Hipnotic Sleeping

サークル「もふもふ倶楽部」さんの催眠音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する同サークルさんの処女作は、穏やかな雰囲気漂うお姉さんが
様々な技術を組み込んだ催眠をかけて安らかな眠りに導きます。

前半は現代、後半は古典と催眠のスタイルを切り替えながら誘導するのが特徴で
良い意味で催眠っぽさを感じないセリフの数々に自然とリラックスを覚え
しばらくすると体に重さを感じたり意識がぼんやりする不思議な感覚が湧いてきます。
お話を聴きながら少しずつ眠りの世界に
お姉さんに安眠できる催眠をかけてもらうお話。

「こんにちは 今日 あなたを気持ちのいい眠りに導いてあげるね」
お姉さんは素朴で温かい声の女性。
音声を聴く際の注意点を簡単に説明すると
自己紹介などの前置きは省略し、主人公を早速催眠状態へと導きます。

本作品は聴き手に普段よりも充実した眠りを提供することを目的に
彼女がほぼ全編にあたる19分間をかけて眠たくなる心と体になるよう誘導します。
(タイトルは「Hypnotic Sleeping」が正しいはずですがサークルさんがわざとこうされたのかもしれません)

安眠をテーマとした催眠音声は無料を中心に数多くの作品がリリースされています。
本作品がそれらと異なる最も大きな要素は誘導のスタイル。
前半は現代催眠の技術をベースとしたお話でリラックスした気分を与え
その後に古典催眠の技術に切り替え脱力感や意識のぼやけを強化します。


実際に聴いてみると途中からセリフの印象がなんとなく変わるのを感じるでしょう。
細かい部分に粗が見られるものの、技術の使い方自体はどのシーンも割と適切と言えます。

催眠はおよそ19分間。
リラックスできる体勢になり、最初は彼女の催眠に関する小話に耳を傾けます。

「トランスって聞くと ちょっと身構えちゃうかもしれないけど あなたも体験したことがあるんだよ?」
内容は日常生活に潜むトランスに類似した感覚のこと。
時間に対する感覚の違いや乗り物の運転など具体的な例を挙げながら
トランスは人間なら誰でも体験していることを教えます。

「考え事があったり 途中で体が苦しくなったら あなたの意識で 何でもしていいんだよ だって あなたの無意識は ちゃんと私の話を聴くことができるからね」
そしてこれらを語る最中、彼女はしきりに楽な気分で話を聴くよう呼びかけます。
音声を座って聴いてもいいし仰向けに寝転んで聴いてもいいよ
体勢が落ち着かないと感じたら好きに動かしてね、などなど
暗示よりも普通の会話に近い表現でセリフを投げかけてくれます。

催眠に対する疑念や不安を解きほぐした後は深呼吸。
およそ3分30秒に渡り彼女の声に合わせてやや速いペースで繰り返します。

「もしかしたら 目が少しとろんとなってくることに 気づけるかもしれないね」
「深く もーっと深く あなたが望む深さまで 入っていくことができる」

ここでも彼女は「~かもしれません」「~することもできます」など語尾をぼかした表現で
瞼の重さや意識のぼやけを感じる言葉を適度に言ってきます。

深呼吸の効果も手伝って私の場合はこのあたりから眠気を感じ始めました。
全体的にお姉さんの話すペースが速いのが残念ですが
聴き手が気楽な感覚でお話を聴き、リラックスできるよう言葉を選んで語りかけています。
心と体を空っぽにして深い眠りへ
音声開始からおよそ8分後、心身の緊張が適度にほぐれたところで
お姉さんは催眠のスタイルを一気に切り替え、眠れる環境を少しずつ確実に整えます。

「右腕の力がすーっと抜ける 重い とても重い 力が抜けていく」
「腰の力が どんどん抜けていく 落ちる どんどん落ちる 深い とっても深い」

内容は他の催眠音声でもよく使われている分割弛緩法。
腕、足、太もも、腰、お腹、首、頭など全身を細かいパーツに分け
それらをひとつひとつ意識しながら彼女の言葉を聴きます。
また後のほうになると「深い」「落ちる」といった催眠状態をさらに強化する言葉も出てきます。

前半に比べると催眠っぽさが強くなっているからか
脱力感はほどんとなく、代わりに体がぽかぽかしてくる感覚がありました。
手のひら、脇腹、足の裏あたりが特に強かったです。
比喩を交えて暗示を入れていたら違ったかもしれません。

また全身の脱力を終えた後にカウントを数えるシーンがあり
そこでは聴き手の心理を逆手に取ったやや珍しい落とし方も登場します。
どんな感じかは聴いてのお楽しみということで。

このように、2つのスタイルを組み合わせた独特な催眠が繰り広げられています。
それなりのリラックス効果が見込める作品
前半パートで行われる現代催眠式のアプローチが魅力の作品です。

お姉さんは聴き手が時間内にできるだけ眠気を感じてくれるようにと
最初は普通の会話をする感じに暗示を入れて意識の力を適度に弱め
その後に王道的な技術を用いた深化や眠くなる暗示でさらに心地よくします。

中でも前半は催眠に親近感を抱いてもらうことを目的とした小話や
許容暗示、ダブルバインド、スプリッティングなどを駆使した
比較的レベルの高い導入が行われています。

処女作でこの手のアプローチを仕掛けてくるケース自体がレアですし
使い方もそこまで間違ってるわけではありません。
聴き手の心を掴み、自然とリラックスさせるのにある程度役立ってると言えます。
今後のご活躍が期待できるサークルさんです。

しかし、個々の暗示が参考書に書いてある例文にかなり近く
お姉さんのセリフとしてみるにはぎこちないかなぁと。
大手のサークルさんだとキャラに最適な暗示表現を選んで入れてくれますし
そういった部分の工夫がもう少し欲しいです。

あとは先ほども書きましたが話すペースをもっと落としたほうがいいです。
安眠するには落ち着いた気分で聴けることが第一ですから
早口だと慌しく感じるし、頑張ってセリフを追う必要性が生まれて頭を空っぽにしにくいです。
今のままだとリラックスはできても眠るのはやや難しいと思います。

短時間ながらも個性を持っている作品です。

CV:三神香弥(みかみかや)さん
総時間 20:51

オススメ度
■■■■■□□□□□ 5点


体験版はこちらにあります