電車催眠-視覚イメージが苦手な人の為の催眠音声-

サークル「DGらいおん」さんの催眠音声作品。

今回紹介する作品は、電車内でよく会う顔見知りのお姉さんが
催眠をかけてからそこでソフト路線のエッチをします。

感覚と聴覚へ働きかける暗示をメインに作品を組み立ててるのが特徴で
虫の鳴き声、電車が来る音、駅員のアナウンス、電車に揺られる感覚など
視覚的なイメージを極力避けながら語りかけてそこにいる気分に浸らせます。
視覚イメージが苦手な方に
お姉さんに催眠をかけられ電車内でエッチするお話。

「こんにちは。んー、おはよう? こんばんは、かもしれないね」
お姉さんは甘く穏やかな声の女性。
主人公に挨拶し自分の役割を説明すると
催眠を始める前の準備として視聴時の環境や服装を確認します。

本作品は視覚的なイメージが苦手な人に催眠を楽しんでもらうことを目的に
彼女が90分程度をかけてそれに沿った催眠とエッチをします。
エッチの舞台を2人が出会った場所である電車内に定め
催眠パートはそこへ向かう様子を語りながら技術を使って作品世界に引き込みます。

「ホームに置いてある、自動販売機の音……。ゴウン、ゴウンと……機械的な低い音が、規則正しく繰り返されます」
「電車の起こす振動が……あなたの身体を微かに揺らす……。電車の起こす風が……あなたの身体を撫でる」

最大の特徴は感覚や聴覚にアプローチする暗示を中心に据えて誘導すること。
電車が登場するシーンからその周りで鳴ってる音や
車内にあるシートの感触、そこで揺られる心地よさなどを伝えて催眠状態を深めます。
「青い空、白い雲」といった視覚向けの暗示はほとんどありません。
頭の中で思い描く必要がない分、苦手な人でも彼女の言葉を受け入れやすくなってます。

催眠は3パート48分間。
楽な姿勢で目を瞑り、まずは深呼吸や脱力をして催眠に入りやすい環境を整えます。
絶頂形式がドライなので服装は締めつけのないものを着用してれば大丈夫です。

「右腕が……リラックスして……なんだかふわふわ……。ふわふわ……だらーん……いい気持ち……」
おでこ、目、口、左右の肩/腕/足、お尻、頭と全身を大まかなパーツに分け
それぞれに「力が抜ける」などの暗示をゆっくり入れてリラックスさせます。
作品固有の要素は特に出てきませんが、進め方が丁寧で強めの脱力感が味わえました。

同じ意味の暗示を異なる表現で繰り返し言うのが大きいです。
一通りやった後は手足を重点的に重くするなど手厚いリードをしてくれます。

続く「催眠誘導」は電車に乗り込むシーン。
夜に肌寒いホームで待ってる様子や乗り込んだ後の様子を聴き手視点で語ります。

「立っているのは、ちょうど……でこぼこした線の上。靴越しに、でこぼこした感触を感じます」
そしてここからはテーマの感覚と聴覚に関する暗示がいくつも登場します。
靴を通じて感じられるホームの段差、自販機の稼働音、停車と発車のアナウンス
つり革の感触などこの場にある様々なものを視覚以外の手段で伝えます。

DGらいおんさんは同人音声メインのサークルさんなので聴く前は割と不安だったのですが
催眠を結構勉強をされてるのか暗示の入れ方や表現方法に一貫性があって良いです。
「カタンコトン」と電車の走る音を言いながら意識を揺さぶるのも効果的です。
18禁音声を聴く年齢で電車に乗ったことのない人はいないでしょうし
視覚イメージを苦手としてる人でも自然に情景が浮かんでくると思います。

最後の「イメージによる深化」は催眠状態をさらに深めるシーン。
車内で1人眠っていた彼のところへお姉さんがやって来て
軽いお話の後は2人で肩を寄せて眠りさらに心を落ち着けます。

「そう……。今、この場所には……。あなたと私……二人だけ……。……耳を澄ますと……お互いの息の音が……聞こえてきそうな……」
近づいてくる時の足音、会話中の息遣い、そして体の温もり。
引き続き感覚と聴覚に働きかけながら彼女の近さや一体感を出して安心させます。
ちなみにナレーターのお姉さんと電車内の彼女は別人扱いになってまして
電車内で眠ってる彼女にナレーターが悪戯しようと誘うシーンもあります。
催眠者とエッチのパートナーを分けてる催眠ボイスドラマっぽい作りです。

エッチに向けての環境づくりに注力したテーマ性の強い催眠です。
聴き手を電車内へ案内し、そこにいるお姉さんと会わせるのを目的に
最初は深呼吸と分割弛緩法で心身を強めにリラックスさせ
それから電車に乗り込み揺られる→彼女に出会い寛ぐ、と順を追って進めます。

感覚や聴覚へ向けた暗示がメインな点だけやや人を選ぶものの
品質は比較的高く適正がある人なら割とあっさり入れると思います。
電車内のシーンで眠らせる暗示をそれなりに言うため、途中で寝落ちする人がいるかもしれません。
彼女の温もりを感じながら
エッチシーンは2パート37分間。
プレイは首筋/胸/乳首の愛撫、お姉さんの体に触れる、性器の相互愛撫です。

エッチな効果音はありません。
セルフはありません。

「嬉しくて……嬉しくて……あなたのこと……。ちょっと、意地悪……しちゃおっかな」
主人公に体を預けて寝ていたお姉さんは
自分の髪や肌が当たって悶える彼の姿を見てちょっぴり悪戯してみます。

エッチはほぼ対等な関係でゆっくり愛し合います。
最初の「えっちパート前半」は彼女の熱や柔らかさをより強く実感するシーン(約18分)。
眠ってる彼女の髪で首筋を撫でられるところから始まり
逆に寝ているのを利用し腕や足に優しく触れて女性の体を味わいます。

最初から言ってしまいますと本作品のエッチは極めてソフトです。
フェラやSEXといったプレイをほとんどやらず、彼女と2人きりでイチャイチャしてる雰囲気を楽しみます。
このパートも性感帯は一切刺激せず服越しに体を触るだけです。

「あなたが……可愛かったから……つい……。怒らないで……ほら、あなたも……私にいたずらしていいから……ね?」
寝ている女性に悪戯するシチュから痴漢を連想する人がいるかもしれません。
しかし実際はナレーターの彼女が電車内の彼女をいじっていいよと許可を出し
後半に入るとお互いの体をいじり合うノーマルなエッチをします。

他の乗客が来るかもしれないスリルを味わわせることもありません。
2人が電車を通じて巡り合ったからそうします。

「やわらかくて……指が少し沈み込むような……それでいて程良い弾力のある……太ももの感触……。温かい……私の体温が……あなたの手のひらに伝わります……」
そしてエッチ開始後も引き続き感覚と聴覚重視で実況します。
髪が首筋に触れるこそばゆい感覚、女性らしい柔らかな体と温もり。
感度強化の暗示と彼女の存在を実感させる暗示を組み合わせて臨場感を出します。

続く「えっちパート後半」は若干踏み込んだプレイ(約19分)。
ソフトな愛撫では我慢できなくなった彼女がおっぱいを触って欲しいとおねだりし
そのお返しとして乳首責め→性器の相互愛撫と2人で一緒に気持ちよくなります。

ナレーター「乳首をくりくりといじられるたびに……ピリピリするような感覚が、あなたの乳首に走ります……。気持ちいい……。乳首が気持ちいい……」
電車内「乳首気持ちいい……キミに乳首いじられるのすごい……ピリピリして……しびれちゃうよっ……んぅ!」
電車内の彼女がしゃべる割合が前半よりも増え
そちらは喘ぎ声や感情描写、ナレーターは引き続き状況説明&暗示と
それぞれで役割分担しながら引き続きゆっくり進めます。
このパートは同人音声の要素が割と強く、催眠音声のエッチとしてはイマイチでした。
終盤の絶頂シーンもカウントを数えた後に追い込み暗示を入れず、イキ声を漏らすのみとやや淡白になってます。

このように、彼女との一体感を重視したイチャラブ系のエッチが繰り広げられてます。
独特な切り口の作品
どちらかと言えばエッチよりも催眠に光るものを持ってる作品です。

お姉さんは電車内で偶然出会い興味を持った主人公とより深い関係になろうと
まずは長めの催眠を通じて催眠状態を深めつつ作品の世界へ案内し
そこで衣服を脱がずにお互いの体をいじって初エッチを楽しみます。
そしてこれらをやるにあたって感覚や聴覚に働きかける暗示を多く入れます。

穏やかなお姉さんと電車内でソフトに愛し合う甘めのシチュ
十分リラックスさせてから電車内のイメージで深化させるテーマに沿った催眠
彼女が近くにいる感覚に浸らせながら気持ちよくする雰囲気重視のエッチ。
タイトルの「電車」と「視覚イメージが苦手な人の為の催眠」を組み合わせて幸せなひと時を提供します。

「カタンコトン……。電車が揺れて……。電車が揺れると……私の身体も……ゆらゆら、ゆらゆら」
中でも催眠は視覚向けのアプローチを意図的に避けてあって面白いです。
擬声語を多めに盛り込んであるのも直感的に伝えたかったからなのでしょう。
それでいて入りやすくなるよう組み立てられてるのが実に見事です。
催眠ではなかなか珍しい試みがされてるので
発売から6年以上経った今でも新鮮な気持ちで聴くことができます。

それに対してエッチは内容をソフトにし過ぎかなぁと。
絶頂シーンが1回、しかもその前半は性感帯以外を優しく触れるのみと
18禁音声として見るには物足りない構成になってます。

あとは電車内の彼女をしゃべらせ過ぎてるようにも思えます。
こちらは催眠者ではなくエッチのパートナーなので、催眠暗示を入れることはほとんどありません。
そしてそういうセリフが増えれば増えるほど催眠の純度が落ちてしまいます。
例えば双子のように2人とも催眠者に位置付けて協力させれば随分違ったでしょう。

絶頂シーンは1回。
淫語そこそこ、喘ぎ声ごく僅か、ちゅぱ音はありません。

CV:大山チロルさん
総時間 1:35:52

オススメ度
■■■■■■■□□□ 7点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は6点。
96分で756円とコスパが良いので+1してあります。

2019年4月18日まで30%OFFの529円で販売されてます。