「ふたごあ~る」

サークル「TAE」さんの催眠音声作品。

今回紹介する作品は、ややトーンの違う可愛い声の双子が
左右に寄り添いながら主人公に気持ちいい体験を提供します。

催眠音声の世界で絶大な人気を誇る「双子」シリーズの正統後継作として
既存の枠に囚われない極めて個性的な催眠とエッチを繰り広げています。
今作は特に催眠初心者を強く意識したアプローチがされており
催眠の感覚があまりよく掴めていない人でも不思議な感覚が味わいやすい点も魅力です。

今回はサークルさんが初回用に推奨されてる構成でのレビューをお送りします。
帰ってきた双子
双子の少女にエッチな催眠をかけられるお話。

「せーのっ いらっしゃーい」
双子はどちらも明るくて可愛い声の女の子。
気持ちよくなりたくて自分たちに会いに来た主人公を優しく迎えると
音声を聴く際の環境を軽く確認してから色んなことを語り始めます。

本作品はListenable pharmacyさんで公開されている「Synergism Duet」から始まり
今までに4作がリリースされている「双子」シリーズの最新作。
彼女たちが左右から交互に、あるいは同時に語りかける独特なスタイルで
十分すぎるほど深い催眠の世界へと案内し、それから声や言葉だけで性的絶頂へと導きます。

有料ではかの有名な「双子のい・い・な・り~性感開発ボイス~」以来
実に7年ぶりと本当に久々の新作にあたります。
前作「Side Effect」で一応の終わりを迎えたシリーズだけあって
こうして改めて新作が出たことは私を含めてファンには衝撃的だったのではないでしょうか。
タイトルの「双子R」にはRevival(復活)の意味が込められているのだと思います。

内容の方はというと、既存の双子形式を継承しつつ極めてフリーダムな催眠とエッチを行っています。
例えば作品内に2種類の誘導パート、3種類の深化パートを用意し
聴き手の状況に合わせていずれか1つを選択する自由を与えていることや
催眠導入および深化を普通に会話するように進めていること
エッチで特定のプレイに固執せず聴き手の無意識に委ねながら絶頂を促していることなどが挙げられます。

さらにより多くの聴き手が催眠特有の感覚を味わえるように
特に序盤のシーンで初心者をメインターゲットにしたセリフを数多く投げかけてきます。
催眠に対する疑念や抵抗心を解きほぐしながら進めてくれるおかげで
リラックスや双子の声に対する集中力が得やすく、その結果催眠に入りやすくなっています。
最初から言ってしまうと誰でも楽しめる名作です。
会話形式で行う巧みな催眠
初回用の催眠は2パート23分ほど。
冒頭の挨拶を済ませた後、双子はまずこれから行う催眠に関するちょっとした心得を説明します。

左「これから私たちが 左右から同じことや 違うこと 少し違うことをあなたに話しかけるけど」
右「あなたは無理して全部を聴き取らなくてもいいの」
彼女たちはシーンごとに話す内容や話し方を目まぐるしく切り替えてきます。
後になるほどセリフの間が極端になくなるため、そのすべてを追うのは結構大変です。
だからこそ最初から聴き手が戸惑わないようちゃんと説明してくれます。
2人が左右からテンポよく語りかけてくるスタイルも個性的で面白いです。

左「あなたが催眠から覚めたいと思わない限り 勝手に覚めるはずなんてないの」
右「だってあなたの体なんだから」
さらに双子は体が痒くなったら自由にかいていいし、体も自由に動かしていいとまで言います。
催眠音声では仰向けに横になって聴くのが当たり前なだけに
この「自由さ」にちょっぴり驚く人もいるんじゃないでしょうか。
そして緊張していた人ほど肩の力が抜けていくのを感じると思います。

これはある意味当然のことで、自分にとっての自然体で音声を聴いた方が催眠に入りやすくなります。
例えば椅子に座った時に貧乏ゆすりをする人がいますが
それはそうしていたほうが落ち着くから無意識的にやってしまうのです。
体が痒いのにかかなかったらそれが気になって落ち着けなくなります。
双子はお話を通じて「大事なのはリラックスだよ」と遠まわしに教えているわけです。

「私たちの に ただ耳を傾けている だけ で まるで音楽 を聴いて いる時みたいに リラックスできるわ」
そうやって心身を適度に解きほぐしたところで
今度は彼女たちの声にリラックスできる環境を作り上げます。
ここからは上のセリフのように双子が文節レベルで声の担当を切り替えながら
とてもリズミカルに暗示を入れてくれます。


本当に細かく声を振り分けてくれるおかげで声に包まれている感覚が味わいやすく
後になるほど頭の中を軽く揺さぶられているような心地よい感覚が湧いてきます。

また作品の後半に差しかかると左右で話すスピードを微妙に変え
セリフの間をほぼなくして聴き手に考える余地を与えず誘導しようとします。
術者が2人いる利点を最大限に活用し催眠やエッチを効果的に進めていく様子は
さすが本家と言いますか、クオリティの高さをひしひしと感じます。

続く深化パートはカウントを聴いたりわかりやすいイメージを思い浮かべながら
双子の声に対する集中力を高め、より深い催眠状態へと入ります。

「私たちの声は どこか遠いところへ聞こえていく あなたの意識はただ一点に あなたの頭の上に集中」
パート中盤あたりに登場する意識を額に集めて移動させるシーンでは
彼女たちが実際に声の位置を移動させ、それを追うように動かしながら行います。
バイノーラル録音のおかげで位置の違いが鮮明で、そこに頭が引っ張られていくような感覚がしました。
そうやって双子は自分たちの声に自然と集中できる気持ちを育ててくれます。

「どの声を聴いても どの声に従っても (左右から同時に)どの声に意識を奪われても あなたは深く深く 気持ちのいい世界に入っていけるから」
最後の深化もラジオのチャンネルに合わせる例えを用いて
空っぽになった心に双子の言葉が届くように巧みな言葉を投げかけています。
これまでずっと聴いてきた彼女たちの言葉に包まれてるひと時はとても心地よく
今まで以上に頭の中がとろける感覚や、体の芯に声が響き渡る感覚が味わえます。

双子が左右から普通の会話をしながら催眠状態に落とす独創的な催眠です。
聴き手を彼女たちの声に集中し、反応できる心と体にするのを目的に
最初の導入パートはリラックス、次の深化は集中力の向上にターゲットを絞り込み
それに向かって様々な方向から働きかけてきます。

流れだけを見れば至ってシンプルです。
でもそれに向かうまでの道筋が恐ろしいまでに緻密で複雑です。
他のサークルさんとはあらゆる部分が違っていて新鮮味に溢れています。
本家に相応しい堂々とした格調高い催眠が繰り広げられています。

この催眠で一際優れているのが暗示の入れ方、重ね方です。
2人の担当をシーンに応じて変えながら確実にそうなるように誘導しています。
実際に聴いてみると実時間以上に濃密なひと時が送れます。
リラックスのさせ方や集中力の高め方も丁寧で聴いてるだけで自然と催眠に入っていけます。

まとめると、初心者から上級者まで楽しめる極めて質の高い催眠です。
欲望を無意識に委ねながら
エッチシーンは17分ほど。
プレイは耳への息吹き、声による絶頂です。

エッチな効果音はありません。
セルフ、ドライどちらとも取れるプレイが行われています。

「空っぽになったあなたの中は どんどん私たちの声に満たされるの」
催眠を使って主人公を声の言いなりに作り変えた双子は
彼にもっともっと気持ちよくなってもらおうと引き続き言葉で性的興奮や快感を煽ります。

エッチは彼女たちと直接的なプレイは行わず
暗示やイメージだけで興奮し、絶頂する催眠音声ならではのものです。
序盤のシーンはイきやすい状態を作るための感度強化がメイン。
双子は「熱」をテーマにした様々な言葉を投げかけます。

「エッチな本を読んだり ビデオを見たり 好きな子と接近したりしたときに 下半身に感じる衝動的な熱さ 情熱的な熱さ」
「まるで溶鉱炉のようなどろどろの熱さ あなたを内側から溶かしてしまうようなどろどろの熱さが どんどん湧きあがって あなたを満たしていく」
オナニーに使うオカズ、エロ以外のイメージを用いた比喩、彼女たちの息吹きなど
ここでもより多くの人が熱の高まりを感じられるよう複数の方向から働きかけています。

私の場合は溶鉱炉のセリフを聴いたときにまず顔だけがかーっと熱くなり
しばらくするとそれが股間に伝わっていくのを感じました。
人によって反応の仕方が随分変わってくるシーンですね。

準備ができた後の本格的なプレイについても
双子は明確なプレイを避けて「あなたの気持ちいいところを好きにいじっていいよ」と言います。
ですから乳首やおちんちんをいじりたくなった普通にオナニーすればいいし
そのまま声にイかされたいのなら手を動かさずに聴けばいいです。
これが先ほど書いた「セルフ、ドライどちらとも取れるプレイ」の意味です。

過去にドライ系の作品でオナニーをしたくなったことや
逆にセルフだけどドライのほうがイキやすいと感じた人がいると思います。
それを解消するためにこういうプレイスタイルにしたのではないかなと。
無意識の赴くままに欲求を満たすあたりが催眠音声らしさがあって面白いです。
ただ淫語やちゅぱ音がほとんどないので、どちらかと言えばドライ向きのプレイかなと。

「痺れる 熱い 響く 打ち寄せる 体の中心が 快感が一気にぶつかる 弾けちゃう 弾けて 広がって 世界に溶け込みながら 消えていく」
個人的に最も印象的だったのは最後の絶頂シーン。
お馴染みのカウントを数えてから
2人が今まで以上に声の位置を細かく振った息もつかせぬ暗示で一気に絶頂へと追い込みます。
事前の感度強化が丁寧なおかげで心身の高ぶりも実感しやすく
私の場合はそれがじわじわと股間に集まってタイミングよく弾ける快感が味わえました。

絶頂時の高まりは射精よりも鈍いのだけど、その分持続力があって余韻も長いです。
オナニーで射精したときもまた別の快感が味わえるでしょう。

このように、声や言葉の力でイかせる独特なエッチが繰り広げられています。
濃厚な時間が味わえる作品
双子形式を現在の催眠音声業界の状況に合わせた形で運用している名作です。

声質が若干異なる可愛い双子が左右に陣取り
聴いてるだけで自然と催眠に入れるように様々なセリフを投げかけます。
最大の特徴である2人の術者を上手に使い分けて進める催眠
深い催眠状態だからこそできる心身を操作しイかせるエッチ。
どちらも大衆性を維持しつつ極めて高いレベルで行使しています。

そして現在の催眠音声ではよく見られるボイスドラマらしさを出し
普通の会話の中に技術を組み込みながら催眠をかけています。
催眠音声でよく使われている技術をほとんど用いておらず
初心者はもちろん、数百単位で聴いてる玄人でも新鮮な気持ちで聴くことができます。

中でも最も独特なのは最初の導入パートでしょうか。
催眠に関する豆知識をあれこれ語る形でリラックスを促しています。
催眠は世間的に「胡散臭いもの」という印象が割とあるらしいので
それを解きほぐして安心させ、リラックスに繋げるのは有効なアプローチと言えます。
もちろんそれだけではなく合間合間にリラックスさせる暗示も入れてきます。

次の深化も「何をするか」ではなく「聴き手にどうなって欲しいのか」を強く意識して進めています。
そのための手段として技術を幅広く活用しています。
双子の珍しさだけでなく、催眠音声としての質も文句なしに優れています。
このサークルさんでしかできないことをやられているなと。

エッチは敢えて具体的なプレイを提示しない思い切ったことをされています。
フリースタイルなので人によっても得られる快感が変わりますし
場合によっては1回目と2回目で違った楽しみ方になる可能性もあります。
ドライに固定しなかったのは初心者に配慮した結果なのかもしれません。

絶頂シーンは最後に1回。
淫語ごく僅か、ちゅぱ音と喘ぎ声はありません。

双子の醍醐味がぎっしり詰まった作品です。
過去作からのファンはもちろん、まだ聴いたことのない人にも属性を問わず強くおすすめします。

CV:誠樹ふぁんさん
総時間 1:31:33(音声ファイルの合計) 初回用…47:24
(導入と深化パートの各タイプは一部が違うだけで内容はほとんど同じです)

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります

2023年9月28日追記
再レビューをアップしました。
https://doonroom.blog.jp/archives/91456408.html