支配の催眠

サークル「催眠日記」さんの催眠音声作品。

今回紹介する作品は、明るくて穏やかな声のお姉さんが
十分すぎるほど深い催眠に落としてから声に操られる心地いいひと時を提供します。

サークルさんの過去作と同じく催眠そのものを楽しんでもらう作りになっており
総時間の7割近くもの時間を割いてじっくりと催眠をかけてから
性的描写をほとんど交えず声とイメージだけで絶頂へと導いてくれます。
支配される喜びをあなたに
お姉さんに催眠をかけられ、心身を支配されながら絶頂するお話。

「初めましてかな? あなたはどうしてここにやって来たの?」
お姉さんは明るくて穏やかな声の女性。
2人だけしかいない夢の場所へとやって来た主人公に声をかけると
彼に幸せを与えようと催眠をかけ始めます。

本作品は彼女にすべてを支配される心地よさや幸福感を味わうことを目的に
脱力を中心とした比較的長時間に及ぶ催眠を施し
それからストレートな性的描写を伴わない形でドライへと導きます。

お姉さんの指示で射精し精液を飲み干すとか、本物の赤ちゃんになって甘やかされるといった
ぶっ飛んだテーマは持ちあわせていないものの
自分の手足がなくなったような不思議な感覚や、深い催眠に入ったときのたまらない心地よさなど
催眠そのものの楽しさ、気持ちよさはとても味わいやすくなっています。

特に今回は体の脱力と深化を繰り返し行ってくれますから
今まで催眠音声を聴いても催眠に入った実感がなかった人でも
日常生活とは明らかに違う体験ができると思います。

タイトルの「支配」についてもいきなり命令するのではなく
聴き手が自ら従いたくなるよう誘導する催眠らしいスタイルがとられています。
「彼女の言葉に従ったほうが気持ちいいからそうする」みたいな感じです。
調教っぽさがまったくないのでノーマルな人でも問題なく聴けるし楽しめます。
基本的な技術を的確に行使した催眠
催眠はおよそ46分間。
最初は軽く深呼吸をしてから両足、両腕、上半身、顔、頭の順に体を脱力します。

催眠の序盤に脱力するのは他の作品でもよく見かける光景です。
しかし本作品の脱力はとんでもなく入念です。
まず時間が30分近く割かれており、最初の両足の脱力だけでもおよそ7分かけて行います。
さらに一通り終えたところで折り返しもう一度脱力させます。

「私の声は 聞き流す程度で構いません ゆっくり ゆっくりと 足の力を抜くイメージ」
「ほら どんどん抜けていく 先ほどのゆったりした感覚ではなく まるで 足先から力が流れていくような心地よさ」

最中に投げかけられる暗示についても単に「重い」を何度も言うのではなく
力が抜けていくイメージをさせたり、カウントを交えて心地よい気分にさせたり
他の部位との感覚の違いを実感させたりと多種多様です。

正直なところ、ここまで丁寧な脱力をさせてくれる作品はなかなかありません。
おかげで言われた部分がまるで動かしたくなくなるとか
その部分が体から切り離されたかのような感覚が味わえます。

中でも一番最初の両足を脱力するシーンが実感しやすいでしょうね。
次の両腕に移るとき、腕と足で明らかに別の感覚があるのがよくわかります。
彼女は聴き手に心地いい気分を与えることで自分に支配される喜びを教えようとします。

「あなたの意識は 真っ白な世界へ 飛んでいく 幸せな楽園へ 飛んでいく それが とても気持ちがいい」
体の脱力が終わった後は心の脱力。
「落ちる」「真っ白」などの暗示に加えてシャボン玉が弾けるイメージを用いたり
階段を降りながらカウントを数えるオーソドックスな手法を交えて少しずつ確実に催眠を深めます。

このあたりまでくると多くの人が寝起きの時に味わうぽわぽわした感覚や
ぬるま湯に浸かっている時のぽかぽかした心地よさを感じているでしょう。
それを言葉やイメージだけで膨らませていく様子はまさに「支配」と呼ぶに相応しいです。
催眠から連想される「声によって心や体を操作される」体験をストレートに味わわせてくれます。

十分にリラックスしてから言葉で深化させるシンプルな催眠です。
聴き手の心と体をお姉さんの声に支配されやすくするのを目的に
基本的な流れは古典催眠、セリフや暗示の表現は現代催眠の技術を主に使用しています。

ここまでのレビューを読んでいただければわかるように、催眠の流れ自体は本当に単純です。
しかし声のかけ方や暗示の入れ方、イメージの活用法など
細かな部分が恐ろしいほどまでに洗練されており
聴けば聴くほど体の力が抜け、意識がぼやけていくのを強く感じます。

手足の脱力感は催眠の初期に味わいやすい感覚ですし
催眠に不慣れな人は特に新鮮に感じるのではないでしょうか。
そして催眠音声を聴き慣れてる人も強烈な脱力感に驚くはずです。
「ああ、催眠ってこんなに気持ちいのか」と教えてくれる催眠です。
言葉の力でイかされる快感
エッチシーンは12分ほど。
プレイは心をかき混ぜられるイメージです。

エッチな効果音はありません。
セルフもありません。

「ほら 気がつくと 気持ちよさが ぞわぞわとエッチな気持ちよさに変わってきて あなたの体が敏感になっていく」
催眠を使って主人公の心と体を従順にしたお姉さんは
さらなる暗示を入れて声や言葉に支配される快感を教え込みます。

エッチは彼女との物理的な接触は一切せず言葉だけでドライオーガズムを迎えます。
最初から言ってしまうと淫語、ちゅぱ音、喘ぎ声は一切ありません。
しかし催眠状態下だからこそできるイメージを使った責めで心を盛り上げてくれます。

「心に 私が人差し指を 心に入れる すると それだけであなたの体はビクンと跳ねる」
本作品で登場する唯一のプレイは彼女が彼の心をゼリーのようなものに例え
その中に指を差し入れかき回す脳姦っぽいイメージ。
仮想的なプレイだからこそどのように気持ちいいのかを
感覚支配の暗示を使って的確に伝え、感じさせてくれます。

私が聴いたときは頭の中の快感は催眠パートを聴き終えた段階でかなりあったので
そちらは大した変化は無かったのですが、上記のイメージを聴いていると股間が妙に熱くなり
筋肉が勝手に収縮してオナニーの際に味わうような性的快感が湧いてきました。

エッチな要素一切抜きでこうなったのは催眠の結果としか言いようがありません。
催眠がしっかりしているので皆さんも似たような感覚を味わうのではないでしょうか。
催眠の気持ちよさを維持しつつ、催眠特有の快感を味わわせてくれます。
最後の絶頂シーンもどちらかと言えば股間に大きな感覚の変化が現れました。

このように、催眠状態下だからこそできる変わったエッチが繰り広げられています。
催眠特化の良作
催眠に入る、漂う心地よさが味わいやすい作品です。

お姉さんは主人公が自分の言葉に自ら従いたい気分になるように
彼の気持ちを尊重しながら少しずつ催眠を深めていきます。
そして意識の力が十分に弱まったところで初めて「支配」という単語を持ち出し
引き続き彼をもてなしながら性的絶頂へと追い込みます。

タイトルを見た限りでは高圧的なサービスをすると思う人がいるんじゃないでしょうか。
ですが実際は言葉で心身を操作する従来の催眠音声とほぼ同じプレイをします。
ただし、支配されてる気分をより強く味わえるように催眠誘導をびっくりするほど入念に行っています。
この内容だと寝落ちする人がそれなりに出ることが予想されます。
少なくとも寝る前に聴くのは避けたほうがいいでしょう。

エッチは最近ではあまり見かけない心を直接いじくるプレイです。
イメージ力が必要になるわけですが、催眠にしっかり入っていれば体が勝手に反応してくれます。
脳じゃなく「心」と言っているのも彼女なりの配慮なのかなと。

絶頂シーンは1回+α(連続絶頂)。
淫語、ちゅぱ音、喘ぎ声いずれもありません。

サークルさん独自のやり方で癒しと快感を与えてくれる作品です。
催眠の感覚があまりよく掴めていない人には特におすすめします。

CV:分倍河原シホさん
総時間 1:01:49

オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

2023年6月26日追記
再レビューをアップしました。
https://doonroom.blog.jp/archives/90888724.html