双子 白

サークル「フルトラ」さんの催眠音声作品。

開設初期に紹介した作品を現在の視点から改めてレビューする再レビュー企画。
その第5回目は可愛い声とちょっぴりSな性格を持つ双子が
左右に寄り添いながら巧みな催眠と2種類のエッチを提供します。

催眠音声では高い人気を誇る双子形式が採用されており
シーンに応じて2人が役割を分担したり協力しながら
聴き手がスムーズに催眠に入り、エッチを存分に楽しめるよう的確にリードします。
可愛い双子のエッチなプレゼント
双子の女の子にエッチな催眠をかけられるお話。

「こんばんは」
双子は若干トーンの違うどちらも可愛い声の女の子。
自分たちの部屋にやってきた主人公を優しく迎えると
今日を幸せな気分で締めくくれるように催眠をかけてあげます。

本作品は彼女たちが左右に位置を固定し
あるときは交互に、またあるときは同時に語りかける形で催眠とエッチを進めます。

現在は色んなサークルさんが様々なタイプの作品を作られている双子も
この作品が発売された2012年当時は製作されてるサークルさんがほぼいない状態でした。
他だと本家にあたるListenable pharmacyさんや催眠音声研究所さんくらいです。

そしてこの作品における双子は特に催眠パートで本家の作風を色濃く受け継いでいます。
具体的にはシーンごとに2人の役割を変化させている点や
ひとつひとつのセリフを短く区切ってリズミカルに暗示を入れているところです。

また目的や暗示の内容に応じて双子の話すペース・間・語気など様々な部分が小まめに変化します。
言葉と雰囲気の両方から感覚を伝えてくれるわけです。
双子によるユニークさだけでなく技術的にもかなり優れたものを持っている作品です。
正直なところ、1作目でここまでのものを作れるサークルさんは極めて稀です。

催眠はおよそ25分間。
ベッドに横になり足を軽く開いた状態でまずは深呼吸をします。

左「すってー はいてー」
右「吐き出す息とともに 力がすーっと抜ける 力が抜けていくと なんだか気持ちいい」
術者が2人いるから呼吸のタイミングもしっかりリードしてくれるし
その合間合間にリラックスを促す暗示を上手に入れてくれます。
本作品の催眠は呼吸に意識を向けさせるシーンが多く
後になるほど気持ちがスッキリするとか、眠くなる感覚が強くなります。

「あなたの意識の外側で あなたの体は 脱力していくの 私たちに全部 委ねてしまうといいわ そうすると もっと気持ちよくなれるから
また深呼吸を一通りした後で今のリラックス具合を確認するシーンも登場し
その時は上のように2人がひとつのセリフを小まめに分けて語りかけてきます。
結果的に意識を左右に揺さぶられるため、頭の中にぽわぽわした心地よい感覚が湧いてくるでしょう。
彼女たちは双子だからこそできる技術を駆使して聴き手を催眠の世界へと導きます。

お次は体をいくつかのパーツに分けて脱力したり
暗い世界を落ちていくイメージをして催眠状態をさらに深めます。

右「右肩から力が抜けていく」
左「息を吐く度に力が抜けていく」
脱力の際は深呼吸とは打って変わってセリフの間隔が極端に狭くなり
畳み掛けるような暗示に力を吸い取られるような感覚がしてきます。

「息と共に」力が抜けていくと暗示を入れているところもいいですね。
深呼吸によって生まれたリラックス感覚を脱力に上手に繋げています。
聴き手からしても呼吸するだけですからとっても簡単です。

左「落ちていくのが気持ちが良いから どんどん落ちていく」
右「落ちるのは気持ちいい」
深化シーンも「落ちる」「気持ちいい」といったキーワードをセリフに多く織り交ぜ
さらには実際の落下と同じく後になるほど話すペースが速くなる凝った演出がされています。
2人が言葉でイメージを膨らませてくれるおかげで
体全体が布団に吸い込まれていくような、すとーんと落ちる感覚が味わえるでしょう。

双子の長所を最大限に活かした個性的かつ実用的な催眠です。
聴き手の心を双子の言いなりになれる空っぽの状態にするのを目的に
古典的な技術を双子に合わせてアレンジしながら進めています。

術者が1人の時とはかなり違うスタイルで進めてくれるおかげで
それらに興味を感じ、集中力を維持したまま音声を聴くことができます。
聴いてて純粋に面白いから催眠に入りやすくなるわけです。

この催眠で何より素晴らしいのは彼女たちの演技です。
深呼吸の時は落ち着けるようゆっくりと、深化は落ちるイメージそのままに素早く、といった具合に
それぞれの目的に合わせて2人の声や言葉の調子が目まぐるしく変化します。
しかもそのすべてが理に適ってるから驚きです。
催眠パートに限って言えば処女作の時点で大手のサークルさんにほぼ並ぶクオリティを持っています。

まとめると、聴いてるだけで自然と催眠に入れる親切で質の高い催眠です。
体験版にまるまる収録されてますから是非一度お試しください。
焦らされる快感とイキ続ける快感
エッチシーンは3パート19分30秒ほど。
プレイは全身へのキス、フェラ、オナニー、声による絶頂です。

エッチな効果音はありません。
セルフ、ドライ両方の絶頂形式が登場します。

左「それじゃ あなたの中に 私たちのエネルギーを注入するわね」
右「それはとっても気持ちがいいの」
巧みな催眠で主人公の心をとろとろに溶かした双子は
もっと気持ちよくなってもらおうと彼の全身に優しくキスをします。

エッチは最初のパートで全身にキスをしながら感度を強化し
その後セルフとドライで違ったタイプのプレイを楽しみます。
セルフ9分、ドライ5分とどちらも手ごろな長さです。

右「(おちんちんに)欲しくなっちゃう?」
左「でも まだお預け」
エッチに入ると双子は今までの優しくて可愛いキャラから少し変わり
ところどころでわざと意地悪をしてこちらの興奮を煽ります。
一部で「変態」と罵られるシーンもあるためMな人の方が楽しみやすいです。

セルフパートのテーマは「焦らし&寸止め」。
最初はおちんちんに触れるだけ、しばらくすると短くしごいてストップさせるなど
こちらが簡単に射精しないよう2人は手の動きを小まめにコントロールします。

右「命令されるだけゾクゾクと気持ちよくなるの」
左「命令にしたがうともっと気持ちよくなっちゃうわ」
催眠音声ならではの心への責めもバッチリしてくれます。
最も特徴的なのは彼女たちの命令をトリガーに性感を高めるアプローチ。
寸止めによって生まれる欲求不満を暗示で快感へと変換し
聴き手にできるだけ抵抗を感じさせずにリードします。

寸止めによるおちんちんへの刺激の弱さを言葉責めで補ってる感じです。
終盤の射精シーンでもカウントをわざと止めて焦らしてきますし
抑えられてきた分、射精時にはより大きな快感が得られるでしょう。

対するドライパートは連続絶頂がメイン。
寸止めしない代わりに何度もカウントを数えて断続的に絶頂へと追い込みます。

右「気持ちいいね」
左「凄く気持ちいい」
右「頭が白くなる」
左「意識が飛んでしまいそう」
右「またイッちゃうよ ゼロ!」
時間に対する絶頂回数の多さから股間の筋肉が軽く痛くなるかもしれません。
でもそれは裏を返せば彼女たちの言葉に反応する体になったことを表します。
物理的な刺激を一切与えずに絶頂する催眠音声ならではのプレイと言えます。

このように、正反対のプレイスタイルを持つ独特なエッチが繰り広げられています。
正統派の双子系作品
双子形式の持ち味を高いレベルで引き出している稀有な作品です。

可愛いくてSっ気もある双子がどのシーンでもコンビネーションを取りながら
催眠を深めたり2種類の絶頂へと追い込んでくれます。
片方が呼吸をしたりちゅぱ音を鳴らし、もう片方が暗示や言葉責めを担当する。
1人の術者では決してできない要素を数多く盛り込み、作品としての個性を生み出しています。
Sな女性を得意とされている紗藤ましろさんの演技もM心をくすぐります。

この作品を「稀有」と評した一番の理由は
現在でもなかなかできないことを平然とやってのけているからです。
具体的には双子のセリフの長さやセリフごとの間の取り方が絶妙です。
実際に聴いてみると2人の声が妙にリズミカルに感じるでしょう。
聴き手に「なんとなく聴きやすいな」と感じてもらえるようにかなり細かな部分にまで気を配っています。

術者が2人いて左右から交互に語りかけるだけでは双子と呼ぶには不十分です。
2人が個別の役割を持っていながらひとつの催眠として成立していてこそだと私は考えています。
4年前の段階でそれを本家以外の人がやり遂げているのは驚異的です。
今でも十分通用するレベルの双子催眠を楽しむことができます。

エッチは昔の作品だからかどちらのプレイも淡白に感じます。
特にドライは時間が短く準備も不十分なためイキにくいかなと。
セルフメインで楽しむ分には問題ないでしょうが一応ご注意ください。

絶頂回数は射精が1回、ドライは8回。
ちゅぱ音そこそこ、淫語ごく僅か、喘ぎ声はありません。

双子の醍醐味がぎっしり詰まった良作です。
改めて聴いた結果、前回の8点から1点プラスさせていただきました。

CV:紗藤ましろさん
総時間 50:07(音声ファイルの合計 組み合わせにより多少短くなります)

オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります