東方入眠抄19 〜恋する小悪魔〜 la diablotine amoureuse

サークル「Re:Volte」さんの催眠音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、東方シリーズに登場するキャラ「小悪魔」が
召喚した人間に催眠をかけながらお互いに今欲しいものを与え合います。

彼女の背景を語りながら安眠させるドラマ性重視の催眠が行われており
前半部分は深呼吸やストレートな暗示でリラックスと信頼関係を強め
後半から彼女が彼を呼び出した理由や求めてるものに触れて心をさらに温めます。
悪魔だって愛が欲しいの
小悪魔が安眠できる催眠をかけるお話。

「どうもはじめまして そして これからよろしくお願いしますね」
小悪魔は丁寧な言葉づかいをする穏やかな声のお姉さん。
紅魔館に逆召喚された主人公に挨拶し事情を説明すると
契約を交わす見返りに彼が求めてる安眠へと導きます。

本作品は館の中にある大図書館で司書をしてる彼女が
契約の見返りとして40分程度に渡る癒しの催眠を施します。
原作では本名不明、しかも特別な能力も持たないキャラのため
能力にちなんだイメージを使う他のシリーズ作品とはやや違うやり方で物語を進めます。

「せっかく図書館にいるのですから 本を読んであげましょうね」
具体的には彼女が作中で「魔法の本」と呼んでるものを聞かせるスタイルを取ってます。
調べた限りだと彼女にこの本に描かれてるような設定はされてないようなので
もしかしたらサークルさんの創作なのかもしれません。
Re:Volteさんはこのところオリジナル作品も制作されてますから、そうだったとしても別段おかしくないと思います。

もちろん旧来の良いところもきっちり受け継いでます。
冒頭シーンで悪魔から連想される契約を持ちかけ、彼が望んだ安眠を提供します。
その代わり彼女も自分が今欲しいものを得て幸せな気分に浸ります。

彼女が何を求めてるのかは伏せさせていただきますが
基本的には癒やす方向で進めますから暗さやヤバさはありません。
タイトルの「恋する小悪魔」にピッタリな愛のあるサービスをしてくれます。
シリーズの特徴を受け継ぎつつ新しい要素も取り入れたドラマ性のある作品です。
小悪魔が持つもうひとつの顔
催眠は3パート33分間。
仰向けに横になって目を瞑り、1分程度深呼吸してから小悪魔のことが好きになる暗示を入れます。
ちなみに本編はほぼすべてのシーンで声にエフェクトがかかります。

「私のことを好きになって? そうしたら あなたの願いを叶えてあげられる」
「頭の中が 黒い色に染まっていく 闇の色 私たちの色」

普段通りの穏やかな表情で「好き」を何度も投げかけながら
彼女の容姿に関するイメージを軽く語って心と体の距離を近づけます。
そしてある程度進んだ後は短めのカウントを何度も数えて別の世界へ案内します。

事前にもう少し準備してから暗示を入れたほうがかかりやすい気もしますが
彼女に悪意がなく、彼に自分を好きになってもらおうと頑張ってる様子は伝わってきます。
いきなり物語を絡めずに信頼関係の構築や深化に力を入れてるのも良いです。
カウントを数えるシーンでは「闇へ落ちていく」など悪魔らしい暗示表現を心がけてました。

3番目の「思い出の牢獄」は本題にあたる物語(約19分)。
長い時を経て老朽化した廃墟に降り立った主人公が
その中にいるとある存在と体を触れ合い愛情を注ぎます。

「あなたの熱に反応するかのように ○○がピクリと動く」
詳しいことを書くと盛大なネタバレになってしまうので感想だけ言わせていただきますと
一抹の物悲しさ、切なさを感じるお話でした。
時折流れるBGMもそれに合った儚げな旋律を奏でます。
無言の時間を適度に挟んであるのもそれを引き立てるための演出なのかもしれません。

催眠の技術も一応使われてますけど、それよりはストーリーで心を揺さぶるシーンかなと。
催眠に入ってる感覚があまりしない一方で胸のあたりがジーンとするのを感じました。
安眠に関する誘導は中盤にカウントを数えながらその手の暗示を入れたり
終盤に軽い寝息を立てる程度と少なめになってます。

このように、前半と後半で内容を大きく切り替える変わった催眠が繰り広げられてます。
ドラマ仕立ての作品
従来の東方入眠抄シリーズよりもドラマ成分が強い作品です。

小悪魔は広大な図書館で本の管理をしてる寂しさを少しでも紛らそうと
自分の意志で主人公を異界から召喚し、安眠させる見返りとしてとあるものを求めます。
そして前半はリラックスと好きになる暗示、後半は物語と方向性を大きく変えて催眠を施します。

東方キャラが能力を使わずに安眠させる今までとは違ったシチュ
悪魔のイメージよりずっとおおらかな彼女のキャラ
その背景がだんだんとわかるようになるストーリー性のある催眠。
技術で癒したり眠らせることの多い全年齢向け催眠音声とは異なるタッチで仕上げてます。

「これは 物語 そういうお話」
今回は物語が肝になる関係で普段よりもかなりぼかして書きました。
このへんを語ってしまうとたぶんこの作品を聴く楽しみが大幅に削がれてしまいます。
物語の最初と最後で彼女の口調を聴き比べてみてください。

ただ東方入眠抄の他作品よりも催眠の割合がやや減ってるところだけは気になりました。
催眠音声は一言で言えば技術の集積体なので、その分量が減れば当然品質にも影響が出ます。
エフェクトの効果で意識のぼやけや眠気を感じる人はいるでしょうけど
それは催眠の技術とまた別ですし、少なくとも当サイトではあまり評価しないことにしてます。

癒しのパワーは十分にありますから、内容を理解したうえで聴くなら問題なく楽しめるでしょう。
おまけは「小悪魔さんと幸せ添い寝生活~深夜編~」とアレンジ曲2本です。

CV:柳愛子さん
総時間 1:03:06(本編…41:12 おまけ…21:54)

オススメ度
■■■■■■■□□□ 7点


体験版はこちらにあります