サークル「チームランドセル」さんの同人音声作品(R-15指定)。

今回紹介する作品は、名前も素性もわからない物静かな女の子が
仕事を頑張りすぎて疲れ切った男性を南の島へ連れていきます。

海にまつわる音と王道のサービスを組み合わせて癒すASMR系の作りが魅力で
手ですくった砂を地面に少しずつ落とす、耳元で握りしめる、砂団子を作るなどをしながら
波の音、彼女の吐息、アンビエントBGMを流して穏やかな空間を作ります。
後半は耳舐めを重点的にやりますからそちらが好きな人も満足できるでしょう。
追い詰められたら逃げるのも大事
女の子と南の無人島でのんびり過ごすお話。

「あ、どうもどうも 目覚ましましたね 良かったです」
女の子はややトーンが低い素朴な声の女の子。
無人島で目覚めた主人公に事情を説明すると
決断できない彼の代わりに人生の退職届を出してあげたと言います。

本作品は仕事を頑張りすぎて生きる気力を失った彼を苦しみから解放しようと
彼女が半ば強引に南国へ連れていき、そこで140分程度に渡る癒しのサービスをします。
砂浜に埋まりながらの日なたぼっこ、添い寝、耳舐めと時間に対する種類を少なめに設定し
それぞれをゆっくりのんびりやってぼーっとできる状況を作ります。

最大の魅力は最中に鳴る様々な音。
セリフよりも音の割合を多くしたうえで、それらを組み合わせて物語の世界を作ります。
ASMR作品では質感や動きを変えながら単一の音を鳴らすことが多いです。
しかし本作品では3~5種類の音を同時に流す凝った演出がされてます。

「柔らかい砂の音 波の音が混じって 心地いいです」
まず効果音は南の島にいる気分が味わえるように
序盤で砂の音を50分近く鳴らすパートが用意されてます。
海の砂とキネティックサンドという別の砂を使ってるらしく
さらさらした滑らかな音やぎゅっと握り込む音を長めの間隔で切り替えながら鳴らします。

元々音に強いサークルさんなだけあって作中に登場するすべての音の品質が高く
目を瞑って聴けば別の場所にいるような気分が味わえます。
添い寝パート以降は時折心音が鳴りますし、彼女にお世話されてる雰囲気を大事にしてます。

バックで流れ続ける環境音もそれに貢献してます。
音声開始直後から波が穏やかに打ち寄せる音が流れ始め
最終パートでは強めの雨音も加わり心の中にある嫌なものを洗い流してくれます。
雨が降ってる時の波音がやや荒々しくなるのもリアルで良いです。

まだまだあります。
チームランドセルさんと言えばアンビエントBGMを流すことで有名なサークルさんです。
本作品でも開始から2分後には早速流れ始め、シーンの状況に合わせて曲調が変わります。
わざわざ「ダークアービエントBGM」と書いてあるようにやや不穏なものが使われてました。
しかし物語の中盤以降は神秘的なBGMやピアノBGMといった癒し系に変わります。
(製品版には流れないバージョンも入ってます)

これは私の推測に過ぎませんが、主人公や女の子の心情を音楽で表してるのではないかなと。
どんよりとした心が南の島で過ごすことによって徐々に晴れ
最終パートで穏やかな気持ちに変わっていくように感じました。

最後は彼女が生み出す音です。
R-15なのでそこまでエッチなものは出てきませんけど
色んなところで至近距離から吐息を漏らしたり、耳舐めの時間を長く取ってじっくりやってくれます。
確認したところ本編で44分、おまけで20分ありましたから
サークルさんがおっしゃられてる1時間以上は確かにクリアしてます。

「ほら タオルです 動けないでしょ? 拭いて あげますよ」
これらを行う彼女については「謎の女の子」と呼ぶのがピッタリなキャラです。
物語の開始時点では情報がほとんどありませんし
彼との関係も赤の他人と言って差し支えないほど希薄です。
しかし2人には大きな共通点がひとつだけあります。

音重視の作品ですけど総時間が長いおかげでそれなりにしゃべってくれます。
少し話してからしばらく無言になるのを繰り返して音を聴きやすくしてました。
パートによって態度が少しずつ変化していくなど十分な存在感があります。
様々な音に癒されるサービス
簡単な状況説明をした後から始まる「2.砂のジャリジャリASMR(約50分)」は砂に焦点を当てたサービス。
眠ってる主人公を顔だけ出す形で砂浜に埋め
耳元で砂に関する音を時間いっぱい鳴らして疲れた心をほぐします。

「砂の中 どうですか? 温かい それとも 熱いんですかね?」
身動きが取れない状況を踏まえて時折気遣うセリフを投げかけながら
「さらさら ぱらぱら」という乾いた音を耳元至近距離で鳴らします。
音量バランスがしっかりしてるおかげで大人しい音でも聴きやすかったです。
同時に流れる波の音と合わせて浜辺にいる雰囲気をリアルに作り上げてます。

同じ音ばかりだと途中で飽きるだろうということで
左右の位置や音のタイプを5分くらいの間隔で変えてきます。
色々ありますが私は砂を耳に優しく擦りつけるような音が好きですね。
耳を手で撫でる時よりもざらつきがあり、さらに微弱な振動も伝わってきます。

「私たちの人生なんて この砂みたいにちっぽけなもんですよ」
最中の女の子は音の邪魔にならない頻度でぽつりぽつりと話します。
最初はごく普通のキャラに感じたのですが
話を聞いてると年齢の割に達観してると言いますか、冷めてる印象を受けました。
核心をストレートに告げたりせず、セリフを通じて彼女のことが少しずつわかるように進めます。

次の「3.渚で添い寝(約28分)」は安眠重視のパート。
砂遊びで疲れた彼女が左側に添い寝して穏やかな吐息を漏らします。
このへんからアンビエントBGMも癒し系のものが増えてきます。

「お兄さんを縛るものなんて 何ひとつないんです」
彼女は彼が仕事で追い詰められてることを知ってるらしく
疲れ切った心を癒す言葉を言って少しずつ立ち直らせます。
途中から手を繋いだり、自分から胸で抱きしめて心音を聞かせるなど
今日会ったばかりとは思えないほど優しく接してくれました。

そして彼がぐっすり眠れるようにセリフの量を前のパートよりも減らし
波の音、アンビエントBGM、吐息や心音だけが流れる静かな時間を提供します。
やってることはシンプルですけど音のレベルが高いおかげで癒しのパワーが強いです。

最後の「4.雨の中の耳舐め(約60分)」は耳舐め特化。
時間が流れて夜になり、降り出した雨をしのごうと近くにある木の下へ避難します。

「これからは 自分のために生きてくださっていいんですよ」
2人きりの無人島生活ですから当然電気はありません(食料はたっぷりあるそうです)。
暗い場所で寄り添いながら今まで以上に優しい言葉をかけてくれます。
物語が進むにつれて彼女の態度が柔らかくなってるように感じました。
それを匂わせるセリフが出てきますし、彼女も今回の出来事を通じて癒しを感じてるのがわかります。

耳舐めは右耳をゆっくりペースで舐めるところから始まり
若干速くなる→しゃぶる感じの音に変わる→左耳へ移り水分控えめな音を鳴らすと
R-18との線引きをしっかりしたうえでリアルな音を鳴らします。

最近の耳舐めは耳の内側や穴の入り口を責めるのが流行ってますが
そこまでいくとエロに分類されるのか、ここでは外を中心に責めてました。
コリコリした独特なちゅぱ音が心地よく、合間に時折入る吐息も静けさを引き立ててます。
興奮させるよりも眠気を誘うタイプの耳舐めですね。

このように、パートによってやることを変えながらそれぞれに合った音を鳴らす自然なサービスが繰り広げられてます。
しっとりしたASMR作品
癒しと安眠の両方に役立つ高品質なASMR作品です。

女の子は現実に疲れた主人公をその苦しみから解き放とうと
仕事とは無縁の無人島に連れていき、そこで3種類の健全なサービスをします。
そしてそれらの様子を色んな音と音楽を駆使してリアルにお届けします。

会ったばかりの物静かな女の子と南の無人島でのんびり過ごす変わったシチュ
効果音、環境音、アンビエントBGM、吐息&ちゅぱ音を織り交ぜた重厚なASMR
これらの最中に交わされる彼女との温かいやり取り。
彼の心情を汲み取った癒しの要素満載な作品に仕上がってます。

中でも2番目は従来のASMRよりも作りが複雑かつ高度で素晴らしいです。
こういう場合、それぞれのバランス調整が結構難しいはずです。
それを無事乗り越えて南の無人島生活を音と音楽で見事に表現してます。

あとは女の子も興味深いキャラに描かれてます。
彼女については本編よりも「5.おまけ音声」を聴いたほうがわかりやすいです。

ASMRが好きな人、耳舐めが好きな人には特におすすめします。
おまけは出会いのトラック、W耳舐め音声、NG集です。

CV:柚萌さん
総時間 2:45:50(本編…2:22:22 おまけ…23:28)

オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

追記
2020年8月7日まで20%OFFの704円で販売されてます。
その場合の点数は10点です。