哀しみの実験動物《催眠音声》

サークル「Hypnotic_Yanh」さんの催眠音声作品(男女両用)。

今回紹介する作品は、上品でちょっぴり嗜虐的な女性科学者(おんなーせいかがくしゃ)が
催眠をかけてから実験形式でとてつもなくハードなエッチを提供します。

絶頂中にすぐさま暗示を入れて再度イかせるマルチプルオーガズムを目指したエッチが魅力で
各レベルごとに専用の音を用意し、それを聴くほど気持ちよくなる心と体にしてから
最高レベルをひとつずつ引き上げる流れで後になるほど強く長い快感を味わわせます。

今回は最もハードな最長構成のレビューをお送りします。
通常より遥かに高い快感の領域へ
女性科学者に催眠をかけられエッチな実験に協力するお話。

「さて、唐突ですが、あなたは最も強い快感って、いつ感じます?」
女性科学者は明るくてお淑やかな声の女性。
音声を聴く際の環境や注意事項を簡単に説明すると
物語のテーマとなる「オーガズム(絶頂)」に関するお話を始めます。

本作品は聴き手に究極の絶頂感覚を味わってもらうことを目的に
彼女が総時間のおよそ半分の時間をかけて会話調の催眠を施して前向きな気分にさせ
それから特殊な音と暗示を組み合わせたプレイで快感のレベルを段階的に上げていきます。
性差を感じさせる描写は一切ありませんので、女性の声に抵抗が無いなら女性でも問題なく聴けます。

今回の実験で最も特徴的な要素はマルチプルオーガズムに挑戦すること。
通常のドライオーガズムとは違い絶頂中に絶頂させるアプローチを何度も繰り返すことで
後になるほどより強く、より長くオーガズムが得られるようにリードします。
一番最後に登場するレベル8だとオーガズム開始から終了までの時間が1分20秒近くもあります。

基本部分はレベル1から5までで、6から8はオプション扱いになってますから
ご自分のM度や体力、聴いた後にある予定などと相談して設定するのがいいでしょう。
私は最初からレベル8までを通しで聴いてみたのですが
快感があまりに強すぎて事後はしばらく何もできないほどの疲労感と筋肉痛に襲われました。
高レベルのプレイに挑戦する場合はそうなることを覚悟しておいてください。

催眠はおよそ29分間。
仰向けになり、最初は目を開けたまま両腕と両足をピーンと伸ばし
彼女の合図で脱力するのを数回繰り返します。

「地球の重力に逆らわず、ただ、そこにあるだけの状態。それが、とても心地よく、感じられるようになります」
本格的な催眠を始める前の準備運動ということで
テーマとは特に絡めずそれぞれを丁寧に行い、リラックスできる暗示をタイミングよく入れます。
このシーンの最後に目を閉じた瞬間、全身がゆっーくり落ちていくような心地いい感覚がしました。
後半行うエッチがとてつもなくハードだからこそ、それに向けて万全の環境を整えてくれます。

お次はこれからやろうとしてる実験の大まかな内容を説明してから
過去に同様の実験を受けた女の子の様子を見せて興味を引きます。

「今、いくらあなたの意識がまどろんでいても、そんなに簡単には、同意出来ない。そう、それが正常な人の、正しい反応です」
女性科学者は主人公を実験の被験者にしたがってるわけですが
自分から彼に対してそれを押し付けることは絶対にしません。
むしろ逆に彼の気持ちを尊重し、自ら被験者になりたいと思ってもらえるように様々な言葉をかけます。
一部のシーンでは「躊躇してるのなら音声を聴くのをやめてください」とまで言います。

会話調の催眠なので実際に聴いてみるとあまり催眠っぽく感じないと思います。
ですが実際は聴き手が無意識的に「そうなってもいいかな」と思える言葉遣いを徹底しています。
無理矢理引っ張るのではなく、あちらから来てもらうことを狙った極めて柔らかな誘導です。

「その、ぼんやりとした、まどろんだ意識で、この声を聞き続けるだけで、あなたはより一層落ち着き、より一層まどろみ、より深い、心の奥に落ちていく。心地よくなっていく」
「私の言葉が、あなたをさらに、素直にしていく。素直な事は、心地いい事。私の言葉が、あなたに沁み込んでいく。それはとっても、心地いい事。そうですよね?」

そのキーとなってるのが彼女の言葉に対する印象です。
彼女はお話の合間合間で自分の声に集中するよう呼びかけて心地よさを感じさせたり
言葉に対して素直になって自分の実験を受ければもっと気持ちよくなれると言います。

少し前に書いたこちらのすべてを受け入れる姿勢も相まって
彼女に対して胡散臭いとか、ヤバそうだといった感情を抱く人はほとんどいないはずです。
被験者になるメリットを強調しながら話すことで興味とやる気を膨らませていきます。

「深い、意識の底にある、閉鎖空間に閉じ込められた、あなた、実験動物として、閉じ込められた、あなた…」
そして最後はいくつかの契約を交わし、お馴染みのカウントを使って深い催眠状態へと導きます。
これまでの会話で彼女との信頼関係を十分以上に築いてたからか
カウントが進むほど意識がどんどん薄れていくのを強く感じました。
実験動物にされることへの抵抗心を徹底的に削いでから深化させるのが素晴らしいです。

最初と最後は古典、その中間は現代寄りのアプローチを用いた高品質かつ効果的な催眠です。
聴き手を自ら実験動物になりたい気持ちにさせ、尚且つ深い催眠状態に誘導するのを目的に
漸進的弛緩法で軽くリラックスさせてから実験に関することをあれこれ話し、最後にサクッと落とします。

実験を受けるにあたっての心構えをさせることに力を入れてるので
エッチシーンでその効果を嫌と言うほど思い知ることになります。
サークルさんらしい柔軟性のある催眠で技術のレベルも高いです。

私が先ほど「会話調の催眠」と書いた部分に関して、具体的に何をするかがややわかりにくかったと思います。
実はこの部分は作りが結構複雑でして、真面目に説明するとなると一文ずつピックアップし
「この言葉にはこういう意図があります」と細かく注釈を加える必要があります。
それをやるには文字数が厳しいため大まかな特徴だけを挙げさせていただきました。
股間に襲い掛かる超強力な快感の波
最長構成のエッチシーンは4パート35分30秒ほど。
プレイは音による絶頂のみです。

エッチな効果音はありません。
セルフもありません。

「まずはレベル1。あなたを気持ちよくする音です」
催眠を使って主人公を自ら実験動物に志願させることに成功した女性科学者は
彼を実験室へ案内してから手始めにレベル1の音を流します。

エッチは彼女が流す様々な音を聴き、合図で絶頂するのを繰り返します。
一番最初の「実験1~5」は基本的なプレイが味わえるパート。
レベル1→2、レベル1→2→3と1回ごとにレベルの上限を上げていき、最終的には3連続の絶頂を目指します。

「両方の乳首や、脇腹、おへそ、お尻の穴、そして、股間の一番いやらしい部分。それらに、脳から浸み出たとろとろの快感物質が伝わり、震わせる」
彼女の鳴らす「ヴゥゥゥゥン ヴォォンヴォォン」という特殊な振動音は
ちゅぱ音やピストン音とは違いエロさがほとんどありません。
それを流しながら彼女は暗示を何度も何度も入れて少しずつ反応できる体に作り変えます。

究極の絶頂感覚はすぐさま味わえるものではありません。
だから彼女は時間をかけてそれぞれをじっくり丁寧に進めます。

私もレベル1のうちは「あぁ振動が気持ちいいなぁ」とマッサージに近い心地よさを感じてました。
それがレベル2に入ると肌がピリピリしたり、股間の筋肉がきゅっと引き締まり始めます。
1レベル刻みで進めてくれるのでレベルごとに得られる快感の差がよくわかります。

1回目の絶頂が訪れるのはプレイ開始から14分後。
レベル1→2と上げたところでカウントを数え、同時に「ピシーン」というトーンの高い別の音が鳴り響きます。

「イく、絶頂する。全身が硬直して仰け反り、強烈な快感があなたを襲う」
レベル3の時点でも一般的なドライ系作品の絶頂に近い快感が得られました。
股間がぎゅんっと締まり軽い痙攣を繰り返す感じです。
ただ時間が短めなのでドライ慣れしてる人にはやや物足りないかもしれません。
私もそう思ってたうちの一人なのですが、この後それが間違ってたことを強く思い知りました。

本作品の本領が発揮されるのはその後から。
レベル4は2回、レベル5は3回と1セットあたりの絶頂回数を増やしながらレベル8を目指します。
ぶっ通しでやるのではなく、1セット終了ごとに軽い休憩を挟んで再開するのを繰り返します。

「バーンと弾けるような快感。全身の細胞がバラバラに砕け散ったような壮絶な快感が走る。脳の中がスパークし、意識が、記憶が、快感が、突き抜けていく!」
実際に得られる快感の大きさや長さは人によって違うでしょうが
レベルが上がれば上がるほどその質・量・持続時間が大きくなるのを実感できるはずです。

私の場合はレベル5に到達したところでおちんちんだけでなくお尻の筋肉も勝手にヒクヒクし始め
レベル7でお尻の痙攣が激しくなるのと同時に尿道から温かいものがドロリと出てきたような感覚がしました。
そしてレベル8はその快感が1分20秒近くずっと続きました。

聴いてる最中は集中してるので気持ちよさだけを感じるでしょうが
事後はその反動で脳と体がものすごく疲れます。
でも振り返ってみると射精よりもずっと良質で密度が高く持続性もあるオーガズムでした。
催眠の技術を上手く使ってリードしてくれたからこそ得られたのだと思います。

このように、限界突破の絶頂を味わわせてくれるぶっとんだプレイが繰り広げられています。
極めてハードな音モノ
普段では絶対に味わえない絶頂を体験させてくれる良作です。

女性科学者は実験に適正がある主人公が自ら志願しプレイを楽しめるように
総時間の半分近くをかけて緊張や抵抗を解きほぐす催眠を施し
準備が整ったところで音による刺激を後になるほど強く与えます。

直接的なエロ要素を一切交えず連続絶頂させる展開がとても面白く
それに向けて聴き手を親切丁寧に誘導するところにもきめ細かな心遣いが感じられます。
マルチプルオーガズムは一般的にはなかなか体験しずらい快感のはずです。
ですがこの作品ではそれをできるだけ簡単に成し遂げられるように進めてくれます。

準備物も特に無く、最中に特別な指示を出されることもありません。
音声を聴いてるだけで強烈な快感が得られる手軽さも大きな魅力です。
控えめに言ってかなりヤバイです。

「自分の心に、素直に従う、私の言葉を、素直に聞く」
催眠は言葉選びが本当に洗練されてます。
具体的には相手に何かを同意させる時、セリフの最後に「そうですよね?」と言ったり
上のセリフのように異なる意味を持った言葉を同じ単語や言い回しで連結させるといった具合です。
どうしたら相手が前向きにエッチを楽しめるかを考えて技術を選び、行使しています。

エッチは音に暗示を込めて心と体に染みこませる王道の音モノプレイです。
準備や過程がものすごくしっかりしてますから
こういう作品に今まで触れたことのなかった人でも変わった快感が味わいやすいと思います。
1回目はとりあえずレベル5までで様子を見たほうがいいんじゃないかなと。

絶頂シーンは最大で6回(うち5回が連続絶頂)。
淫語ごく僅か、ちゅぱ音と喘ぎ声はありません。

どこまで強く、高く、長くイけるかに挑戦した意欲作です。
音を使った作品が好き、強烈なドライオーガズムを味わってみたい人には特におすすめします。

おまけは「実験の録音」パートです。

CV:分倍河原シホさん
総時間 1:18:24(本編…1:01:50~1:16:24 おまけ…2:00)

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

追記
哀しみのイき人形《催眠音声・男女版同梱》」「哀しみの時計少女《催眠音声》」とのセットも販売されてます。
個別に買うより900円もお得です。
『哀しみの催眠』シリーズ三本パック