同人音声の部屋

同人音声および催眠音声について、平均3000文字程度のオリジナルレビューを掲載しているサイトです

カテゴリ:同人音声 > 全年齢向け

   ● リラクゼーション旅館【薬味亭】~若女将が誠心誠意、ご奉仕(サービス)致します~
   ● 看取られ音声
   ● しろなこおすーヒーリングサロンシエルー
   ● 耳かき専門店~奏~
   ● Healing Your Voice ~Vol.01 幼なじみのあの子
   ● 耳かき専門店 癒し処~琥福屋~
   ● 出張癒し専門店ターコイズ3本目ー姉襲来ー
   ● 耳かき旅館 猫屋敷 ~子子その2~
   ● コトネと休日【耳かき、ASMR】
   ● ひなちゃんのすっきりコースーヒーリングサロンシエルー


リラクゼーション旅館【薬味亭】~若女将が誠心誠意、ご奉仕(サービス)致します~

サークル「薬味亭」さんの同人/催眠音声作品(全年齢向け)。

今回紹介するサークルさんの処女作は、和服姿がよく似合う上品な若女将が
遠路はるばるやって来た男性客をつきっきりでもてなします。

和の雰囲気を大事にした落ち着いたサービスが行われており
鹿威し、襖、和風料理など旅館に合った素材を用意して落ち着きを持たせ
さらに就寝時は2種類の手段で癒しと眠気を与えます。
海に面した旅館でのんびり
薬味亭の若女将「希美(のぞみ)」が健全なご奉仕をするお話。

「遠路はるばるお越しいただき ありがとうございます」
希美は穏やかで品のある声のお姉さん。
商店街の抽選で宿泊チケットを当てた主人公に丁寧な挨拶をすると
お部屋へ案内してから旅館や自分のことを話します。

本作品は20代前半で老舗旅館の若女将を勤め上げてる彼女が
一泊二日の貸し切り券を手に入れた彼を60分程度に渡って親身にもてなします。
実際の旅館に近づけたかったのか、耳かきやマッサージといった定番のサービスは避け
ご飯を食べたりお風呂で寛ぐ様子に色んな音を盛り込み臨場感を出してます。

また総時間の7割近くにあたる40分を安眠パートに割いてまして
そこでは催眠をかける、恋物語を読み聞かせると2つのルートが用意されてます。

同人音声と催眠音声両方の特徴を持ってるのは珍しいですね。
どちらも作品独自の要素を盛り込んであって癒しのパワーが強いです。

「事前にお客様のことは聞いていたので サイズはピッタリのものをご用意いたしました」
希美については女将のイメージ通りの女性。
ニコニコした様子で挨拶したり案内するのはもちろん
彼の足のサイズに合ったスリッパまで用意するほどの気配りを見せます。
夕食のシーンでは献立を細かく説明してくれたりと旅館らしさを感じるセリフが多いです。

チェックインを済ませた後の2パート15分間は寛ぐシーン。
周辺の観光をしてから夕方に着いた彼に様々な和風料理を振る舞い
さらに露天風呂でお酌しながら色んなことを話します。

「薬味亭で開発した 秘伝のそばつゆです 甘辛い味がして さらに食欲が湧いてきますよ」
天ぷら、そば、鴨鍋など和の心を感じる料理で揃え
それらを彼が食べたり彼女が食べさせる様子をセリフと音で表現します。
音が鳴るのは食べる瞬間だけなのでASMR系の作品ではありません。
どれから食べればいいか迷う彼を彼女が助けるシーンもあって微笑ましいです。

次の露天風呂はお湯の音を特に流さず
専用の浴衣に着替えた彼女が自分や妹のことを語ります。
彼がもらったチケットを使うと貸し切り状態になるそうで
彼女も普段よりはたぶんのんびりした接客ができてるのでしょう。
サービスで癒し、キャラで癒やすバランスの良さも本作品の持ち味です。
波の音と女性の愛に包まれて
本作品のメインにあたる安眠パートはおよそ40分間。
「(4)-A希美のリラクゼーション催眠、体感してみませんか?」は癒しの催眠をかけてゆっくり寝かしつけます(約23分)。
解除音声は入ってませんから基本的には寝る前にお聴きください。
出かける予定がある場合は無料作品でいいので必ず解除音声を聴いてください。

「最初は 両足の指先の力が抜けていきます」
内容は横になって目を瞑り、彼女の呼吸音に合わせて深呼吸しながら
両足→足首→両手→腰→顔の順に体を脱力します。
そして軽く深化させてから舞台を夜の浜辺に移し、そこで彼女と歩いたり膝枕されるイメージをします。

同人音声の一部を使って催眠をかけるスタイルなので正直期待してなかったのですが
サークルさんが勉強されてるのか、全体の流れや技術の使い方が安定していて良かったです。
前半をほぼ全部深呼吸と脱力に使ってリラックスできる状況を作り
後半シーンも癒しの要素をいくつも組み合わせて意識をぼんやりさせます。

「ずっと聞いていると だんだんと 穏やかな気持ちになっていきます」
砂浜に移ったところで波の音が鳴り始めるのがいいですね。
薬味亭は挿し絵の通り海のすぐそばに建ってますから、当然波の音も実際に聞こえます。
前半に比べて暗示の量が減るので催眠らしさは薄れるのですが
このパートの目的はあくまで安眠ですからそこまで深く落とす必要はありません。
終盤には波の音だけが流れる時間を設けるなど、目的意識を持った誘導をしてました。

それに対して「(4)-B朗読」は物語で癒やすサービス。
以前この旅館にいた三姉妹と郵便配達の男性に関する恋愛事情を語ります。

書くとつまらないでしょうから内容はすべて伏せるとして
温かみがある中でちょっぴり切なさも感じるお話でした。
基本的にはしゃべり続けるので催眠パートに比べると安眠との相性は悪いですが
それに向けた準備として心を温める効果は十分あると思います。
催眠と似た方向性にならないよう敢えて大きく変えてあるのかもしれませんね。

このように、技術と物語を使い分けて眠らせる珍しいサービスが繰り広げられてます。
雰囲気の良い作品
和風情緒を大事にした落ち着いてる作品です。

希美は運良くチケットを手に入れた主人公に旅を満喫してもらおうと
女将らしい丁寧な物腰ときめ細かなおもてなしで安らげる空気を作ります。
そしてお風呂の後は2種類の眠れるサービスをを提供します。

女将のイメージにピッタリな女性が一対一でお世話する癒しのシチュ
会話と音を組み合わせて旅館らしさを出すバランスの取れた作り
まったく別の方法で寝かしつける安眠パート。
現在流行ってる癒し系音声とはやや違う構成にしてあります。

中でも安眠パートは十分な時間を用意し、それをほぼ半々に分けて催眠をかけたり物語します。
同人音声の中には「主人公が最後に眠るから催眠音声だ」と勘違いしてるケースも時々あるのですが
本作品はきちんと催眠の技術を使って眠らせる正統派のものです。
時間が23分ありますし、サークルさんが最も力を入れられてるように映りました。

それ以外のパートについても処女作として見る分には比較的質が高いです。
ただし、効果音の扱い方だけは引っかかりました。
例えば夕食中に鴨鍋がぐつぐつ煮える音が鳴るシーンがあるのですが
彼女がその話をした時だけ音が鳴るようになってます。

鍋は火を入れたらそれが消えるまで煮え続けるのが普通ですから
煮えるにつれてだんだん大きくなり、彼が食べ終えたあたりで小さくなるのが自然です。
他のシーンもひとつの音を一瞬だけ鳴らすことが多かったので
複数の音を共存させて空間そのものを表現できるようになればより良くなると思います。

音質は今のままで十分良いので演出面を強化してみてはいかがでしょうか。
今後もっと伸びる可能性を秘めたサークルさんです。

CV:朝富やくもさん
総時間 1:04:00

オススメ度
■■■■■■■□□□ 7点


体験版はこちらにあります

追記
同人パート、催眠パートいずれも7点をつけてます。

2019年9月1日まで50%OFFの324円で販売されてます。
その場合の点数は8点です。

看取られ音声

サークル「オミ・オクル」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介するサークルさんの処女作は、それぞれに異なる事情を持つ女性たちが
間もなく死のうとしてる相手を自分なりのやり方で見送ります。

自分の最期を看取られる様子だけを描いてるのが大きな特徴で
ある人は純粋に悲しむ、またある人は誓いを立てたうえで戦いに赴くなど
主人公の死を受け入れたうえで苦しみや悲しみが和らぐよう真剣に働きかけてくれます。
人生の最期に最高のご褒美を
4人の女性に看取られるお話。

「あらあら これは…助からないかな」
ミオは甘くておおらかな声の女性。
事故に遭い生死の境をさまよってる主人公に話しかけると
もう助からないと判断し、新しい世界へ案内します。

本作品は自分が看取られる気分を疑似体験してもらうことを目的に
彼女たちが50分程度に渡って色んなことを話します。
正体不明の女性、我が子同然の弟子、苦難を乗り越えてきた戦友、そしてロリ吸血鬼と
パートごとに異なるキャラが登場し、それぞれの背景に合ったやり方で彼らの最期を見届けます。
お話が完全に独立してますからどのパートから聴いても大丈夫です。

主人公の死が確定してる時点で湿っぽい作品だと思う人もいるでしょうが
4パートあるうちで泣き出すキャラは1人と少なく
それ以外は彼の死を受け入れたうえで悲しみを和らげたり自分の気持ちを素直に伝えます。

残り僅かな人生に悔いを残させないよう思いやるのが本作品の基本スタイルです。
癒し要素が結構充実してますから、他人の愛に飢えてる人が聴くと良い刺激になるでしょう。
状況が状況なのでどのキャラもふざけたりせず真っ直ぐ向き合います。
耳かきやマッサージを一切せず話術で癒やす作りも独特で面白いです。
変化に富んだ看取り
一番最初のTrack01は挿し絵に描かれてる女性が看取るパート(約15分)。
致命傷を負って意識がなくなりつつある主人公の心に直接語りかけ
今の状況や自分のことを教えてから色んな手段で甘やかします。

「私の声が聞こえるってことは 残念だけど 君はもう助からないんだ」
「私の手が触れると 痛さも怖さも 何もかもうすーくなっていって どんどんゆったりとした気分になっていくね」

間もなく死を迎えることをはっきり伝えたうえで
全身をパーツごとに触れて痛みと苦しみを取り除き
さらに頭を撫でる、深呼吸する、ぎゅっと手を握るなど
一般的な癒し系作品でもよくやることを順に行い彼の心と体を安らげます。

もうすぐ死ぬことが確定した場合、やはり恐怖や不安が湧いてくるでしょうから
それを和らげることに最も力を入れながら進めます。
そして死んだ後に何が待ち構えてるかもちゃんと教えて気を楽にします。
彼女の声も相まって非常に穏やかな空気が漂ってました。

続く2パート24分間は親しい女性に看取られるシチュ。
Track02は捨て子だったところを拾われ育てられた冒険者志望の女の子
Track03は侵略してきた異星人と一緒に戦ったクールな子と最期の時間を過ごします。

「え…嘘 あっ い、いやぁぁぁ!」
「ほら だから 起き上がって早く よくできたなって言ってくださいよ」

前者は家族同然の関係だったため最もストレートに感情を出します。
彼が死にそうなことに驚き、悲しみ、受け入れられずに心細そうな表情を見せます。
それでも何とかしようと頑張る姿に涙ぐむ人もいるんじゃないでしょうか。
大事にされてることが強く実感できて胸のあたりが熱くなります。

「君がいたおかげで あの時のボクは 辛い訓練を乗り越えることができた」
それに対して後者は淡々とした様子でぽつりぽつりと語ります。
訓練生時代に出会い色んな場面で励まされてきたことを感謝し
さらにこれまで自分の胸に秘めてきた思いを余すことなく伝えて彼の気持ちに応えます。
普段が少年っぽいキャラだからこそ、女性らしいことを言われた時は一層心に響きます。

実はこのパートは割と複雑な背景がありまして
それらを知ればなぜ彼女がここまで冷静でいられるかがわかるようになってます。
彼女にも彼の気持ちがわかるからこそ、ひとつひとつの言葉に重みを感じました。

最後のTrack04は逆に最も明るいお話(約14分)。
人生に嫌気がさしてた主人公が偶然ロリ吸血鬼と出会い
それから1年の時を経てようやく彼女の生贄になります。

彼の体が至って健康なことや、自分から彼女に血を吸われることを懇願した事情があるため
前の3パートとは随分違うカラッとした雰囲気になってます。
彼女も彼を苦しめないよう2種類の薬を与える思いやりを見せます。
「こういう死を迎えられるのもひとつの幸せなのかなぁ」と考えさせられるものがありました。

ちなみに本作品の吸血鬼は血を吸うだけでなく肉を食べる設定もあるのでご注意ください。
このパートでやるのは会話だけで、それらを実際にするシーンは完全に省略されてます。

このように、主人公が死ぬ結末を固定したうえで色んなことをする珍しいサービスが繰り広げられてます。
斬新な切り口の作品
同人音声では滅多に見かけないシチュを題材にしたボイスドラマです。

4人の女性は間もなく死ぬ、もしくはこれから死にゆく男性に安らぎを与えようと
自分たちを取り巻く事情を説明しながら最大限の思いやりを示します。
そしてある者は泣き、ある者は思いをはっきり伝えて幸福感を与えます。

「看取られ」に特化したサービスをする非常に珍しい設定
パートごとに異なるキャラと背景を用意し幅広く働きかける展開
心のケアに力を入れたセリフの数々。
暗く重くなりがちなシチュをできるだけ明るく軽く描いてます。

全年齢向けはこのところ新作の数が目に見えて増えてますが
それでもこういうタイプの作品は初めて聴きました。
主人公が死ぬ時点で癒しに繋げるのが難しくなるからでしょう。
ですが本作品はその難題をきちんと解決してます。

「あなたは またその足で 新しい道を歩いていける」
死を終わりではなく変化や始まりに位置づけてるのが大きいです。
生きてる者にとって死後の世界がどうなってるかはわかりません。
だからこそプラスにもマイナスにも捉えることができます。

また彼らがこれまでやってきたことを称賛して価値ある生を送れたことも示します。
「まったくの無駄だった」より「あなたと会えて幸せだった」と言われたほうが当然嬉しいわけで
そういう死の中にあるポジティブな要素を細かく拾ってお話にしてます。
やってる事はシンプルですけど、セリフの表現や内容に光るものを感じました。

扱いが難しい素材を上手に料理してる優れた癒し系作品です。

CV:月花うさぎさん
総時間 52:50

オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

追記
2019年9月17日まで20%OFFの691円で販売されてます。

しろなこおすーヒーリングサロンシエルー

サークル「Crescendo」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、のほほんとしてるけど腕はいい店員さんが
すっかり顔なじみになってるお客を専用のサービスで癒します。

和の心を強く意識したASMR系の作りが魅力で
サービス中はどのパートもセリフよりも音の割合を増やし
あずき、抹茶、ヨモギといった珍しいアイテムを使って色んなマッサージをします。
音の質が非常に高く耳に優しいですから安眠のお供にも役立ってくれるでしょう。
常連さんへのオリジナルサービス
ヒーリングサロンシエルの店員「朝霧代菜」が耳かきやマッサージをするお話。

「お客様ー お待ちしてました 本日はしろなこおすをご予約いただいて ありがとうございます」
代菜は甘く可愛い声の女の子。
店長に呼ばれて主人公がいる受付に行くと
自分の名前がついたコースを何度も言ってニヤニヤします。

本作品はゲーム大好きでちょっぴり抜けたところもある彼女が
自分をこれまで何度も指名してくれた彼に新しいサービスをします。
「しろなこおす」という彼女の名前を冠したこのコースはテーマを「和風」に定めており
作中ではそれを匂わせる様々な要素を盛り込んで日本人向けの癒しを提供します。

「そういえば 今日の服はどうですかね? 店長に着付けしてもらったんですけど 似合いますか?」
挿し絵のような着物で登場するところから始まり、場所を和室に変更して椅子ではなく床に寝かせ
物語の前半ではバックに風鈴の音が時々鳴ります。
彼女も一人前の店員として認められたことがとても嬉しいようで
過去作よりも活き活きした表情でお世話に取り組みます。

販売ページに書いてある通り効果音が中心の作品なのは間違いありませんが
彼女ののほほんとしたキャラや頑張る姿も別の癒しを与えてくれます。
「良い意味で店員らしくない」とでも言えばいいのでしょうか。
何度も顔を合わせてる相手なので終始リラックスしてるように映りました。

サービスについては定番の耳かき、マッサージ、シャンプーに和風のアレンジを加え
さらに音声作品ではなかなかお目にかかれないものも取り入れてます。
総時間が140分程度あるおかげで各パートに十分な時間を確保できており
通しで聴いたら寝る人がそれなりにいると言えるほど穏やかな空気が漂ってます。

どのパートも音がリアルかつ優しいもので統一されてますし
彼女もそれを集中して聴けるようセリフの間隔を長く取って話しかけます。
前半と後半で環境音が切り替わるなど、音に対する並々ならぬこだわりを持って作られてます。
また一部のシーンではわざと手間をかけて音をより多く聴けるようにする工夫もされてます。

愛らしい女の子がリアルな音を駆使した和風のサービスでもてなす。
サークルさんの持ち味を活かしつつ捻りも加えた総合力の高い作品です。
音が織りなす癒しのひと時
店内にある和室に移動し浴衣へ着替えた後から始まる3パート52分間はマッサージ。
あずきの入ったお手玉を温めて彼の首筋から腕にかけてをとんとんし
代菜がその場で点てた抹茶を顔に塗ってパックし、ヨモギをすり潰したものを耳に塗って揉みます。
またバックで風の吹き抜ける音と風鈴が流れます。

「どこかで聞いたことがある気がして 懐かしい気分になりますよねー」
そして彼女は早速音をメインに据えて癒しを与えます。
あずきマッサージは「ずしゅっ」という適度な重みのある優しい音が
耳の下あたりで転がったり肩たたきするように小まめに上下し
抹茶マッサージは床屋でやる顔剃りの泡を塗りつけるような音が至近距離で鳴ります。
そしてこれらの合間にサービスにちなんだ話題を振って心もケアします。

世間一般的なマッサージとは方向性が違うので最初は戸惑うでしょうけど
音の質感、位置、距離、鳴るタイミングがしっかりしていてきちんとサービスになってます。
聴いてる最中は時間の流れが緩やかに感じるでしょうね。
ヨモギもオイルマッサージとはやや違うみずみずしい音が耳元で鳴ります。

続く3パート70分間は定番のサービスを本作品なりにアレンジしたもの。
シャンプーしながらタオルだけでは落とせない顔と耳の汚れを落とし
「ひびきがね」と呼ばれる音叉のようなもので耳の汚れを浮かせ
最後に30分以上をかけてじっくり丁寧に耳かきします。
またここからは環境音が雨音やカエルの鳴き声に変化します。

「アレンジした」と言える理由はやり方にあります。
例えばシャンプーはお風呂場じゃないので木製のたらいと桶を用意し
髪を濡らしたりシャンプーを洗い流す時はちょろちょろとした水の音が鳴ります。

「シャワーもいいですけど ざばーってされるのも気持ちいいんですよねー なんだか洗ってるーって感じがして」
効率だけを考えればシャワーのほうが向いてるのでしょうけど
本作品は和風が売りですからこうしたほうが物語の雰囲気に合ってます。
また桶で流すほうが音が静かで環境音を聴きやすくなります。
シャンプーをしっかり行い、コンディショナーに切り替え、ドライヤーで乾かす無駄のないサービスです。

「この音だけが 頭の内側で響いて ゆらゆら 音に揺られて」
ひびきがねは右耳→左耳の順に「ぽーーーーん」という澄んだ音が鳴り響きます。
本作品以外ですとVOICE LOVERさんやとみみ庵さんあたりでしか登場してないサービスなので
今回初めて聴く人も結構いるんじゃないでしょうか。
体験版を聴いていただければわかるように、小刻みに振動しながら強弱を繰り返す不思議な音です。
ちなみにこの器具は以前日本でも使われてたそうです。

そして最後の耳かきは王道の編成にして安定感を出します。
これまでとは違い膝枕の状態で耳かき棒→綿棒→梵天と繋ぎ、最後に指で軽くマッサージします。
息を吹きかけるシーンはありません。

耳かき棒は「ぞすっ」という丸みを帯びた硬い音
綿棒は「ずすっ」という広く柔らかい音、梵天は綿棒よりも広くふわふわした音と
器具ごとの特徴を的確に捉えた耳触りの良い効果音を時間いっぱい楽しめます。

通常ですと綿棒を間に挟むことはあまりないのですが
音の変化を感じ取りやすくするためにこうしたのかもしれません。
後になるほど音の面積が大きく、質感が柔らかくなります。

このように、テーマに沿ったやり方で頭部を癒やす充実したサービスが繰り広げられてます。
のんびりした作品
聴いてるだけで自然と心身が脱力する作品です。

代菜はこれまで自分を何度も指名してくれた主人公の期待に応えようと
自分だけがやれるコースを新設し、そこで和風情緒漂う癒しのサービスをします。
そしてそれらの様子を主に音で表現し静かな空間を作り上げます。

可愛い店員さんが長時間に渡って健全なお世話をする癒しに満ちたシチュ
セリフよりも音の分量を多くし、それらを上手に組み合わせた質の高いサービス
着物、和室、風鈴など和風を意識した演出の数々。
シリーズの過去作とはやや違った趣の作品に仕上がってます。

「はーい 粗茶ですが 略式ですけど 精一杯点てました」
特に3番目はサービスそのものから細かな描写に至るまで幅広く取り入れており
本作品にとって重要な部分だというのが自然と伝わってきます。
それでいて堅苦しさを感じないのは彼女のキャラが普段通りだからでしょう。
ゆるーいキャラでしっかりご奉仕することで丁度いいバランスになってます。

サービスはどれも優れてますが私はひびきがねが最も印象に残りました。
これを取り入れてる作品がレアですし、音もかなり癒やされます。
その一方であずきマッサージ、抹茶フェイスマッサージ、ヨモギ耳マッサージは
もう少し実況を増やしたほうがイメージしやすかったかもしれません。

古いようで新しい癒し系作品です。

CV:朝霧代菜…和鳴るせさん 店長…いたちゆーとさん
総時間 2:21:30

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は9点。
141分で432円とコスパが良いので+1してあります。

耳かき専門店~奏~

サークル「ちろ猫ハウス」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、着物姿がよく似合う清らかなお姉さんが
偶然出会った人に耳かきしながら寝かしつけます。

セリフよりも音で癒やすASMR系の作りが魅力で
本編の9割近くを耳かきに割き、シーンによって器具を取り替えながら
それぞれに合った音をリアルな動きで鳴らして心地よい感覚を与えます。
最中はほとんど話しませんから安眠のお供にも役立ってくれるでしょう。
和服美人の丁寧な耳かき
耳かき専門店~奏~の店員「琴音(ことね)」が耳かきするお話。

「こんばんは 夜桜 眺めてらっしゃったのですか?」
琴音は清楚で穏やかな声のお姉さん。
ある日の夜、桜を眺めてる主人公に近づき声をかけると
桜のことを話してから近くにある自分のお店へ案内します。

本作品は耳かきを楽しみながら寝かしつけることを目的に
彼女が120分程度に渡る非常に丁寧な耳かきをします。
これくらいの長さですとマッサージやヘッドスパも行う作品が多いのですが
このお店では名前の通り耳かきをひたすら追求する姿勢でお世話します。

そう言える理由は主にふたつ。
音の比重がとんでもなく高いこと、複数の耳かき器具を用意しそれぞれに応じた音を鳴らすことです。

「では こちらの白い綿棒を使って 右耳を お掃除していきます」
前者は使用する器具を変えたり左右を入れ替える時以外はセリフをほぼ挟まず
効果音を鳴らしながら吐息を漏らす静かな作りになってます。
作中で彼女が思わせぶりなことを言うシーンがあるものの
ストーリー性は皆無で和の雰囲気を出す素材程度に位置づけられてます。

サークルさんが販売ページの説明文で
「完全寝落ち向け用に全振りした作品」とおっしゃられてる通り
耳かき中はずっと頭を空っぽにして聴けるようになってます。
音自体も優しいものが多いですし、寝ながら聴くのにも非常に向いてます。

後者は大きくて丸みを帯びた耳かき棒、細めで尖りのある耳かき棒
乾燥した綿棒、そして梵天と合計4つの器具を使い分け
さらに音の質感、動き、位置、距離といった細かな部分を変化させながら進めます。

丸めの耳かき棒は外も含めた全体、尖った耳かき棒は穴の入り口から奥までと
器具によってケアする範囲が多少違うおかげで
同じ耳かき棒でも聴いた時の印象や受ける刺激が異なります。

ソフトなタッチが好きな人は丸め、強めの刺激が好きな人は尖ったほうを気に入るのではないでしょうか。
そうやって聴き手のニーズに幅広く応えることで耳かき音声としての個性を出してます。
内容は至ってシンプルですけど作りは結構複雑な作品です。
音の違いを味わう耳かき
琴音に連れられお店へ到着した直後に始まる耳かきはおよそ112分間。
膝枕の状態で右耳→左耳の順に4つの器具をひとつずつ使います。

最初の耳かき棒は外側を撫でてる時は「すりっ」という滑らかで乾いた音だったのが
穴の中に入ると「ずすっ」というやや力強い音に変化し
動きについても前者は長め、後者は短めのストロークと
早速本作品の持ち味である「音と動きの多彩さ」を前面に押し出しながら進めます。

セリフがほとんど入らないおかげで耳かき中は雰囲気がとても落ち着いており
普段よりも時間がゆっくり流れていくような感覚がします。
欲を言うなら何かしらの環境音を入れておいたほうがより臨場感が出て癒やされたでしょう。

2番目の細い耳かき棒が登場するのは開始から27分後。
「じじっ」という細くて硬さのある音を耳元至近距離から鳴らします。
続けて聴くと音だけでも先ほどの耳かき棒とは違うのがわかるでしょう。
刺激が強めですが、力が抑えてあるおかげで耳や頭に響くことなく聴き続けられます。

その後も綿棒は「しゅるっ」という滑らかで乾いた音
梵天は「ぷすっ」という広くて柔らかい音、といった具合に
器具ごとの特徴を上手く捉えた優しい音を時間いっぱい鳴らしてくれます。

レビューを書く必要がなければそのまま寝たくなるほど癒やされました。
仕事などで疲れてる人が聴いたら寝落ちするかもしれません。
最中のセリフも囁き声で間を長めに取ってあり、安眠の妨げにならない配慮がされてます。

このように、長い時間をかけてゆったり行う音特化の耳かきが繰り広げられてます。
音で寝かす作品
現在流行ってるASMRをさらに先鋭化させてる作品です。

琴音は夜桜の前で偶然出会った主人公を癒そうと
自分が所属あるいは経営してる耳かき店へ案内し、そこで質量共に優れた耳かきをします。
そしてその様子を言葉ではなく音で表現し安眠しやすい環境を整えます。

和風情緒漂うお姉さんがひたすら耳かきするわかりやすいシチュ
やることを耳かきだけに絞り込み、かつそのほぼすべてを音で伝える特化型の作り
複数の耳かき器具を用意し、それぞれに対応した音と動きでお世話する凝った演出。
癒し系作品における代表的なサービスをサークルさんなりのやり方で表現しています。

中でも2番目の要素は普通のASMR作品以上に音に寄せてて驚きました。
かといってわかりにくく感じなかったのは音のレベルが高いからでしょう。
最大の武器を最大限に活用することで質と完成度を高い領域に押し上げてます。

唯一気になったのはサービスする時の順番。
どれも右耳→左耳の順に行うおかげで寝返りの回数が増えてます。
本作品は安眠を強く意識してるのですから体はできるだけ動かさないのが望ましいです。

そう考えれば最初の丸い耳かきは右耳→左耳、次の尖った耳かきは左耳→右耳と
前のサービスが終わった時の体勢を維持したほうがいいでしょう。
上位の耳かき作品はほとんどがこのスタイルを取ってます。

音だけをひたすら楽しみたい人には特におすすめします。
おまけは「最強耳奥ゴリゴリ11分耐久コース」とフリートークです。

CV:恋猫ちろるさん
総時間 3:04:08(本編…2:08:23 おまけ…55:45)

オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は8点。
184分で432円とコスパが良いので+1してあります。

Healing Your Voice ~Vol.01 幼なじみのあの子

サークル「空想科学研究所(SFL)」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、小さい頃からずっと仲良くしてる幼馴染の女の子が
一緒の布団に入ってマッサージや耳かきをしながらまったり過ごします。

セリフよりも音の割合をずっと多くしてる音フェチ系の作りが魅力で
どちらも進め方をシンプルにする代わり音や動きを小まめに変えて臨場感を出してます。
だるそうな態度を取りつつなんだかんだでお世話してくれる彼女も可愛いです。
寒い日は布団の中で
幼馴染の「由紀(ゆき)」がマッサージや耳かきをするお話。

「寒いねー うー寒い お布団から出たくなーい」
由紀は可愛くてのんびりした声の女の子。
とある冬の日、遊びに来てる主人公を放置して布団にくるまってると
文句を言う彼を自分の布団へ招待し軽いマッサージをしてあげます。

本作品は幼稚園の頃から仲良くしてる彼女が
およそ1時間に渡って癒しのサービスをしながらお互いの体を温めます。
付き合いが長いだけあってよそよそしいところがまったくなく
スキンシップも積極的に取るなど友達以上恋人未満の距離感で接します。

そして彼女はサービスをする際に必要最低限のことだけ話し
それ以外は主に音を使って表現する音フェチスタイルで進めます。

場所が彼女の自宅、しかも布団に入ったまますることを踏まえてやることは至ってシンプルにし
その代わり音の質感を良くしたり動きを多彩にして個性を出してます。
耳かきの時間が40分近く取られてますから癒しはもちろん、安眠のお供にも役立つでしょう。

「ふむ? どうした? 暖かい? ふふん 私の体温で暖まっていますからなー」
由紀についてはマイペースで思いやりのある女性に描かれてます。
寒がりでごろごろするのが好きだけど環境さえ整えば一生懸命取り組みます。
ちょっぴり子供っぽいしゃべり方からもリラックスしてるのが伝わってきます。
音の良さを活かした眠りやすいサービス
主人公が由紀の布団に入った直後にするのは手のマッサージ(約8分30秒)。
左手→右手の順にオイルを塗らず素手で優しく擦ります。

「指先も…小指から順番にっと」
そして開始直後から「すっさっ」という滑らかな摩擦音が前後に往復、あるいは引っ張るように動きます。
空気が乾燥してるからか動きに若干引っかかりがあるのがいいですね。
彼女の吐息が漏れる間隔も長めに取ってあって静かな時間がゆっくり流れます。

その次に始まる耳かきは38分間。
右耳→左耳の順にウェットティッシュで外側を、綿棒で穴の中を丁寧にお掃除し
最後に弱めの風圧で4回ほど息を吹きかけます。
体勢は膝枕ではなく横にしたまま彼女が左右に移動します。

ウェットティッシュは「すしゅー」というややしっとりした摩擦音
綿棒は「しゅるっ さすさす」と若干硬くてパチパチした音、とこちらも専用の効果音が用意されており
動くペース、ストロークの長さ、お世話する位置を小まめに切り替えながらじっくり進めます。
長時間聴いても耳や頭が痛くならないように力が抑えてありますし
マッサージと同じくセリフがほとんどないので横になって聴いたらそのまま寝てしまうほど癒やされます。

ただ今の作りでは通しで聴いた時に静か過ぎる気もしました。
何らかの環境音をバックで流したほうがより雰囲気が出ると思います。
例えば室温によって風量を自動調節するヒーターの音を使えば前半の右耳はまだ寒いから風量強め
後半の左耳はある程度暖まってきたから右耳よりも穏やかと環境音に変化をつけられます。
また音を通じて2人が寒い冬の日を一緒に過ごしてる季節感も出すことができます。

もちろん普通のヒーターやストーブを使っても随分変わるでしょう。
あるいは右耳と左耳で会話量やその話題に明確な違いを持たせるとかでしょうか。
効果音の品質はどれも良いのですが、もうひと工夫して欲しいというのが率直な感想です。

このように、主に音を使って癒しを与えるシンプルなサービスが繰り広げられてます。
静かな作品
冬の日のイメージにぴったりな落ち着いた雰囲気の作品です。

由紀は遊びに来てくれた主人公を満足させつつ暖を取ろうと
布団の中から動かず彼を逆に招待してあまり体を動かさずに済むご奉仕をします。
そしてその一部始終をほぼ音だけで表現し、癒しと眠気を与えます。

簡単な状況説明以外はほぼ効果音と吐息だけを鳴らす音特化の作り
会話やスキンシップなど幼馴染らしさを感じる2人の距離感。
最大の武器を活かしつつ多少のキャラ成分も盛り込んでゆっくり静かに進めます。

全年齢向けメインのサークルさんは効果音の平均レベルが高いのですが
空想科学研究所(SFL)さんはその中でも上位に位置する品質を持ってます。
特に綿棒は音の質感、動き、力の入れ具合がどれも優れてるし
聴いてて単調に感じないよう短い間隔でそれらや音を鳴らす位置を変化させます。
処女作の段階でこのレベルなら今後のご活躍が大いに期待できます。

音フェチの王道を歩んでる安眠に適した作品です。

CV:結崎有理さん
総時間 1:01:28

オススメ度
■■■■■■■■□□ 8点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は7点。
61分で300円とコスパがいいので+1してあります。

耳かき専門店 癒し処~琥福屋~

サークル「寧色屋」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、一年中花が咲いてる桜の木の近くにあるお店を舞台に
そこの店主がお花見しながら癒しのサービスを提供します。

サービス開始後はずっと囁き声で話しかけたり
会話よりも音の量を多くして頭を空っぽにしやすくするなど
癒しはもちろん、安眠のお供にも役立つ作りになってます。
綺麗な桜を眺めながら
癒し処 琥福屋(こうふくや)の店主「雪乃」がマッサージと耳かきをするお話。

「あら 珍しい お客様ですか?」
雪乃は素朴で穏やかな声の女の子。
一年中咲いてる桜を見に来た主人公に声をかけると
自分が営んでる琥福屋のことを教え案内します。

本作品は和服姿がよく似合う落ち着いた佇まいの彼女が
80分程度に渡って耳のマッサージ、耳かき、肩たたきをしながら色んなことを話します。
彼が桜を見に来た背景を踏まえてそれがよく見える部屋へと招き
そこでお茶を振る舞ってからサービスに取り掛かる純和風の物語です。

最大の特徴はどのパートもできるだけ静かにお世話すること。
耳のマッサージを始めたところから声が囁き声に変化し
さらに数分間は効果音だけを鳴らしてのんびりできる空間を作ります。

「お客様は あの桜の噂を聞いて ここへいらしたんですか?」
作品に関係のある話題を彼女が色々振ってきますが
それを終えたら無言の時間を作り音とセリフの両方を楽しめるようにしてます。
活動歴が割と長いサークルさんなだけあって
効果音の質感、位置、距離、動きのすべてにこだわりリアルな癒しを提供します。

それをわかりやすく物語ってるのが冒頭の抹茶を振る舞うシーン(約5分)。
挿し絵にも描かれてる茶碗にお茶を投入して湯を注ぎ
さらに茶筅で素早くかき混ぜる様子を音だけで表現します。
環境音が一切入ってないのがやや残念ですが、作品の魅力である和の情緒が十分に漂ってます。
素朴で温かみのある耳かき
3つあるコースのうちひとつを主人公に選んでもらった後、一番最初にするのは耳のマッサージ(約18分)。
雪乃の膝に仰向けで頭を乗せ、名物の桜を原料にしたオイルを右耳→左耳の順に塗り込みます。

マッサージは「すりゅー」という水気混じりの滑らかな摩擦音が使われており
耳全体をゆっくり撫でるように動きます。
音自体が高品質ですし、彼女の手が耳を覆うと軽い圧迫感もあってリアルです。
右は撫でるの繰り返してたのが、左に入ったら指圧を交えるなど動きも変化に富んでます。

「実はこの桜のオイルは 私の手作りなんです」
最中の会話は桜のことや肩こりに関する健康知識といった当たり障りもないものが中心。
効果音を無理なく楽しめるようひとつの話題を話し終えたら無言になるのを繰り返します。
初対面の相手に突っ込んだことを訊くのはよくないですし
店員として誠実に振る舞いながらお世話するのを心がけてます。

続く耳かきはおよそ47分間。
そのまま横を向いて左耳を上にしてから耳かき棒と梵天で丁寧にお掃除し、後半は同じ要領で右耳を綺麗にします。
耳に息を吹きかけることはありません。

耳かき棒の「ぷすっ ぽり」という乾いた軽い音が耳に心地よく
動きもゆっくり掻き出したり前後に往復させると多少の変化をつけてます。
穴の手前、奥といった位置の概念が薄く似たような音が流れ続けるのはもったいなく感じますが
音自体は素朴で優しさがあり安眠のお供に適してます。

時間は左右をほぼ半々に分けて
耳かき棒が約20分、梵天は4分と前者にかなり力を入れてます。
梵天も広くてふわふわしたリアルな音が使われてますし、安定感がある質の高い耳かきと言えます。

「そうですね 私は抹茶が好きです え? 喫茶店にもあるんですか?」
最中の雪乃はマッサージと同じく色んな話題を振ってきます。
喫茶店で抹茶が飲めるのを知らないところを見ると、あまり外出しない性分なのかもしれません。
琥福屋を開いた経緯にも触れたりと、物語をさらに掘り下げて深みを出してます。

左耳より右耳の会話量を減らしてるのは彼が眠そうだからでしょう。
会話で心をほぐしつつ、さり気ない気遣いをするあたりにプロらしさを感じます。
効果音だけが流れるひと時はとても静かで落ち着きました。

このように、ひとつひとつの時間を長めに取り丁寧に行う堅実なサービスが繰り広げられてます。
シンプルできめ細かな作品
個性よりも品質で勝負してる正統派の耳かき作品です。

雪乃は不思議な桜を見に来た主人公により良い思い出を残してもらおうと
すぐ近くにある琥福屋へ招待し、そこで耳に的を絞った癒しのサービスをします。
そしてその様子を音重視で表現したり、囁き声で語りかけて静かな印象を与えます。

着物姿の女の子が桜の見える部屋でお世話する純和風のシチュ
マッサージや耳かきを長くリアルに表現する癒しに適した作り
サービス開始後は囁き声で話し、さらにしゃべる時とそうでない時をはっきり分ける演出。
日本人が癒しや眠気を感じる要素を違和感なく組み合わせて物語を作り上げてます。

中でも効果音はサークルさんの強みにあたる部分なだけあって
音の質感や動きを優しいもので揃えて統一感を出してます。
やってる事は割と定番なんですけど、細かなところに工夫が見られて技術の高さが窺えます。
セリフと音の割合や配置もしっかりしていて安心して聴けました。

長時間の耳かきを楽しみたい人には特におすすめします。

CV:琥雪うずらさん
総時間 1:19:59

オススメ度
■■■■■■■■□□ 8点


体験版はこちらにあります

追記
2019年6月22日まで20%OFFの604円で販売されてます。
その場合の点数は9点です。

出張癒し専門店ターコイズ3本目ー姉襲来ー

サークル「Crescendo」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、面倒見がよく甘えられるのに弱いスキュラのお姉ちゃんが
妹の代わりに常連客の家へ出張し色んな癒しのサービスをします。

彼女の持ち味である触手と手を織り交ぜて全身をくまなくマッサージしたり
それに合わせて効果音の範囲が広く、動きが複雑になるなど
過去2作の特徴を継承しつつお姉ちゃんらしさを持たせた和やかな物語が楽しめます。
スキュラのお姉ちゃん登場
ラーラの姉ラーネがマッサージや耳かきをするお話。

「こんにちはー えーと 出張癒し専門店 ターコイズから来ましたー ラーラです」
ラーネはのんびり話す可愛い声の女の子。
ラーラになりきって主人公の家を訪れすぐバレると
中に入ってから事情を説明しサービスを始めます。

本作品は「出張癒し専門店ターコイズ」「出張癒し専門店ターコイズ2本目」に続くシリーズ第3弾。
上半身は人間の女性、下半身は多数の触手を持つスキュラの彼女が
急用で訪問できなくなった妹の代わりに110分程度の健全なご奉仕をします。

サービス自体は歯磨き、体のマッサージ、耳かき、シャンプーとスタンダードなものが多いのですが
それを彼女ならではのやり方で表現し個性を出してます。
主人公がターコイズの常連客なことさえ知ってれば今作から聴いても大丈夫です。

「ほら 私の足が お客様の背中と触れ合いながら 行ったり…来たりして」
具体的には状況に応じて手と足を使い分けたり組み合わせてお世話します。
例えばマッサージは対象となる範囲が広いから触手のほうが向いてますし
耳かきは器具を使うので手のほうが細かな動きができて安定します。
これらを同時に使って異なる音を鳴らすなど、人間による癒しとの違いを明確にしてあります。

実際に聴いてみると効果音の範囲が広く感じるでしょうね。
彼の全身を触手で包み込むサービスもあったりして面白いです。
新しく聴く人はもちろん、過去作のファンも楽しませることを意識して制作されてます。

「では早速…の前に お洋服ってそのままでするんですか?」
これらを行うラーネのキャラも本作品の魅力のひとつです。
ラーラと同じくちょっぴり抜けた部分を持ってる一方で
終盤の耳マッサージや耳かきではお姉ちゃんらしいところも見せてくれます。

彼女は普段別の仕事をしてるらしく、ターコイズの店員として働くのは今回が初めてです。
それを踏まえてラーラから渡されたメモに目を通したり
予定してたサービスとは別のことをする素人っぽいところがあります。
しかし自分の仕事に近いことをやる場合は慣れた手つきで積極的にサービスします。

「専門店と家庭の要素を併せ持つ作品」とでも言えばいいのでしょうか。
定められたことをやり遂げるよりも彼を癒やすことを大事にしてます。
各サービスで鳴る効果音のレベルも高く、シリーズの最新作として順当な進化を遂げてます。
癒しの音が盛りだくさんのサービス
ラーネが主人公の誤解を解き、いつもどおり風呂場へ移動した後にする最初のサービスは歯磨き(約14分)。
オイルマッサージをしようとしたところで彼の喉が腫れてることに気づき
最初は歯ブラシ、次は触手で歯と口内を綺麗にします。

「大丈夫ですって 洗いましたし 炎症を抑える粘液を出してるので すぐ治っちゃいますよ」
そして彼女は早速スキュラの特性を活かした手段でお世話します。
歯ブラシは「ぽり じょり」という粗さのある摩擦音を小刻みに鳴らしてたのが
触手に変わると一気に弾力のある音へと変化します。
また彼が不安を抱かないよう適度に説明を挟んで心もケアします。

奥と手前で効果音の質感がちゃんと変わりますから
今どのへんを磨いてるかが音だけでなんとなくわかるでしょう。
現実世界では難しい要素を含んでるからこそ音の質や扱い方に大変力を入れてます。

続く3パート42分間はマッサージ。
全身をパーツごとに、全身を一気に、耳だけに的を絞ってとスタイルを切り替え
いずれも触手を積極的に使って癒しと彼女にお世話されてる感覚を与えます。

全身のマッサージは音の範囲がポイント。
手でやる時よりも広く複雑な音を鳴らして触手で撫でられてる様子を表現します。
この要素はターコイズシリーズ固有のものなので
初めて聴いた人は普段の癒し系作品とは違った印象を抱くでしょう。

「頭部からだんだんと 下へと包み込んでいく感じで」
特に「4.足で包んでマッサージ」は頭部全体を何かで覆われてるような不思議な感覚がします。
強いて例えるなら薄い皮でしょうか。
音が鳴り続けてる間は軽い圧迫感もあって非常にリアルです。
過去2作でも好評だったものをさらに発展させてひとつのサービスにしてます。

それに対して「5.足で耳のマッサージ」は深さや近さが魅力。
耳かきをする前の準備として耳の内外を片方ずつ→両方同時の順にマッサージし
最後のほうには鼓膜近くまで滑り込ませて微弱な刺激を送ります。

「ふふっ すごく愛らしい 足で吸い付きたくなっちゃう」
聴いた感じだと耳をローションつきの指で撫でられるのに近い音でした。
穴の奥へ進むほど低く鈍くなる繊細な音使いが光ります。
すっかりダメになってる彼を嬉しそうな表情を見守る姿も慈愛に満ちており
初対面の2人がサービスを通じてだんだん仲良くなってるのがわかります。

単体で最も長いのはその後から始まる耳かき(約25分)。
膝枕の状態で右耳→左耳の順に綿棒と梵天を使ってお掃除し
最後に弱めの風圧で2回ほど息を吹きかけます。

綿棒は「ぞすぞす」という柔らかくて滑らかな音で耳の壁を擦る
梵天は「さすさず」というふんわりした音で回転させたり素早く掻き出す、といったように
器具の特徴を活かした自然な音と動きで癒しを与えます。
これまでとは違い触手を使わないので静かに感じるでしょう。
ネタ系の作品にならないようここできっちりバランスを取ってます。

「もっとぉって顔されると うーん 終わらなくなっちゃいます (嬉しそうに)お姉ちゃんを困らせないでください」
またこのパートからは彼が甘え、彼女が甘やかす構図が鮮明になります。
彼女はお姉ちゃんですから頼られるのに弱いのでしょう。
妹の代わりとして始めたのになんだかんだでハマっていく展開が面白いです。
ラーラとは違う魅力を持たせてキャラを引き立ててます。

このように、リアルかつ多彩な音を駆使した和やかなサービスが繰り広げられてます。
安心して聴ける作品
お姉ちゃんが優しい言葉をかけながら全身をケアする癒しのパワーが強い作品です。

ラーネは主人公から指名されたのに行けなくなったラーラの代わりを務めようと
予め手渡されたメモに沿ってサービスを進め、その中に触手を織り交ぜ幅広くお世話します。
そしてある程度経つとその面白さに気づき彼をもっと甘やかそうとします。

多数の触手を持つスキュラの姉が人間の男性を癒やす変わったシチュ
手と足を個別に、あるいは同時に扱う変化に富んだサービス。
そのほぼすべてを効果音で忠実に表現するASMR色の強い作り。
シリーズの良い部分を残しつつ新しいものを盛り込みパワーアップさせてます。

「足で体を洗って 手で髪の毛をーって感じで役割分担すれば 一緒にできますから」
中でも2番目の要素は癒し系作品が数多く出てる現在でも他に見られないものです。
実際に聴いてて騒がしく感じないのは音の調和に気を遣ってるからなのでしょう。
位置や距離の設定もバッチリですし、音に強いサークルさんの持ち味が遺憾なく発揮されてます。

およそ112分で価格が324円とコスパも文句なし。
以上を踏まえてサークルさんでは5本目の満点とさせていただきました。

CV:みもりあいのさん
総時間 1:51:44

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

耳かき旅館 猫屋敷 ~子子その2~

サークル「耳かき工房」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、温泉街にある旅館で働いてる上品な女性が
ここを再び訪れた男性を様々なサービスで癒します。

会話は必要最低限に抑え、その代わりリアルな音をたっぷり鳴らすのが特徴で
序盤は足や肩、中盤以降は耳とお世話する部位を変えながら
それぞれに合ったリアルな音を適度に変化させて落ち着ける空間を作り上げます。

販売ページのジャンルタグに「催眠音声」が入ってますが
催眠音声ではありませんのでご注意ください。
秋の日を2人でのんびりと
耳かき旅館 猫屋敷の店員「子子(ねね)」が健全なお世話をするお話。

「あっ お久しぶりでございます 耳かき旅館 猫屋敷に二度もお越しいただきありがとうございます」
子子は甘くしっとりした声のお姉さん。
旅館を再度訪れた主人公を嬉しそうに迎えると
館内を回ると言う彼に簡単な説明をしてひとまず別れます。

本作品は2018年9月に発売された「耳かき旅館 猫屋敷 ~子子~」の続編。
前回のサービスが気に入ったのか、この地を再び訪れた彼を癒そうと
彼女が90分程度の時間を使って合計7種類のサービスをします。
耳に特化した構成だった前作とは違い、今作は足湯や爪切りといった耳以外のケアも合わせて行います。
ストーリーや込み入った背景はないので前作を未視聴でも大丈夫です。

最大の魅力は音を主役に据えて物語を進めること。
どのパートも会話より音の比重を高くし、状況に合ったリアルな音を通じて癒しを与えます。
セリフは状況説明や小話といった軽いものがほとんどで
しかも音の合間に一言二言話す程度と必要最低限に抑えられてます。

例えば挨拶を終えた直後に彼が1人で自室に移動するシーンがあるのですが
そこはセリフをまったく入れず足音と環境音だけで表現してます。
サークルさんが自然公園に出向いて録音されただけあって静けさや落ち着きを感じました。
秋らしさを演出するためにゆっくりのんびり音を鳴らしますから
聴いてる最中は普段よりも時間の流れが緩やかに感じるでしょう。

ASMR(音フェチ)が好きな人にはかなり向いてます。
セリフを挟まなくても簡単にイメージできるくらい音の質と動きがハイレベルです。
音が織りなす癒しの空間
主人公が「竹の間」と呼ばれる部屋に移動した後、最初にするのは足湯(約20分)。
部屋に備え付けられてる湯船に足を浸したまま
子子が足と肩のマッサージや爪切りをします。

開始と同時にちゃぷちゃぷとお湯の揺れる音が適度な間隔で鳴り始め
ジェルスクラブで左右の足を交互に優しく擦る、両肩を撫でたり指圧する
右→左の順にパチンという軽快な音を鳴らし最後にヤスリをかけるといった行為をほぼ音だけでお届けします。

「こちらのお湯は アルカリ性の単純温泉となっていて お肌に優しく リラックス効果も期待できます」
最中のセリフはこれから何をするかや簡単な説明くらいで
それ以外は「んっ」などの小さな掛け声を漏らす程度に留まってます。
ここまでセリフを削ってるのは音に相当な自信があるからでしょう。
実際のところ現在活動されてるサークルさんの中でも上位に位置する品質を持ってます。

肩のマッサージをする際にわざと拳で叩かないのが印象的でした。
本作品は秋らしさを大事にしてるのであまり激しい音を鳴らさないよう心がけてます。
拳で叩く音は刺激的な反面、静けさを壊す可能性があるからこうしたのではないかなと。
音、セリフ、間をすべて優しいもので揃えて作品に統一感を持たせてます。

続く4パート61分間は耳に的を絞ったサービス。
夕食を挟んでから両耳を指でゆっくり引っ張り、カミソリのような器具を使って産毛を取り除き
膝枕の状態で左右の耳を耳かき棒と梵天で掃除して内外を綺麗にします。
仕上げの息吹きはどちらも弱めの風圧で8回程度行います。

耳マッサージは弾力のある摩擦音を内から外へ引っ張るように
産毛剃りは「じょりっ」という尖った音が一方向に何度もスライドするように
耳かき棒は「ぞしゅっ」という若干硬さのある平べったい音を手前と奥で動きを変えながら、と
ここも作品の強みであるリアルかつ多彩な音が登場します。

「うふふっ 前回 気持ちよく思っていただけたみたいで 何よりです」
特に産毛剃りは前作でも好評だったサービスということで14分も用意し
電動ではなく手動にしてじっくり聴けるようにしてあります。
わざと手間をかけることで静けさを維持するあたりがすごく本作品らしいなと。
聴き手が頭を空っぽにできる時間が長ければそれだけ癒しも強くなります。

「すぐ近くに流れる猫川で 真っ赤な紅葉が ゆらゆら ゆらゆら」
他には耳かきパートの中盤で催眠暗示っぽいセリフがほんの少し登場します。
このへんが「催眠音声」タグをつけた理由なのかなと。
彼女に催眠をかける意図がなく、これといった技術も使われてないことから
この音声を聴いて催眠状態になる可能性は皆無と見てます。

このように、様々な音を上手に組み合わせたゆるーいサービスが繰り広げられてます。
静かな作品
旅館でまったり過ごしてる様子を疑似体験できる作品です。

子子は猫屋敷を再び利用してくれた主人公に癒やされるひと時を提供しようと
午後から夕方あたりに渡って秋らしさを感じる静かなサービスを行います。
そしてこれらの多くを言葉ではなく音で表現して作品の世界にゆっくり引き込みます。

上品で落ち着いた女性が2人きりで健全なお世話をする穏やかなシチュ
セリフよりも音の量を多くし、状況に応じて動きも変えてお届けする音重視の作り
足湯に浸かりながら足、肩、爪をケアする序盤シーン。
前作の長所を継承しつつ新しいことにも挑戦してます。

ASMRは全年齢向けを中心に最近流行ってるジャンルで競争も激化してます。
そんな背景を踏まえて変わり種を投入するサークルさんも中にはいらっしゃるのですが
耳かき工房さんの場合はほぼ王道路線を貫き質で勝負してます。
これだけ良い音を作られてるなら私もその方針が正しいと思います。

音質が凄いのに加えて動きにかなりこだわってます。
同じサービスでもシーンによって音の位置、距離、ペースが変わって本当にリアルです。
サービスの種類が多めなのに慌ただしさを感じないのはどのパートもゆとりを持たせてるからでしょう。
音ごとの間隔を長めに取って丁寧に鳴らすから環境音とも違和感なく共存できてます。

声や言葉よりも音を楽しみたい人には強くおすすめします。

CV:たまこさん
総時間 1:34:54

オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

追記
2019年5月13日まで50%OFFの162円で販売されてます。
その場合の点数は10点です。

コトネと休日【耳かき、ASMR】

サークル「バイノーラル6音」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、お兄ちゃんのことが大好きな甘えん坊の妹が
寒い日に2人で神社へお参りしたり自宅でまったり耳かきします。

会話よりも音をたっぷり聞かせる音フェチ(ASMR)系の作りになっており
サービスはもちろん、細かな動作にまで専用の音を用意し
説明のセリフを省く代わりにそれらを組み合わせてリアルに表現します。
寒い日をお兄ちゃんと暖かく
妹のコトネと神社へ行ったり家で寛ぐお話。

「だーれだっ えへへ ただいま お兄ちゃん」
コトネは明るくて優しい声の女の子。
とある冬の日、帰宅してお兄ちゃんに軽い悪戯をすると
上着のチャックを外してもらってからこたつに入って温まります。

本作品は正月明けの寒い時期を舞台に
彼女と2人きりで神社へお参りしたり、自宅で耳かきや添い寝をする様子を彼の視点で楽しみます。
挿し絵の通り彼女がまだ幼いことを踏まえて専門店のような本格的なサービスはせず
肉親特有の優しさやまったり感といった家庭らしさを伝えて癒します。

バイノーラル6音さんと言えば音の質が高いことで有名なサークルさんです。
本作品もその例に漏れず、ほぼ全編でリアルな音を上手に鳴らして臨場感を出します。

例えば冒頭の「だーれだ?」パートには彼女が袋入りのコーンスープを作るシーンがありまして
そこでは後ろのほうから必要な物を取る音、ヤカンに水を入れる音
火にかけて沸騰させる音などを組み合わせて一部始終を表現します。
他にも鳥の鳴き声、自動販売機の稼働音といった環境音も取り揃えて2人がいる場所の違いを出します。

神社から帰った後は効果音、環境音、吐息だけが流れる時間を長く取ってありますから
純粋な癒しはもちろん、寝る際のお供としても役立ってくれるでしょう。
冬から連想される静けさを壊さないよう優しい音を鳴らすことが多いです。

「コトネ まだ今年お参りしてないから 連れてってよ お兄ちゃん」
コトネについてはお兄ちゃん離れがまだできてない純真なキャラ。
寒がる彼を神社へ連れて行く際におんぶしてもらったり
そのままおしるこの缶を買ってもらうなど色んなおねだりをします。
そして帰宅後はその恩返しと言わんばかりに癒しのサービスをして寝かしつけます。

耳かきや添い寝をするのも結局は彼と一緒にいるための口実作りなのかもしれません。
18禁作品に見られる恋愛感情ではなく、妹として素直に慕う可愛い姿を見せてくれます。
様々な音が織りなす癒しの空間
コーンスープを飲んで体を温めた後にするのは神社へのお参り(約10分)。
家を出てから車が結構通ってる道路を歩き、途中にある自動販売機でおしるこの缶を買います。
そしてトンネルと思しき場所を通過し神社に到着後は賽銭を投げ入れてお祈りします。

「冬の匂いって言って わかる? なんだろうね この匂い 寒い匂いというか 雪の匂いかな?」
本作品はASMR系なので「今~にいる」などのセリフはほとんど言いません。
2人が移動してるのがわかるように効果音や環境音をリアルタイムで変化させます。
自販機に近づくにつれて稼働音が大きくなったり
トンネルを歩く時だけ足音や声が反響するなど細かな演出がされてて本当にリアルです。

音質も全部本物を録音したとしか思えないほど良いものばかりでした。
「2人で歩く」という何気ない行為をサークルさんらしいやり方でひとつのサービスに仕立て上げてます。

続く2パート52分間はよりASMR度が増すシーン。
「どっちのが気持ちい?」は綿棒とマスカラブラシを使ってゆっくり耳かきし(約31分)
「ASMRしたげる!」は左右の耳元で泡の音や炭酸の弾ける音を鳴らして爽快感を与えます(約21分)。

耳かきは膝枕の状態で左耳→右耳の順に行い
綿棒は「じりゅー ずじっ」という滑らかでパチパチした音
マスカラブラシは「ぐりゅぐりゅ」という弾力のあるブラシ音を
いずれも耳の壁をゆっくり撫でる感じに動かします。
そして最後に弱めの風圧で3回ほど息を吹きかけます。

「もうほとんど耳垢取れてるから マッサージしてくようにするね」
このパートで面白い音はやはりマスカラブラシでしょう。
耳の掃除は綿棒でほぼ済ませてあるのでマッサージ寄りに使います。
割と刺激的な音なんだけど長く聴いても頭が痛くならない程度に抑えられてて良かったです。
コトネの年齢や経験に合わせてシンプルさを大事にしながら音を楽しませてくれます。

それに対して「ASMRしたげる!」はパート名からもわかるように
心地いい音を鳴らし続ける純粋なASMRを提供します。
最初の13分間は手についた泡をわしゃわしゃさせたり彼の耳に塗る
残りの8分間はコップに炭酸水を注ぎ左右に1個ずつ置く、と爽快感を意識した音で統一してます。

「ASMRって あんましゃべったりしないんだっけ」
音を楽しみやすいよう敢えて黙るところに彼女の優しさを感じました。
神社へお参りに行くシーンまでは割と色々しゃべってたので、それとのメリハリも出てます。
自分の願いを聞いてもらった後はきっちり返す仲の良い兄妹です。

このように、最大の武器である音をふんだんに使った質の高いサービスが繰り広げられてます。
音に包まれる作品
声よりも音で癒やす素朴な作品です。

コトネはこのところあまり構ってくれないお兄ちゃんと一緒の時間を過ごそうと
神社に出かけたり家で耳かきや音を鳴らしながら体を密着させます。
そしてこれらの様子を主に音で表現してその場にいる気分に浸らせます。

可愛くて甘えん坊な妹と冬の日をのんびり過ごす温かいシチュ
リアルな音を数多く組み合わせたASMR系の作り
最中に交わされる彼女との何気ない会話。
家族との日常をありのままに描いた自然な物語をお届けします。

中でも音は現在活動されてる癒し系サークルさんの中でも上位に位置する品質を持ってます。
音質が良いのに加えて扱い方が上手なので臨場感が高いです。
家に帰ってからの2パートは音自体に個性を持たせ、さらに量を多めにして聴き手を満足させます。

「コトネのASMR 良かった かな?」
コトネについては音に比べれば存在感は薄いですけど
彼と一緒にいることに幸せを感じてる気持ちがセリフに込められてて別の癒しを持ってます。
説明的なセリフが少なく会話が自然なのも大きいです。
キャラとサービスの親和性が高いおかげで彼女がすぐそばにいる感覚がしました。

CV:棗いつきさん
総時間 1:12:29

オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

追記
2019年4月28日まで35%OFFの491円で販売されてます。

ひなちゃんのすっきりコースーヒーリングサロンシエルー

サークル「Crescendo」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、のほほんとしてるけど腕は確かな店員さんが
常連客に4種類のサービスをして頭、手、耳を癒します。

リアルかつ多彩な音を鳴らしながら色んな会話をするバランスの良さが魅力で
サービスはもちろん、それ以外の細かな動作にも専用の音を用意し
店員と友達の中間あたりの距離感であれこれ話しかけて心の中もケアします。
常連客への温かいサービス
ヒーリングサロン シエルの店員「黒瀬ひな」からサービスを受けるお話。

「まぁまぁ店長 予約できない時もありますよ」
ひなは甘く可愛い声の女の子。
来店後にお気に入りの店員「朝霧代菜」が外出中なことを聞いた主人公に声をかけると
自分が代わりにサービスすると志願し、まずはコースを決めてもらいます。

本作品はサークルさんの人気シリーズ第四弾。
予約を取ってないせいで代菜を指名できなかった彼を癒やすために
彼女が2時間近くに渡って合計4種類のサービスをします。
ヘッドマッサージ、ハンドケア、シャンプー&トリートメント、耳かきとパートごとに異なるものを用意し
その多くを主に音で表現するASMR(音フェチ)系の作りになってます。

Crescendoさんは有料での活動は間もなく1年になる新しいサークルさんですが
効果音の質感や使い方に関しては大手に並ぶものを既に持ってます。
メインのサービスはもちろん、細かな動作に至るまで専用の音が入ってますから
音声を聴いてるだけでお店にいるような感覚が自然と湧いてきます。

本作品のタイトルを見て2018年6月に発売された
ヒーリングサロンシエルーすっきりコースー」を思い出す人もいるでしょう。
確かに両者は同じコース名で大筋の流れも一緒です。
しかし代菜からひなに担当者が変わったこと以外にも様々な違いが見られます。

「ん? 何の音だろう? プログラムは あ、温泉か」
まずコースを決めて部屋に移動した直後から流れ始める環境音が
波の音ではなく温泉の湧き出す音になってます。
ごぽごぽ、ぶくぶくという涼やかな音がコース名の「すっきり」にマッチしており
純粋な癒しに加えて現実世界の雑音をかき消す効果ももたらします。

サービスについてもシャンプーのついでにやってた手のケアを独立させたり
炭酸の使い方や耳かきで使用する器具を別のものにするなど
あちらを既に聴いてる人でも満足できるように様々な工夫がされてます。
ASMR作品が好きな人ならもうその時点で満足できると言い切れるくらいに優れてます。

「なんだか 生クリームをデコレーションしてるみたいで 名前も美味しそうです あ、食べたりはしませんので ご安心くださいね」
これらを行うひなのキャラも大きな魅力。
プロらしい流れるような手つきでお世話しながらのほほんとした声と口調で語りかけます。
主人公がお店の常連客ということで堅苦しいやり取りは排除し
何をするか、してるか説明しながら時折ちょっぴり間の抜けたことを話します。

作中で彼女自身も言ってるのですが、今回のサービスは単に体を綺麗にするだけでなく
心を温めたりリフレッシュさせることも見据えて行います。
そんな状況で堅苦しく接したらおかしいですから彼女もできるだけフレンドリーな態度を取ります。
サービスの種類が多彩なのでASMR作品にしては会話量が多めです。

リアルでバリエーション豊富な音と彼女の愛らしいキャラ。
音声作品を構成する「音」と「声」の両方から癒やす完成度の高い作品です。
専門店らしい心の行き届いたサービス
2人が施術室に移動した直後にする最初のサービスはヘッドマッサージ(約21分)。
専用の椅子に座った主人公の髪を前半は櫛でとかしてからオイルを塗り込み
後半は炭酸をムース状にして頭部全体にまぶし頭皮の汚れを落とします。

そして本作品の醍醐味であるリアルな音が早速活躍します。
オイルで揉む時は「しゅくっ」というややざらつきのある摩擦音が位置と動きを小まめに変え
後になるほど徐々に力を入れていき、それに合わせて音の粗さが若干変化します。

また炭酸を使う時はよくあるしゅわしゅわ、パチパチした音ではなく
シャンプーの泡を頭に乗せていくような柔らかい音が鳴ります。
炭酸をこういうふうに使ってる作品を私は初めて聴きました。
バックで流れ続ける温泉の音も相まってこのパートだけでもかなり癒やされます。

「どうでしょう? 私の手がこうして触れているところから ぽかぽか温かくなってきませんか?」
最中の会話はイメージ力を高める実況のセリフに
彼を気遣ったり彼女の趣味であるお菓子作りの話を交えて和やかさを出します。
あまり話しすぎると音の良さが活かせないだろうということで
セリフごとの間隔を長めに取って両方をバランスよく楽しめるようにしてました。

続く「ネイルケア・ハンドマッサージ」は手に的を絞ったサービス(約22分)。
左手→右手の順にお湯で浸して爪を柔らかくしてから爪切りで短くし
さらにエメリーボードと呼ばれるヤスリをかけて形を整えます。
そして後半はクレイを手に塗り込んで全体の汚れや疲れを取り除きます。

「私 一人でいるのが苦手で こうやって仕事で 人と触れ合えるのが すごく幸せなんです」
パチンパチンとリズミカルに鳴る爪切り、ぞりぞりと素早く往復させるエメリーボード
若干ざらざらした水音をゆっくり鳴らすクレイマッサージと
シーンごとにまったく違う音を用意し、それらを組み合わせてお世話の様子をわかりやすく表現します。
これらを楽しそうに行う彼女の表情にも多くの人が癒しを感じるでしょう。

最も長いパートは最後の耳かき(約29分)。
シャンプーやトリートメントで今度は髪を綺麗にした後
座ってる彼の周りを彼女が移動するスタイルで左耳→右耳の順にお掃除します。

「たびたび道具が違うのは お客様に合わせた耳かきをしているからなんです」
彼の耳の中がそこまで汚れてないことを考慮して
最初は粘着効果のある綿棒を使って耳垢を丁寧に取り除き
それから普通の綿棒に切り替えて穴の中全体をマッサージします。
そして最後は梵天と息吹きで細かい汚れを掻き出します。

同じ綿棒でも粘着と通常では音の質感に大きな違いがあって面白いです。
器具によって動きやリズムもちゃんと変わりますし、お客の目線に立った良質な耳かきと言えます。
彼がうとうとしてたからか、他のパートよりもセリフを少なめにしてあって静けさも感じました。

このように、作品が持つ良い部分をそのまま活用したきめ細かいサービスが繰り広げられてます。
すっきりする作品
心の内側から浄化してくれる大変優れた作品です。

ひなは代菜目当てで来店した主人公を満足させようと
店員と友達の中間くらいの距離感で接しながらコースに合った様々なサービスをします。
そしてその様子を効果音で表現しつつ、合間合間に彼女の会話を挟んで体の外と内から温めます。

専門店の店員がじっくり時間をかけて頭、手、耳を個別にケアする癒されるシチュ
最高クラスの音をふんだんに盛り込み的確なお世話をする音フェチ系のサービス
実況を交えながら時折ちょっぴり間の抜けたことを話す彼女ののほほんとしたキャラ。
ASMRでありながらキャラにも十分に光を当てた作品に仕上げてます。

中でも音は現在活動されてるサークルさんの中でも確実に上位に位置する品質を持ってます。
質感、位置、距離、リズム、タイミングなどあらゆる部分が練りに練られていてため息が出ました。
ここまで完璧に音を扱えてるサークルさんはなかなかいません。
定番のサービスに捻りを加えて個性を出すなど、さらに向上しようとする意気込みも見られます。

「あれ…なかなか開かない んっ んーー あっ、開いた開いた」
ひなについてはサービスに直接影響を与えない部分で茶目っ気を出してます。
腕は確かなんだけどちょっぴり気が抜けてるところもあるのが
良い意味で店員らしくなくて面白いです。
そんな彼女の表情や仕草も作品に温かい空気を送り込んでます。

154分ものボリュームで価格が324円とコスパも驚異的。
以上を踏まえてサークルさんでは4本目の満点とさせていただきました。
番外編は店長のサービスです。

CV:黒瀬ひな…小山ハルさん 店長…いたちゆーとさん
総時間 2:34:40(本編…1:56:10 番外編…38:30)

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

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