眠れる捕虜生活 ~ほりょ☆みん~

サークル「Re:Volte」さんの催眠音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、数十年も戦争を続けてる敵国に所属する女兵士が
捕虜になった男性に心が休まる催眠をかけて眠りに導きます。

技術自体は至ってシンプルにし、その中に作品固有のイメージを盛り込んだり
環境音や音楽を流して癒しを与えるサークルさんらしい催眠が楽しめます。
敵地での温かいおもてなし
ファーベル王国軍のエルザ伍長に催眠をかけてもらうお話。

「気がついた? ようこそ 我が王国へ」
エルザはちょっぴり気が強そうな声と態度の女性。
戦闘の結果捕虜になった主人公に事情を説明すると
危害を加えないことを保証してから自己紹介します。

本作品は敵国の牢獄でひとり不安な日々を送ってる彼を少しでも落ち着けようと
彼女が25分程度の短い時間を使って安眠できる催眠を施します。
敵に催眠をかけられると聞くと尋問っぽく思う人もいるでしょうが
彼は士官ではなく二等兵なので後日収容所に移送され、戦争が終わったら解放されることが決まってます。
そういう事情を説明しながら技術を使って少しずつ心と体の緊張をほぐします。

Re:Volteさんは東方入眠抄という全年齢向けシリーズを数多く制作されており
そこでは登場人物の特徴に合ったイメージを駆使して癒しを与え
リアルな効果音、環境音、音楽を流して作品の世界に引き込む演出をされてます。

本作品でも自然物のイメージや水滴の音、風の音、フクロウっぽい鳥の鳴き声を取り入れて個性を出してます。

催眠は3パート26分30秒ほど。
目を瞑って力を抜き、まずはしばらく深呼吸して心身を軽くリラックスさせます。

「新鮮な空気が 君の体に入ってくる 体の力が 抜けていく 体の疲れが 抜けていく」
彼女は監視役としての義務感に加えて一個人としても彼に多少の親近感を抱いており
催眠開始後は実の姉のような穏やかな声と態度で接します。
深呼吸も最初は「吸って」「吐いて」の合図を出してリズムを取り
しばらく経つとそれを止めて「力が抜ける」「楽になる」と暗示を入れることに専念します。

「落ちる 落ちる 意識が落ちていく 暗闇に落ちていく すーっと意識が斜め後ろにずれていく」
そして準備が整った後はカウント数えながら深化できるように働きかけます。
まだ始まったばかりということで作品固有の要素は特に入れず
古典系の技術を使って堅実に落とすことを心がけてます。

本作品らしさが出てくるのはその次から。
軽く催眠に入ったところで今度はのどかな小麦畑をイメージし
夜になった後は彼女と一緒にそのまま眠りにつきます。

「温かな日差しが 君の体に降り注ぐ 燦々と降り注ぐ だんだんと気持ちよくなっていく」
人間なら誰でも癒しを感じる自然物をいくつも盛り込み
さらにバックで風が爽やかに吹き抜ける音を流してその効果を後押しします。
先ほどよりも眠そうな彼女の声もこの場の雰囲気に合ってます。

一番最後の夜のシーンは長めのカウントを非常にゆっくりしたペースで数え
その後はセリフの間を長く取って無音の時間を設ける安眠に適した作りです。
ここだけは環境音が流れないのでこれまでより静かな印象を抱くでしょう。
最中に投げかけられる彼女の言葉も温かくて安らぎを感じました。

このように、戦争から一時的に遠ざけて癒すテーマを意識した催眠が繰り広げられてます。
シンプルな作品
癒しに不向きなシチュをサークルさんなりのやり方で料理した面白い作品です。

エルザは敵国の捕虜として穏やかでない日々を送ってる主人公を少しでも安心させようと
年上の女性らしい優しさを見せながら目的に合った催眠を施します。
そして序盤は定番の技法でストレートに責め、それ以降はイメージや音を使って別方向から癒します。

敵にあたる女性にお世話される変わったシチュ
サークルさんが得意とする要素を違和感なく取り入れた堅実な作り。
2人の心の距離が徐々に近づいてくのが感じられるように物語を進めます。

「君にとってはそうではないかもしれないけど 君と出会えてよかったよ」
エルザは職務に忠実で情け深い女性に描かれてます。
だから彼を痛めつけたり逃さず今の状況でできる限りのことをします。
催眠を始める前に信頼関係を構築する会話も挟んで受け入れやすくしてるのも良いです。
最初は堅いと感じた人も最後まで聴けば随分印象が変わるのではないでしょうか。

正直なところこの作品を聴く前は色々と不安でした。
というのもオリジナル作品の第一弾にあたる
甘え犬 お姉さんの犬になって甘やかされる音声催眠」が色々とアレな内容だったからです。
でも実際は大幅に持ち直して十分安眠できる品質に仕上がってます。

ただし、総時間が短いことを加味しても個性がまだ弱いかなぁとも見ています。
最近の作品はテーマと技術を高度なレベルで融合させたものが結構出てますし
深呼吸やカウントを数える際に作品独自のイメージを盛り込むなどもうひと工夫が欲しいです。

あと牢獄に入れられてる状況で息を吸う時に「新鮮な空気が入ってくる」と言われても違和感があるので
吐く時に悪いものを吐き出すほうを強調する形で進めたほうがいいと思います。
ファンタジー世界で二等兵に衛生環境のいい牢獄を提供することはないでしょうから。

以上を踏まえて今回はこちらの点数とさせていただきました。
一部でネガティブなことも書きましたが安眠効果は高いです。

CV:鷹澄真咲さん
総時間 31:50

オススメ度
■■■■■■□□□□ 6点


体験版はこちらにあります

追記
最後に眠る流れなので解除音声はありません。