桜守

誰得企画(仮)さんで公開されてる無料の催眠音声作品。

今回紹介する作品は、大きな桜の木を代々守り続けてる家系の末裔が
そこを訪れた男性と一緒に最後のお花見を楽しみます。

桜の木や彼女の境遇などを話し、物語の世界に引きこんでから催眠をかけ始める展開や
人間が持つ五感を刺激し桜のイメージを膨らませていく誘導など
テーマの「お花見」をリアルに感じてもらうことを第一に考え、それぞれを丁寧に進めます。

音声を聴く際に以下のアイテムを用意するとより楽しめます(無しでも可)。
桜茶、桜の求肥餅
枯れた木に再び花を
桜守の末裔「佐倉さくら」とお花見するお話。

「あなたは…だぁれ? もしかして…お花見に来たの?」
さくらは明るくて穏やかな声の女の子。
とある桜の木を見にやって来た主人公を歓迎すると
案内しながらその木や自分のことを語り始めます。

本作品は日本における春の定番イベント「お花見」をテーマに
彼女がお話をしてから催眠をかけ、最後にほんの少しエッチなサービスをします。
主人公がここに来たそもそもの目的がお花見にあるため、エロよりも癒しをずっと重視した内容です。

ストーリーを簡単に説明しますと、彼女の家は昔からこの桜をずっと管理し続けてきました。
以前は名所として本当に多くの人々が訪れたそうですが
彼女のおじいちゃんが木の手入れをできなくなったのをきっかけに昨年枯れてしまいます。

そして花が咲かなくなった木で最後のお花見をしようとしたところへ偶然彼が現れ
申し訳なく思った彼女が催眠を使って擬似的なお花見を体験させてあげます。

「私の家はね、代々、ここの桜の桜守をしてたの」
音声開始から最初の13分間はそういった背景を彼女がのんびり語ります。
ストーリー性を重視してるのが催眠音声ではやや珍しいですね。
主人公とできるだけ同じ視点でお花見する、つまり没入感を与えることに力を入れてます。

このシーンは最中に催眠暗示っぽいセリフを若干言うものの
ごく普通の会話に近いので催眠音声っぽさはほとんどありません。
催眠をいきなりかけるのではなく、そこに至るまでの過程も語って物語の世界に引きこみます。

事前にふたつのアイテムを用意するのもお花見をよりリアルにするための工夫です。
世界観や彼女のキャラがしっかりしていてボイスドラマを聴いてるような気分が味わえます。

ちなみに本作品には「おわかれエンド」と「ずっと一緒エンド」があり
前者はお花見を楽しんだ後にそのまま解除、後者は追加でエッチなサービスが入ります。
ネタバレになるので詳しい理由は伏せますが、ずっと一緒エンドの方がより強い癒しが得られると思います。
多くの感覚に働きかける丁寧な催眠
催眠はおよそ30分間。
さくらが催眠をかけることを遠まわしに告げた後に横になり
まずは軽い深呼吸と脱力をして心身を適度にリラックスさせます。

「右腕に、意識を集中。肩から、肘、手の先へ… いらない力が、疲労が…流れでていく」
「心が楽になると…頭も、なんだかぼーんやりしてくる。まるで、空に浮かぶ雲みたい」

有料を中心に数多くの作品を手がけられてるサークルさんなだけあって
深呼吸も脱力もリードが巧みで聴けば聴くほどだらんとした感覚が強くなります。
催眠が始まるとさくらの声がぼんやりし、話すペースも一気に緩くなるのがいいですね。
事前にドラマシーンを挟んでるのも相まって自然に脱力できます。

「ひらひら…ひらひら。 花びらが、舞い落ちるように… ゆっくり…ゆっくり」
また続く深化シーンでは桜の花びらが舞い落ちるイメージに暗示を込めて意識の力を弱めます。
誰でもイメージできるものですし、体全体が少しずつ下りていく感覚が味わえるでしょう。
古典系の技術をテーマに沿って本当に上手く行使しています。

催眠の世界に到着した後はいよいよ本題のお花見が始まります。
ここでは人間が持つ五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)のすべてに働きかけて
桜の木の様子やそこに自分がいる感覚をリアルに体験させます。


「爽やかな風に吹かれた桜吹雪は、とってもいい香りを運んでくる。ふんわりとした、いい匂い」
「舌は、結構、敏感な部分。桜の与える官能が… 舌を通じて、広がっていく」

催眠音声ですと視覚と聴覚はよく使われるのですが、味覚へのアプローチは非常に珍しいです。
お茶やお菓子を事前に食べてれば容易にイメージできるでしょうし
そうでない人もほのかに良い香りがするとか、口の中が甘く感じるかもしれません。

作品の世界にいる気分に浸らせながら体全体でお花見を感じさせる。
テーマ性があり技術的にも優れたものを持ってる高品質な催眠です。
唇を通じて身も心もひとつに
エッチシーンは11分ほど。
プレイはキスのみです。

エッチな効果音はありません。
セルフもありません。

「ちょっとだけ、待って。顔…真っ赤になっちゃって… 恥ずかしいから…」
催眠を使って主人公に以前の元気な桜の木を見てもらったさくらは
とある秘密を打ち明けてから自分とキスして欲しいとお願いします。

エッチは彼女と数回キスするだけの極めてシンプルなものです。
彼女となぜキスをするのか、その結果二人がどうなるかは聴いてのお楽しみとさせてください。

音声作品におけるキスと言うとちゅぱ音を鳴らすのがメジャーですが
本作品の場合はちゅぱ音の割合を低めにし
その代わりキスの感覚や彼女とひとつになる幸福感を与えることに力を入れてます。

「あ、ほら…あなたの、心に…ゆっくり、根を、おろしてくよ。なんだか…優しい気持ちに、なるね」
そして彼女は二人の心がひとつになる様子を植物の成長に例え
その中に感覚支配の暗示を交えて心を温めようとします。
絶頂をほのめかすシーンもありますが、カウントを数えたり追い込むセリフを言うことはありません。
射精やドライではなく幸せイキに近い感覚と思ってください。
艶やかな作品
物語の世界に没頭させて癒しや幸せを与える臨場感の高い作品です。

桜守として長い間一本の木を管理し続けてきた家の女性が
その役目を終える節目に見知らぬ男性と最後のお花見を楽しみます。

作中で二人が食べるお茶菓子を聴き手自身も味わう流れや
催眠をかける前に彼女や桜の木に関することを詳しく話すドラマシーンなど
一般的な催眠音声以上に聴き手と主人公を重ね合わせる要素が盛り込まれてます。

「これから先… 辛いことや、悲しいことがあっても… この桜が…私が、一緒だからね」
そして物語を通じて彼女がすぐ近くに、あるいは自分の心の中にいるのを感じさせて癒しを与えます。
集中力やイメージ力を高められるようにリードしてくれますし
聴いてる最中はそれこそ時間が経つのを忘れるほど音声に熱中できるのではないでしょうか。
一部のシーンでちょっぴりしんみりする人もいるでしょうね。

本題となるお花見とそれに至る道筋がとにかく優れてます。
主人公が見ている木がどんなものか、周りがどんな景色か、花びらからどんな匂いが漂ってるのか。
健常な人間なら誰でも持ってる感覚に上手く働きかけてイメージをより鮮明にします。
事前の導入や深化も実力のあるサークルさんらしい冴えがあって入りやすいです。

ルートによってエッチシーンの有無が選択できたりプレイ自体がソフトだったりと
催眠が充実してる一方でエッチはおまけに近い位置づけです。
ですから性欲の発散ではなく気持ちを落ち着けたい、リフレッシュさせたい時に聴いてみてください。
私もドライは迎えられませんでしたが消化不良な感じは特にしてません。

絶頂シーンは最後に1回。
ちゅぱ音そこそこ、淫語と喘ぎ声はありません。

春の匂いが漂う癒しに満ちた作品です。
無料ですから興味の湧いた方は是非お試しください。

CV:胡桃れみさん
総時間 1:13:30(共通パート…46:42 おわかれエンド…3:28 ずっと一緒エンド…23:20)

誰得企画(仮)
http://ameblo.jp/mr-nomikko/entry-10987421827.html