【ノスタルジ-耳かき】道草屋-芹 おもいで【二人で怪談】

サークル「桃色CODE」さんの同人音声作品(R-15指定)。

今回紹介する作品は、道草屋の店主を務める上品で可愛いお姉さんが
昼と夜の2部に分けてお客を様々なサービスでもてなします。

シリーズ最大の長所である個性的なキャラとリアルな効果音・環境音に加えて
今回は夏らしさを感じるノスタルジックな雰囲気漂う演出が数多く盛り込まれており
聴いてる間は別の場所にいる感覚や童心に返った気分が味わえます。
夏を彩る2つの物語
道草屋の店員「芹」から様々なおもてなしを受けるお話。

「よろしいですか? 失礼致しますね」
芹は明るくておっとりした声のお姉さん。
とある夏の日、小川の近くで寛いでいたお客に声をかけると
持ってきたラムネを一緒に飲もうと言います。

本作品は大きく2つのシーンに分かれており
前半にあたるお昼の部は彼女と2人きりでラムネを飲んだり耳かきしてもらう様子
後半の夜の部は怪談を聞いたり他の店員を交えてお酒を飲む様子が描かれています。

時間帯だけでなくサービスの内容もガラリと変わるおかげで
それぞれに別タイプの癒しを感じることができるでしょう。
時間がどちらも1時間程度で区切られてますし、2回に分けて聴いた方が楽しめると思います。
片方だけでも十分過ぎるほどの癒しのパワーを持っています。

道草屋は現在までに20もの作品が出ており、そのすべてが1500DL以上を誇る超人気シリーズです。
その原動力となってるのが様々な音が織り成すリアルな世界観と個性的なキャラです。
今作もその例に漏れず、音声開始時から小川のせせらぎ・鳥やセミの鳴き声といった環境音や
すべてのサービスにおいて実録したとしか思えないハイクオリティな音がタイミングよく鳴り響きます。


音声作品ではよくあるパートごとの切れ目を完全にぼかした演出も相まって
最中は実際に道草屋にいるかのような現実逃避感が味わえます。
そして音がリアルだからこそ芹がサービスに関する細かな説明をする必要が無くなり
結果的に他愛もない会話をのんびりとする余裕が生まれています。


「夏は 炭酸ですねー アサヒといいラムネといい」
芹が元々雑談(特にお酒の話)好きなのもあるのですが
彼女は「~をしますね」といった開始の意思表示以外にサービスそのもののお話をほとんどしません。
夏の気候や自然に関する話題とか、子供の頃の思い出話などを楽しそうに語ります。
でも音のおかげで彼女が何をしてるかが手に取るようにわかります。

この良い意味で専門店らしくない「緩さ」が大きな癒しを与えてくれます。
他の専門店系作品では見られないサービスを盛り込み個性を出してもいます。
癒し系作品を構成するすべての要素が高いレベルを持っている素晴らしい作品です。
暑い日には冷たいものが一番
ここからは各シーンの詳細を説明していきます。

前半のお昼の部は小川のほとりが舞台。
ラムネを2本持ってやって来た芹が栓を開けて一緒に飲みながら談笑し
喉を潤したところで肩のマッサージや耳のお手入れをします。
もちろん最中は涼やかな水の流れる音が適度な音量で鳴り続けます。

お昼の部で最も特徴的なパートは一番最初のラムネを飲むところ。
「シュポッ ジュブブブブブ」と炭酸の泡がビンから溢れる音が鳴り
その直後に両耳至近距離で「シュワシュワ ブクブク」と炭酸の弾ける音が鳴ります。

これは実際に音を聴いていただくのが一番わかりやすいです。
体験版にある「おひるさんぷる」というファイルの1分30秒あたりにラムネを飲むシーンがあります。
自分が実際にラムネを飲んだ時に感じる音をそのまま表現しているのが素晴らしいです。
独自の方法で録音されたらしく、グラスに注がれた音を聴くのとは音の感じが随分違います。
また芹がラムネを飲む様子も音で表現されており、両者の音の違いがよく出ています。

「最近のラムネって お口のところ プラスチックなんですよねー いつの間にやら」
最中に芹がする話もラムネに関するものばかり。
子供の時に駄菓子屋やプールで飲んだ人もいるでしょうから
その頃を思い出して懐かしい気分がするかもしれませんね。
彼女が体を揺らすたびに中のガラス球が揺れる音が鳴るのも実に良いです。

メインのサービスは耳のお手入れ(約37分)。
両耳を濡れタオルで拭いてから10分近くあまがみし、膝枕の体勢で右耳→左耳の順にお掃除します。
使用する器具は耳かき棒と消毒液つきの綿棒です。
すべてが終わった後に少しだけ息を吹きかけてもくれます。

耳かき棒は「ぞり じじっ」と細く乾いた音、綿棒は「ぽりぽり しゅっ」という柔らかい音が使われており
前者は耳の壁を奥から手前になぞるように、後者は軸をもって回転させるようにいずれもゆっくり動きます。
力加減がかなり弱いので得られる刺激はいまいちなのですが
音の質感や動きといった各要素は高いクオリティを持っています。

「いただきもののお酒だと 何でもほいほい出してくれるんですけどねー」
「きーつーねーの おーやーこーが まーたーあーしーたー」

そして最中は芹が耳かきと全然関係ない話をのんびりした調子で語ってくれます
道草屋の店主らしい上品な佇まいの中に垣間見える子供っぽい部分がとても魅力的です。
お酒好きな人の方が共感できるかなと。
左耳を掃除する時に口ずさむ子守唄もテーマの「ノスタルジック」に合っています。

また話が前後しますが耳かき前に登場するあまがみも大きなポイントです。
本作品では昼、夜合わせてあまがみの時間が20分近くあります。
最初は普通に、しばらくするとさらに近づいて穴のあたりを舐める二段構えの責めも魅力です。
ただしR-15に収まるようにちゅぱ音はかなり抑えてあります。
ホラーを織り交ぜた大人の時間
続く夜の部は場所を母屋近くの縁側へと移し
芹がオリジナルの怪談を披露したり、途中から登場するはこべらと3人でお酒を飲みます。
芹自身が「余興」と言ってるように店員と客よりも友達同士に近い雰囲気のサービスです。

怪談は「おじぎさん」「開けて」「目隠し鬼」の3話。
いずれも11分くらいの長さで登場人物や内容が違います。

内容をばらすとつまらないでしょうからすべて伏せるとして
私が聴いた限りでは背筋がちょっぴり凍るくらいの恐さを感じました。
ホラーが余程苦手な人でもなければ普通に聴けると思います。

そして怪談の最中は彼女のセリフに合わせて専用の効果音が鳴ります。
臨場感を出すためのちょっとした演出ですね。
突然「ガーン!」とピアノが鳴ってびっくりさせるなんてことはありません。
今までとは違う形で「涼」を与えることを目指したサービスです。

はこべら「虫の声でも聞きながら 一杯いかがですか?」
芹「それでは お客様が 今夜もよく眠れますようにってことで」
その後に始まる飲み会はみんなでお酒を飲みお話をする名前通りの内容。
2人とも大人の女性ということで悪ノリすることもなくしっとりとした雰囲気が漂ってます。
お話は彼女たち以外に店員がいなかった昔の道草屋に関するものがメイン。
ダブルあまがみをしてくれるちょっぴりエッチなシーンもあります。

爽やかだったお昼の部に比べて夜の部は全体的に落ち着きがあります。
バックの環境音も一気に静かになり、別の店員が母屋で料理している音も聞こえてきます。
夏の日を田舎でのんびり過ごす様子を音声だけで様々な方向から楽しませてくれます。
季節感のある癒し系作品
抜群の癒し効果を持つ大変優れた作品です。

芹と2人きりで子供っぽい要素を交えた時を過ごすお昼の部、怪談やお酒といった大人の情緒漂う夜の部。
同じキャラが2つのシーンでまるで違うおもてなしをしてくれます。
音声開始から終了まで流れ続けるリアルかつ多彩な環境音や
最中に鳴る極めてリアルな効果音もそれを大いに助けています。

中でもお昼の部の環境音はセミや風鈴といった定番のものに小川のせせらぎを加え
夏らしさを感じさせつつ涼やかな雰囲気も醸し出しています。
夏といえば暑いと思う人が多いからこそ意識してこういう演出をされたのでしょう。
ラムネを飲む音やビー玉の音もスッキリした気分を与えてくれます。

それに対して夜の部は環境音を虫の音だけに留め
その代わり芹やはこべら、他の店員といった人の温もりを癒しに活用しています。
同じ環境音で勝負したら聴き手に飽きられると思ったのではないでしょうか。
怪談を3つ用意してるのも音以外の部分で涼しくしたかったからだと思います。
はこべらを登場させて芹が持つ子供っぽい部分を引き立ててもいます。

サービスそのものについても音のリアリティをとことん追求し
さらに体を動かした時に鳴る細かな音もちゃんと入れて道草屋の世界を構築しています。
このところ耳かきを初めとする癒し系作品が俄かに活発化してますが
その中でもほぼトップと言えるレベルの抜きん出たクオリティを持っています。

とにかくバランスがいいんですよね。
キャラが魅力的とか、耳かき音が優れてるとか、雰囲気作りがしっかりしてるとか
個々に優れた部分を持ってる作品はそれなりにあります。
でもそのすべてがとなると本当に少ないんです。
それを成し遂げてるからこれだけ多くの人に支持されてるのだと思います。

今の季節にぴったりな爽快感のある作品です。
130分以上で800円とコスパも抜群。
以上のことから本作品をサークルさんでは8本目の満点とさせていただきました。

CV:芹…雁庵うずめさん はこべら…琴香さん たびらこ…愛枝今日子さん(夜の部にほんの少しだけ登場)
総時間 2:13:23

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります