はかた弁の年上カノジョ

サークル「黒月堂」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、優しくて面倒見のいい年上彼女が
疲れた主人公に耳かきをしながらたっぷり甘やかします。

タイトル通り彼女が博多弁をしゃべるのが大きな特徴で
その独特な語尾やイントネーションが作品全体に柔らかさを与えています。
年上彼女と過ごす幸せなひと時
年上の彼女に耳かきや添い寝をしてもらうお話。

「おかえりなさい 疲れたやろう?」
彼女は明るくて優しい声のお姉さん。
仕事を終えて帰宅した主人公が気落ちしてるのを見ると
頭を撫でたり抱きしめたりしてたっぷり甘やかしてあげます。

本作品は冒頭に簡単なやり取りを挟んだ後
およそ30分に渡って耳かきをし、それから彼女と一緒の布団で眠りにつきます。
恋人同士の何気ない日常を描いているのでサービス自体は至ってシンプルにし
彼女の言葉使いや態度のほうで個性を打ち出しています。

「仕方ないよ そげんこともあるたい そんなに落ち込まんと」
その最も大きな要因として挙げられるのが博多弁。
「~たい」「~ばい」など他の方言とは違う独特な言い回しで語りかけてきます。
中の人が福岡の方なので言葉使いもナチュラルです。

そして彼女は年上らしく彼を実の子供のように甘やかします。
何かにつけて頭を撫でる、疲れた心に染み入る励ましの言葉をかけるなど至れり尽くせり。
バイノーラル録音の性質を活かしてシーンごとに声の位置や距離を切り替え
彼女が実際に近くにいる雰囲気を作り上げています。

作中では恋人らしさを意識した演出も数多く見られます。

ひとつだけ注意してほしいのが
実はこの作品、時間に対してセリフのボリュームがやや少なくなっています。
総時間の大部分を占める耳かきシーンで効果音を存分に楽しめるように
彼女が敢えて無言でそれらを行っているからです。

ですから方言をとことん楽しみたい人だと物足りなく感じるかもしれません。
2人が九州に住んでいる感じを出すために博多弁でしゃべっています。
リアルな音を駆使した心地よい耳かき
彼女が最初にしてくれるサービスは耳かき。
膝枕の体勢で右耳→左耳の順に耳かき棒で掃除し、仕上げに梵天と息吹きをする家庭的なものです。

耳かき棒は「ゾリゾリ ズッ」と乾いた軽い音
梵天は「ぽしゅっ しゅりしょり」と面積が広く柔らかい音が使われており
どちらも耳の壁を掻き出すように動きます。

本作品の耳かきにおける大きな魅力は耳かき棒の動きの多彩さ。
2~3回耳の壁を優しくなぞる動きをしていたかと思えば
すぐ後にはやや長いストロークで掻き出す、さらにしばらくすると5~7回ごとに擦るなど
30秒程度の短い間隔で動きが目まぐるしく変化します。

効果音を組み合わせるのではなく実録っぽい動きをされています。
力の加減が耳にこそばゆい刺激を感じる程度に抑えられていて
30分近く聴いても耳や頭が痛くなることはまずありません。
音の質感と動きの両方がかなりのレベルを持っていると言えます。

ただし、左耳で耳の奥を1分程度掃除するシーンがあるのですが
そこで鳴る音だけは残念ながらいまいちだと私は考えています。
「パチパチ ジョリッ」と破裂っぽい刺激的な音が使われています。
奥にしては音がクリアすぎるし動きももう少しゆっくりにしたほうがいいかなと。

「え? お耳の中をカリカリされるの 気持ちいいの? そっか じゃあ いっぱいしてあげるね」
最中の彼女は先ほど書いたように黙々と耳かきに取り組みます。
ですが左耳に入ると他愛もないやり取りが若干あります。
効果音だけが流れる時間が長く静かな感じがするでしょう。

2人の関係を考えれば多くの言葉は要らないように思えます。
終盤には恋人ならではのあまあまなやり取りも登場します。

耳が綺麗になった後は添い寝のサービス。
彼女が右隣に寄り添い軽く会話をしてから眠りに落ちます。

「好き 好き 好き 好き だ~~い好き」
大好きな人を癒すことができて彼女も幸せを感じているのでしょう。
手を繋いで体を温め合いながらストレートな愛の言葉を投げかけます。

このように、恋人たちが過ごす一夜を甘く温かく描いています。
シンプルで高性能な癒し系作品
彼女のキャラとリアルな効果音を上手に組み合わせて癒しを与えている作品です。

彼女は仕事で心も体も疲れきった彼がぐっすり眠れるように
優しい言葉や心のこもった耳かきをサービスします。
彼女がずっと方言で語りかけてくれるから雰囲気が柔らかく
声の臨場感の高さも相まって自然と心がぽかぽかしてきます。

そして2人が一緒に過ごす様子を様々な効果音を使って表現しています。
耳かきの音はもちろん、寝返りをうつ音やベッドに寝たときに軽くきしむ音など
かなり細かなレベルにまで気を配っているのがとても良いです。

音に自信があるから耳かき中の彼女のセリフをここまで減らしたのでしょう。
音だけが聴こえ続けるひと時はそのまま眠ってしまいたくなるほどに心が安らぎます。
耳かき作品をずっと作り続けてきたサークルさんの一つの成果がここにはあります。

Six Sensesさんは今から約2年前に「博多弁で囁き@かなせ」という
恋人らしき女性が博多弁で耳かきをしてくれる類似作品を製作されています。
本作品はそこで感じた問題点がことごとく改善されています。
サークルさんが時々やられる九州ローカルネタも入ってませんし
純粋な方言音声作品としてとても聴きやすくなっています。

シンプルなサービスに独自の要素を配合している作品です。
年上好き、音重視の耳かきが好きな人におすすめします。

おまけはフリートークと寝息です。

CV:かなせさん
総時間 本編…51:06 おまけ…7:05

オススメ度
■■■■■■■■■□ 9点


体験版はこちらにあります

追記
作品自体の点数は8点。
約1時間で600円とコスパがいいので+1してあります。