健気な許嫁のほのあま耳かき

サークル「ドット*ハーフ」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、生まれたときから夫婦になることを運命づけられた一組の男女が
耳かきや散髪をしながら少しずつ心の距離を近づけていきます。

リアルな動きが持ち味の癒し系サービスだけでなく
それらを通じて最初はぎこちなかった2人がだんだんと打ち解け
夫婦として一生を過ごす自信をつける様子がわかりやすく描かれています。
旧家に生まれた男女の心温まる物語
許嫁の雪乃に耳かきと散髪をしてもらうお話。

「お久しゅうございます 雪乃でございます…」
雪乃は甘く穏やかな声の女性。
久しぶりに会った主人公に丁寧な挨拶をすると
これから彼の屋敷で花嫁修業に努めることを告げます。

2人は両家で代々婚姻を結んでいるほどの古い家の出身で
今回も両親に生まれたときから結婚することを決められていました。
そして結婚適齢期を迎えた彼女が彼の家に入り、1年間修行を積んだ後に正式な夫婦となります。
このお話は彼女がその修行を開始する直前の様子を描いています。

「不慣れゆえに 話し方がおぼつかないこともあるかと思いますが 努力してまいりますので 何卒 よろしくお願いいたします」
良家のお嬢様なので小さい頃から躾けられていたのでしょう。
彼女はいかにも大和撫子といった感じの古風な言葉使いで終始接してきます。
最初は他人行儀に感じるでしょうが、これが彼女の素だとわかると気にならなくなります。

また2人は子供の頃に少し遊んだくらいで今回会うのは10年くらいぶりです。
だから最初は彼女がどのように接していいか戸惑う仕草を見せます。
そこでまずは親睦を深めるために耳かき・散歩・散髪をするわけです。

一般的な癒し系作品に見られるサービスの内容を重視する作風とは違い
本作品ではサービスをしながら2人の心情の推移も描いています。
聴き始めた直後とエンディングで2人の仲が随分変わったように感じるでしょうね。
初々しい男女が織り成すやり取りも心を温めてくれます。
健気さが感じられる心のこもったサービス
雪乃が最初にしてくれるサービスは耳かき。
膝枕の体勢で右耳→左耳の順に耳かき棒と綿棒で汚れを取り
最後に強めの風圧で2~3回息を吹きかける家庭的なものです。

耳かき棒は「ごりっ ずずっ」とやや篭った硬い音
綿棒は「じじっ ざっ」と耳かき棒に比べると広く柔らかさのある音が使われており
どちらも耳の壁をゆっくりなぞるように動きます。

効果音の音質が最近の作品に比べるとクリアさに欠けていたり
耳の中を掃除している音にしては硬すぎるのが気になりますが
動きについては耳の形状や大きさに合わせたリアルなものになっています。

バイノーラル録音じゃないので耳かき音声好きにはやや物足りなく感じるかなと。
個人的には今の時代だとちょっと厳しいかなって思ってます。

「だいぶ慣れてまいりました それもこれも 若様のお耳の中が 取りやすい大きな汚ればかりだからでございます」
「不思議なことに ぼんやりと 幼い頃 若様と 遊んだ記憶が 蘇ってまいります」

最中の雪乃の様子はというと、開始直後は緊張しているように見えたのが
後になるにつれて主人公と何気ない会話をするほどにリラックスします。
そして彼も耳かき中に寝入るほどに癒された姿を見せます。

彼女はずっと会っていなかった彼に対して漠然とした不安を抱いていました。
子供の頃に優しくしてくれたとしても、それが大人になっても通用するとは限りません。
しかし実際に再会して彼が昔とまったく変わってなかったことに安心し
胸のうちを語りつつ彼に様々な気配りを見せるようになります。

この部分が耳かきに個性を与えています。
ストーリー性のある耳かきと言えばいいのでしょうか。
キャラを大事にしているあまり見かけないタイプです。

次に登場する散髪は耳かきの後に庭を散歩していたところ
首のあたりを気にしていた彼が彼女に切って欲しいとお願いします。
彼女も初めてやるので軽く切りそろえる程度の簡単なものです。

「シャキ シャク」という軽快な金属音が頭の後ろを中心に鳴り
それが左右や下へと微妙に移動します。
位置の変化に合わせてハサミの音が微妙に変化するのがいいですね。
散髪は音声作品だとまだまだレアなサービスですから個性もあります。

「若様 なんだか とっても楽しいですね」
雪乃も彼に満足してもらえるようにと多くを語らず黙々と取り組みます。
耳かきに比べると効果音の割合が増えているため静かに感じるでしょう。
そして事後は彼に満足してもらえて喜ぶ姿を見せてくれます。

恋を知らないまま結婚することになった若い男女が
不得手ながらも少しずつそれを学んでいく。
現代ではあまり見かけないシチュに癒しのサービスを上手に組み合わせています。
初々しい男女のやり取りが楽しめる作品
どちらかというとサービスそのものよりも2人のキャラややり取りが魅力的な作品です。

普通の女性とはかなり違う言葉使いをする雪乃が
夫となる男性のために心を込めてご奉仕します。
これだけを見れば割とよくある風景なのですが、2人がずっと会っていなかった背景や
物語の中で少しずつ仲良くなっていく様子に一層心が癒されます。

「こうして 若様のお願いをきくのも 楽しいものなのですね」
ここでのポイントは雪乃だけでなく主人公も自分を曝け出していることです。
彼女が一方的にご奉仕するだけでは彼女の優しさしか映りません。
しかし彼がそれに対してしっかり反応を見せることで心の繋がり具合がより伝わりやすくなっています。
音声作品ではとかく軽視されがちな主人公のキャラもきちんと定められているのが印象的でした。

サービスについては私が耳かきに関して辛口なところがあるため
本作品に対しても思ったことを包み隠さず書きました。
耳かき音声をあまり聴かない人ならまず満足できるクオリティを持っています。
散髪は時間が5分程度と短めです。

ボイスドラマに癒し系サービスを組み込んでいる作品です。
キャラ重視の耳かき音声が好きな人におすすめします。

CV:月宮怜さん
総時間 40:01

オススメ度
■■■■■■■■□□ 8点


体験版はこちらにあります