東方入眠抄13 太陽燦々、幽香さんが花を愛でるように愛してくれる入眠音声

サークル「Re:Volte」さんの催眠音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、東方シリーズに登場するキャラ「風見幽香」が
自分に好意を寄せる男性に変わった催眠をかけて安眠へ導きます。

土に種が植えられてから花を咲かせるまでの様子を描いた彼女らしい催眠が魅力で
降り注ぐ太陽、吹き抜ける爽やかな風、土の中にいる安心感といった自然物による癒しと
花好きな彼女にお世話される幸福感を技術によって少しずつ伝え、眠りやすい環境を整えます。
人間は愛せないけど…
風見幽香に安眠できる催眠をかけてもらうお話。

「あら いらっしゃい 珍しいわね こんな時間に来るなんて」
幽香はやや鼻にかかった大人っぽい声のお姉さん。
ある日の夜、自分に会いに来てくれた主人公を迎えると
うまく寝付けない彼を奥の部屋で横にさせて自分は花の手入れを続けます。

本作品は彼女のことが好きで何度も何度も通ってる彼のために
彼女が40分近くの時間を使って花になる催眠を施し、心身を癒した後に眠らせます。

彼女は原作だと「花を操る程度の能力」を持っており、一年中花が咲いてるところを目指して移動するほどの花好き。
それを反映して花を初めとする自然物のイメージを積極的に使って催眠を進めます。
彼を一時的に花へと変えるのも人間のままでは素直に愛せないからです。

「まるで一人では寝れないお子様ね それとも 寂しがり屋の飼い犬 とでも言えばいいのかしら」
また催眠を始める前の冒頭シーンではドSらしいやり取りも交わされます。
彼は彼女のことを相当に好きなのですが、彼女の側は表面的には素っ気なく
軽く突き放す言葉をかけて遠ざけようとする態度を取ります。
しかしお花の手入れを終えた後にはちゃんと相手をするなど一定以上の優しさも見せてくれます。

最初から最後までドSだと催眠自体が成立しませんし
あくまで彼女の性格を引き立たせるスパイスとして若干冷たくする程度です。
催眠開始以降はあまあまですから他の東方入眠抄シリーズと同じく安心して聴けるでしょう。
植物へと生まれ変わる心地よさを感じながら
催眠は3パート32分30秒ほど。
催眠に入りやすくなる心得を説明してから軽く深呼吸を行い
幽香の暗示をある程度受け入れやすくなったところで緑豊かな草原をイメージします。

「体中がぽかぽかして とてもとても気持ちが良いね」
青い空、爽やかな風、心地いい太陽、栄養をたっぷり含んだ土。
人間にとって癒される風景であり、植物にとっては育つのに最適な土地です。
そこにいる気分をより身近に味わえるように彼女も言葉でサポートします。

「痛くないよ ただ 小さな小さな違和感が あなたの胸の中に入ってきます」
場所が決まった後はいよいよ種植えです。
彼の胸近くに彼女が手を伸ばし「とんとん つー」と言いながら体内に埋め込みます。
人によってはヤバそうに感じるイメージですが、表現に気を遣って進めてくれるのでグロさはまったくありません。
先ほどのイメージと相まって胸を中心にぽかぽかした温かさが湧いてきます。

「揺れる 揺れる 意識が揺れる」
「とろーり ゼリー状の液体のように 少しずつ形を失っていくよ」

そして聴き手がより植物になりきれるように、カウントを何度も数えながら深化の暗示を丁寧に入れます。
このシーンは声に強めのエフェクトがかけられてるので頭の中が揺さぶられる感じがするでしょう。
カウントの数え方、暗示の入れ方も技術に沿っていて入りやすいです。
意識や体が溶ける感覚だけでなく、体全体が土の中に沈んでいく感覚も伝えたほうがよりリアルになったかもしれませんね。

無事種になって地中に潜った後はいよいよ花を咲かせるために成長を始めます。
暗くひんやりした土の中にいる心地よさと安心感、芽を出し太陽の光から降り注ぐ活力
彼女の愛情を一身に受ける幸福感など、植物が成長する様子を通じて様々な癒しを受け取ります。

「愛してるわ 今日だけは あなたを私のものにしてあげるね」
個人的には彼女が素直な好意の言葉をかけてくれるところが非常に印象的でした。
人間相手だと言いにくいことでもお花なら何の問題もありません。
彼女の中にある複雑な思いや、バックで流れる美しい音楽がしっとりした雰囲気を作り上げてます。
最後に追加で眠くなる暗示を入れてくれますし十分な安眠効果も見込めます。

このように、植物が大地に根付き花を咲かせる様子を通じて眠らせる独特な催眠が繰り広げられてます。
ぽかぽかした作品
自然に関する様々なイメージが心と体を温める癒しに満ちた作品です。

幽香は夜にわざわざ会いに来てくれた主人公が安心して眠れるように
用事を済ませてから自分の好みに合った癒しの催眠を施します。
作中で使用するイメージのすべてを自然物で揃え、植物が実際に成長する流れで催眠状態を深めます。
そして準備が整った後は自身の温もりで眠りに導きます。

誰にでもイメージできるものばかりなので作品の世界に浸りやすく
暗示の入れ方も技術に則っていて後になるほどホッとした気分がします。
最初はツンツンしていた彼女が徐々に優しくなる展開もそれを後押しします。
東方入眠抄シリーズの売りである「キャラに合った催眠」が今作にもしっかりと受け継がれてます。

人間のまま癒すのではなく一旦植物に変える必要があることを踏まえて
今まで以上に慎重な言葉選びをされてるように映りました。
特に種を植えるシーンはその状況を柔らかな擬声語でぼんやりと表現しています。
暗示についても温かさを中心に安心感を与えるもので統一されてて実に良いです。

冬から春へと移り変わる今の季節にぴったりな作品です。
おまけは「~魔法少女 みらくる☆ゆうかりん~~」とBGM2曲です。

CV:三枝ちえさん
総時間 1:00:03(本編…38:07 おまけ…21:56)

オススメ度
■■■■■■■□□□ 7点


体験版はこちらにあります