同人音声の部屋

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カテゴリ:同人音声 > 全年齢向け

   ● ぐっすり眠れる耳かきボイスθ
   ● 珈琲店 喫茶綴
   ● イヤートリートメントサロン・オレイユ ~藤咲編~
   ● ビャクといっしょに
   ● ぐっすり眠れる耳かきボイスβ
   ● 癒音らびりんす~三日月麻衣と雨音の祈り~
   ● 癒しガール -ruriko-
   ● 雨の日の耳かき店 雫庵
   ● ムギュっと咲樂子さん!恋するひとつ軒の下
   ● 【耳かき・シャンプー】りりふれ chapter:まゆさん襲来【ハイレゾ96khz同梱】


ぐっすり眠れる耳かきボイスθ

サークル「チームランドセル」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、1歳違いで友人よりもずっと深い関係にある二人の女の子が
散髪や耳かきをしたり一緒のベッドで寝て幸せなひと時を過ごします。

アンビエントBGMと効果音を組み合わせた独特なサービスが行われており
シーンによって曲調を切り替えながらリアルな音を鳴らして臨場感と癒しを与えます。
最中に交わされる百合成分強めの会話も大きな魅力です。
癒しの音楽に包まれて
水那(みな)と心陽(こはる)がイチャイチャするお話。

「あ、はるちゃん 起きちゃった?」
水那は素朴で甘い声のお姉さん。
親しい間柄にある心陽を起こさないようにお店で髪を切ってると
目覚めた彼女に百合っぽいことを言って軽くからかいます。

本作品は大きく2つのパートに分かれており
水那Partは親が美容師で自分もそれを目指し専門学校に通ってる水那が
間もなく大学受験を迎える1歳下の心陽に散髪と耳かきをします。
もうひとつの心陽Partはそのまま水那の家にお泊りし、一緒のベッドで会話してから眠りにつきます。
パートごとに話し手が切り替わる作りになってるので二人が掛け合うことはありません。

「ぐっすり眠れる耳かきボイス」の名の通り安眠効果が強く
特に多くのシーンで流れ続けるアンビエントBGMが大きく貢献しています。
前作「ぐっすり眠れる耳かきボイスβ」では舞台が三途の川ということでおどろおどろしさを感じるものだったのですが
今作では物語に合わせてゆったりした温かみを感じるものに揃えてます。
音声作品でこの要素を使ってるサークルさんはほとんどいませんし、間違いなく最大の個性と言えます。

本作品の良さはもちろんそれだけではありません。
散髪シーンでは「ざしゅっ」という小気味いいハサミの音が位置や距離を小まめに変えながら鳴り
耳かきも使用する器具の質感に合った音と動きをします。

アンビエントBGMと効果音のバランスに気を遣った親和性の高いサービスをしていてレベルが高いです。
二人がしゃべらず音だけが流れる時間もそれなりに取られてますから
音フェチ(ASMR)系の作品が好きな人も十分に楽しめます。

水那「私の前で寝てるはるちゃんを見てるとね 可愛いから ちょっと悪戯したくなっちゃう」
心陽「嬉しかったなぁ 好きな人に髪を切ってもらうのって こんなに幸せなんだって思ったよ」
もうひとつ、最中に交わされる百合会話も大きな魅力です。
全年齢向けなのでそこまで踏み込んだことは言わないものの
お互いのことを「好き」と言ったり、体を密着させた際に恥ずかしがるなど
相手を友達よりも恋愛対象と認識してるふうに見える描写がいくつも登場します。

しばらく話し、しばらく黙るのを繰り返す流れなのでASMRと共存できてますし
何よりセリフの内容がどれも甘くて聴いてるこっちがムズムズしてきます。
明らかに相思相愛なんだけど最後の一線を踏み出せずにいる感じですね。
付き合いはそれほど長くないそうですが、セリフの端々から絆の強さが自然と伝わってきていい雰囲気ができてます。

シーンに合わせて変化するアンビエントBGM、音と動きの両方にこだわった効果音、そしてイチャラブ成分の強いセリフ。
色んな方向から癒しを注入してくれる総合力の高い作品です。
思いやりに満ちたサービス
前半にあたる水那Partはおよそ34分間。
挨拶などの前置きは省略して髪を切ってるシーンから始まり
一通り終わった後は椅子に座ったまま耳かきに移ります。
水那視点のお話なのでセリフを言うのは彼女だけです。

美容師の卵なだけあってハサミ捌きに不安や緊張は特に見られず
もみあげのあたりをお世話する際は耳に軽い刺激も伝わってきてかなりリアルです。
切るスピードや大きさも目まぐるしく変化しますし、効果音だけでも十分な癒しが得られます。

「うん 可愛い子だった なんか 前から学校とかで見かけたことがあったらしくて ずっと好きだったんだって」
「私も今こんな風に はるちゃんを独り占めできてて 嬉しいな」

そして水那のセリフが散髪に彩りを与えます。
友人に頼まれてその妹と会い交際を迫られたことを話したり、焼きもちを焼く心陽に自分の気持ちを素直に漏らすなど
特別な感情を抱くもの同士だからこそできる踏み込んだ会話が多いです。

前項で書いた通りASMRの側面も持ってるので時間に対するセリフの量は少なめですが
ひとつひとつの濃度が高く、お互いがお互いを思いやってるのがわかります。
傍から見て恥ずかしいと思うセリフを公然と言えるところに仲の良さを感じました。

続く耳かきは綿棒だけを使って右耳→左耳の順にお掃除します。
「ずりっ ぷすっ」という乾いた引っ掛かりのある音が軸を中心にゆっくり回転したり手前と奥を往復します。
両耳合わせて12分程度しかない関係で多少物足りなくも感じますが品質は高めです。

後半の心陽Partは42分間。
水那に誘われて彼女の家に泊まることになった心陽が
一緒のベッドで体を密着させながら羊を数えたり安らかな寝息を立てます。
前のパートの終盤から雨が降り始めたのを受けてほぼずっと雨音がバックで流れ続けます。

「今みたいに抱き合ってる姿想像したりすると なんだか心が温かくなってね でも私だけが水那ちゃんに癒されてばっかりじゃ申し訳ないから 私も何かしてあげたい」
心陽は優しくて純粋な女の子。
色んなことをしてくれた水那に対する感謝の気持ちを自分なりのやり方で伝えます。
水那に求められてちょっぴり戸惑いつつ正面から抱き合う姿や
眠そうな声で羊を1匹ずつゆっくり数えていく姿に水那への思いやりがよく現れてます。

そして一人でも多くの聴き手がそのまま安眠できるように無言の時間が長めに取られてます。
アンビエントBGM、雨音、心陽の吐息や寝息だけが流れる時間はとても静かで落ち着いており
心の通じ合った女の子同士が体を寄せ合って寝るシチュにも癒されます。

終盤には目覚めた心陽が心温まる独り言を漏らしますし
何かひとつの要素ではなく全体で癒そうとする姿勢が見られます。
このように、音楽やセリフで個性を持たせたシンプルなサービスが繰り広げられてます。
百合百合したASMR作品
特別な関係にある女性たちがイチャイチャする様子をリアルに描いた作品です。

水那は以前家庭教師として自分の勉強を教えてくれた心陽の受験勉強を応援しようと
現在腕を磨いてる散髪と簡単な耳かきで頭と耳をスッキリさせます。
そして心陽はその気持ちに報いようと体の温もりと羊数えで水那を安眠に導きます。

シーンによって曲調が変化するアンビエントBGM、サービス中に鳴るリアルな効果音
そして女性同士の恋愛を感じさせるセリフの数々。
音楽や音を大事にしつつ二人の関係も活かしたサービスが味わえます。

アンビエントBGMは言葉で説明しにくい部分があるのであまり細かく書きませんでしたが
最初から最後まで垂れ流すのではなく、二人の会話に合わせて中断や再開を繰り返す凝った演出がされてます。
ピアノやギターを基調にした穏やかなもの、神秘的なもの、多少おどろおどろしいものなどを
効果音とセリフの邪魔にならない音量に抑えて流します。

個人的に最も面白いと感じたのは聴き手の立ち位置です。
百合っぽさをほぼ出してなかった前作とは違って今作はどちらのパートも主人公を女性に設定し
「可愛い」「好き」といった好意を感じる言葉を適度な分量でお互いに投げかけます。
そして聴き手は二人が仲良くする様子を見守る役にまわります。

男性の場合主人公=聴き手にならないので作中のキャラになりきる楽しさは薄くなってますが
彼女たちのやり取りをニヤニヤしながら鑑賞する別の楽しさがあります。
音による癒しも十分得られますし、音声作品としての完成度は高いです。

音楽はもちろん、それ以外の部分にも光るものを持ってる作品です。

CV:水那…七瀬真結さん 心陽…笹原ぽたこさん
総時間 1:16:56

オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

追記
2017年10月15日まで3割引の490円で販売されてます。
その場合の点数は10点です。

珈琲店 喫茶綴

サークル「喫茶綴」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介するサークルさんの処女作は、完全予約制の変わった喫茶店を舞台に
女の子の店員が様々なコーヒーやケーキを振舞います。

コーヒー製作の一部始終をリアルな音で表現したり、その合間に彼女が新人らしい仕草や反応を見せるなど
音フェチ(ASMR)要素とキャラの両方を大事にした癒しのサービスが味わえます。
二人きりの喫茶店で
喫茶綴の店員「綴このか(つづり このか)」にコーヒーを淹れてもらうお話。

「いらっしゃいませ 喫茶綴へようこそ」
このかは柔らかくて落ち着いた声のお姉さん。
喫茶綴を訪れた主人公に水を出してから挨拶すると
本当に自分が担当でいいのか再度確認します。

本作品は完全予約制、しかも一度の来店で入れるのは一人というこだわりの喫茶店を舞台に
彼女がおよそ1時間に渡ってコーヒーを作ったり色んな会話をします。

音声作品はこのところ全年齢向けを中心に音フェチ系の作品が増えてますが
その多くは耳かきやマッサージといったお客を直接癒すサービスを行います。
しかし本作品ではそういったものを敢えて避け、コーヒー製作の途中で生まれる音を通じて癒しを与えます。
似たことをする作品は私の知る限り今のところ「道草屋 はこべら-移動珈琲店/よるの動物さん」のみです。

あまり聴かないタイプの音が中心になってますから新鮮な気持ちで音声を楽しめるでしょう。
声は通常録音ですが効果音はバイノーラル録音ということで質感もかなりリアルです。
また3杯作る中で使用する器具を一部変え、音の違いを楽しんでもらう試みもされてます。

「早速ですが ご注文はいかがなさいますか? …そうだった メニューを説明しないと」
もうひとつのポイントはこのかのキャラ。
お店に立ってお客の相手をするのは初めてなこともあり
サービスの最中に軽いミスをしたり慌てふためくシーンがいくつかあります。

知識や技術は十分あるのだけどメンタル面で多少不安な部分を見せる感じです。
落ち着いた声とはやや違う子供っぽい表情も彼女の魅力を引き立ててます。
音と会話が織り成す癒しのひと時
お店のシステムやメニューの説明を終えた後に始まる「珈琲の時間」は1杯目のコーヒー作り(約17分間)。
金属製の容器に水を入れて火をつけ、沸騰するまでの間にコーヒー豆の種類や分量を決め
手動のコーヒーミルで豆を挽き、お湯をポットに数回注いで温度を下げてから
粉状になったコーヒーをフィルターに置き、軽く蒸らした後にお湯を注ぎます。

水やお湯を注ぐ音はもちろん、コーヒー豆を瓶から取り出す時に蓋を回す音
豆を取り出す音やミルで挽く音などすべての動作を音でリアルに表現します。
今回はブレンドコーヒーということで豆を取り出す動作は3回あります。

「ハンドル越しにコーヒー豆の感触が伝わりますから コーヒー豆の状態を把握しやすいですし」
最も特徴的なのはやはり豆を挽く音でしょうね。
ざりざりと粗さのある小気味良い音が比較的ゆっくりペースで流れます。
そして音だけだとわかりにくい部分はこのかがセリフでフォローしてくれます。

「それでは コーヒーをちゅうしゅちゅ… んんっ コーヒーを淹れますので 今しばらくお待ちください」
最中に見せる彼女の仕草や表情もポイント。
初めての接客に緊張してる心を深呼吸で鎮めたり
一番最後のお湯を注ぐシーンはほとんど話さず微かな吐息だけを漏らします。
言いにくい言葉を噛むところも可愛いです。

簡単に言うと彼女の言動や心情を多めに交えながらコーヒーの音を楽しませるサービスです。
喫茶綴は一対一で接客しますから一般的な喫茶店に比べて店員さんの存在感が大きくなります。
音を垂れ流すだけではお店にいる雰囲気があまり出ませんし、その部分を彼女のセリフや反応で補完してます。
耳かきやマッサージとは違うタイプの音が多く、無言の時間も適度にあって静かな印象を受けました。

続く「おかわりはいかが?」は2杯目と3杯目のコーヒー作り(約31分)。
2杯目はチーズケーキに合うもの、3杯目は食後の口直しに向いたものと別のテーマを掲げ
このかが1杯目とほぼ同じ要領で丁寧に淹れます。

「コーヒーミルによる音の違いを 是非体感してください」
「いいコーヒーっていうのは 飲んだ人が幸せを感じてくれるコーヒーなんじゃないかな なんて考えています」

そしてここでも作品の長所である音とキャラの両方を工夫してます。
前者は別のコーヒーミルを使って先ほどよりも密度が低く平べったい感じの音を出し
後者は気持ちがほぐれてきたのかコーヒーの豆知識を語ったり、一部で店員らしからぬ砕けた態度に変化します。
1杯目に比べるとややキャラを重視してるように映りました。

このように、コーヒーの音とそれを作る女性の仕草で癒す変わったサービスが繰り広げられてます。
こだわりを感じる作品
音フェチ系でありながらある程度のキャラ萌え要素も含んでる不思議な作品です。

このかは喫茶綴に初めて来店した主人公が心安らぐひと時を送れるように
美味しいコーヒーとそれに関するトークをプレゼントします。

コーヒー製作に関する音をできるだけ多く取り入れたテーマに沿った作り
その前後最中に見せる彼女の初々しさや子供っぽさを感じる仕草。
喫茶店から連想される落ち着いた雰囲気に店員の存在感を加えて個性を生み出してます。

私は以前コーヒーを使った音フェチ作品を聴いたことがあったので
この作品も似た路線で攻めてくるのだろうと予想してました。
ですが実際は音と同じくらい彼女のキャラを大事にしてます。
一対一の喫茶店だから敢えてこういう作りにしたのでしょう。

「あなたが初めてだから とても緊張してるんです」
ただ個人的には彼女の反応がやりすぎかなぁと。
お店でこんなセリフを面と向かって言われたらお客も困惑するでしょう。
彼女があまりに慌てふためいてたらせっかくの落ち着いた空気が乱れてしまいますし
初々しさを出すシーンをもっと減らすか、不安や緊張に関するセリフをモノローグにしたほうが良いと思います。
思ったことをすべて口に出してるところが引っかかりました。

気になる部分が少しあるものの、コンセプトは個性的ですし表現力にも優れた作品です。
おまけは4つの音声です。

CV:かの仔さん
総時間 1:08:37(本編…58:54 おまけ…9:43)

オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は8点。
68分で500円とコスパがいいので+1してあります。

イヤートリートメントサロン・オレイユ ~藤咲編~

サークル「シュミノサウンズ」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、穏やかで気配り上手な店員さんが
手や器具を使って頭部や耳を丁寧にお世話します。

セリフを必要最低限に留め、すべての動きを音で表現する作りやバックで流れ続ける雨音など
多彩かつリアルな音をたっぷり聞かせて癒しを与えます。
これらの音がもたらす微かな振動にも心地よさを感じるでしょう。
雨の日も通いたくなる魅惑のお店
イヤートリートメントサロン・オレイユの店員「藤咲」さんからサービスを受けるお話。

「いらっしゃいませ イヤートリートメントサロン・オレイユへようこそ」
藤咲は上品で落ち着いた声のお姉さん。
とある雨の日に来店したお客を気遣いながら挨拶すると
部屋にあるリクライニングソファに座らせ準備を始めます。

本作品は「イヤートリートメントサロン・オレイユ ~柏木編~」「~早川編~」に続くシリーズ第3弾。
中堅店員として安定した技術と会話スキルを持つ彼女が
90分近くの時間をかけて頭、耳、肩の疲れを取り除きます。

オレイユの新作は3年1ヶ月ぶりになるのでご存じない方もいらっしゃると思いますが
シュミノサウンズさんは古くから耳かきや音フェチ系の全年齢作品を製作されており
耳かき音声が数多く出てる現在においてもトップクラスの品質を維持してます。

耳かき、マッサージいずれも音質が非常に良く動きも変化に富んでます。
サービス以外にも例えば彼女が移動するたびに丸椅子の音が鳴ったり
細かな体の動きに合わせて布擦れの音がするなど臨場感を出すための細かな演出がされてます。

また雨の日の施術ということでエンディング以外はずっと雨音が流れ続けます。
天候がとても悪いのか雨足がかなり強く、雷が鳴るシーンではゴロゴロした音と一緒に振動も伝わってきます。
(雷が鳴らないバージョンも入ってます)
ザーザー降りですが音自体は柔らかく効果音の邪魔になるほどではありません。
むしろ現実世界のノイズを遮断してくれるおかげで音声に集中しやすいです。

「今日もいつものコースで大丈夫ですか?」
藤咲さんについてはセリフの量を必要最低限に抑える代わりに
会話の内容や口調を親しげにして仲の良さを出してます。
彼が常連なだけあって彼女も終始リラックスしてますし無言でも穏やかな雰囲気が漂ってます。
音や吐息だけが流れるひと時はとても静かで頭を空っぽにしやすいです。

リアルかつ多彩な効果音、強くても優しい雨音、藤咲さんの穏やかな佇まい。
あらゆる要素が癒しで統一されてる高品質な作品です。
音と刺激を楽しみながら
準備を終えた後に始まる最初のサービスはヘッドマッサージ(約15分)。
指の腹で頭部全体を撫でたり、指先で優しく摘んだり、小刻みに叩いたりと
様々な刺激を与えて蓄積した緊張や疲れを取り除きます。

腹で撫でる時は「じょりっ ずずっ」とざらつきのある摩擦音
摘む時は「しゅっ」という若干パワフルな音、叩く時は「とぅん」という軽い衝撃音など
サービスごとに違う音が登場し、それらが頭部全体を目まぐるしく移動しながらリズミカルに鳴ります。

それこそ数秒単位で位置や動きが切り替わるので聴いてて飽きません。
こめかみあたりをマッサージされると軽い振動が伝わってきて心地いいです。
音を通じて触覚を刺激できるサークルさんは数が少なく
これだけでもシュミノサウンズさんのレベルの高さが証明されてると言えます。

「忙しくなって 予約が詰まってしまうと 長い時間で(施術を)お受けできなくなったりしますから」
最中の藤咲さんは基本的にはしゃべらず吐息だけを漏らし
合間合間にサービスの説明や世間話を挟みます。
雨音が流れ続けるおかげで無言でも割と賑やかな印象を抱くでしょう。
話題が無いというよりはお疲れ気味な彼が安らげるよう敢えてこうしてる風に映りました。

メインのサービスはその次に登場する耳のケア(約65分)。
右耳→左耳の順に指と手のひらのマッサージで血行を良くし、ウェットティッシュで外の汚れを取り
耳かきと綿棒で手前と奥の耳垢を取り、最後に弱めの風圧で1回ずつ息を吹きかけます。

耳マッサージは「くしゅっ」と若干引っかかりのある滑らかな摩擦音
ウェットティッシュは指よりも軽くてちょっぴりざらつきもある音
耳かき棒は「ずずっ しゅりっ」と硬さのある平べったい音
綿棒は「ずしゅっ」と柔らかさのあるやや粗い音といったように、手段や器具によって音の質感が大きく変わります。

特に耳かきは手前を耳かき棒→綿棒、奥を耳かき棒→綿棒と四段構えになっており
奥を手前よりも低く鈍い音にして位置の違いを出してます。
他にも手前はやや速く、奥はデリケートなのでゆっくり目に動かすなど細かい部分にまで気を遣って進めます。
まさにプロならではの流れるような耳かきです。

それほどパワフルな耳かきでもないのに耳がこそばゆくなるのが実に良いです。
また膝枕ではなくソファに寝た彼の周りを彼女が動くことを活用し
少しお掃除したら丸椅子を動かし取れた耳垢を処理する音が入ります。
横になって聴いたらそのまま寝てしまいたくなるほど癒されました。

このように、最大の武器である音を存分に活用した統一感のあるサービスが繰り広げられてます。
臨場感の高い作品
シンプルなサービスをとことん磨き上げてる作品です。

藤咲さんは雨が強く降る日にわざわざ来店してくれたお客をリフレッシュさせようと
他愛も無い会話を挟みながら頭部や耳をゆっくりじっくりケアします。

サービスに直接関係ない音まで違和感無く鳴らす音に特化した作り
器具や手段の違いはもちろん、同じ器具でも状況に応じて音質を変えるきめ細かな演出。
音に関する様々な部分にこだわり抜いてプロにお世話されてる雰囲気をリアルに表現してます。

最近の癒し系音声は炭酸水や泡洗浄など特徴のある音を積極的に取り入れる傾向が見られます。
それに対し本作品は昔ながらのどっしりした耳かきやマッサージを貫きます。
そしてその中に雨の音や丸椅子の動く音など個性が出る要素を盛り込んでます。

音に絶対の自信があるサークルさんだからこそできるサービスです。
前作から結構時が経ってるのに色褪せてる、遅れてる感じがまったくしません。
サービス自体はシンプルでもその構造は非常に複雑で繊細です。
音フェチ系の耳かきが好きな人ならきっと満足していただけるはずです。

「あ…雷鳴りました? 本当に凄いですね 今日の雨」
藤咲さんについては音に比べたら完全な脇役です。
時間に対するセリフの量がかなり少ないですし内容もほぼ世間話です。
そのため浅見ゆいさんの声や演技だけを目当てに聴くのはあまりおすすめしません。

古き良き耳かきを今風にアレンジした作品です。
87分で700円ならコスパも申し分ありません。
以上を踏まえて本作品をサークルさんでは3本目の満点とさせていただきました。

CV:浅見ゆいさん
総時間 1:27:26

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

ビャクといっしょに

サークル「とみみ庵」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、とある神社で新米巫女をしてる女の子が
師匠の代わりに顔なじみの男性を色んなサービスでもてなします。

サークルさん最大の武器である耳かきはもちろん、ヘッドスパやマッサージなど
お世話する範囲を上半身全体にまで広げ、その一部始終をリアルな音で繊細に表現しています。
女性ごとの違いも持たせてますから、同じサービスでもそれぞれで異なる印象を抱くでしょう。
音が織り成す幅広いサービス
神社の巫女ビャクが参拝客を癒すお話。

「あら? こんにちは この日差しですからね お二人とも汗をかいたのではないですか?」
ビャクは明るくて穏やかな声の女の子。
参拝を終えてから休憩所にやって来た主人公に声をかけると
テンが戻ってくるまで代わりに彼をお世話することを志願します。

本作品は「鈴の緒を引けば」「鈴の音を聞きに」「鈴の音と共に」と続いてきた人気シリーズの番外編。
いつも彼を迎えに行っていた師匠のテンが外出中なのを受けて
彼女が2時間以上にも及ぶ色んなサービスで彼に普段とは別の癒しを与えます。

「景色を見ながら ゆったりと飲むお茶はいいですね 私が淹れたお茶なので 自画自賛になってしまいますが ふふっ」
ビャクは過去作でも脇役としてたびたび登場してるキャラ。
テンとは違って今風の言葉遣いをし、特に恋愛の話になると目をキラキラさせる女の子らしい性格をしてます。
そして巫女の仕事やテンの世話をする以外に癒し系専門店の手伝いもしており
作中では流れるような手つきで彼の頭や上半身をケアします。

耳かきの質、量、バリエーションに力を入れてた過去3作に対し
本作はサービスの種類をできるだけ多くして変化をつけてます。

耳かき自体も44分近くありますから耳かき目当てで聴いても十分楽しめるでしょう。

そしてこれらを根本から支える音がどれも極めて高い品質を持ってます。
例えば一番最初の主人公とビャクが出会うパートでは
開始から2分30秒頃までセリフを一切入れず、彼が参拝し休憩所に移動する様子を音だけで表現してます。
他にも道具を準備する音、体を動かした際に鳴る布の擦れる音、休憩所の近くを流れる川の音など
様々な音を絶妙な位置、距離、タイミングで鳴らして作品の世界を作り上げてます。

サービスもすべてが非の打ち所がないほど優れてますし
ASMR(音フェチ)系の作品が好きな人ほど強い癒しと満足感が得られます。
総時間が長いのでセリフも結構ありますが、個々の間隔を長めに取って音を聴きやすくしています。

幅広さにこだわったサービスとリアルな音の数々。
世界観やキャラを大事にしながらたっぷりお世話する総合力の高い作品です。
上半身の疲れと汚れをじっくりお掃除
事情を説明し主人公の同意を得た後から始まる最初のサービスは顔や頭部のケア(約32分間)。
顔の汗拭き、シャンプーやトリートメントを使った洗髪、炭酸水による頭皮マッサージで隅々までスッキリさせます。

水の入った桶にタオルを浸し、絞ってから横になった彼の顔の上に置き
その間は「ぷすっ」と軽い布の音が至近距離で鳴るなど
序盤から細かな部分にまで専用の効果音を用意しそれらを違和感なく組み合わせて進めます。

音が鳴る行為のすべてに効果音が入ってると思ってもらっていいです。
距離感がバッチリなので顔の周辺をお世話されるシーンは特にリアルに感じます。
タオルの粗さや湿り気などもしっかり表現されてますし、音に強いサークルさんの持ち味が早速発揮されてます。

「そしてここからは炭酸水を…」
この中で最も特徴的なのは炭酸水マッサージでしょうね。
しゅわしゅわと爽やかな音が頭の近くで流れ、それと同時にずりゅっと粗さのある摩擦音が鳴ります。
彼女はテンと主人公のやり取りを以前から見てるので、同じことをできるだけしないようにサービスを組み立てます。
音を通じて耳や頭にもたらされる適度な刺激も心地いいです。

「石鹸もあるのですが 最近はテン様もシャンプーを使ってますよ」
最中に交わされる会話も大きなポイント。
専門店員らしく健康知識を披露しながらテンに関する情報をこっそり教えます。
顔見知りなだけあってよそよそしく感じる部分は特になく
師匠と特別な関係にある彼を自分なりのやり方で癒そうと張り切って取り組みます。

続く3パート39分間は上半身のマッサージ。
上着を脱ぎうつ伏せになった彼の肩、首、腕を手や指で丁寧にほぐし
爪切りを挟んでから今度は耳に移って血行を良くします。

「リンパには流れがありますので 鎖骨 首 腕と 出口から順番に 流れに沿ってマッサージすると 体に溜まった老廃物やむくみを取る効果があるんですよ」
どちらも専用のオイルを使ってケアすることを考えて
このシーンは音の位置、距離、動きによって違いを出してます。
どちらかと言うと耳のほうが音フェチ要素が強いでしょうね。
彼女が手で耳を覆う時に「ごごごご」とこもった音が両方から鳴りますし
その後には泡を塗って綿棒で落とすサービスが入ります。

ひたすらマッサージだけするのではなく、小技を絡めて音の違いを楽しませてくれます。
またこのあたりから彼女が思ってることをぽつりぽつりと漏らし始めます。

状況が大きく変化するのは音声開始からおよそ80分後。
外出中だったテンが帰宅し、軽いやり取りを挟んでからいよいよ耳かきを始めます。
そして後日、テンがいない時を見計らってビャクも彼に耳かきします。

サービスだけを見ればどちらも同じ耳かきなのですが内容はそれぞれに大きな違いがあります。
テンは綿棒+特別な梵天、ビャクは耳かき棒+市販の梵天と使用する器具が別ですし
スタイルや最中の会話も二人のキャラや主人公との関係を強く意識しています。
テンが帰宅したときに見せる反応や耳かき中の会話は聴いてのお楽しみとさせてください。

テンの耳かきはおよそ26分間。
膝枕の状態で右耳→左耳の順にお世話し、最後に弱めの風圧で短く12回程度息を吹きかけます。
綿棒は「ずずっ しゅりしゅり」と滑らかで柔らかい音、特性梵天は筆のような先が細く柔らかい音が使われており
それぞれ穴の縁をなぞったり中をゆっくり撫でるように、優しくくすぐるように動かします。

綿棒が奥に進んでいくにつれて音もやや低く鈍い音に変化しますし
汚れを取るだけでなくマッサージも兼ねてるので耳にこそばゆい刺激を感じます。
何度もやってきただけあって雰囲気も非常によく、耳かきを通じて二人の仲の良さも伝わってきます。
過去3作で積み上げてきたものをそのまま活かした素朴で温かい耳かきです。

対するビャクの耳かきは18分ほど。
睡眠中の彼にテンと同じく膝枕をして右耳→左耳の順に取り組みます。
耳かき棒は「ぞすっ」とやや引っかかりのある平べったくて乾いた音
梵天はふわふわした音と被らないように気をつけて同じく丁寧に動かします。

雨戸を閉めてるのかテンの時には流れていた川の音が聞こえず一層静かに感じました。
彼女も寝てる彼を起こさないようあまり話しかけずに進めます。
そしてこれらを終えた時、テンにあって自分にないものをようやく知ることができます。

このように、多種多様な音を違和感なく組み合わせた重厚なサービスが繰り広げられてます。
音重視だがキャラも立ってる作品
音とキャラの両方で癒してくれる作品です。

ビャクはテンがいない時に神社を訪れた主人公に満足してもらおうと
専門店で習った技術を中心にした本格的なサービスをします。
耳かきやシャンプーといった王道はもちろん、炭酸頭皮マッサージや泡洗浄など比較的マイナーなものも用意し
それらを順序良く組み合わせて上半身を隅々まで綺麗にします。

とみみ庵さんはニコニコ動画などで耳かき音声を数多く投稿してるサークルさんです。
そんな背景もあって耳かきは大変優れた品質を持ってます。
しかし今回は耳かきの割合を敢えて減らし、他のサービスとのバランスで勝負してます。

過去3作に比べて専門店のサービスに近づけてるなと。
ビャクのキャラを反映させてこういう作りにしたのでしょう。
さらにどのサービスも完璧と言っていいレベルに仕上げてるのだから見事です。
総時間が長いおかげで慌しさも特になくじっくり楽しませてくれます。

「テン様のこと よろしくお願いいたします」
ビャクについては積極的にお世話しつつ自分の役割も理解してるしっかり者です。
だからテンと主人公の仲が進展するように立ち回ります。
テンが登場したあたりから会話や心情描写が一気に面白くなるので
最初は音重視だと思って聴いてた人も最後までいけば印象が変わると思います。

ビャクが主役なのは間違いないですけど、テンに萌える人もそれなりにいるでしょうね。
耳かきや添い寝に二人の性格がよく出ています。

全年齢向け同人音声の魅力がぎっしり詰まった作品です。
これだけの品質とボリュームで価格がたったの300円とコスパも驚異的。
以上を踏まえて本作品をサークルさんでは12本目の満点とさせていただきました。

CV:ビャク…小日向さくらさん テン…藤堂れんげさん
総時間 2:31:22

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

ぐっすり眠れる耳かきボイスβ

サークル「チームランドセル」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、三途の川の橋渡しをしてるクールな女の子が
偶然迷いこんできた人間にちょっぴりスリリングな耳かきをします。

効果音や環境音に加えてアンビエントBGMを流しながら物語を進めるのが特徴で
ゆったりしたリズムやほのかな寂しさが漂う曲調が声や音とは別方向の癒しを与えてくれます。
涼しさを感じる要素が充実してますから暑い時期ほど気分がスッキリするでしょう。
生と死の狭間にある癒し
死神のユリが耳かきするお話。

「気がついた? 私の名前はユリ この小船で橋渡しをしている」
ユリは無感情に話す可愛い声の女の子。
夢のような世界に佇んでる主人公に声をかけると
彼の記憶が戻るのを待ちながら今の状況やここがどこかを教えます。

本作品は現世とあの世の境界にあたる三途の川を舞台に
彼女が30分程度の時間を使って会話や耳かきをします。
主人公が何らかの事情で死んだなどの重い設定は特にされておらず
作品の個性や非現実感を出すための演出としてこのようにしています。

ちなみに販売ページのジャンルに「百合」が入ってますが
主人公が女性だと断定できる描写は見あたりませんでした。
女性っぽく感じるのは体臭を嗅がれて恥ずかしがるシーンくらいですね。
メインのサービスは耳かきですから男性でも他の作品と同じ感覚で聴けます。

本作品を語る上で絶対に外せない要素はアンビエントBGM
音声の開始から終了までシーンの状況に合った緩やかな音楽が流れ続けます。
催眠音声ではサークルF・A・Sさんが技術と音楽を融合させた作品をいくつも制作されてますが
耳かき音声でこういった要素を取り入れてるものは今のところ非常に少ないです。

ユリの声や他の音を阻害しないレベルの音量に設定されており
シーンの状況や二人の会話の内容に合ったものが流れるので統一感があります。
聴いた感じではミステリー番組で流れそうなひんやりした雰囲気の曲が多かったです。

アンビエントBGM以外の音も全体的にハイレベル。
川に浮かんでる状況を踏まえてバックに緩やかな水音が流れ続け、時々水滴の落ちる音が入り
ユリが体を動かす時には涼やかな鈴の音も鳴ります。

本作品が発売した8月は一年で最も暑い時期ですから、聴き手をぐっすり眠らせるには涼を与えるのが一番です。
単に珍しい設定を用意するだけでなく背景を見据えた素材を用いるところが素晴らしいです。

「万が一 船から落ちたら 命の保障はできない」
耳かきをするユリのキャラも音楽や音と同じ属性を持ってます。
感情をほとんど表に出さず淡々と話し、その中で彼にちょっとしたスリルを与えて反応を観察します。
意地悪に振舞うこともありますが、からかう程度で悪意を感じるほどではありません。
終盤には優しいところも見せてくれますから無感情キャラ、あるいは不器用キャラと呼ぶのが妥当です。

声、音、音楽といった作品を構成するすべての要素が涼しい。
暑い時期に安眠を提供することを強く意識した独特な作品です。
様々な音に包まれながら
ユリと出会い6分程度のやり取りをした後に始まる耳かきはおよそ26分間。
「地獄蜂の毒針」と呼ばれる怪しい器具を綿で包み右耳→左耳の順にお掃除します。
他の器具や息吹きはありません。

毒針耳かきは「ざり ずり」とざらつきのある尖った音が使われており
耳の壁を優しく引っかくようにゆっくり動きます。
音自体は一般的な耳かきとほぼ同じなのでヤバさは薄いです。
動きのペースやストロークも小まめに変化しますし比較的レベルの高い耳かきと言えます。

「もし私の手元が狂って 1cm いえ、3mmでも奥に行ったら…」
ただし、合間に入る彼女との会話はそれなりにスリリングです。
彼が暴れて船から落ちないように体の動きを封じ、耳の中を鋭利な道具でお世話する。
圧倒的に有利な状況を通じて彼女に生殺与奪を握られてることを意識させます。

怪談などを聴いた時によくある背筋が凍る感覚を与えるわけです。
といっても耳かき中は吐息を漏らすほうが圧倒的に多いですから脇役に近い位置づけです。
耳かき中は音重視、それ以外は会話多めとメリハリがあるのも本作品の魅力です。

バックで流れ続けるアンビエントミュージックも癒しに大きく貢献してます。
右耳の手入れを始めた当初はピアノベースのものだったのが
左耳に移ると寂しさや懐かしさを感じるものへ変わります。
また二人が会話するシーンでは無音になって静けさを演出します。

ユリの声、言葉、耳かき音、川の音、吐息、音楽。
様々な音に包まれ続けるひと時はとても心地よく、後になるほど心が落ち着いたりスッキリするのを感じます。
このように、ASMR系でありながらキャラも立ってる質の高い耳かきが繰り広げられてます。
ひんやりした作品
暑さや気だるさをある程度吹き飛ばしてくれる作品です。

何らかの事情で三途の川に飛ばされた人間を見つけた死神の女の子が
軽いスリルを与えながらなんだかんだで彼の耳を綺麗にしてあげます。

うるささを感じないレベルで流れ続けるアンビエントBGM、耳かきを彩る様々な音
そして基本的にはSだけど一部でデレる彼女のキャラ。
耳かき音声の要所をしっかり押さえ、それ以外は定番のものをできるだけ避けてお世話します。

中でもアンビエントBGMは環境音とは違った方向の癒しを与えてくれます。
耳かきを決して邪魔しない程度の存在感に留めてあるのが素晴らしいですね。
これによって二人の会話や耳かきといったメインコンテンツが上手く引き立ってます。

耳かきは他の部分を頑張ってるからというのもあるのでしょうけどとてもシンプルです。
でも音質や動かし方が優れてるので単調に感じることはありません。
他の要素とのバランスも取れていて完成度が高いです。

「私はいつでもあなたを待っている でも ここに来るたび あなたの心を蝕んでいく」
ユリについては死神っぽさをできるだけ崩さない形で彼に接します。
声や表情には出しませんが彼女も彼と過ごすこのひと時に安らぎ感じてるように映りました。
クールでありながらそこはかとない温もりも感じる不思議な女性です。

ひんやりした雰囲気漂う個性的な作品です。

CV:七瀬真結さん
総時間 35:05(BGMなしのバージョンもあります)

オススメ度
■■■■■■■■□□ 8点


体験版はこちらにあります

癒音らびりんす~三日月麻衣と雨音の祈り~

サークル「きゃらめり屋」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、上品で母性を感じる巫女さんが
偶然出会った男性の疲れを会話や耳かきで取り除きます。

二人がいる場所、時間帯、天候により変化していく多彩な環境音や
家庭的で母性漂う彼女のキャラなど、作品を構成する様々な要素が癒しで統一されてます。
音の扱いにとても力を入れてますから物語の世界にいる気分が味わえるでしょう。
音が織り成す癒しの迷宮
巫女の三日月麻衣が耳かきや添い寝をするお話。

「こんにちは どうなさいました?」
麻衣は上品でおっとりした声のお姉さん。
パワースポットの滝を探してる途中で迷子になった主人公に声をかけると
ひとまず自分が管理する神社へ案内し体を清める方法を教えます。

本作品は疲れやストレスを感じ噂の場所へやって来た彼が
偶然彼女と出会い、雨宿りを兼ねて癒してもらう様子が描かれています。
「癒音らびりんす」の名の通り、作中では状況に応じて様々な音が登場し耳を楽しませてくれます。

例えば音声開始直後からセミや鳥の鳴き声がバックで流れ始め
二人が神社に到着するとヒグラシの声が加わり、雨が降り始めるとそれらが一気に収まります。
そして最初は勢いのあった雨足も時間が経つにつれて弱まり、翌日にはツクツクボウシが元気よく鳴き始めます。

場所、時間帯、天気の変化に応じて環境音も切り替わるので
セリフ抜きでも今の状況をなんとなく掴むことができます。
各サービスにも専用の効果音がちゃんと入ってますし、処女作とは思えないほど音のレベルが高いです。

「書いてあることは絶対というわけではありませんし あくまで参考にして ご自分の人生をより豊かにしようという気持ちが大切なんです」
主人公の相手を務める麻衣の存在も忘れてはいけません。
初めて会ったばかりの彼に親しげに語りかけ、おみくじが悪い結果だったら慰め
気を取り直して滝に向かおうとした直前に雨が降り始めたら雨宿りを提案します。

音に力を入れてるのは間違いないのですが、彼女と交わす会話にも十分な癒しのパワーが秘められています。
巫女らしい上品な声と母性を感じる家庭的な性格にホッとするのではないでしょうか。
音とキャラの両方でバランスよく癒してくれる総合力の高い作品です。
和風情緒漂う繊細なサービス
二人が出会い神社に移動した後、最初にするのはお手水。
参拝する前のお清めとして麻衣がそのやり方を丁寧に教えます。

「まずその柄杓を右手で持って お水を汲んでください」
柄杓で水を掬い、それを左手にかけ、持ち替えて右手も洗い、再び持ち替えて手を受け皿に口をすすぐなど
行為の一部始終を順を追って説明し、その度にそれらを行う効果音も鳴ります。
音を使って聴き手を神社にいる気分にさせる効果的なサービスと言えるでしょう。
この時点ではまだ雨が降ってないので夏らしい賑やかな空気が漂ってます。

参拝やおみくじを終えたところで雨が降り始め、社務所に移動してからするのがメインの耳かき(約18分)。
膝枕の状態で両耳同時に濡れタオルで拭き、耳かき棒と梵天で穴の中を綺麗にします。
そして最後に1回だけ軽く息を吹きかけます。

「痒いところはございませんか? ふふっ なんだか 美容師さんになったみたい」
タオルで耳を拭くシーンは耳かき前の準備に過ぎないのですが
「こすこす」とややトーンの低い粗さのある摩擦音が左右同時に鳴ってかなりリアルです。
他にもお湯の入った桶にタオルを浸して絞る音が開始前と途中で鳴ったり
拭く際の動きが左右で微妙に違ったりと細かい部分にまで気を遣いながらサービスを進めます。
彼女も美容師っぽいことを言って場を和ませてくれます。

その後に始まる耳かきは耳かき棒が「ぞすっ」というやや平べったい音を掻き出す感じに
梵天は「くしゅっ」と柔らかくて広がりのある音を軸を持ってゆっくり回転させるように鳴らします。
声や環境音に比べて音量が小さいのが気になるものの、動きについては現実の耳かきにかなり近いです。

あとは音が鳴った際に刺激がほとんど伝わってきませんでした。
作品説明文に記載がないことから効果音はバイノーラル録音ではないのだと思います。

「ここで普段何をしてるかですか? そうですねぇ 境内の手入れをしたり 山で山菜を採ったり」
「こんな山奥まで疲れたでしょう? このまま寝ちゃっても大丈夫ですよ」

最中の麻衣は耳かきのことにはほとんど触れず、自分の日常など世間話を主にします。
そして彼が眠そうな表情になると優しい言葉をかけて寝かしつけてあげます。
母親のような柔らかい口調やバックで流れ続ける雨音も相まって心安らぐ静かな空間が形成されてます。

このように、和の心を感じる落ち着いたサービスが繰り広げられてます。
しっとりした作品
夏の雨の日にまったり過ごす様子をそのまま切り取った統一感のある作品です。

山奥にあると言われる滝を見に行く途中で迷子になった男性が
そこでたまたま出合った巫女と打ち解け、最終的には宿泊までさせてもらいます。
夏らしい生命力に溢れるセミの声、それらを一挙にかき消し静けさを醸し出す雨音。
季節感を出しつつ癒しも与える環境音の数々が耳と心に優しい刺激をもたらします。

環境音は全年齢向けを中心にこのところ取り入れてる作品が随分増えてますが
その多くはパートでまるまる同じ音を流すあたりに留まっています。
しかし本作品の場合は同じパート内でも状況に合わせてリアルに変化します。
二人が出合った場所と神社でセミの声が微妙に違うところも実に良いです。

「私 あなたのことを癒せたでしょうか 少しでも 幸せを感じてくれたらいいな」
そして彼を案内する彼女も巫女のイメージにピッタリな温かい女性です。
実は彼女が本当の意味で魅力を発揮するのは耳かきを終えた後からになります。
そのためこのレビューを読んだ時点では彼女に対してそこまでピンと来ないかもしれません。
ネタバレを防ぐための措置ということでご了承ください。

サービスについてはお手水やタオルで耳を拭くシーンがハイレベルです。
それに対して耳かきはもう少しクオリティアップできるんじゃないかと見ています。
続編を予定されてるようですし、今後どういう形で発展していくかが非常に楽しみです。

おまけはキャストトークと効果音です。

CV:月城めのうさん
総時間 1:08:54(本編…36:46 おまけ…32:08)

オススメ度
■■■■■■■■□□ 8点


体験版はこちらにあります

癒しガール -ruriko-

サークル「Butterfly Dream」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、とっても一途で頑張り屋な妹が
実の兄と一緒に夜を楽しく過ごします。

サービス中は音重視、その前後は会話重視とメリハリのある作りになっており
器具ごとの特徴を上手く捉えたリアルで優しい音の数々や
異性よりも肉親として彼に強い信頼を寄せる彼女の純粋な姿が癒しを与えてくれます。
兄さんと過ごす幸せな夜
妹の瑠璃子とのんびりするお話。

「に、兄さん 起きてますか?」
瑠璃子は丁寧な言葉遣いをするお淑やかな声の女の子。
ある日の夜、兄にあたる主人公の部屋にやって来ると
先ほど観たホラー番組が恐かったので一緒にいて欲しいとお願いします。

本作品は3歳年下で今年高校1年生になった実の妹が
50分近くに渡って耳かき、手のマッサージ、添い寝をします。
血の繋がった間柄ということで堅苦しさや心の距離を感じる部分は一切なく
彼のために一生懸命尽くす姿も愛情に満ちてます。

作品独自の特徴はふたつ。
ひとつはサービスの様子を主に音で表現してること、もうひとつは彼女のキャラやセリフです。

前者は現在の耳かき音声で流行ってる音フェチ(ASMR)要素が強く
耳かき中は必要最低限のことを話す以外は効果音と彼女の吐息だけが流れます。
Butterfly Dreamさんは浅見ゆいさんの個人サークルなので、どうしても彼女の声や演技が注目されがちなのですが
効果音の質感、動き、力加減なども非常にレベルが高いです。

またサービスに使う道具を用意する音、二人が布団に入りもぞもぞする音など
サービス以外の細かな動作にもきちんと効果音が入ってます。
ご自身が耳かき音声に多数出演されてるからか、音に対する強いこだわりを感じました。

「大好きな兄さんのお耳をお掃除できるなんて 嬉しいです」
後者については恐怖を和らげるために彼を頼るところから始まり
どのパートも彼が癒しを感じるように気をつけながらお世話を続けます。
そして所々で今の自分の気持ちを正直に伝えます。

彼女が彼に対して好意を抱いてるのは間違いないのですが
聴いた感じでは恋愛感情よりも信頼や羨望に近い気持ちに映りました。
小さい頃からずっと一緒に過ごしてきた人とこれからも同じ関係でいたい。
そんな思いがセリフの端々から伝わってきて心がとても温まります。

そしてこのふたつの特徴を両立させるために
サービス中は音に焦点を当て、その前後は会話を重視するメリハリをつけた構造にしています。
ですから音が好きな人、キャラが好きな人どちらも楽しめるでしょう。
音と言葉が織り成す癒しの空間
2分程度のドラマパートを経てから始まる最初のサービスは耳かき(約17分30秒間)。
膝枕の状態で右耳→左耳の順に耳かき棒と梵天で汚れを取り
仕上げに弱めの風圧で3回程度息を吹きかける家庭的なものです。

耳かき棒は「すりっ じじっ」と乾いた軽い音
梵天は「ぷすぷす しゅるっ」という耳かき棒よりもずっと広く柔らかい音が使われており
前者は耳の中を優しくほじるように、後者は穴に残った細かな汚れを絡め取るようにゆっくり動きます。

効果音もバイノーラル録音とのことで、どちらの器具も音が鳴った際に細かな刺激が伝わってきます。
中でも梵天は耳の穴を微かに圧迫される感じがして臨場感が一際高いです。
梵天でここまでの音を出せるサークルさんは現在でもそんなにいません。
長く聴いても耳が痛くならない力加減になってますし、声と音のバランスも丁度いいです。

他にも耳かき棒を使用する時は取れた耳垢をティッシュに置く動作が適度に入るとか
梵天に切り替える直前で奥を掃除してるのか効果音の質感がやや低く重くなるなど
現実世界でする耳かきにできるだけ近づけようとする細かな気配りが見られます。

「ふふっ 兄さん 気持ち良さそうですね このふわふわの綿でお掃除するの お好きなんですか?」
最中の瑠璃子は前項で説明したように基本的には吐息を漏らし
所々で主人公を気遣うセリフを投げかけたり、彼の反応を見て嬉しそうな表情を見せます。
まだ始まったばかりということで、ひとまず聴き手の心を落ち着ける方向でお世話します。

最も個性的なサービスは二番目のハンドマッサージ(約8分30秒)。
彼女が使ってる化粧水をつけて肌を潤してからハンドクリームを丁寧に塗り広げていきます。

ここも化粧水は「すりゅっ」という音量控えめな水気のある摩擦音
ハンドクリームはそれよりもややざらつきのある音を鳴らして表現します。
どちらも同じ液体なのに音の違いがはっきりわかるのが素晴らしいです。
手の甲と指で動きに違いがちゃんと出てますし、耳かきと同じく音を上手に活用した質の高いサービスが味わえます。

もうひとつの特徴である彼女のキャラが立ってるのは最後の添い寝(約20分)。
彼と同じベッドの左手に陣取り、吐息を漏らしながら色んなことを語ります。

「今日ね 学校で調理実習があったんです マフィンを作ったんですよ」
「兄さん 兄さんにとって 私はどんな妹ですか?」

学校の出来事、彼のこと、そして彼女の気持ち。
お互いに成長した結果、こうしていられる機会がめっきり減ったからこそ
彼女は今しかできない話題を投げかけてより親密になろうとします。

彼女はブラコンな部分も確かにありますがヤンデレと言うほど独占欲が強いわけではありません。
大事な人が自分をどう思ってるかを知りたいし、自分の気持ちも伝えたいというだけです。
しばらく吐息を漏らしてから会話を挟み、また吐息に戻るのを繰り返す流れになってますから
添い寝パートなのにセリフが多くて眠りにくいと感じることはないと思います。

このように、優しい音と言葉で包み込む癒し効果の高いサービスが繰り広げられてます。
素朴な作品
兄想いの妹が今の自分にできる限りのことをする温かい作品です。

お互いに成長して一緒に過ごす時間が減ってきた兄妹が
とある出来事をきっかけに同じ布団で寝る機会を得ます。
そして癒し系のサービスをしながら色んなことを話して親睦を深めます。

一途さや健気さを強く感じる彼女の言葉や態度、サービス中に鳴るハイレベルな音の数々。
音声作品としての特徴を出しつつ二人きりで過ごす様子をリアルに描いてます。

「兄さん 大好きです」
そして一歩間違えば男女の関係に発展しそうなシチュを、彼女のキャラで健全なレベルに上手く抑えてます。
一途で純真な女の子が大好きな人のためにひたすら尽くす。
全年齢向け作品に相応しい甘さ満点なストーリーも大きな魅力です。

サービス自体も全体的にかなりの高水準です。
中でも耳かきは大手の耳かきサークルさんに対抗できる品質を持ってます。
音の鳴らし方や聞かせ方も聴き手のことをしっかり考えていて素晴らしいです。
バックに環境音が流れるようになったらさらにパワーアップするでしょう。

肉親らしい雰囲気漂うホッとする作品です。
以上を踏まえて本作品をサークルさん初の満点とさせていただきました。

CV:浅見ゆいさん
総時間 52:22

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は9点。
52分で300円とコスパがいいので+1してあります。

雨の日の耳かき店 雫庵

サークル「ゆめみるぱじゃま」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介するサークルさんの有料処女作は、雨の日にだけ現れる不思議なお店を舞台に
明るくて世話好きな女の子が耳かきと会話でお客の冷えた心を温めます。

環境音と彼女のキャラに大きなギャップを持たせてるのが特徴で
全編を通じて流れ続けるリアルな雨音から感じられる静けさや冷たさを
家で妹や幼馴染がするのに近いサービスが温かく包み込んで和やかな空気を生み出しています。
雨音を聴きながら楽しく耳かき
雫庵の店員「ゆめ子」が耳かきするお話。

「いらっしゃいませ 耳かき店 雫庵へようこそ」
ゆめ子は明るくてほっこりした声の女の子。
とある雨の日、偶然お店を見かけてやって来た主人公を温かく迎えると
濡れた上着を預かり頭をタオルで拭いてあげます。

本作品は雨が降ってる時のみ営業、しかも特定の条件を持つ人だけが訪れられる幻のお店で
彼女がおよそ35分間に渡る癒しのサービスを行います。
お店の設定を踏まえて音声の開始から終了まで常にバックで雨音が流れ続けるだけでなく
状況に応じて多少変化する凝った演出がされてます。

ここでの「変化」は時間が経つにつれて雨足が強くなったり弱まることではなく
主人公が右耳のお掃除をされてる時は左側から聞こえにくくなるとか
彼女が外の様子を確認しようと窓を開けた時だけクリアになるといった意味です。
室内にいるのでやや遠くから聞こえるものの、雨音自体は結構強くてリアルです。

「見た目は別に猫さんっぽくないんですけどね あくまでイメージですよ 雫庵流耳かきの奥の手二号です にゃーにゃー」
それに対し彼をお世話するゆめ子はというと
丁寧な口調を維持しつつ友達に接するような親しげな態度で語りかけます。
動物好きなのか、耳かき中にそれらの話をする時は特に活き活きとしており
雨音が生み出すしっとりした雰囲気とは違った明るさ、温かさを感じます。

雨音を使った癒し系作品の場合、それをたっぷり聞かせようと無言の時間を長めに作ったり
店員を上品で落ち着いたキャラに設定することが多いです。
しかし本作品の場合はゆめ子を意識して明るく元気なキャラにしています。
簡単に言うと雨音を主役ではなく二人のやり取りを引き立てる役に置いてます。

珍しい環境音の使い方をしてるなと。
挿し絵の印象から静かな女性をイメージしてたので意外でした。
会話量が結構多いことから音よりもセリフを楽しむ作品と私は見ています。
女性の温もりを感じるサービス
音声開始からおよそ1分30秒後、軽いやり取りを終えたところで早速ゆめ子のサービスが始まります。
雨で濡れた頭をタオルで拭いてから膝枕の体勢になって両耳を拭き
右耳→左耳の順にひつじさん綿棒、細めの耳かき棒、通常の綿棒で内外の汚れを取ります。
そして最後に1~4回程度息を吹きかけます。

前項で会話重視と書きましたがサービスはどれも専用の効果音が用意されてます。
タオルで頭を拭く時は「こすこす」という微かな摩擦音が
耳の時もほんの少しですが実際に耳を手で覆われた時に聞こえるこもった音が鳴ります。

有料作品は初といっても以前からニコニコ動画やyoutubeに作品をアップされてるらしく
器具の質感・動きいずれも十分以上の品質を持ってます。
器具を変える際にも細かな物音が鳴るなど、音の扱いにかなりのこだわりを感じました。

ただし、全体的にゆめ子の声より音量が小さく聴き取りにくいという弱点も持ってます。
バックで雨音が流れ続けることを考えれば、効果音はもっとはっきり聞こえるようにしたほうがいいです。

「あら? 珍しいですか? この綿棒 綿の部分が 普通のより大きいでしょう?」
耳かきで珍しいのは耳の外を掃除する際に使うひつじさん綿棒。
普通の綿棒よりもふわふわの部分が大きいことからそう呼んでるそうです。
音のほうは耳の中を掃除する際に使う別の綿棒に比べて「多少面積が広いかな?」と感じる程度でした。

他の器具については耳かき棒が「ずり じじっ」という細く硬い音
綿棒は「すすっ」と滑らかやや幅広い音が使われており
前者は耳の奥から手前にゆっくり掻き出すように、後者は耳の壁をなぞるように動きます。
実際の耳かきに近い動きがされてるし力加減も丁度いいです。

「耳かきっていうのは お耳というすごくデリケートな部分を 委ねる行為 …んしょ」
「雨の日ですもの ちょっとノスタルジックに ポエミーになるのもまた一興です」

そしてこれらの音以上に癒しのパワーを持ってるのが彼女との会話。
最初は耳かきに関する自分の考えを話してたのが徐々に脱線し
耳かき道具を動物に例えたお話をしたり、ちょっぴり詩的なことを言うようになります。

店員との会話によくある他人行儀なところが一切なく
実の妹や幼馴染と話してるような和やかな雰囲気が漂ってます。
手を動かす際に「よいしょ」などの軽い掛け声を漏らすところも可愛くて良いです。

私には雨が生み出す陰鬱な空気を彼女が吹き飛ばそうとしてるように映りました。
といっても思いっきり騒ぐのではなく明るい気分にさせようと適度に働きかける感じです。
作中では明確に語られてませんが、彼が雫庵に呼ばれた雨以外の条件が絡んでるのかもしれません。

このように、雨音とセリフで別方向から同時に癒す独特な耳かきが繰り広げられてます。
温かい雰囲気の作品
静けさや寒気を感じる場を設定し、そこで女性と仲良くする様子を通じて心を温める作品です。

ゆめ子は限られた者だけしか入れないお店にやって来たお客に安らぎを与えようと
丁寧な言葉遣いの中に親しみを感じる態度を見せつつ耳をじっくりお世話します。
バックで流れ続ける雨音に負けないよう彼女のキャラやセリフをできるだけ明るくし
そのギャップで人の温もりや女性に優しくされる幸福感を与えます。

私はこの作品を聴く前は音フェチ系の作品だと思ってました。
タイトルを見れば雨音が流れ続けるのはすぐわかりますし
それを引き立てようと彼女があまりしゃべらずにお世話すると予想したからです。

「だんだん 深い海に沈むみたいに あったかいお湯に包まれてるように よしよし よしよーし」
ですが実際は耳かき中も色んな話題を振って彼女と一緒に過ごしてる空気を強く出してます。
音が特徴的なのに敢えてそれ以外の部分で勝負してるところが面白いなと。
かといって両者の長所を打ち消し合ってるわけでもなくきちんと共存しています。

ですが、サービス中に鳴る効果音には首を捻ります。
聴いた感じではレベルが高かったので、雨音や声との音量バランスをしっかり取っていれば
今よりもずっと充実した耳かきが味わえたと見ています。
ここだけは次回以降で是非改善して欲しいです。

しっとりした世界でカラッとした耳かきをしてくれる作品です。

CV:ゆめ子さん
総時間 37:16

オススメ度
■■■■■■■■□□ 8点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は7点。
37分で300円とコスパがいいので+1してあります。

2017年7月30日まで7割引の90円で販売されてます。
その価格なら9点をつけます。

ムギュっと咲樂子さん!恋するひとつ軒の下

サークル「音ノ葉クリエイト」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、シェアハウスの管理人をしてる地縛霊のお姉さんが
恋人にあたる人間の男性と家の中や外でイチャイチャします。

二人が仲良くする様子に様々な音を組み合わせたリアルな世界観が魅力で
晴れの日は爽やかな風の音、雨の日は水に関する音といったように
パートや状況に応じた音をタイミングよく鳴らして癒しや没入感を与えます。
恋人は幽霊さん
恋人の咲樂子(さくらこ)と会話や耳かきを楽しむお話。

「あっ お帰りなさい お出かけから戻ってきたんですね」
咲樂子は上品で穏やかな声のお姉さん。
シェアハウスに帰宅した主人公が暑そうなのを見て
麦茶を入れたりアイスを渡して一緒に食べます。

本作品は人間の男性と幽霊の女性という変わった組み合わせのカップルが
夏の時期に3つのシチュで親密度をさらに深めます。
これがシリーズ2作目で私はまだ1作目を聴いてないのですが
二人の関係さえ事前に把握しておけば単体でも問題なく聴けると見ています。

「私も あなたのアイス 一口いいですか?」
彼女は容姿からもなんとなくわかるように上品で清楚な性格をしています。
そのため彼に対しても丁寧な言葉遣いを通し、スキンシップもかなり抑えたレベルで行います。
でも中盤以降のパートに入ると想いの強さが伝わってくる言葉や行為が登場します。
まだ付き合い始めて日が浅いのか、とても初々しい印象を受けました。

そして彼女の動作を効果音で、いる場所や時間帯を環境音でリアルに表現します。
サークルさんがわざわざロケに出かけたとおっしゃられてるだけあって環境音の質は特に高く
吹き抜ける風や傘に落ちる雨音が自然な癒しを与えてくれます。
効果音についても細かい部分にまできちんと入っていて臨場感があります。

上品な女性とのあまあまなやり取りとそれらを彩る様々な音。
ふたつの方向から癒してくれるバランスの取れた作品です。
設定を活かした心温まる物語
ここからは各パートの内容を紹介します。
一番最初の「咲樂子さんとアイス」はシェアハウスでの一幕。
二人で一緒に冷たいものを摂りながら何気ない会話をしたりちょっぴりイチャイチャします。

「んーっ つめたーい でも美味しい」
咲樂子は幽霊ですが飲食は普通にできるらしく
実際に麦茶やアイスを美味しそうにいただき素直な感想を漏らします。
麦茶を入れる時に鳴る涼やかな水音やバックの風音が心地よく
夏の暑さよりもずっと爽やかな空気が漂ってます。

パート後半に入ると恋人らしい描写が入り始めるのがいいですね。
彼女が性愛にあまり慣れてない感じがよく出ていてなんだかニヤニヤしてしまいます。
最初なのであまり大きなことはやらず、彼女のキャラや音の良さが引き立つようにお話を進めます。

本作品唯一の本格的なサービスは次に始まる耳かき(約12分)。
部屋で寝入ってる主人公を起こさないよう気をつけながら
膝枕の状態で右耳→左耳の順に耳かき棒でお掃除し、綿棒や息吹きで仕上げます。

耳かき棒は「ざざっ じー」とやや尖った乾燥してる音が使われており
耳の壁を優しくなぞるように動かします。
寝てる相手にすることを踏まえて間を長く取ってるのは良いのですが
音質がクリアで乾燥度も高く、耳の中よりも外側をいじってるように聞こえます。

「よし それじゃ 起こさないよう静かに耳かきしよっと」
「きっと 幸せな夢を見てるんですね だって優しく笑ってるもの」

それ以上に気になったのが彼女のセリフ。
囁き声ではなく普通に近い声量で独り言をかなりの頻度呟きます。
相手が寝てるならまず静かにすることが大事ですし、この内容では彼女が最初に言ってることと矛盾します。

ほとんど話さずに吐息と効果音主体でするとか、彼女のセリフはモノローグで流すなど
彼に対する気遣いが聴き手にもはっきり伝わる耳かきをして欲しかったです。
他の2パートが良かっただけに尚更このパートは粗く感じました。

最も強い癒しのパワーを持ってるのは最後の「雨、幽霊、あなた」。
とある雨の日、咲樂子が主人公を植物園への散歩に誘います。

「傘を雨が叩く音も 結構好きなんです」
そしてここでは雨の音、雨が番傘を弾く音、植物園で雨漏りした水滴がバケツに落ちる音など
水に関する様々な音が耳を楽しませてくれます。
二人が移動するにつれて時々他の音も混じりますし、作品が持つ長所のひとつを存分に活かしたパートです。

会話については切なさを感じるところも少しありますが
結果的には二人の絆の強さへしっかり繋げてあってしんみりしました。
前の2パートとはかなり違うしっとりした雰囲気が漂ってます。

このように、恋人と色んなことをしてさらに仲良くなる正統派の純愛ストーリーが繰り広げられてます。
キャラと音に癒される作品
献身的な女性と日々を過ごす様子をリアルに描いた作品です。

咲樂子は地縛霊の自分を好きになってくれた主人公への感謝の気持ちに
食事の用意はもちろん、恋人らしいやや踏み込んだサービスも積極的に行います。
でも純情な部分が強いおかげでその中に恥じらいが見られます。

「あの… ちょっとだけ 目を閉じてください」
彼女とのイチャラブ具合がキーとなる作品なだけあって
清楚さを出しつつ時折大胆なところも見せる彼女の姿はとても魅力的でした。
キスもライトなものをそこそこやってくれますし、言葉と行為の両方に愛情がこもってます。

そして物語をよりリアルにするために効果音や環境音を活用してます。
効果音は気になるところもありましたが、環境音は文句なしと言えるくらい素晴らしいです。
中でも最後のパートは二人がいる場所によってそれらが切り替わる凝った演出もされてます。
通しで聴いた場合かなりの癒しが得られるでしょう。

初々しい男女の恋愛模様をストレートに楽しませてくれる作品です。
おまけは主題歌です。

CV:沼田有未さん
総時間 36:50(本編…34:50 おまけ…2:00)

オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は8点。
37分で300円とコスパがいいので+1してあります。

2017年6月28日まで2割引の240円で販売されてます。

【耳かき・シャンプー】りりふれ chapter:まゆさん襲来【ハイレゾ96khz同梱】

サークル「ネモン℃」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、頑張り屋で気配りもできる愛らしい妹が
一人暮らしをしてるお兄ちゃんを色んな方法で癒します。

彼女のキャラと効果音を上手に組み合わせて癒すバランスの良さが魅力で
子供っぽい部分を感じる彼女との何気ない会話や
その最中に鳴る素朴な音の数々を聴いてると自然に心がぽかぽかしてきます。
音と会話が織り成す癒しのひと時
妹のまゆと休日を過ごすお話。

「んにゅぅ おはよう お兄ちゃん」
まゆは蕩けるように甘く可愛い声の女の子。
とある休日の朝、同じベッドで寝ていたお兄ちゃんに挨拶すると
飲み物を取りに行ってからここに来た事情を話します。

本作品は3年前に実家を出て一人暮らしをしてる彼を心配した彼女が
80分近くに渡って色んな会話をしながらマッサージ、シャンプー、耳かき、添い寝をします。
2人が肉親同士ということで他人行儀なやり取りは一切なく終始ほのぼのした雰囲気が漂ってます。

この作品を語る上で外せない要素はふたつ。
ひとつは音の種類と扱いに力を入れてること、もうひとつはまゆの魅力を引き出す会話を多めに織り交ぜてることです。

前者は音声開始直後のお兄ちゃんが自宅に帰ってベッドに寝るシーンや
起床後にまゆが冷蔵庫を開けて飲み物を注ぐ様子を効果音のみで表現したり
ベッドの上で体を動かした際に軽くきしむ音が鳴るなど
サービス以外の細かな動作にも専用の効果音を入れて臨場感を出してます。

ネモン℃さんは元々「たまゆらの宿」という18禁作品をいくつも制作されており
そこでは効果音と環境音を組み合わせて和風情緒漂う癒しの世界を作り上げてました。
音質だけでなく位置や距離にもこだわってるおかげで彼女がすぐ近くにいる気分が味わいやすいです。

「まゆ? 遊びに来たっていうか 様子を見に来たっていうか・・・」
後者についてはあまあまな声質、砕けた口調、何気ない話題など
兄妹だからこそできるタイプの会話をサービス中にすることが多いです。
彼女はまだ学生なので彼の悩みを聞いてあげるとか、甘やかすといった大人な行動は取れません。
その代わり今自分にできる精一杯のおもてなしをしようと頑張ります。

時々自分の気持ちに素直になれない仕草を見せるところが愛らしいですね。
サービスも彼女にできるものをきちんと選んでいて統一感があります。
リアリティを追求した素朴なサービス
ここからは各サービスの詳細を説明します。

冒頭の会話が終わった後に始まる最初のサービスはマッサージ。
うつ伏せになったお兄ちゃんの肩を左右順番に擦ったり指圧し
それから体を起こしてもらい首のあたりを優しく擦ります。

マッサージは「さすさす」と滑らかで乾いた音が使われており
擦る時は同じ部分を前後に往復する、指圧は後ろから手前へやや力を入れて押し出す感じに動きます。
また首をお世話するシーンでは髪の毛交じりの若干粗い音へと変化します。

左右を切り替えるのに合わせて音の位置がちゃんと移動しますし
指圧は押し出す際に音と声の両方が近づいてくる演出をされていてとてもリアルです。
体験版「マッサージ」パートの30秒あたりを聴けばどんな感じかわかっていただけるはずです。

個人的に面白いと感じたのがパート終盤に登場する耳を塞ぐサービス。
耳の血行を良くするために両耳を覆うだけのシンプルな動作なのですが
始まったと同時に彼女の声が若干聞こえにくくなり、耳にも軽い圧迫感が生まれます。
最初の段階から本作品の長所である「音の良さ」が至るところで発揮されてます。

「そうだ お風呂っていつもどうしてるの? シャワー?」
最中のまゆはちょっぴり力んだ吐息を漏らしつつ色んな話題を振ってきます。
自分なりにマッサージを勉強してること、それが友達に好評なこと、彼の生活スタイルに関することなど
今日のために頑張ってきたことを自慢と感じないレベルで披露します。

最も時間の長いサービスは4番目の耳かき(約25分)。
お風呂に入らずに寝てしまったお兄ちゃんを風呂場に連れて行って綺麗にしてから
膝枕の状態で左耳→右耳の順に耳かき棒と梵天でお世話します。
息吹きは最後の仕上げに弱めの風圧で1回だけします。

耳かき棒は「ぞりぞり ずずっ」とやや幅のある硬めの音
梵天は耳かき棒よりもずっと柔らかく滑らかな音が使われており
前者は耳の壁をなぞるように往復させる、後者は軸を持って前後に回転させるような動きをします。

サークルさんが作品説明文で書かれてるように本作品は安眠しやすい音を選んで制作されてます。
しかしここの耳かき棒の音だけは質感が硬く頭に響くことから、安眠にはやや不適と見ています。
もう少し柔らかい音にしたほうがリアルだし眠れるかなと。
梵天はふわふわした質感が音に出ていて作品のコンセプトにマッチしてると思います。

「ねぇ お兄ちゃんは まゆに彼氏さん できて欲しいの?」
「お兄ちゃんの耳たぶ 柔らかいね」

このパートにおけるメインの癒し要素は音よりも彼女との会話です。
これまでのやり取りで気持ちがほぐれたのか、胸の内に秘めた思いをぽつりぽつりと話し始めます。
時間に対する効果音と会話の量にそれほど差がありませんし
最終パートに向けて彼女の内面を多めに描いて魅力を引き出したかったのだと思います。

ちなみにあまがみは耳かき終了後に3分程度行います。
全年齢向けなのでちゅぱ音はかなり控えめで鳴らすペースも非常にゆっくりです。

そうやって心と体を綺麗にした後、彼女と一緒に改めて眠りにつきます。
布団の動く音が多少する程度で今までに比べると静かな印象を受けました。
彼が寝入ったのを見計らって彼女が自分の本心を語る温かいシーンもあったりします。
序盤から中盤にかけては音、それ以降は彼女のキャラに焦点を当ててお話を進めてくれます。

このように、肉親らしさを感じる家庭的で思いやりに満ちたサービスが繰り広げられてます。
音とキャラのバランスがいい作品
音の質が良くキャラも立ってる総合力の高い作品です。

まゆは仕事を頑張りすぎるあまりつい不摂生な生活をしてしまうお兄ちゃんを少しでも癒そうと
マッサージ、シャンプー、耳かき、添い寝といった自宅でできるサービスをのんびり行います。
そして2人が何かをする様子の一部始終を主に音を使って表現します。

録音環境が飛躍的に向上したおかげで最近の全年齢作品は音のレベルが本当に高いです。
そんな状況下においても本作品の音は目を見張るものを持ってます。
音の質感だけでなく位置や距離にも気を配って鳴らすからです。

中でも最初のマッサージは手や指の動きの違いが音にしっかり出ています。
指圧はマッサージの中でもかなり音にしにくいサービスですし
これをメインに置いてるのはサークルさんの音に対する自信の表れなのでしょう。
後日もし続編が出るならマッサージがメインのお話を是非聴いてみたいです。

「どんなに情けなくっても お母さんが怒っても大丈夫 まゆはお兄ちゃんの味方だから」
対するまゆについては恋愛感情よりも慕う、あるいは心配する気持ちを強く出して語りかけます。
それでいて所々に自分のことを話すあたりが学生らしいなと。
未成熟な部分を魅力にうまく変換してます。

気になった点を強いて挙げるなら耳かき音と環境音でしょうか。
耳かき音は先ほど書いたので省略するとして、環境音は冒頭にほんの少し流れる程度と少なめです。
たまゆらの宿シリーズでとてもリアルな環境音を積極的に使われてたことを考えると
その武器を今回ほぼ捨ててしまってるのは正直もったいなく感じます。

効果音に集中しやすくするために敢えて入れなかったのかもしれませんが
バックに時計の音を鳴らして静けさを演出するとか
パートによって窓を開け閉めして環境音に変化をつけるなどの工夫がほしかったです。

年下の女性が心を込めてお世話する癒しに満ちた作品です。

CV:藤咲ウサさん
総時間 1:17:05

オススメ度
■■■■■■■■□□ 8点


体験版はこちらにあります

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