石化催眠 ~石飾の魔女~

サークル「ウォーターメイガス」さんの催眠音声作品。

今回紹介する作品は、森の中に一人で住んでる人懐っこい魔女が
自分の館を訪れた男性を魔法で石に変えてからエッチに弄びます。

タイトルの「石化」を強く意識したサービスが魅力で
自分の攻撃を防御させながら聴き手の状態異常耐性を徐々に弱め
石化が十分進行した後もエッチを通じて彼女のおもちゃに成り下がったことを思い知らせます。
催眠の要素は正直薄いですから一風変わったボイスドラマと捉えて聴くほうがずっと楽しめます。
森に住む魔女の変わった趣味
石飾の魔女に石化されてから責められるお話。

「こんばんは そしていらっしゃい お兄ちゃん」
魔女は明るくてあどけない声の女の子。
町はずれの森にある自宅を訪れた主人公を嬉しそうに迎えると
自己紹介してからまずは一緒にお話しようと言います。

本作品は現実世界だとまず味わえない石化を疑似体験させることを目的に
彼女がおよそ40分に渡って催眠をかけたりそれに合ったエッチをします。

催眠音声で石化と聞くと入念な脱力をしたり、体が動かなくなる暗示を厚めに入れるなど
運動支配を重視したアプローチをイメージする人もいると思います。
しかし本作品の場合は技術で実際にそうするのではなく、彼女が持つ固有の能力を使って雰囲気を出す感じに進めます。

詳しい理由はこの後説明しますが、この音声を聴いて一定以上の催眠状態に入れる可能性は低いです。
あくまで石化をテーマにしたボイスドラマと思って聴くのがいいでしょう。

「ほんと生きてるのに動けないお兄ちゃん見てると楽しいなー」
彼女は少女っぽい声や態度とは裏腹に生きた人間を石化させる趣味を持っており
自分の館に迷い込んできた人々を巧みな話術と魔法で骨抜きにします。
作中で痛みや苦しみを与えようとするセリフもあったりとややブラックなタッチで描かれてます。
聴き手をもてなす、喜ばせるのではなく彼女自身が楽しむために石化させる感じです。

催眠は3パート14分ほど。
石化させられると聞いて逃げ出そうとする主人公をひとまずなだめてベッドに寝かせ
まずは2種類の魔法を使って彼の石化耐性を下げようとします。

「いくよー はいっ 力を入れて いいよ 力を脱いて深呼吸」
魔法の内容は1番目が「はい」で体に力を入れて「いいよ」で抜く
2番目は長いカウントを1つずつ左右に振り分けて数える、とどちらも催眠音声で割と見かけるものです。
しかし前者は「はい」と「いいよ」の間隔が2秒しかなく力を入れる/抜く余裕がまったくありません。
リラックス目的でやってるのにこれらを慌ただしく繰り返すおかげでむしろしにくくなってます。

聴き手を本当にリラックスさせたいならそれぞれをゆったり行い
さらに「いいよ」の直後に軽い暗示を入れてそれを後押しするのがいいでしょう。
本作品の催眠は時間がとても短いですから暗示を多少厚めに入れたほうが落とせる可能性は上がります。

後者についてもカウントを左右交互に数えるだけで脱力や深化を促す暗示を一切入れません。
意識を頻繁に揺さぶられるのでぼんやりした気分にはなるでしょうがそこまでです。
こんな風に彼女は全編を通じて暗示の量を極端に減らしたままサービスを進めます。
言葉を使って聴き手の無意識にほとんど働きかけてこないから催眠に入れないわけです。

続く2パートは先ほど生まれた石化の感覚を強化します。
「波動で攻撃しちゃうね」パートは「ぽわわんっ」という魔法少女っぽい音と同時に「みしみし」と石が固まる音が鳴ります。
そして最後の「必殺の石化ブレスだよ♪」パートは彼女が息を吹きかけるのと同時に石が固まる音が鳴ります。

「もう気持ちよくて 動けなくて ほとんど何も考えられないでしょう」
やってることはテーマに合っててすごく良いと思います。
でもこれらの効果音を鳴らした後に「体が重くなる」「硬くなる」「意識がずーんと沈む」といった
聴き手を実際にそうさせるアプローチが残念ながらされてません。
このおかげで雰囲気作りができたところで終わってしまってます。

それっぽい音を鳴らすから石化したり催眠に入るのではありません。
音に合わせて技術を的確に行使するからそうなるんです。
お話の流れがしっかりしていて面白いだけにすごくもったいなく感じました。

彼女が魔法を使う様子に多少の催眠要素を盛り込んだ変わった催眠です。
聴き手の状態異常耐性を落としてから石化させるのを目的に
漸進的弛緩法っぽい行為から入ってカウント、波動攻撃、石化ブレスと
作品固有のものを絡めながら少しずつ感覚を強化します。

こういう作品を制作されるということは石化に対して並々ならぬ熱意があるのでしょう。
ひとつの物語として聴く分には十分楽しめるものを持ってます。
しかし聴き手に主人公と同じ感覚を味わわせるには色々足りないと私は考えてます。
催眠音声は催眠に入れないと何も始まりませんから、そこを疎かにするのはさすがにまずいです。

石化がテーマなのに脱力をほとんどしないのがとにかく痛いです。
体の重さや不自由感は比較的起こりやすいものですから本作品との相性が非常に良いです。
それなのにわざわざ今回のような展開にしたのが私にはどうしても納得できませんでした。
一方的に弄ばれる快感
エッチシーンは5パート15分間。
プレイは体を眺める、パンツを顔に被せる、ローション手コキ、亀頭責めです。

手コキ、亀頭責め、射精の際に効果音が鳴ります。
セルフはなしですが射精表現があります。

「じゃあまずは 動けないお兄ちゃんがそれを実感できるように お兄ちゃんの体を舐め回すように見つめてあげるね」
魔法を使って主人公の体を石化させた魔女は
ひとまず彼の全身を観察してそれが上手くいってるかどうか確認します。

エッチは抵抗できない彼を彼女が一方的に責め続けます。
一番最初の「石になったお兄ちゃん、舐めるように見てあげる♪」は視姦っぽいプレイ(約7分)。
顔、腕、胸、おちんちん、足を眺めながら体が動けなくなったことを念押しします。

「お兄ちゃんは石だし 私が思考を吸い取り続けてるから お兄ちゃんは抵抗できないの」
「すごくリアルだからまるで動きそうに見えるけど でもこれ石だから動かないんだー」

エッチと呼ぶにはソフト過ぎる内容ですが、石化がテーマの作品なら必要なシーンと言えます。
ここも動けなくなった事実を告げるだけで脱力の暗示を入れることはありません。
彼女自身の能力や他の石像に関する話もするなど雰囲気作りの意味合いが強いです。

彼の体を直接責めるのはその次から。
「私のおぱんつ被せてあげる♪」パートは彼女のパンツを顔に被せて匂いを堪能させ(3パート3分30秒)
「お兄ちゃんのおち○ちんピカピカにしちゃうね♪」はローションまみれの手でしごいて射精へ追い込みます(約4分30秒)。
彼女の話によると石化してても匂いを感知できるし射精もできるそうです。

「私のお股のエッチな匂いが頭の中に入ってきちゃうよ ぼーっとしかできないはずなのに だんだん頭の中がエッチな気分になっていっちゃうね」
「こうやって前後に擦ってやるだけでも ぬるぬるしてるからとっても気持ちいいんだよ」

そして前者はパンツから漂う女性特有の匂いを通じて意識を溶かし
後者はねちょねちょした摩擦音を鳴らしながらその気持ちよさを伝えるなど
聴き手を興奮させる、イかせることを意識して話しかけます。

このシーンに関しては割と催眠音声らしいプレイだなと。
手コキパートは途中から亀頭責めも加わり2種類の効果音が同時に鳴ってエロいです。
ただ最後の絶頂シーンはカウントを数えた後にぴゅっぴゅのセリフを言うだけで
催眠音声よりも同人音声に近い表現方法になってます。

このように、女性に弄ばれる快感を重視したややアブノーマルなプレイが繰り広げられてます。
コンセプトは面白いのだが
催眠音声よりも催眠が付属してるボイスドラマと呼ぶのが妥当な作品です。

石飾の魔女は自分の洋館に偶然やって来た主人公をコレクションに加えようと
魔法を使った攻撃を加えて石化への抵抗力を奪い、それから別の魔法でそれを一気に加速させます。
そして無事石像にできたあとはその出来栄えを確認しながら射精へ導きます。

石化をテーマに掲げ、それに向かって突き進む個性的な展開
幼さと残忍さを併せ持つ彼女のキャラ、そしてその能力を活かしたサービス。
一般的な催眠音声よりもキャラを引き立たせた物語が楽しめます。

「あのお兄ちゃん 色んな意味でいい体してるし 心壊さずにちゃんと苦しんでくれてるし 当分はあのお兄ちゃんと遊ぼうっと」
音声を聴き始めた段階では彼女に対して和やかな印象を抱いてました。
しかしお話を進めていくうちに彼を痛めつける、苦しめることに快感を覚えるドSな女性だと気づきました。
石化を恐れる彼を半ば強引にそうさせる流れも含めて結構自己中心的なキャラに描かれてます。

催眠は被験者を主役に置き色んな技術を使ってもてなす行為です。
しかし彼女は結局のところ自分が楽しむために催眠を施してます。
例えば石化を通じて得られる快感を強調する流れでサービスしてたら随分違ったでしょう。
抵抗されやすいテーマやプレイを扱う作品ほどアプローチはより繊細かつ柔らかくするのが望ましいです。

絶頂シーンは1回。
淫語とくちゅ音ごく僅か、ちゅぱ音と喘ぎ声はありません。

以上のことから今回は厳しい点数とさせていただきました。
発想力は大変素晴らしいので、今後の作品でそれをより上手に表現されることを期待してます。

CV:真宮ひいろさん
総時間 38:09

オススメ度
■■□□□□□□□□ 2点


体験版はこちらにあります