催眠音声魔界ステージ

サークル「暗中模索」さんの催眠音声作品(男女両用)。

開設初期に紹介した作品を現在の視点から改めてレビューする再レビュー企画。
その第10回目は上品で意地悪な性格を持つ魔族のお姉さんが
偶然見つけた男性を彼女らしい方法で辱め、絶頂へと導きます。

肉体への刺激はほとんど与えず視線だけで興奮させる非常に変わったエッチが行われており
催眠パートでは双子形式に近いスタイルで短時間のうちに深い催眠状態へと導き
エッチに入ると他人の視線を強く意識させ、同時に感度強化の暗示を入れてイキやすい環境を整えます。
魔族が集う享楽のステージへ
魔族に催眠をかけられ2種類のエッチを楽しむお話。

「あら…人間がいるわ あなたこんなところで何してるの?」
魔族は上品でちょっぴり嗜虐的な声のお姉さん。
魔族の領域に偶然迷いこみ、帰りたそうにしてる主人公に声をかけると
自分を満足させることができれば願いを叶えてあげると言います。

本作品は彼が人間界に戻ることへの交換条件として
彼女が催眠を交えた羞恥心満点のエッチをプレゼントします。

全編を通じてまず挙げられる大きな特徴は催眠とエッチのスタイル。
音声開始30秒後には彼女が2人に分身し
左右から交互に、あるいは同時に語りかけてくるようになります。


左「あなたが私の言うとおりにしていれば きっといいことがあるわ」
右「緊張しなくてもいいわ。大丈夫」

こんな風に左右から別々のことを頻繁に語りかけてくるおかげで
聴いてるうちに意識が小刻みに揺さぶられ、比較的早い段階からぼんやりした感覚が湧いてきます。
催眠音声ではメジャーなジャンルのひとつである双子形式にとても近いです。
ただし、左右の声質は若干トーンに差があるくらいでほとんど一緒です。

催眠はおよそ17分間。
仰向けに横になり目を瞑った状態で深呼吸をしたり手足と体全体を脱力します。

右「体の内側から力が抜けていく 右腕がずーんと重くなる」
左「力が抜けていく」

どちらも催眠音声の序盤によく見る技法なのですが
魔族は呼吸のタイミングを取る役とリラックスする暗示を入れる役を分担したり
特定のキーワードを多く盛り込んだ暗示を左右から畳み掛けるように入れて
少しずつ確実に催眠の世界に誘導します。

個々のセリフを短く区切って話しかけてくるので、一種の音楽を聴いてるようなテンポの良さを感じます。
またシーンごとにセリフの間を細かく調整し聴き手が暗示を受け入れやすく感じるようにもしています。
2人の術者が語りかけてくる表面的な奇抜さだけでなく、催眠音声としての品質も抜群に優れてます。

お次は沼に沈んでいくイメージをしながらカウントに合わせて特定の部位に力を入れたり
彼女が魔法で沼から変化させた湖や空から落ちるイメージをして催眠状態をさらに深めます。

左「(沼に)ずぶずぶと沈む」
右「意識が深く沈む」
右「ほら(空から)落ちていくよ」
左「ものすごい勢いで落ちていく」

ここでも彼女は沼に沈むときは重い口調でゆっくりと、空の時は間を置かずスピーディーにという風に
イメージに合わせて声や口調を小まめに変化させながら暗示を的確に叩き込みます。
最中ずっとセリフを投げかけられ続けることもあり
実際に聴いてると平衡感覚を失ったときのようなくらくらした心地いい感覚を覚えます。

左「ほら、私を憎みなさい 奥歯を噛んで憎みなさい」
右「あなたは私の奴隷 だからあなたは私を愛しなさい 心のそこから愛しなさい」

そうやって意識の力を十分すぎるほど弱めたところで
最後の最後に本題となる「魔族の声に従う」暗示を入れます。
ここでは彼女が正反対のことを左右から同時に言ってくるのが面白いですね。
人間の脳の処理能力を上回る情報を一気に流し込んで暗示を入れやすくしています。

双子形式を最大限に活用した個性的かつ堅実な催眠です。
聴き手を魔族の声の言いなりにするのを目的に
深呼吸や分割弛緩法、漸進的弛緩法、混乱法など
古典催眠の技術を上手に繋げて後になるほど催眠状態が深まるように誘導します。

技術だけを見ると割とシンプルです。
でも双子形式に沿った形で進めてくれるのでとても新鮮に思えます。
中でも暗示の入れ方や重ね方が本当に的確でがっつり催眠に入れます。

セリフの文字数・シーンごとの間・左右の割り振り具合、声のトーン・ペース・暗示の意味に適した言い方など
細かいレベルにまで気配りが行き届いていて実に素晴らしいです。

双子の扱い方も非の打ち所がないほど優れてますし、サークルさんの技術の高さがよく表れています。
大勢の観衆に痴態を見られる快感
エッチシーンは2パート20分ほど。
プレイは脱衣、裸を見られる、オナニーです。

エッチな効果音はありません。
ドライ・セルフ両方の絶頂形式が登場します。

右「さぁ奴隷に嬉しい嬉しい命令をしてあける」
濃密な催眠で主人公を自分の声の虜に変えた魔族は
彼を下着だけの格好にさせてから魔界の住人がひしめくステージへと案内します。

エッチは彼女に言われた通りのイメージをしたり体を動かして楽しみます。
最初のパートは人間界に戻る前のお話。
タイトルにもなっている魔界ステージに行きストリップショーのようなプレイをします。
実際に脱ぐ指示が出ますから催眠パートは服を着たまま聴くのがいいでしょう。

右「着ているものが減る度に露出が増え」
左「視線に肌がじりじりと感じるわ」

そして彼女は最初の服を脱ぐシーンから自分たちの視線を強く印象づけ
同時に感度が高まる暗示を入れて性的興奮を執拗に煽ります。

まさに視線でイかせるプレイですね。
十分な深さの催眠に入っていればイメージ力も高まってるでしょうから
彼女の言葉に対して肌がピリピリするとか、股間を中心に体が火照る感覚が味わえます。
物理的な刺激を一切与えない代わりに心を上手く盛り上げてくれます。

本作品ならではのプレイはやはりステージに上がってからのシーンでしょう。
スポットライトを浴び、多くの魔物たちが見守る中で最後に残ったパンツを脱ぎ捨てます。

右「それを脱いでしまったら 興奮した勃起おちんぽが丸見えになっちゃうわよ」
右「ぬるりとした視線が体中を這い回る 反応するように体中が熱くなる 快感はどこまでも強くなる 体中視線でおかされる」

最も盛り上がる瞬間だからこそ、彼女も脱いだ後のことを事前にイメージさせたり
実際に脱ぐときも少しずつやらせて羞恥心と期待感をとことんくすぐります。
そして脱いだ後はおちんちんが観衆の視線に晒される快感を暗示で的確に伝えます。
聴き手が主人公の立場に立って楽しめるように演出面に力を入れたリードをします。

終盤にカウント合わせてドライオーガズムを迎えるのですが
その瞬間に股間が自然にビクビクして気持ちいい痺れが流れてくるのを感じました。
他のドライ系作品に比べると快感の度合いは弱いものの、20秒くらいに渡って感じられてすごく気持ちよかったです。

もうひとつの「セルフ」パートは人間界に戻った後のお話。
一緒についてきた魔族の言葉に従ってちょっぴりスリリングなオナニーを楽しみます。
こちらもテーマの「視線」を使って気持ちを盛り上げるシーンが多く
精神が充実しているおかげで普段のオナニーよりも大きな射精感が得られました。
でもプレイ時間を今の6分より延ばしたほうが余裕を持って取り組めるようにも思えます。

このように、他人に自分の恥ずかしい姿を見られるシチュでイかせるエッチが繰り広げられています。
羞恥に悶えさせてくれる作品
独特な視点のエッチが魅力的な双子系作品です。

魔族はたまたま魔界に迷いこんできた主人公への記念に
2人の術者が手分けしてかける濃厚な催眠と露出プレイに近いエッチをプレゼントします。

双子催眠は今でこそ作品数が増えてますが、催眠音声の中でも極めて複雑な構造をしており
正直なところ並の製作者さんでは聴けるレベルにすることすら難しいです。
それをここまで高い品質で成し遂げてるのが素晴らしいです。
ひとつひとつのセリフに対してどう投げかければ聴き手の心に響くのかが考えられてます。

対するエッチはステージに上げて裸を見せる特殊なプレイを用意し
それで聴き手が興奮し絶頂できるように少しずつ丁寧にリードします。
プレイだけを見ると男性向けの中では相当にソフトです。
でも作品の雰囲気に浸りやすいから股間が勝手にムズムズしてきます。
催眠の技術がしっかりしてるのも大きな要因です。

私は前回のレビューで「エッチの言葉責めが物足りない」と書きました。
ですが改めて聴いてみると言葉責めをする必要が無いからしてないのだとわかりました。
イメージ力が高まってる状況を利用して羞恥をくすぐり
それと同時に感度が高まる暗示を的確に入れて絶頂したい気分へと導く。
催眠パートの結果をきちんと役立ててる大変優れたエッチと言えます。

絶頂シーンはドライ7回、射精1回。
淫語そこそこ、ちゅぱ音と喘ぎ声はありません。

むず痒い快感が味わえる作品です。
改めて聴いた結果、前回の7点から2点プラスさせていただきました。
双子形式や露出プレイが好きな人におすすめします。

CV:男性向け…野上菜月さん 女性向け…想さん、黒兵衛さん
総時間 男性向け…43:05 女性向け…42:11

オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

追記
2016年09月12日まで半額の350円で販売されてます。
その場合の点数は10点です。