シークエンス~堕翼の寓話~序章~

サークル「KUKURI」さんの催眠音声作品。

今回紹介する作品は、神々の代理として仲間と共に戦い続ける少女が
敵対勢力に敗れエッチに犯される様子を彼女の立場で楽しみます。

ブラックなシチュをとても柔らかいタッチで描いたエッチが魅力で
体を拘束されたまま自分と同じ容姿を持つ女性に責められ心と体を溶かされる展開を
体が熱くなる、感度が増す、脳がとろけるといった気持ちいい暗示で中和しながら進めます。
最大の敵は実の姉
女体化催眠で朝霧 紅音になりきりエッチするお話。

「今から 物語の世界に入るための手続きをしていきます」
ナレーターは明るくて穏やかな声のお姉さん。
音声を聴く際の環境や注意事項を手短に説明すると
早速主人公を催眠に入りやすくする準備運動を始めます。

本作品は案内役と催眠者を兼ねる彼女の言葉に従って物語の世界に赴き
希望を司る神フェアネスの子供であるファティマの一員として敵と戦います。

神々の戦いがテーマなだけあってストーリーは結構壮大なのですが
聴き手が体験するのは主にエッチですからそれほど詳しく理解しておく必要はありません。
催眠終了後にある16分程度のドラマパートでナレーターが色々教えてくれます。

ちなみに展開は最初から最後まで結構ブラックです。
グロいシーンがほとんどないので中断したくなるほどではないものの
希望がほとんど見えない物語に耐性のない人が聴くと途中で重く感じる部分があると思います。
快楽漬けにされた末に悪堕ちする感じの流れです。

催眠は2パート37分ほど。
仰向けに横になり最初は目を開けたまま両腕を天井に伸ばし
開いた手のひらに重い球体が乗ってるイメージをします。
さらに天井の一点を見つめながらナレーターの言葉に耳を傾けます。

「ゆっくりと ゆっくりと 両手が下りてゆく それに合わせて 両手にかかっていた疲れが取れていきます」
「じーっと見つめていると 瞼が重たくなるのを感じます そして目を開けているのが だんだんと億劫に感じていきます」

どちらも対象の部位に少しの疲労を与えながら暗示を入れるので
被暗示性に自信のない方でも軽い重さやだるさを感じると思います。
そして彼女に言われて目を閉じた瞬間じんわりした心地いい感覚が湧いてくるでしょう。
KUKURIさんは以前からこの手の技法を積極的に使用されてます。

お次はより深い催眠に入るために心身をさらにリラックスさせます。
自分のペースで深呼吸したり、今の感覚を再確認したり、復唱形式で脱力の暗示を入れるなど
アプローチの方向を変えながら心地いい感覚をゆっくり膨らませます。

「あなたの中にある 余分なものやいらないものが 吐き出されていきます そのたびに あなたの心と体が 落ち着いた状態に入ってゆくことが できるかもしれません」
「それと同時、に あなたの心は 深い深い まどろみ、の 世界に入っていきます」

本編の内容とは特に絡めてこないおかげで雰囲気はとても温かく
先ほど行った運動による軽い疲労も相まって自分の心が落ち着いてるのがよくわかります。
最後の復唱は自己暗示を入れることを狙ってこうされたのでしょう。
自分の言葉なら他人よりもずっと受け入れやすいですからね。

続く女体化は紅音になりきることを目指したパート(約12分30秒)
最初に彼女の容姿や自分がそれに変化していく様子をイメージしてから
胸、お尻、腰など男女の違いが出やすい部分をカウントに合わせて個別に変化させます。
そして最後におまんこやクリトリスの感覚を女性のそれへと変えます。

「少しずつ 乳房が大きくなってゆく」
「おまんことクリトリスの感度が上がり 触れられるととても気持ちよくなります」

女体化誘導として見る分には順当に思えるのですが、本作品のエッチは紅音になりきって楽しむのが大前提ですし
過去作「少女の世界に弾丸を」のように作品独自の要素やイメージを盛り込んだほうが良かったと思います。

最近のKUKURIさんは催眠とストーリーをほぼ絡めずに行ってる関係で
以前の作品に比べて主人公への感情移入度や物語への没入感が下がってると私は見ています。
自分が理想とする女性になりきるなど定まった女性像のない女体化ならこの内容でもいいのでしょうけど
明確なビジョンがあるならそれを活かした誘導をして欲しいです。

リラックスや深化をさせてから女体化へ繋ぐスタンダードな催眠です。
聴き手を紅音になりきらせることを目的に、最初のパートは準備運動からの純粋な催眠誘導
次のパートは女体化と後になるほどそれに近づくように進めます。

現在活動してるサークルさんの中でも最古参なだけあって
誘導の流れが理にかなってますし技術の使い方や暗示の入れ方が丁寧です。
ベースは古典催眠ですが現代催眠を意識した表現も使われていてセリフが柔らかいです。
催眠自体は割と入りやすい部類に属すると思います。

ただ女体化については残念ながらオリジナリティに欠けるかなぁと。
実はこの催眠、サークルさんがひとつ前に出された「夢の終わりに」とほぼ一緒なんです。
両者の違いは物語に関する固有名詞と催眠パートの最後に追加要素があるくらいです。
私は夢の終わりにを既に聴いてたので正直不満でした。
自分がなくなっていく快感
エッチシーンは35分間。
プレイはキス、乳首を擦り合わせる、全身愛撫、手マン、乳揉み、SEXです。

エッチな効果音はありません。
セルフもありません。

「あなたの体が何かに捕まり持ち上げられる そして そのまま何かの中に入れられる」
実の姉「朝霧 まゆら」が所属する敵対勢力に破れ、ファティマの力も奪われた紅音は
謎の生物に丸ごと飲み込まれ、その中にいた人型生物に体を蹂躙されます。

エッチは複数体いる人型生物に拘束されたまま責められ続けます。
前半の19分間はその場の雰囲気に浸りつつ心身を盛り上げることを目指したプレイ。
彼らの中の一人に唇を奪われ、おっぱいやおまんこを中心に全身を愛撫されます。

「全身が燃えるような感覚になってゆく 制服と同じように 液体は少しずつ 少しずつ あなたの肉体を溶かしてく」
自分がどこにいるかもわからない絶望的な状況で得体の知れない生物に責められ
さらに部屋から分泌される粘液に服や体を溶かされる。
彼女が現在いる場所やエッチの相手、そして味わってる感覚を暗示で生々しく伝えます。

これだけを聞くとかなりヤバいプレイに思えるでしょうけど
エッチの相手を務める人型生物はみんな紅音と同じ容姿をしており
粘液についても体が溶ける痛みや苦しみには触れず、気持ちよさを感じさせることに力を入れて進めます。
シチュは独特ですが複数人のレズプレイに近く、その内容も人間同士がするものとほぼ同じです。

「あなたの両方の乳房に手を伸ばす そして楽しそうに揉み始める だんだんと乳房が熱くなる 熱い 熱い 熱い どんどん熱くなる」
またプレイ中に体の熱を上げる暗示が非常に多く、後になるほど手のひらや脇腹に感覚の大きな変化が現れます。
溶かされていく恐怖やスリルをそれ以上の快楽で塗りつぶしていく。
こういった工夫のおかげで希望がないにも関わらずそこまで重い空気にならずに済んでます。

続く後半は紅音の存在を抹消し別の存在へと変える重要なシーン。
偽紅音の中の一人が股間におちんちんを生やし、彼女の処女おまんこを貫いてさらなる快感を与えます。

「快感に飲まれた状態で 意識が少しずつ 少しずつ 薄れていくのに気がつく」
「あなたの中にあった いらないもの 邪魔なものが消えていく それにより あなたの心が満ち足りていく」

おまんこやおっぱいなど全身から襲ってくる快感を味わいながら
粘液によってすべてが溶かされる様子を凄惨さを感じない表現で上手く描いてます。
催眠に深く入った時に味わえる脳がとろける感覚や手足がなくなった感覚を重ね合わせる感じです。
明確な絶頂シーンがないので性的快感よりも催眠特有の感覚を味わわせることを目指してるのだと思います。

このように、悲しい思い出やこれまでの戦闘で汚された心と体を浄化し再構築する独特なエッチが繰り広げられてます。
相反する属性を併せ持つ作品
ブラックなお話をできるだけ聴きやすい形で仕上げた作品です。

何らかの事情で神々の戦争に巻き込まれ、最後に敗北を喫した少女が
敵対勢力が持つ生物の中でエッチし新しい存在へと作り変えられます。
最初から最後まで希望が一切見えない展開、それをできるだけ中和しようとする様々な配慮。
バッドエンド作品にありがちな重いストーリーをセリフの表現である程度軽くしてます。

すべてを暗く重くしたら聴きたいと思う人が相当に絞られてしまいますし
サークルさんなりに考えた結果こういう構造になったのだと思います。
明るい部分がまったくといっていいほどないのに意外と聴きやすいです。
エッチシーンのセリフが状況説明より感度や熱を上げる暗示を重視してるのもあります。

最中は多少気落ちすることもありましたが、最後はスッキリした気分で聴き終えることができました。
エッチの終盤に深化やリフレッシュ系の暗示を多めに入れてくれるからです。
後味が悪くならないようにちゃんと考えてエッチを組み立ててます。

催眠は悪い言い方になってしまいますが過去作の使い回しです。
一部で同じ技法を使う程度ならいいのですが8割方一緒なのはさすがにどうかと…。
夢の終わりにを聴いてない人なら問題なく楽しめます。

エッチは絶頂シーンが特にない点を除けば個性的で面白いです。
性的快感より催眠そのものの感覚が好きな人に向いてます。
タイトルが序章となってますし、今後を見据えてわざとこうしたのかもしれません。

絶頂シーンは0回。
淫語そこそこ、ちゅぱ音と喘ぎ声はありません。

以上を踏まえて今回はこちらの点数とさせていただきました。

CV:一之瀬りとさん
総時間 1:45:49

オススメ度
■■■■■■□□□□ 6点


体験版はこちらにあります