東方入眠抄12 ぱるすい〜と 〜パルスィに狂おしいほど愛される入眠音声〜

サークル「Re:Volte」さんの催眠音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、東方シリーズに登場するキャラ「水橋パルスィ」が
自分の持ち味を活かした催眠でゆっくりと眠りの世界に導きます。

催眠と並行して彼女との絆も深めていくヤンデレ要素をそれなりに含んだ展開が魅力で
二人で一緒に地底へと行く様子を催眠の技術を絡めて描きながら
「私だけを愛して?」「誰にも渡さない」など独占欲の強さを感じさせる言葉を適度に投げかけます。
ヤンデレ彼女の一途な催眠
水橋パルスィに安眠できる催眠をかけてもらうお話。

「…来ちゃった なんだか寂しくて」
パルスィは淡々とした口調で話す優しい声の女の子。
恋人にあたる主人公に会いたくなって突然やって来ると
お疲れ気味な彼の様子を心配し一緒に寝てあげます。

本作品は彼女と既に付き合ってる設定を活かし
恋人らしい愛の言葉をたっぷり交えた催眠でまずは彼女の故郷に赴き
そこで昔話やとある音を聞きながら抱き合って眠りにつきます。

「何かあったらさ いつでも言ってくれていいんだからね? 私は そのためにいるんだから」
彼女は原作では非常に嫉妬深いキャラとして描かれており
「他人の嫉妬心を操る」という変わった能力も持ってます。
そのため作中では彼女が彼の心身を独占しようとする言葉が数多く登場します。

それなりに強いヤンデレ属性を持った女性です。
しかし彼も彼女のことを深く愛しており浮気する素振りも見せないおかげで
体を拘束する、傷つけるといった過激な描写は特にありません。
セリフが多少重い程度ですから苦手な人でもなければ無理なく聴けると思います。

また「一緒に眠ろう?」以降のパートはバックで軽い環境音が流れます。
聴き始めた直後はノイズかな?とも思ったのですが、注意事項を説明するパートは音質がクリアでしたから
おそらくは安眠にプラスに働く音を意図的に流してるのだと思います。
「ブォンブォン」と小刻みに振動するような音です。
緑色の川が流れる橋の上で
催眠は4パート34分間。
催眠を受ける際の心構えを聴いてからまずは深呼吸と簡単な運動をします。
この時点では目を開けたまま行います。

「抜ける 抜ける 力が抜ける」
「痺れてしまった君の体は もう動かない 痺れてしまった君の頭は もう 私のことしか考えられない」

深呼吸の最中は体の力が抜ける暗示、運動中は浮遊感や痺れる暗示といったように
パルスィはシーンに応じて暗示の内容を切り替えつつ的確に投げかけます。
「もう私のことしか考えられない」はいかにも彼女らしいセリフですね。

運動シーンは腕・足・首を個別に持ち上げ合図で脱力するのを繰り返すので
脱力した瞬間やもう一度行う際に力がうまく入らない感覚がします。

東方入眠抄シリーズはキャラの特性を活かした催眠を施すことで有名ですが
催眠の基本となる技術においても安定したクオリティを持ってます。
特にイメージの選択と表現、暗示を入れるタイミングがしっかりしています。

お次は目を瞑って暗闇の中に緑色の光が灯り
彼女の数えるカウントに合わせてそれが広がっていく様子をイメージします。

「少しずつ大きくなって 閉ざした視界が緑色に染まってゆきます」
「暖かな緑色 気持ちいい? 君のことを大好きな私の色が 君の中で 広がってゆくよ」

緑は植物の葉などに代表される癒しに適した色であり、彼女の瞳の色でもあります。
それが暗闇の中に広がっていくイメージは心にリラックスを与えるだけでなく
彼女の色に染まっていく、つまり独占されることも意味します。

直後に長めのカウントと深化の暗示を入れて催眠状態をさらに深めてもくれます。
バックで流れるゆったりした曲調のピアノBGMにも癒しを感じます。

地底に着いた後は彼女が以前身投げしたとされる橋を通って
森の中にある古びた祠へ赴き、そこで寄り添いながら眠りにつきます。
ちなみに彼女は「橋姫」という女性が元ネタになってるそうです。

「約束して? 私だけを愛してくれるって 私だけを 見ていてくれるって 約束…して?」
「ずっとここに 縛りつけてあげる 大好き 大好きだよ」

どちらも自分に縁の深い場所だからか、彼女は以前にも増して強い愛の言葉を投げかけます。
カウントを何度も数えながら意識の力をさらに弱めたり、特殊な音を鳴らして暗示を入れるシーンもありますが
やはり彼女の彼に対する想いの強さが一番の癒し要素と言えます。
ストレートに眠らせるのではなく、彼女との繋がりを通じて安らぎを与えるアプローチが採られています。
ちょっぴり重く愛してくれる作品
一途な女性がとことんまで愛してくれる作品です。

パルスィは恋人になった主人公がいつまでも自分を好きでいてくれるように
「好き」「愛してる」といった愛情深い言葉を多めに投げかけながら催眠を施します。
彼が眠れずにいるのを見てお世話してあげたり、自然のある場所に移動して寄り添うなど
彼のことを大事に思う気持ちが言葉以外の部分にも滲み出ています。

「愛してくれるなら 仮初めだって構わない ううん 本当は 爛れるように愛し合いたいの」
彼女はヤンデレキャラでは定番の強い独占欲を持つ一方で
彼が自分から離れていくことに対してもある程度の諦めを持ってる女性です。
暗示を使って彼の心を強引に引き寄せるようなこともしませんし
好きな人に尽くす一途さ、健気さが十分に感じられます。

催眠は過去作同様イメージの扱いに気を配ってます。
中でも最初の深化にあたる暗闇と緑の光を掛け合わせたイメージが秀逸です。
短いカウントと暗示を繰り返すシーンで、後になるほど数えるペースを遅くする細かな工夫も見られます。

嫉妬深い女性を極力マイルドに表現した作品です。
ヤンデレキャラが好きな人におすすめします。
おまけは「それでも浮気したダメな君を愛するオシオキ催眠音声~」とBGM2曲です。

CV:萱沼千穂(かやぬま ちほ)さん
総時間 1:05:04(本編…42:20 おまけ…22:44)

オススメ度
■■■■■■■□□□ 7点


体験版はこちらにあります