです。

そんな中彼女だけはすぐ近くで動かずリズミカルに寝息を立てている。
この静と動の対比が非常に印象的でした。
周りがそれなりに騒がしいからこそ、部屋の中はより落ち着いて感じられるのだと思います。

諸々の音を使って作品の世界を見事に作り上げていると言えます。



多種多様な音を楽しめる作品
環境音や効果音の質や鳴らし方にとことんこだわり
その結果現実世界に近い雰囲気を出すのに成功している作品です。

環境音自体は元々癒しを与える要素として割と昔から使われていたのですが
それらは例えば風の音とか波の音といったように
単一の要素をループさせて使う場合がほとんどでした。
唯一の例外と言えば「立体音響娘2-先輩と図書館に行こう!-」くらいです。

今年に入って桃色CODEさんや藤和工場さんなど一部のサークルさんが
かなりリアルな音を取り入れた作品を出して好評を博していますが
それでもキャラやシーンを引き立てるための脇役に留まっています。
しかし本作品では主役に近いほどの存在感を持っています。
これが一番の驚きでした。

さらに音の位置や距離感までしっかりと表現されているのが素晴らしいです。
車や人の通り過ぎるシーンでそれを強く実感するでしょう。
10秒後にはまったく違った音が聞こえてくるから飽きが来ません。
むしろ「次はどんな音が来るのかな?」とちょっぴりワクワクしてきます。

それ以外の要素(彼女、耳かき、お昼寝)については
あまり過度な演出を行わず環境音に自然に溶け込めるようにしています。
普通は主役になる要素を脇役っぽくしているところもやや特殊です。

注意点は環境音の関係で主にバイクのエンジン音が結構流れることです。
この手の音が苦手な人にはあまりお薦めできません。
リアルさを追求するあまり、肝心の癒しから若干離れてしまっているようにも思えます。

著しく環境音に傾倒した個性的な作品です。
「バックが無音の耳かき音声だと逆に落ち着かない」とか
音声作品にちょっとした騒がしさを求めている人にお薦めします。

おまけは「休憩したら?」「15分仮眠」「目覚まし」の3つです。

CV:浅見ゆいさん
総時間 本編…58:29 おまけ…17:26


オススメ度
■■■■■■■□□□ 7点


体験版はこちらにあります

波の音と彼女に癒される安眠音声

サークル「添音亭」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

こちらは旅行中の彼女とのやり取りを描いた作品で
海辺のホテルの一室で彼女が耳かきと添い寝をしてくれます。
添音亭さんと言えば質の高い環境音を扱うサークルさんとして有名ですが
今回は静かな波の音に加えて細かい部分の効果音でも耳を楽しませてくれます。



仕事を忘れて2人でのんびり
恋人の有希とホテルの部屋で寛ぐお話。

「ねぇ こっちおいでよ 風涼しくて気持ちいいよ?」
有希は明るくて優しい声の女の子。
主人公と一緒に現在旅行中で、海に面した部屋のバルコニーで夜風に当たりながら
今日あった出来事をあれこれと話します。

本作品は耳マッサージ+耳かきが20分、その後の添い寝が36分と
サークルさんの過去作同様、聴き手を安眠させるのに特化した作りをしています。
前者は効果音、後者は環境音を中心にしており
有希もそれなりに話しますが基本的には諸々の音に最も癒しを感じることでしょう。

「せっかく羽伸ばしに来たんだし とことん癒してあげようと思って ちょっと用意してたんだ」
部屋に戻った後の最初のサービスである耳マッサージは
彼女の膝に仰向けに寝転んで初めは両耳、続いて片方ずつ丁寧に行います。

開始前に彼女がバッグから道具を漁って
流しの水で綺麗に洗う動作も効果音で表現されているのがいいですね。
本作品は準備や移動などの合間の部分にも効果音を入れているのが特徴の一つで
通常は無音で処理されるところもきちんと演出されている分、物語により臨場感が出ています。
桃色CODEさんの「道草屋」シリーズが得意とされている表現方法ですね。

もちろんメインとなるマッサージ音もオイルが微妙にべたついていてとってもリアル。
「スイー ジー」という滑らかな音が4段階くらいのスピードを小まめに変化させながら
耳のあたりを軽く円を描くように動き回ります。
マッサージは今回が初のはずですが完成度が高くてびっくりしました。

続く耳かきは右→左の順に耳かき棒のみを使用して行います。
仕上げの梵天や息吹きはありません。
「ズリッ ジョッ」と若干ざらつきのある乾いた音が使われており
下から上にかき上げるような短いストロークでリズミカルに動きます。
音質が前作「深層世界で癒される安眠音声」と非常に似ていることから
そちらの音をそのまま流用したのだと思います。

「もうヒント言わなーい あんまり言うと 見る楽しみ減っちゃうでしょ?」
また有希は最中に吐息を漏らすか軽く話しかけてくる程度で
効果音だけが流れ続ける時間が多い分、頭を空っぽにしてゆったりと寛げます。
会話の内容も恋人同士らしい他愛もないものばかり。
それらが作り上げる和やかな雰囲気も心を自然とほぐしてくれるでしょう。



寝息と羊数えを聞きながら
「あっ 窓開けといていい? 波の音が聞こえてくるから 気持ちよくって」
2つのサービスで程よくリラックスした後、有希に添い寝をされる形で眠りにつきます。
耳かきでは聞こえなかった波の音がここで再登場し
右の耳元から聞こえてくる彼女の寝息と合わさって穏やかな空間を演出しています。

添音亭さんはこの添い寝パートでセリフが極端に少ないのを作風とされています。
添い寝と言うと心温まるお話をある程度してから寝入るケースが多いだけに
初めて聴く人だとびっくりするかもしれません。
本作品においては環境音や寝息がそれらの役割を果たしていると思ってください。

「ん? まだ起きてるの? 私も なんか寝付けなくって」
さすがに何もしゃべらないのは味気ないだろうと思われたのか
中盤に差し掛かったあたりで彼女が羊を数えてくれます。
数が増えてくると彼女がとても眠そうな声に変化し
それにつられてこちらもあくびが出る、なんてことも十分にあり得ます。

まさに聴き手を眠らせることに特化した安眠誘導音声と言えます。



安定の安眠作品
有希のキャラ・効果音・物語の雰囲気、そのすべてが癒し一色で統一された作品です。

有希は恋人同士にふさわしい、やや砕けた親しげな態度で接してくれますし
波や耳かきの音についても聴いていて棘を感じる部分が一切ありません。
それらが合わさってとても穏やかな、安らげる雰囲気を作り出しています。

今回は元々の売りだった環境音だけでなく
人が動くことによって生み出される様々な音についても力を入れています。
環境音特化から環境音+効果音へとややシフトして
一般的な癒し系作品に若干歩み寄ったような印象を受けました。

しかしそれだと個性が薄れてしまいますから
耳マッサージなどの新要素を加えてきちんとサークルさんらしさも残しています。
何より添い寝シーンの極端な構成が活きている以上
添音亭さんの色は相変わらず強く残っています。

環境音については安定のリアルさで十分に癒しが得られます。
冒頭と添い寝シーンで合計40分ほどなら時間的にも十分でしょう。
強いて言うならバルコニーとベッドとの距離を考えて
添い寝パートは冒頭よりも波のボリュームを下げたほうがリアルだったかなと。
今の音量だとベッドよりは浜辺で寝ているような気がします。

やや特殊な部分を持った癒し系作品です。
寝る前に聴くのが一番ですが、嫌なことがあったとか心が傷ついたときに聴くと
多少なりともそれが和らぐのを感じるでしょう。

CV:浅見ゆいさん
総時間 59:53


オススメ度
■■■■■■■□□□ 7点


体験版はこちらにあります

深層世界で癒される安眠音声

サークル「添音亭」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

こちらはとある幻想的な世界でお姉さんに3種の癒しを受ける作品です。
前作「雨の音と彼女に癒される安眠音声」では雨の音を聞かせてくれましたが
今回は違ったタイプの水の音をバックに流すことで自然なリラックスをもたらしてくれます。
お姉さんの声やサービスも癒し一色で聴いていて嫌になる表現は一切ありません。
聴いているだけで簡単に眠りにつける、そんな実用性を重視した作りになっています。



幻想的な世界に住む不思議な女性
睡蓮という名の女性に耳かきや添い寝をしてもらうお話。

「あら? ここへ誰かが訪ねてくるなんて 珍しいこともあるものですね」
睡蓮は優しくて清らかな声の女性。
深層世界の主として、ここへ迷い込んできた主人公を快く迎えます。

本作品はこの仮想世界で彼女に耳かき・耳舐め・添い寝の3つのサービスを受けます。
前作に引き続き安眠に特化した作りで
耳かき+耳舐めのおよそ2倍の時間が添い寝に充てられています。
実際に聴きながら寝てみるとかなりの安眠効果が見込めるでしょう。

またこの世界には来訪者が最も癒しを感じ音が流れ続ける性質があって
音声の開始から終了まで、泉から水が湧き出すような音や泡の音が聞こえ続けます。
聴いていてリラックスできる音であるのに加えて
深層世界をより幻想的に仕立てあげるための雰囲気作りにも一役買っています。
とってもクリアでリアルな音ですから体験版で是非お試しください。

最初の耳かきは14分30秒ほど。
右→左の順に1種類の器具を使って掃除し、最後に1回息吹きをします。
器具は音質が綿棒、動かし方が耳かき棒に近いためそのどちらかでしょう。

「ズズッ ジーッ」とざらつきのある音が使われており
それが軽く引っかくような短めのストロークを描きます。
音がかなりリアルで耳に程よい刺激を与えてくれるでしょう。
前作のごりごり引っかく音に比べるとかなりソフトになって
より本物の耳かきらしい音になったと思います。

「睡蓮の名前の由来は 花が日中に開いて 夜になると 閉じることから 人と同じサイクルで生活する 睡眠する蓮 ということで 睡蓮と言うそうです」
また耳かき中は時折睡蓮がちょっとしたお話をしてくれます。
意識してのんびりと、言葉を区切って話す彼女の穏やかな声によっても
心身が大いにリラックスしてくるのを感じるはずです。

といっても右を掃除する時にそこそこ話す程度で
基本的には耳かき音や環境音をメインに楽しませるような作りです。
彼女がべらべらしゃべると作品の雰囲気が崩れてしまいますし
これくらいの会話量が丁度いいのではないかなと。



ゆっくりと静かに時間が流れるひと時
「では いたずら させていただきますね」
2番目の耳舐めは約7分。
今度は左→右の順で事前に部位を言ってからゆっくりと舐めてくれます。

ちゅぱ音は全年齢向けを考慮した唾液量の少ない健全なタイプで
抜くのには向きませんが温かさは感じます。
ノーマルだと水の音が大きすぎてちゅぱ音が聞き取れませんので
水の音控えめのバージョンが一番楽しめると思います。

あと一応これだと物足りない人向けにもう少し激しいバージョンがおまけでありますから
皆さんの好みによって好きなものをお選びください。
具体的には一部で若干ペースが速かったり水分が多かったりします。

「さて だいぶ時間も過ぎましたね あまり遅いと 明日困りますから そろそろ寝ましょうか」
2つの癒しのサービスを受けて十分にリラックスした後は
睡蓮が添い寝をしながらゆっくりと眠りに誘ってくれます。

他のサークルさんの安眠系作品だと、結構お姉さんがしゃべることが多いのですが
添音亭さんの場合はあくまで音を中心に聴かせる実用性重視の安眠音声です。
そのため45分の中で彼女が話す時間は8分程度と極端に短くなっています。

そして彼女の寝息と水の音だけが聞こえ続ける空間はとても静かで落ち着いており
いつもより時間の流れが緩やかに感じられるに違いありません。
正直聴いている最中は眠気を我慢するのに苦労しました。

「うまく 寝付けませんか? うーん 快眠のコツを 一つ お教えしますね」
ごく稀に聞こえてくる睡蓮のセリフも聴き手を安心させるものばかり。
こちらの眠りを妨げない範囲でできる限りのサポートをしてくれます。
音声作品であまり話さないのはマイナスに捉えられがちなのですが
本作品に限って言えば一つの演出として十分にありではないでしょうか。



これからの季節にぴったりな作品
とことんまで安眠を重視した、ある種個性的な作りの作品です。

作中で常に流れ続ける水の音を聴いているだけで自然と心がすっきりします。
夏になると暑くて寝付けない日々が続きますし
水そのものが持っている冷たい雰囲気もきっとプラスに働いてくれるでしょう。
環境音はどんなに人にも確実に癒しの効果をもたらす万能の音です。

添い寝については、私は前作を聴いたときは割と批判的で
「やっぱり音声作品は女性の声と演技があってなんぼ」と思っていました。
でも考えてみれば寝ようとしているのに横で話しかけられ続けるのもおかしいわけで
こういう敢えて話さないというのも一つの演出なのかなと今は思ってます。

完全な無音ではなく環境音が常に流れ続けてくれていますし
そういった諸々の音によって表現するタイプの作品と言えるでしょう。

耳かきは前作に比べて大幅にパワーアップしました。
一線級のサークルさんにはさすがにまだ及びませんが
それに準じるくらいのクオリティを持っています。

右耳が寝そべった状態、左耳は膝枕をされながら行うのもやや珍しいですね。
強いて言うなら左耳の際に、膝に耳を塞がれている状況の演出として
右から聞こえてくる水の音のボリュームをもう少し小さくするか
あるいは籠らせてくれていれば尚良かったです。

心を効果的にリラックス&クールダウンさせてくれる作品です。
リアルで色々あって心がざわつくとか、むかむかしているような人にとっては
きっと心への一服の清涼剤になってくれることでしょう。

おまけは水の音のみが流れる音声とちょっと過激な耳舐めです。

CV:藤堂れんげさん
総時間 本編…1:11:16 おまけ…23:04


オススメ度
■■■■■■■■□□ 8点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は7点。
コスパで+1してあります。

雨の音と彼女に癒される安眠音声

サークル「添音亭」さんの同人音声作品(全年齢向け)。
今回が処女作となる新規のサークルさんです。

本作品は優しい雰囲気の彼女が耳かきと添い寝で癒してくれます。
いずれも癒しの要素としてメジャーではありますが
それ故に類似作の多い競争率の高いジャンルとしても有名です。
そこでこの作品ではタイトルにある雨の音を織り交ぜることで
物語の世界観を得やすくするのと同時に作品としての個性と打ち出しています。

雨音、川の水が流れる音、木々の揺れる音などの環境音は人間の本能に根付いた音です。
聴いているだけで多くの人がきっと心安らぐものを感じることでしょう。



飲み物と彼女の声でほっと一息
彼女に耳かきと添い寝をしてもらうお話。

「はい ホットミルク作ったよ 蜂蜜を少し入れてみたから ほんのり甘くておいしいと思うんだけど」
彼女は柔らかく優しい声の女の子。
主人公とは既に同棲しているほど仲の良い間柄で
まずは仕事帰りの彼を飲み物と言葉で労わってあげます。

本作品は大きく耳かきと添い寝の2つのパートに分かれており
添い寝に耳かきの2倍強とかなり長い時間が取られているのが特徴です。
耳かき音声よりも安眠音声と呼んだ方が妥当な作品でしょう。
ちなみに目玉要素の雨音は添い寝パートにのみ登場します。

最初に行う耳かきは18分30秒ほど。
彼女らしく膝枕をしながら右→左の順に耳かき棒でお掃除し
最後に息を吹きかけるとてもシンプルなものです。

耳かき音は「ズズッ ジョー」とざらつきのある力強い音が使われており
それが耳かきらしい短めのストロークを刻みながら終始流れ続けます。
かなり耳の中をゴリゴリされるので感覚が耳に伝わりやすい音と言えるでしょう。
ただここれだとリアルでやられたらさすがに痛そうだなとも思います。

「私 同棲始めるまで あんまり料理しなかったから まだ慣れてなくって」
また耳かき中の彼女はちょっぴり話しかけてくる程度で
会話の内容も恋人らしい何気ないものがほとんどです。
相手が疲れているのを気遣って敢えてそうしたのかもしれません。
効果音と彼女の吐息だけが聞こえ続ける落ち着いた空間では
時間がゆっくりと流れているようで徐々に心が落ち着いてくるのを感じました。



激しくも優しい雨音
耳掃除を終えた後は最初彼女に膝枕されたままで
しばらくすると眠くなった彼女に添い寝される形で眠りにつきます。

「…雨 降ってきたみたい」
ここではタイトルにもなっている雨音が開始直後からずっと流れ続けるのがポイント。
環境音はすべての人間に対して癒しの感覚を与える万能の音ですから
聴いている時間が長くなるほどきっと眠くなるでしょう。

雨音は「しとしと」と「ざーざー」の中間くらいで
最初弱めだった雨足がしばらく経つと一段階強いものに変化します。
音質が実録だよね?と思えるほどにリアルですし
外で雨が降っている雰囲気が十二分に演出されていると思います。

「ごめん 私も眠くなってきちゃった 隣 寝るね」
ここでの彼女のセリフも耳かき同様雰囲気づくりの色が強く
添い寝中は穏やかな寝息をたてながら一緒に寝てくれます。
雨音と吐息だけが流れる時間が非常に長くセリフに集中する必要がないため
これらが耳にもたらす心地よい感覚だけをたっぷりと楽しめるでしょう。



心を洗い流してくれる作品
雨音や耳かき音といった効果音をメインで楽しむ作品です。

彼女のセリフは最低限に留めてこれらの効果音をたっぷり聞かせてくれます。
そういう意味では彼女の役割がやや薄くなっている部分もあるのですが
諸々のサービスを通じて感じられる彼女との密着感や一体感が
その不足分をある程度補ってくれています。

特に後半の添い寝パートは本当に頭を空っぽにして聴けます。
終始静かで落ち着いた雰囲気が漂っていますし
気にならないのなら流したまま寝てしまってもいいほどです。
雨音は若干ボリュームが大きいのですが聴いていてうるささをまったく感じません。
やはり環境音の癒しのパワーは絶大です。

ただ本当に雨音と寝息だけが流れ続けるシーンばかりなので
もう少しひねりが欲しいとも思いました。
具体的には寝物語や子守唄あたりを入れても良かったのではないかなと。
添い寝パートが20分程度ならこの構成でも気にならなかったのですが…

耳かきは処女作として見ればレベルが高いです。
一線級のサークルさんのものと比べるとさすがに厳しいのですが
まだ始まったばかりのサークルさんですし、現時点でどうこう言うのは控えたいです。
今後作品を重ねていく度にもっともっと良くなることを期待しています。

サークル名を見る限り今後も音を重視した作品を作られるのでしょう。
最近環境音を取り入れた癒し系作品がちらほら出始めてきてますし
それらに対抗してどういった個性を見せてくれるかがとても楽しみです。

CV:浅見ゆいさん
総時間 1:07:07


オススメ度
■■■■■■□□□□ 6点


体験版はこちらにあります

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