サークル「すくりぷてっどこねくしょん」さんの催眠音声作品。

開設初期に紹介した作品を現在の視点から改めてレビューする再レビュー企画。
その第72回目は声も態度も穏やかなお姉さんが
「憑依」をテーマにした催眠とエッチで普段と違う快感を味わわせます。

催眠はリラックス系の技法と色んな暗示を組み合わせて彼女との一体感を出し
エッチは彼女に体や感覚を操られてる気分に浸らせてややアブノーマルなプレイをする、といった具合に
テーマを強く意識しながら催眠に入りやすく、維持しやすくリードする丁寧なサービスが楽しめます。
お姉さんに憑依されて一緒に気持ちよくなろう
お姉さんに催眠をかけられ乳首とアナルで絶頂するお話。

「ようこそ どうもどうも 今日はあなたと御一緒させていただきます」
お姉さんは丁寧語で話す上品な声の女性。
音声を聴く際の注意事項を簡単に説明し、催眠を始める前に服装や環境も確認します。

本作品は女性に体や感覚を操られてる気分をリアルに味わわせることを目的に
彼女がおよそ70分に渡って癒しの催眠をかけたりドライ系のエッチをします。
挿し絵や作中のセリフを見る限り彼女はおそらく幽霊なのでしょう。
だから彼に憑りついて一緒に気持ちよくなる方針で物語を進めます。

「あなたは私の事をどんどん好きになっていく だってこんなに安心できることって中々ないでしょ? 一緒にいる、それだけで心が落ち着いてる でも体は少しずつ熱を帯び、火照っていく」
例えば催眠パートは彼女の声に対して興味を持たせるところから始まり
好きになる、一緒にいると落ち着くなど一体感を与える暗示がいくつも出てきます。
そしてエッチも彼女に手や感覚を操作されてるイメージを交えて進めます。

催眠音声では最大手に位置するサークルさんなだけあって
聴き手が受け入れやすく感じるアプローチを心がけながらじっくり誘導します。
エッチも催眠色の強い内容ですから、意識のぼやけを強めに感じながらイけるでしょう。
おちんちんを直接いじるシーンは一切なく、乳首やアナルといった他の性感帯を刺激します。

催眠はおよそ24分間。
仰向けに横になって目を瞑り、まずは肩や腕を中心に脱力します。
そして次は深呼吸を繰り返して心のほうもリラックスします。

「何もしなければ、重さを感じて肩がすーっと沈んでいく そう、その調子 肩が沈んでくると、だんだん肩が楽になっていく」
「お風呂に入って湯船でぼーとしている時のような あるいは、やることが全て終わってリラックスしている時のような 満足感の高いだるさ… うれしい… とってもしあわせな感覚」

「すーっと沈む」とストレートな暗示を入れてたかと思えば
お風呂に入るイメージを使って体を動かしたくなくなる感覚を与えるなど
より多くの人がスムーズに脱力できるよう多方面から働きかけます。
足の脱力をしないのはたぶんエッチで手だけ使うからでしょう。
まだ序盤ですが先々のことを見据えて催眠を組み立ててます。

後になるほど彼女の声が近くなるのも良いですね。
向き合って話しかけてた彼女が憑依によって一体化したことをわかりやすく伝えます。
憑依した後はほとんど囁き声で話すなど、雰囲気作りにもしっかり気を配ってます。

リラックスが完了した後はいよいよ催眠状態を深めます。
カウントを数えながら「ぼーっとする」などの暗示を入れ
それと同時に彼女が好きになる暗示も入れて心の距離を縮めます。

「だんだん、頭がぼーっとしていきます それは私の声を全て受け入れるということ あなたは気持ちいいことが大好き 大好きだから、全て受け入れます」
ここもストレートに深化させるのではなく
彼女の声や言葉と絡めてエッチを楽しみやすい環境を整えます。
穏やかな声やセリフの間隔を長めに取るのんびりした口調も相まって
このへんに来る頃には頭の中がもやもやする感覚が強めに実感できました。

テーマの憑依を意識しながら手堅く誘導する質の高い催眠です。
お姉さんに心や体を操られやすい状況にするのを目的に
部分的な弛緩法から入って深呼吸、カウントを交えた深化と古典催眠の技術をベースに進めます。

大まかな流れはシンプルですけど、最中のセリフや暗示が結構濃いおかげで
彼女に対して親しみが湧いたり心地よさを感じながら深化できます。
バイノーラル録音を活かして声の位置や距離を適度に変える演出もありますし
すくりぷさんらしい隙のない催眠に仕上がってます。
ふたつの快感を同時に味わえるエッチ
エッチシーンは38分間。
プレイは乳首オナニー、アナル責め、パンツの匂いを嗅ぐ、パンツを被るです。

エッチな効果音はありません。
セルフはありです。
エッチの終盤でパンツを脱ぐ指示が出ます。

「好き、とっても大好き… ほら、一緒にえっちなこと、しよ…」
催眠を使って主人公に無事憑りついたお姉さんは
両手で胸や乳首をいじらせてまずは体の感度を上げます。

エッチは終始彼女に言われた通りに動きます。
最初の17分間は絶頂に向けた準備。
乳首を撫でたりこねながら彼女の言葉を聞いて気持ちよくなります。

「そのまま、乳首を指でこねこね、こねこねし続けるの どんどん気持ちよさが増えて 深いところへ沈んでいけるよ」
そしてここも催眠の技術を駆使してスムーズに進めます。
乳首自体を気持ち良くする暗示ももちろん入れますが
それ以外に「乳首をいじるほど催眠が深くなる」など催眠状態がさらに深まるようにリードします。

これはすくりぷさんの作品全般に言える特徴で
被暗示性の低い人がエッチの途中で催眠が解けてしまう可能性を減らす役割を果たします。
催眠特有の脳がとろける快感と乳首の快感を同時に味わうことになりますから
普段の乳首オナニーよりも気持ちよく感じるでしょう。
腕の動きをコントロールする暗示も入れてきますし、抵抗感を与えずに操られてる感覚を味わわせます。

乳首オナニーは同人音声のオナサポみたいに掛け声を小まめに出すことはせず
どんなふうにいじるか教えた後は暗示で応援するスタイルを取ります。
乳首を既に開発してる人のほうが楽しめるのは間違いないですけど
未開発の人が催眠の効果で乳首の快感に目覚める可能性も十分あります。

続く20分間は絶頂シーン。
1回目はアナルに気持ちいい棒を挿入されてるイメージ
2回目は自分のパンツを嗅いだり頭に被って乳首オナニーします。

「異物感を感じると一気に体中にせつなさがこみ上げてきます 指を鳴らすと、アナルに違和感を感じます」
アナル開発をしてる人はあまりいないでしょうから
ここもいきなり気持ち良くするのではなく、先に違和感を与えてリアリティを出します。
私が聴いた時もお尻のあたりがムズムズする感覚がしました。
実際に挿入する指示は出ませんから抵抗がなければ誰でも聴けます。

「ほら、体中がぞくぞくって震えて気持ちいいね… 匂いを嗅いでるだけなのに… 体がどんどん敏感になっていくね」
それに対して2回目は変態になりきって心を開放しながら絶頂を迎えます。
本作品のエッチは彼女に憑依された状態でやりますから
「彼女に操られてるのなら仕方ない」という立派な言い訳ができます。
一緒に乳首もいじりますけど陶酔感や解放感といった別方向の快感を重視してます。
家族や恋人に見られたら関係が悪化するかもしれませんので、視聴時の環境にはくれぐれもご注意ください。

私はどちらかと言えば1回目のほうがイキやすいと思います。
乳首オナニーしながら追い込んでくれるのが大きいです。
それに対して2回目は現実逃避やリフレッシュといった心のケアに力を入れてます。

このように、彼女に操られてる感覚を味わわせながら変態プレイをするM向けのエッチが繰り広げられてます。
催眠重視の良作
催眠状態ならではの快感を与えることを意識した質の高い作品です。

実体を持たないお姉さんは主人公を喜ばせながら自分も快感を味わおうと
まずは催眠を通じて身も心も繋がる憑依状態に持っていきます。
そしてエッチは引き続き催眠状態を深めながら乳首、アナル、心をバランスよく責めてイかせます。

声も態度も穏やかなお姉さんが男性に憑依して気持ちよく弄ぶシチュ
深呼吸、脱力、カウントといった要素に様々な暗示を込めて誘導する丁寧な催眠
乳首やアナルといったおちんちん以外の性感帯を重点的に責め
さらに催眠状態を維持したり心を開放するアプローチをかける催眠重視のエッチ。
催眠の世界にどっぷり浸る感覚と純粋な快感を両方楽しめるように作品を組み立ててます。

中でも催眠はエッチシーンでも引き続き深化させる独特な作りや
聴き手のことを第一に考えた暗示表現、その分量、入れるタイミングがどれも優れてます。
催眠音声は催眠に入れなければ始まりませんから
そこがしっかりしてる作品は自然と満足感も上がります。
エッチが独特なので「初心者向け」タグはつけてませんけど、催眠自体は結構初心者向けだと思います。

エッチは乳首の開発具合で多少差が出る点を除けば個性と品質の両方が光ってます。
セルフ系なのにおちんちんを触るどころか意識すらさせませんし
絶頂への追い込みも催眠の技術を駆使して行うことを心がけてます。
アナル責めも未開発者向けの内容でアブノーマル路線だけど聴きやすいです。

絶頂シーンは2回。
淫語ごく僅か、ちゅぱ音と喘ぎ声はありません。

以上を踏まえて前回と同じ点数にさせていただきました。

CV:かの仔さん
総時間 1:10:07

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります