催眠ASMR-蠱惑のマッチ

サークル「帽子屋」さんの催眠音声作品(男女両用)。

今回紹介する作品は、様々なマッチを売り歩いてる不思議な少女が
それらを使った催眠でMっ気のある男性に気持ちいいひと時を提供します。

マッチに関する音を使って感覚を操作する珍しいサービスが行われており
催眠パートはそれに川の流れる音や炭酸の弾ける音を組み合わせてリラックスを促し
エッチは純粋なエロ要素をほとんど使わず音と暗示だけで性感を高め絶頂させます。
物語の途中から双子形式に切り替わるのもポイントです。
色とりどりのマッチで不思議な体験を
マッチ売りの少女が色んなマッチを擦るお話。

「お兄さーん お兄さーん お兄さん あなたのことですよ」
少女は素朴で可愛い声の女の子。
街中にいた主人公に声をかけてマッチを買わないか尋ねると
その効能を説明してからお試しに1本だけ使ってみます。

本作品は火をつける以外にも様々な効果を持ったマッチを売ってる彼女が
偶然出会った彼を相手に70分程度のエッチなサービスをします。
タイトルにもなってる蠱惑(こわく)のマッチ以外にも5種類存在し
シーンごとにそれらを取り替えながら音を流したり暗示を入れて心地いい感覚を膨らませます。

サークルさんが「催眠ASMR」と銘打ってらっしゃる通り
一般的な催眠音声よりも音の量を増やし、タイミングよく鳴らしながら誘導することを心がけてます。
他の作品ですと「ヒプノドラッグレディ」や「ヒプノタイマー」あたりに似た特徴を持ってるのですが
それらよりも音を癒しに寄せたりイメージの割合を増やすことでASMRらしさを出してます。
マッチを点ける時に鳴る「しゅぼっ」という音は特に心地いいです。

エッチの後半で心を多少強く責めるシーンがあるものの
調教や拷問に比べてやり方がずっとソフトですし、彼女の態度も終始穏やかなので
メインターゲットはノーマル~ややMあたりと私は見てます。
サークルさんの過去作を既に聴いてる人なら今作も普通に楽しめるでしょう。

ちなみに私が購入したのは冬コミで発売されてたパッケージ版です。
確認したところ本編はまったく同じですが
DL版はフリートークと耳舐め音声が追加されてるようです(おまけ1と2)。
音と色を組み合わせた催眠
催眠は2パート33分間。
マッチを軽く試した後ラブホテルに移動し、そこのベッドへ横になってまずは深呼吸します。

「マッチを擦ると 黄色い炎が灯って ふわっと爽やかな香りが広がる」
そして彼女は早速不思議なマッチを使って癒しを与えます。
黄色いマッチはレモンの香り、緑のマッチは森の匂いと色にイメージを組み込み
マッチの点火音だけでなくそれぞれに合った癒しの音を鳴らしながらリラックスできる暗示を入れます。

炭酸の弾ける音や川の流れる音が使われていて聴くとスッキリするでしょう。
彼女もその雰囲気を壊さないようセリフの間を長めに取ってゆっくり話しかけます。
音と技術の両方から癒やす本作品らしいアプローチです。

「バニラの香りは 優しい香り ふわっとした甘さに包まれる 幸せの香り 幸福感を高める香り」
「きらきら燃える白い炎は 綺麗で純粋 神聖さを感じさせる炎を見つめていると 心が洗われて 良い気分になっていきます」

黄色、緑と続いた後に白いマッチを点けるシーンがあるのですが
そこでは「ほわん」という振動を伴う音を鳴らしながらバニラの香りと色をイメージさせます。
聴覚、嗅覚、視覚と幅広い感覚器官を刺激してリアリティを出すわけです。
マッチを中心に据え、それ以外の要素で脇を固めて催眠により入りやすくしてます。

2番目の深化パートは名前の通り催眠状態をさらに深めるシーン。
今度は紫色のマッチを取り出し、それを適度に燃やしながら意識がぼやける感覚を伝えます。

「(右)すーっとクリアに (左)とろーんとリラックス (右)気持ちよーくリラックス (左)心地よーく脱力」
先ほどのように別の音を鳴らすことはないものの
パートの途中から右側だけだった彼女の声が左にも追加され
2人が連携を取りながら暗示を入れて少しずつ確実に導きます。


催眠音声で人気のある双子形式ですね。
ひとつのセリフを2人が分担して左右に細かく揺さぶったり、別のことを同時にやる複雑な作りをしています。
また2人目の登場に合わせてセリフごとの間が一気に短くなるなど
1人の時とはやり方を色々変えて双子が活きるように進めます。
暗示の密度が大幅に上がるおかげで沈んでいく感覚が強く味わえました。

作品の特徴であるマッチと技術を違和感なく組み合わせた高度な催眠です。
マッチの音で反応できる心と体にするのを目的に
前半の誘導パートはマッチの音と癒し系の音を組み合わせて心身を落ち着け
後半の深化パートはそれよりも技術に寄せてスムーズに落とします。

催眠の初っ端からマッチを使うのがテーマに合ってて面白いですし
色、別の音、双子といった他の要素も上手く投入していてレベルが高いです。
一番多く鳴るマッチの音も癒しのパワーがあって心地いいひと時を過ごせました。
そして多く鳴らすからこそ、続くエッチで感じられる土台を整えやすくなってます。
マッチの音でイかされるエッチ
エッチシーンは2パート33分間。
プレイはマッチに点火する、耳舐め、マッチを折るです。

マッチに点火する、折る際に効果音が鳴ります(鳴らないバージョンは入ってません)。
セルフはありません。

「さっきのマッチとは 比べ物にならないほど気持ちいい 不思議な感覚に どんどん支配されていく」
様々なマッチを使い主人公を心地いい感覚で包み込んだ少女は
いよいよ蠱惑のマッチを投入し今度はエッチな感覚を与えます。

エッチは体の接触をほとんどせず音と言葉で気持ちよくします。
前半の「アダルトパート1-蠱惑のマッチ」はスタンダードな音責め(約19分)。
双子形式を維持したまま蠱惑のマッチに何度も点火し、その音を通じて感度を上げます。

「気持ちいいマッチが 気持ちいい音が 痺れるような感覚が とろけるような快感が 欲しくて欲しくて堪らない」
「お兄さん とってもはしたない顔してますよ もっともっと ダメになったところを見せてください」

催眠パートよりも話すペースを若干上げ、音が鳴るたびに気持ちよくなる暗示を入れる
催眠音声だからこそできる非常に変わったプレイです。
おちんちんなどの淫語をほぼ言わずに進めますから、どちらかと言えば股間よりも脳に快感が集まってくるでしょう。
全然エロくないのになぜか気持ちいい感覚が湧いてきて面白かったです。
彼女も引き続き彼の感じる姿を穏やかな表情で見守ります。

ここでやることはもちろんそれだけではありません。
ある程度鳴らした後にわざと休憩を挟んで音を早く聴きたい気分にさせたり
4分程度の短い耳舐めも挟んで別方向から気持ちよくします。

マッチの音だけを鳴らして終わりでは催眠パートと展開があまり変わりませんから
ある程度の押し引きを入れて揺さぶりをかけてくれます。
絶頂シーンでは畳み掛けるような追い込み暗示を左右同時に入れるなど
イける雰囲気作りにも気を配ってあってやりやすいです。

続く「アダルトパート2-心の折れる音」は今までにはなかった音で気持ちよくするプレイ(約14分)。
前半を終えた時点で蠱惑のマッチが残り僅かになったことを受けて
今度は今まで点けてきたマッチを「ぺきっ」と折る音を小まめに鳴らして心を重点的に責めます。

「音がするたびにゾクゾクして 理性の柱はもうぼろぼろ どんどん心が磨り減っていく でもそれが気持ちいい」
「心が折れる」と聞くと後味が悪くなりそうに思う人もいるでしょうが
本作品の場合は「自分がダメになっていく快感」あたりに位置づけられてます。
完全に否定的な意味ではなく、多少の旨味も含んだ感覚です。

ポジティブなセリフとネガティブなセリフを交互に投げかけてくれますから
気持ちが大幅に沈むことはないと思います。
女性向けに配慮してこれくらいに調整したのではないかなと。
これまでと同じく「折れる」のイメージを使って気持ちよくするエロさ控えめな内容です。

私が聴いた時は前半のほうが気持ちよかったです。
マッチを擦る音に暗示を込める従来のスタイルをそのまま貫いてるので
音に合わせて肌がピリピリしたり脳内に気持ちいいモヤが広がる感覚を味わいやすいです。
過去に双子作品を制作されてるだけあって双子の扱いも上手でした。

このように、パートごとに異なる音を鳴らして気持ちよくするテーマに沿ったエッチが繰り広げられてます。
新しい音系作品
癒しの音を催眠だけでなくエッチにも活用してる大胆な作品です。

マッチ売りの少女は不思議なマッチに興味を持った主人公にそれを味わってもらおうと
2人きりになれる場所に案内してからまずは色のついたマッチをいくつか使って催眠をかけます。
そして準備ができた後はタイトルにもなってる蠱惑のマッチで2種類の快感を与えます。

マッチ売りの少女が様々なマッチでサービスする面白いシチュ
マッチを灯す音と暗示や他の音を組み合わせて感覚を操作する音重視の作り
直接的なエロ要素を極力使わずにドライまで持っていくエッチ。
催眠ASMRの名に相応しい思い切ったやり方で作品を組み立ててます。

マッチを始めとする音が本作品の鍵になってるのは間違いありません。
でもそれを実現させたのはやはり双子の力だと私は思います。
1人で誘導する時よりもできることの幅が広がりますし、時間に対する暗示の量も増やせます。

マッチの音自体はエッチとほぼ無縁なので、ただ鳴らすだけだと絶頂させるのは難しいです。
「マッチの音を聴けば気持ちよくなるよ」と根気よく伝えるからこそ成り立ちます。
おちんちんに意識を向けさせないおかげで純粋なドライが味わえました。
簡単に言えば「脳だけで迎える絶頂感」です。

催眠はマッチ以外の音と色に関するイメージがプラスに働いてます。
川の音などは人間なら誰でも癒しを感じるものですし
色もイメージ力を向上させるのに有効な素材です。
そしてメインのマッチをうるさく感じないレベルで鳴らして心に染み込ませます。

絶頂シーンは2回。
効果音それなり、ちゅぱ音ごく僅か、淫語と喘ぎ声はありません。

以上を踏まえてサークルさんでは初の満点とさせていただきました。
おまけは「マッチを売りたい少女」です。

CV:男性向け…秋野かえでさん 女性向け…nitさん
総時間 男性向け 1:53:55(通常版…1:14:52 安眠版…34:36 おまけ…4:27)
女性向け 1:46:06(通常版…1:11:30 安眠版…34:36)

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります