Everything About You #01 忘れ物はラブラブの始まり!?

サークル橘さんの同人音声作品。

今回紹介する作品は、夫と死別したシングルマザーと独身男性が
ふとした事をきっかけに一線を越え、あまあまラブラブなエッチをします。

プレイよりもキャラや人間関係の描写に力を入れているのが特徴で
相思相愛なのに一緒になれない微妙な距離感が一気に縮まる様子や
その前後に見せる彼女の仕草、セリフの大きな違いが登場人物たちの魅力を引き立てています。
隣人同士の甘くもどかしい物語
隣に住む広田香苗と濃厚なエッチをするお話。

「あ… お帰りなさい」
香苗は明るくて穏やかな声のお姉さん。
ある雨の日、会社に家の鍵を忘れ途方に暮れてる彼女が
偶然帰宅した主人公と出会い事情を話すところから物語は始まります。

本作品はお隣同士として仲良く付き合ってきた2人が
今回の件を通じてお互いの気持ちを確認し、より深い関係になる様子が描かれています。
彼女は随分前に夫と死別し12になる娘がいるシングルマザー。
対して彼は彼女たち母子に何かと世話を焼く独身男性です。

「いつもありがとうございます 何かと気にかけてくれてるのは本当に助かってるし 私が甘えすぎかなって いっつも反省してるんだよ?」
物語の開始時点で2人の関係は既にかなり良く、彼女は会話中に感謝の言葉を何度も言います。
反抗期に入ってる娘が彼に懐いてるのも大きな要因です。
シングルマザーなら男性の下心にも気づくはずですし、彼にそういった素振りが見られなかったのでしょう。
お隣さんよりは仲の良い友達のような空気が漂ってます。

ですが彼女は子持ち、しかも彼よりも年上ということでなかなか踏み込めずにいます。
彼も一定以上の好意を抱いてるようですが彼女の境遇を気にして告白できずにいます。
そんな相思相愛の男女がいかにして最後の一線を越えるかが一番の聴きどころです。

プレイ自体はキスやSEXといったオーソドックスなものばかりです。
でもキャラ、人間関係、そこに行き着くまでの過程が描かれてるおかげでドラマチックに感じます。
そういう意味では純粋な抜きよりも物語を楽しむ作品と言えます。

「せっかくお友達と遊んでるのに 私が邪魔しちゃうのもどうかなーって」
「君は すっごくいい人だから 素敵な人もすぐ見つかると思うよ その時は その子を大事にしてあげてね」

本作品のヒロインを務める香苗は優しくて控えめな女性。
友達の家に泊まりにいった娘に鍵をもらえばいいのに遠慮したり
主人公の好意に甘えて家に入れてもらい、お風呂を借りた後もホテルに泊まると言います。

どちらにも言えるのは「相手に迷惑をかけたくない気持ちが強い」ということです。
彼のことを褒めつつ他の女性と付き合うのがいいと言ってるのにもその性格がよく現れてます。
「普通に告白するだけでは彼女の心を引き寄せるのは難しい」
そう判断した彼は男らしい強硬手段に打って出ます。
抑えていた想いを爆発させるようなエッチ
エッチシーンは3パート24分ほど。
プレイはキス、乳揉み、SEX(騎乗位、対面座位)です。
エッチな効果音はありません。

「はいっ この話はおしま…んっ」
ホテルに行こうとする香苗に自宅に泊まることを勧めつつ好意を告白した主人公は
彼女が照れくさそうにするのを見てすかさず熱いキスをします。

エッチはパートごとに責め手を入れ替えながら行います。
一番最初の「track 02」パートは2人がお隣同士から男女の関係になる決定的なシーン。
突然キスされたことに多少戸惑いながらも、彼女は抵抗する素振りを見せず素直に受け入れます。

約1分30秒キスするだけの非常に短いシーンなのですが
彼女が彼のことを一切拒まなかったことから想いの強さが伝わってきます。
諸々の状況を考えれば彼女の側からエッチを切り出すのは難しいです。
それを察してこういう行動に出た彼の判断にも魅力を感じます。

本格的なエッチが始まるのはその後から。
「track 03」パートはおっぱいを揉んでから騎乗位で、「track 04」パートは対面座位で繋がります。

彼の気持ちと態度を見て彼女も吹っ切れたのでしょう。
大きなおっぱいを自ら差し出して好きなように揉ませてあげたり
SEXの際も自分から彼に跨り腰を打ちつける積極的な姿を見せます。
自分が気持ちよくなりたいというよりは、年上として彼を満足させたい思いやりからくるリードです。

「ほら 目を逸らさないで ゆっくり入れるから よく見てて?」
中でも騎乗位の挿入シーンで結合部をしっかり見るように言うのがとても印象的でした。
挿入は通常のエッチでももちろん重要ですが、この2人にとってはそれ以上の特別な意味があります。
キスとは逆に彼女が主導権を握ってるのも彼に後ろめたい思いをさせたくなかったからです。
背景がしっかりしてるからプレイ中の行為に思いや意味が生まれています。

しかし、肝心のSEXそのものについては品質に色々と難があります。
ピストンの様子やペースを表現する効果音が入ってないこと
2つのパートで彼女の喘ぎ声や反応にそれほど違いが見られないことが主な理由です。

「深いところ きちゃってる…んんっ あぁっ」
喘ぎ声はややアヘっていて結構エロくボリュームも多めなのですが
これまでのストーリーを受けてのSEXとしては残念ながら盛り上がりに欠けます。
最中のセリフがほぼ香苗視点なのも引っ掛かります。
体位によって彼女のセリフや乱れっぷりにメリハリをつけるなどの工夫が欲しいです。

ただしフィニッシュだけは1回戦が外出し、2回戦は中出しと違いがあります。
彼女の側から中出しをおねだりし、事後に精液の感触を確かめながら幸せそうな息遣いを漏らす様子にグッときました。
SEX中の描写や演出がもっと練られてれば今よりもずっと抜けるプレイになったと思います。

このように、人妻相手なのに背徳感をほとんど感じない愛のあるエッチが繰り広げられています。
一風変わった純愛作品
シングルマザーが男性と恋に落ちる様子をとことん甘く描いた作品です。

愛する夫を失って以降、10年近くに渡って娘を一人で育ててきた女性が
自分を大事にしてくれる年下の隣人と偶然出会い、今回のイベントをきっかけに親密な関係になります。
音声作品ではあまり見かけない設定とそれを活用したエッチに至るまでの展開
そして開始後に見せる彼女の積極的な姿など、キャラや人間関係を重視してエッチを進めます。

この作品で最も特筆すべき点は、場合によってはドロドロな結末を迎えそうなストーリーを
極めて軽く爽やかに締めくくってることです。

子持ちの女性が他の男性とエッチするシチュは十分に背徳的と言えます。
だけど彼女が夫と離婚ではなく死別してること、娘も主人公に強い好意を抱いてること
エッチのきっかけを彼の側から提供することなど、彼女を悪女にする要素がことごとく潰されてます。

「私と ずっと一緒にいてくれるの? もう 可愛いなぁ」
シングルマザーと言うと強い女性のイメージがするのに
彼女はどちらかといえば守ってあげたいオーラを放ってます。
世話好きな彼には彼女から仄かに漂う頼りなさ・儚さに魅力を感じたのかもしれません。
エッチでも我を忘れるほど淫乱にはなりませんし、彼女のキャラを大事にしてるように見えます。

そんな感じでキャラやストーリーが面白いからこそ、肝心のエッチが単調なのが残念でなりません。
偶発的とはいえ彼女にとって彼とのSEXは感慨深いものがあったはずです。
その気持ちを引き立てるためにせめて効果音だけは入れて欲しかったです。
もしくはパートごとに体位ではなくプレイそのものを変えるのもいいでしょう。
今の作りでは「キャラやストーリーにエッチが負けてるかなぁ」というのが率直な感想です。

射精シーンは全部で2回。
淫語・ちゅぱ音・喘ぎ声いずれもそこそこです。

年上女性との変わった恋愛模様が楽しめるボイスドラマです。

CV:一之瀬りとさん
総時間 35:40

オススメ度
■■■■■■■□□□ 7点


体験版はこちらにあります