東方入眠抄20 烏天狗はたての快眠念写術

サークル「Re:Volte」さんの催眠音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、東方シリーズに登場するキャラ「姫海棠(ひめかいどう)はたて」が
自分に会いに来てくれた人間を変わった手段で眠らせます。

彼女の能力「念写」を絡めた癒し特化の催眠が行われており
前半部分は脱力や深呼吸といったリラックス系の技法で固めて段階的に落とし
終盤で様々な癒しの要素を投げかけ、聴き手が自分でイメージできるようサポートします。
あなたに贈る最高の一枚
姫海棠はたてに催眠をかけられ安眠できる写真を撮るお話。

「あら? お客さんだなんて 珍しいこともあるのね」
はたては明るくて素朴な声の女の子。
音声を聴く際の注意事項を丁寧に説明すると
妖怪の山へやって来た主人公を嬉しそうにもてなします。

本作品は原作だと念写の能力を持ってる彼女が
不眠に悩んでる彼に60分近くの健全な催眠をかけて改善を手伝います。
シリーズの過去作に比べて時間が30%ほど長くなったこともあり
これまでよりもゆっくりリードして少しずつ催眠の感覚を膨らませます。
最後に寝て終わるようになってるので解除音声は入ってません。

「私は 君の意識に同調して 君の望むものを投影する」
彼女が今回のサービスで大事にしてるのは「一体感」
安眠できる写真が欲しい彼の願いを叶えようと、序盤から膝枕して頭を優しく撫で
それと同時に信頼が深まる言葉を投げかけて心身の距離を近づけます。

念写の能力はあくまで彼女が思い描いたものを映像化するものです。
だから催眠を通じて彼が求める一枚を念写できる環境を整えます。
終盤にはそれに合ったアプローチをかけてきますから
上手く催眠に入れていれば頭の中に何らかの映像が浮かび上がるでしょう。
癒しのパワー溢れる催眠
催眠は3パート42分間。
仰向けに横になって目を瞑り、まずははたてに体を撫でられてるイメージをします。

「なでなで なでなで 左手から すーっと力が抜けていく」
「顔の力が 抜けていくのを感じるよ 少しぼーっとしてきたね」

「なでなで」を適度に交えてセリフのリズムを取りながら
左右の腕、足、そして頭を個別に脱力してリラックスします。
冒頭シーンよりもセリフの間隔を長めに取って話しかけてくれるおかげで気持ちを落ち着けやすく
彼女が彼を眠らせようと気を配ってるのが自然と伝わってきます。

続く「05 体が痺れて君に」はさらなる脱力と深化。
事前に焚いておいたお香の効果で全身を軽く痺れさせ
その後にカウントを数セット数えながらその都度暗示を入れて催眠状態を深めます。

「右手が痺れてくるね ぴりぴり ぴりぴり」
先ほどの脱力とほぼ同じ流れで痺れる感覚を伝えるのが良いですね。
そうやってリラックスを段階的に強化し暗示をより受け入れやすくします。
私が聴いた時も足の裏にピリピリした感覚がしました。
長時間正座をした時によくある心地いい痺れです。

パート終盤のカウントによる深化も音響効果を有効に使ってたりと
シリーズの過去作に比べて催眠の技術が上がった印象を受けました。

本題の念写が始まるのは最後の「06 君の意識の底で」(約23分)。
これまでの誘導を通じて2人だけの世界に辿り着いた彼女が
一体感をさらに強めてから彼が望むイメージを呼び起こします。

「2人で見る 満天の星空 2人で遊ぶ 夏の海 プール 2人で食べる スイーツ」
ここでは何か特定のシチュや情景を思い浮かべさせるのではなく
癒しや楽しさをを感じる色んな要素を列挙し、その中から好きに選んでもらうスタイルを取ってます。
例えばアウトドア派の人は外に出たほうが気分が晴れるでしょうし
逆にインドア派は家の中で寛いでる方が落ち着くと思います。
だからより多くの聴き手に対応できるよう大まかな枠組みだけ用意し、あとは任せるわけです。

催眠に入ってると普段よりもイメージ力が向上するでしょうから
こういうアプローチは効果的だし彼女の能力「念写」とも大変マッチしてます。
自然と思い浮かんだものを鮮明にして癒やす本作品らしい安眠法です。

このように、しっかりリラックスさせてから目的地に導くテーマ性の強い催眠が繰り広げられてます。
心を通わせる作品
はたてとの信頼関係を大事にした質の高い作品です。

はたてはわざわざ妖怪の山を尋ねるほど寝付きの悪さに悩んでる彼を救おうと
まずは催眠を通じて心身をリラックスし、それと同時に2人の距離も縮めます。
そして準備が整ったところで彼に自由なイメージをさせて自然と眠れるようにします。

東方シリーズのキャラが催眠を使って寝かしつけるシリーズお馴染みのシチュ
前半部分をまるまる使ってゆっくりリラックスと深化を促す丁寧なリード
彼女の能力を技術と上手く絡め合わせた最終パート。
過去作が元々持ってた良い部分を維持しつつ催眠を強化した癒されるサービスに仕上がってます。

中でも3番目の要素は本作品を象徴するシーンということで
敢えて遊びを設ける大胆な試みがされてて面白いです。
術者がイメージを指定するより聴き手の無意識に任せたほうが癒しも得やすいですからね。
念写をこのように活用してるところに最も感銘を受けました。

あとは前項でも触れましたが催眠の技術が上がってるように思えます。
以前はイメージの扱い方以外は割と似たような誘導をしてたのですが
今回はそれにアレンジを加えてひとつの流れを作ってます。
手足が痺れる感覚を与えるのも珍しいですし、サークルさんが工夫された跡が見られます。

イメージ主体の作品が好きな人には特におすすめします。
おまけは音声3種とBGM2種です。

CV:七條未緒さん
総時間 1:18:41(本編…56:10 おまけ…22:30)

オススメ度
■■■■■■■■□□ 8点


体験版はこちらにあります