サークル「チームランドセル」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、名前も年齢も不明な家出少女が
偶然会った男性と同棲を始めて色んなお世話をします。

キャラと音の両方に力を入れてるバランスの取れた作りが魅力で
前者は様々な会話を通じて彼女の背景や心情が少しずつわかるようになり
後者は効果音、環境音、ピアノBGMを組み合わせて静かで落ち着ける空間を作ります。
女の子と過ごす静かで満たされた日々
少女が耳かき、シャンプー、添い寝をするお話。

「あれ? お兄さんは… 学校の先生 ですか」
少女は明るくて穏やかな声の女の子。
とある冬の日、公園のベンチで寝てたところを主人公に見つかると
追い返そうとする途中に気を失ってしまいます。

本作品は理由があって家出したものの路頭に迷ってた彼女が
彼に拾われ自宅で引きこもり生活を送る様子をおよそ130分に渡って描きます。
出会った直後、2年後、3年後、4年後とパートによって時期が大きく変わり
その中で色んな会話をしながら彼女自身も成長していきます。

「正直 昔のことは 思い出したくないんです」
物語が始まった直後の彼女は年齢や素性がまったくわからない謎の人物。
同棲させてくれた彼に感謝する一方で、自分のことになると口を閉ざす態度を取ります。
しかし長い年月を一緒に過ごすにつれて心境に変化が表れ
終盤に差し掛かると自分が何者か、どうしてこのような生活を続けてるのかをぽつりぽつりと語ります。

物語が進むにつれて背景が少しずつわかるようになってますから
最初は引っ掛かるところがあったとしても、最後まで聴けばスッキリした気分になるでしょう。
ASMR系の作品ですがしゃべる時とそうでない時をはっきり分けてるおかげで
音と会話の両方をバランスよく楽しむことができます。

チームランドセルさんと言えば最中に鳴る音も大きな魅力です。
各サービスでは優しくてリアルな効果音が至るところで鳴りますし、季節や天候によって環境音も変わります。
また一部のシーンでは雰囲気に合ったピアノBGMを流して別方向から彼女の内面を表現します。
(BGMは流れないバージョンも入ってます)

「ぐっすり眠れる」のタイトル通り、眠りを妨げない音ばかりで耳に心地いいです。
音だけが鳴る時間も長めに用意されてて静けさを感じました。
環境音は雨の音、セミの鳴き声、風が木々の葉を揺らす音などが流れます。
同じ雨でもパートによって鳴り方が変わっててこだわりが見られます。

謎の少女にお世話されながら徐々に仲良くなるシチュと
効果音、環境音、音楽を組み合わせた安眠重視の作り。
キャラと音の両方に個性を持たせた静かでほのぼのしてる作品です。
ドラマ性を持たせた癒しのサービス
2分程度のドラマパートの後から始まる2パート65分間は耳に特化したサービス。
「2年後 真夜の目覚め(耳ふー・添い寝)(約17分)」は会話と息吹き
「3.雑談耳かき(約48分)」は右耳→左耳の順におそらく綿棒を使って耳かきします。

「ふふっ (耳が)ほんとに弱すぎ 絶対学校でいじられてるでしょ?」
主人公と初めて会った時は家に行くのを嫌がってましたが
その後2年も居ついてるところを見ると気に入ったのでしょう。
自分から積極的に体を密着させて耳に優しい風を送ります。
また近頃ある活動をしてるらしく、それに関するお話も少しだけ出てきます。

やることは至ってシンプルですから雰囲気作りと見るのが妥当でしょう。
年上の彼を弟扱いするシーンもあったりして世話好きなキャラに描かれてます。

続く耳かきパートは最も長い時間を割いてるだけあって癒しと安眠効果が高いです。
「くしゅっ」という面積広めで柔らかく乾燥した音を
奥から手前へ掻き出したり耳の壁をなぞるようにゆっくり動かします。
始める直前にプラスチック製の容器の物音が鳴ってることや
耳かき音自体の質感を見て耳かき棒ではなく綿棒だろうと予測してます。

時間をほぼ半々に分けて丁寧にやってくれますから
横になって聴いたら寝落ちする人がそれなりにいると思います。
音楽がない代わりに優しい雨音が流れて静かな空間を作り上げてます。
あとは彼女の吐息も結構入ってて近さを感じました。

「でも 私のおすすめは 冷凍餃子です 最近気づいたんですが やつめっちゃ万能です」
最中に交わす何気ない会話の数々も癒しに大きく役立ってます。
彼が学校で働いてる間に食べてる冷凍食品の話をしたり
彼の性癖に関する質問をするなど、多少踏み込んだことも入れて仲の良さを表現します。
数分無言で耳かきを続けてから少し話すのを繰り返します。

「4.シュワシュワにしてやんよ(炭酸シャンプー)(約28分)」は音の個性が強いパート。
さらに1年後、今度は夏の日に炭酸シャンプーで頭と心をスッキリさせます。

最初は水かお湯で髪を湿らせてるだけなので割と乾燥した摩擦音だったのが
炭酸シャンプーが登場するとパチパチした独特な音の割合が一気に増えます。
炭酸水との違いが音にはっきり出ていて清涼感がありました。
パート終盤にはシャワー、タオル、ドライヤーといった別の音も加えてリアリティを出します。

「いい匂いでしょ お揃いですよ 私と同じ匂い」
そしてこのへんまで来ると彼女もすっかり懐いてます。
恋人よりも妹に近い距離感で楽しそうにお世話してました。
彼女が以前からやってる活動に関するお話が再び出てくるなど
ボイスドラマとしても楽しめるように物語が少しずつ進行します。
どちらかと言えば音重視のパートですけど、何気ない会話に彼女の愛がにじみ出てます。

そして終盤の2パートは彼女のことや物語の背景がわかります。
「5.さらに2年後の夜(添い寝 心音)(約16分)」は2人が出会ってから5年後
「6.公園で添い寝(約19分)」はさらに後の出来事です。

内容を紹介するとネタバレになるので完全に伏せますが
謎だった部分が明らかになったことによる爽快感と
純粋に「あぁ 良かったなぁ」という満足感が得られました。
このシーンは音よりも会話のほうが存在感は大きいです。
キャラも音も楽しめる作品
耳かきやシャンプーといったASMRでは定番のサービスと
他人同士だった男女が同棲を通じて仲良くなる物語を組み合わせた総合力の高い作品です。

少女は衰弱してた自分を介抱し、同居までさせてくれた主人公に少しでも恩返ししようと
耳への息吹き、耳かき、シャンプー、添い寝といった健全なご奉仕をします。
そしてこれらの様子を色んな音で表現しながら何気ない会話も挟んで彼女の魅力を引き出します。

家出少女と年単位の同棲をして仲良くなるノーマル向けのシチュ
効果音、環境音、音楽を組み合わせて癒しと眠気を与える高品質なサービス
パートごとに1年進む流れにして彼女の成長や変化を描く演出。
ASMRの要所を押さえたうえで独自の要素を盛り込み癒しのパワーを上げてます。

「ちょっと行き詰った時に お話を聞いてくれる人がいるのは ありがたいですね」
中でも3番目は彼女なりに考えたり悩んでるのが伝わってきて人間味があります。
彼の家に引きこもってる状況だけを見れば単なる怠け者ですけど
それに甘えっぱなしにならず頑張る様子も描かれてます。
「女の子が耳かきしておしまい」じゃないからキャラが立ってるわけです。

音の良さが活きるように会話とのバランスや配置にも気を遣ってますし
かれこれ4年以上癒し系作品を制作されてるサークルさんの底力を感じました。
キャラが好きな人、音が好きな人どちらでも楽しめる作品に仕上がってます。

おまけは作中音楽3曲と安眠トラック4本です。

CV:浅見ゆいさん
総時間 6:46:28(本編…2:11:18 おまけ…4:35:10)

オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

追記
2021年8月14日まで30%OFFの924円で販売されてます。
その場合の点数は10点です。