ビャクといっしょに

サークル「とみみ庵」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、とある神社で新米巫女をしてる女の子が
師匠の代わりに顔なじみの男性を色んなサービスでもてなします。

サークルさん最大の武器である耳かきはもちろん、ヘッドスパやマッサージなど
お世話する範囲を上半身全体にまで広げ、その一部始終をリアルな音で繊細に表現しています。
女性ごとの違いも持たせてますから、同じサービスでもそれぞれで異なる印象を抱くでしょう。
音が織り成す幅広いサービス
神社の巫女ビャクが参拝客を癒すお話。

「あら? こんにちは この日差しですからね お二人とも汗をかいたのではないですか?」
ビャクは明るくて穏やかな声の女の子。
参拝を終えてから休憩所にやって来た主人公に声をかけると
テンが戻ってくるまで代わりに彼をお世話することを志願します。

本作品は「鈴の緒を引けば」「鈴の音を聞きに」「鈴の音と共に」と続いてきた人気シリーズの番外編。
いつも彼を迎えに行っていた師匠のテンが外出中なのを受けて
彼女が2時間以上にも及ぶ色んなサービスで彼に普段とは別の癒しを与えます。

「景色を見ながら ゆったりと飲むお茶はいいですね 私が淹れたお茶なので 自画自賛になってしまいますが ふふっ」
ビャクは過去作でも脇役としてたびたび登場してるキャラ。
テンとは違って今風の言葉遣いをし、特に恋愛の話になると目をキラキラさせる女の子らしい性格をしてます。
そして巫女の仕事やテンの世話をする以外に癒し系専門店の手伝いもしており
作中では流れるような手つきで彼の頭や上半身をケアします。

耳かきの質、量、バリエーションに力を入れてた過去3作に対し
本作はサービスの種類をできるだけ多くして変化をつけてます。

耳かき自体も44分近くありますから耳かき目当てで聴いても十分楽しめるでしょう。

そしてこれらを根本から支える音がどれも極めて高い品質を持ってます。
例えば一番最初の主人公とビャクが出会うパートでは
開始から2分30秒頃までセリフを一切入れず、彼が参拝し休憩所に移動する様子を音だけで表現してます。
他にも道具を準備する音、体を動かした際に鳴る布の擦れる音、休憩所の近くを流れる川の音など
様々な音を絶妙な位置、距離、タイミングで鳴らして作品の世界を作り上げてます。

サービスもすべてが非の打ち所がないほど優れてますし
ASMR(音フェチ)系の作品が好きな人ほど強い癒しと満足感が得られます。
総時間が長いのでセリフも結構ありますが、個々の間隔を長めに取って音を聴きやすくしています。

幅広さにこだわったサービスとリアルな音の数々。
世界観やキャラを大事にしながらたっぷりお世話する総合力の高い作品です。
上半身の疲れと汚れをじっくりお掃除
事情を説明し主人公の同意を得た後から始まる最初のサービスは顔や頭部のケア(約32分間)。
顔の汗拭き、シャンプーやトリートメントを使った洗髪、炭酸水による頭皮マッサージで隅々までスッキリさせます。

水の入った桶にタオルを浸し、絞ってから横になった彼の顔の上に置き
その間は「ぷすっ」と軽い布の音が至近距離で鳴るなど
序盤から細かな部分にまで専用の効果音を用意しそれらを違和感なく組み合わせて進めます。

音が鳴る行為のすべてに効果音が入ってると思ってもらっていいです。
距離感がバッチリなので顔の周辺をお世話されるシーンは特にリアルに感じます。
タオルの粗さや湿り気などもしっかり表現されてますし、音に強いサークルさんの持ち味が早速発揮されてます。

「そしてここからは炭酸水を…」
この中で最も特徴的なのは炭酸水マッサージでしょうね。
しゅわしゅわと爽やかな音が頭の近くで流れ、それと同時にずりゅっと粗さのある摩擦音が鳴ります。
彼女はテンと主人公のやり取りを以前から見てるので、同じことをできるだけしないようにサービスを組み立てます。
音を通じて耳や頭にもたらされる適度な刺激も心地いいです。

「石鹸もあるのですが 最近はテン様もシャンプーを使ってますよ」
最中に交わされる会話も大きなポイント。
専門店員らしく健康知識を披露しながらテンに関する情報をこっそり教えます。
顔見知りなだけあってよそよそしく感じる部分は特になく
師匠と特別な関係にある彼を自分なりのやり方で癒そうと張り切って取り組みます。

続く3パート39分間は上半身のマッサージ。
上着を脱ぎうつ伏せになった彼の肩、首、腕を手や指で丁寧にほぐし
爪切りを挟んでから今度は耳に移って血行を良くします。

「リンパには流れがありますので 鎖骨 首 腕と 出口から順番に 流れに沿ってマッサージすると 体に溜まった老廃物やむくみを取る効果があるんですよ」
どちらも専用のオイルを使ってケアすることを考えて
このシーンは音の位置、距離、動きによって違いを出してます。
どちらかと言うと耳のほうが音フェチ要素が強いでしょうね。
彼女が手で耳を覆う時に「ごごごご」とこもった音が両方から鳴りますし
その後には泡を塗って綿棒で落とすサービスが入ります。

ひたすらマッサージだけするのではなく、小技を絡めて音の違いを楽しませてくれます。
またこのあたりから彼女が思ってることをぽつりぽつりと漏らし始めます。

状況が大きく変化するのは音声開始からおよそ80分後。
外出中だったテンが帰宅し、軽いやり取りを挟んでからいよいよ耳かきを始めます。
そして後日、テンがいない時を見計らってビャクも彼に耳かきします。

サービスだけを見ればどちらも同じ耳かきなのですが内容はそれぞれに大きな違いがあります。
テンは綿棒+特別な梵天、ビャクは耳かき棒+市販の梵天と使用する器具が別ですし
スタイルや最中の会話も二人のキャラや主人公との関係を強く意識しています。
テンが帰宅したときに見せる反応や耳かき中の会話は聴いてのお楽しみとさせてください。

テンの耳かきはおよそ26分間。
膝枕の状態で右耳→左耳の順にお世話し、最後に弱めの風圧で短く12回程度息を吹きかけます。
綿棒は「ずずっ しゅりしゅり」と滑らかで柔らかい音、特性梵天は筆のような先が細く柔らかい音が使われており
それぞれ穴の縁をなぞったり中をゆっくり撫でるように、優しくくすぐるように動かします。

綿棒が奥に進んでいくにつれて音もやや低く鈍い音に変化しますし
汚れを取るだけでなくマッサージも兼ねてるので耳にこそばゆい刺激を感じます。
何度もやってきただけあって雰囲気も非常によく、耳かきを通じて二人の仲の良さも伝わってきます。
過去3作で積み上げてきたものをそのまま活かした素朴で温かい耳かきです。

対するビャクの耳かきは18分ほど。
睡眠中の彼にテンと同じく膝枕をして右耳→左耳の順に取り組みます。
耳かき棒は「ぞすっ」とやや引っかかりのある平べったくて乾いた音
梵天はふわふわした音と被らないように気をつけて同じく丁寧に動かします。

雨戸を閉めてるのかテンの時には流れていた川の音が聞こえず一層静かに感じました。
彼女も寝てる彼を起こさないようあまり話しかけずに進めます。
そしてこれらを終えた時、テンにあって自分にないものをようやく知ることができます。

このように、多種多様な音を違和感なく組み合わせた重厚なサービスが繰り広げられてます。
音重視だがキャラも立ってる作品
音とキャラの両方で癒してくれる作品です。

ビャクはテンがいない時に神社を訪れた主人公に満足してもらおうと
専門店で習った技術を中心にした本格的なサービスをします。
耳かきやシャンプーといった王道はもちろん、炭酸頭皮マッサージや泡洗浄など比較的マイナーなものも用意し
それらを順序良く組み合わせて上半身を隅々まで綺麗にします。

とみみ庵さんはニコニコ動画などで耳かき音声を数多く投稿してるサークルさんです。
そんな背景もあって耳かきは大変優れた品質を持ってます。
しかし今回は耳かきの割合を敢えて減らし、他のサービスとのバランスで勝負してます。

過去3作に比べて専門店のサービスに近づけてるなと。
ビャクのキャラを反映させてこういう作りにしたのでしょう。
さらにどのサービスも完璧と言っていいレベルに仕上げてるのだから見事です。
総時間が長いおかげで慌しさも特になくじっくり楽しませてくれます。

「テン様のこと よろしくお願いいたします」
ビャクについては積極的にお世話しつつ自分の役割も理解してるしっかり者です。
だからテンと主人公の仲が進展するように立ち回ります。
テンが登場したあたりから会話や心情描写が一気に面白くなるので
最初は音重視だと思って聴いてた人も最後までいけば印象が変わると思います。

ビャクが主役なのは間違いないですけど、テンに萌える人もそれなりにいるでしょうね。
耳かきや添い寝に二人の性格がよく出ています。

全年齢向け同人音声の魅力がぎっしり詰まった作品です。
これだけの品質とボリュームで価格がたったの300円とコスパも驚異的。
以上を踏まえて本作品をサークルさんでは12本目の満点とさせていただきました。

CV:ビャク…小日向さくらさん テン…藤堂れんげさん
総時間 2:31:22

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります