お家でゆっくり癒されませんか?PLUS

サークル「とみみ庵」さんの同人音声作品(全年齢向け)。

今回紹介する作品は、和風の情緒漂うお屋敷を舞台に
明るいお姉さんが頭部を中心としたきめ細かい癒しのサービスを提供します。

サークルさんが得意とされている耳かきはもちろん
整髪、洗髪、首や肩のマッサージ、さらには爪切りなど
ありとあらゆるサービスを様々な音を使ってとてもリアルに行っています。
緑豊かな場所で癒しのひと時を
なおさんから10種類の癒しのサービスを受けるお話。

「こんにちは この度は リラクゼーション体験ソフト お家でゆっくり癒されませんか?PLUSをダウンロードくださいまして 本当にありがとうございます」
なおさんは明るくて優しい声のお姉さん。
音声に関する説明や簡単な自己紹介をすると
和風のお屋敷を舞台に様々な癒しのサービスを提供します。

本作品はサークルさんが2014年に発売された
お家でゆっくり癒されませんか?」のパワーアップバージョン。
2時間30分という大ボリュームの中、サービスの内容を大きく3つに分け
それぞれを手を変え品を変えながら行う非情に充実した作りになっています。

とみみ庵さんと言えばありとあらゆる動作をリアルな音を駆使して表現されているサークルさんです。
今作もその例に漏れず、すべてのサービスで別々の効果音を用意し
さらには現実さながらの動きまでする本格的なものばかりです。


「聞こえます? 風鈴と 庭を流れる小川に ししおどしの音」
他にも開始1秒の段階から小川の流れる音をバックで流し
タイミングよく風鈴やししおどしの音を鳴らす「和」を意識した雰囲気が魅力です。
環境音がずっと流れるおかげで現実世界のノイズが聞こえにくくなり
その結果作品の世界に実際にいるような現実逃避感が味わえます。

これらを行ってくれるなおさんについては
要所要所で何をするかを説明したり、簡単な健康知識を語ることが多いです。
サークルさんの別シリーズ「休日屋」に見られるキャラやストーリーの要素は弱めにし
その分を音に注力している音フェチ要素の強い作風になっています。
セリフが少ないので安眠目的で聴くのにも大いに役立ってくれます。
音を中心とした質の高いサービス
ここからは各サービスの詳しい内容を紹介していきます。
時間が長くサービスも多岐に渡るため、個人的に面白かった部分をピックアップする形でお届けします。

なおさんが最初にするサービスは「髪と頭のケア」。
4パート45分ほどの時間をかけて髪を切りそろえる、髪を洗う、頭皮のマッサージ&トリートメントと
床屋さんのサービスに近いものをじっくり丁寧に行ってくれます。

「毛先を整えるだけでも いい効果があるんですよ?」
整髪パートは「シャク ショキ」と小気味良いハサミの音が軽快に鳴り響くだけでなく
それらを数回ごとに微妙に位置を切り替えて鳴らす凝った演出がされています。
前半は普通のハサミを使い、後半はすきバサミに切り替えるのもいいですね。
同じハサミでもすきバサミの方が微妙に粗く、耳に違った刺激を与えてくれます。

本作品の音へのこだわりは留まるところを知りません。
整髪を始めるにあたって主人公が椅子に座るシーンがあるのですが
そこでは今まで右手に流れていた小川の音が中央へと移動します。

他にも整髪中になおさんが移動するときは軽い足音が鳴ったり
シャンプーをかける際に椅子を倒す音がきちんと入っていたりと
サービスとは直接関係ない音まで余すことなく鳴らしています。
こういった細かな演出がその場にいる気分をより強く実感させてくれます。

序盤で最も特徴的な音が楽しめるのは4番目の「頭皮のトリートメント」パート。
「プシュー ジュー」というムースっぽいものをかける音が鳴り
その後なおさんが指を使って頭をゆっくり揉みほぐします。

トリートメントが生み出すシュワシュワ、パチパチと泡の弾ける音が実に面白く
7分弱と時間は短いながらもスッキリした清涼感を与えてくれます。
この4パートはあまり聴かないタイプの音が多いので
耳かき作品を聴き慣れている人でも新鮮な気分で楽しめると思います。

2番目に登場するのは「顔から腕にかけてのケア」。
3パート40分ほどをかけてフェイスマッサージ、首と肩のマッサージ
爪きり&ハンドマッサージと筋肉を揉みほぐすタイプのサービスを中心に行います。

「右手の手首のほうから オイルを肌に馴染ませて…」
オイルやハンドクリームを使っているため「シュッ スリッ」と滑らかな摩擦音を鳴らすシーンが多く
顔は短いストロークで素早く、肩と背中はトントンと拳や手のひらで叩く音を織り交ぜながらといったように
ケアする部位に応じてオリジナルの要素を織り交ぜながら進めています。

髪や頭部のケアに比べて全体的に音が大人しい感じなのですが
動かし方についてはかなり考えられているのがわかります。

そして最後に登場するのが「耳へのケア」。
2パート50分と十分すぎるほどの時間を設け
産毛剃り、マッサージ、泡洗浄で耳の外側を綺麗にしてから
30分以上の時間をかけて耳の中をたっぷりお掃除します。

耳かきは膝枕の体勢で右耳→左耳の順に綿棒、耳用のブラシ、ベビー用綿棒で汚れを落とし
仕上げに梵天と息吹きをするやや専門店寄りの内容です。

綿棒は「ズリズリ ススッ」と若干ざらつきのある滑らかな音
ブラシは「ゾリゾリ プスプス」とやや尖った優しい音が使われており
前者は耳の壁を優しくなぞるように軽く縁を描いたり前後に動かす
後者は前後に動かしたり掻き出したりする動きをします。
どの器具も面積が広いので耳かき棒よりも音が柔らかく感じます。

「このブラシ プチプチと不思議な音がしますよね?」
中でも2番手に登場する耳用のブラシは綿棒と耳かき棒の中間的な音が鳴り
なおさんが言うプチプチした感触が耳に適度な刺激を与えてくれます。
音の動きも使用する器具の目的に合わせてきちんと変化しますし
サークルさんの耳かきに対する情熱がしっかりと込められています。

このように、多種多様なサービスを的確な音を使って忠実に表現し癒しを与えてくれます。
2015年における癒し系作品の集大成
総時間の長さ、サービスのバリエーションの多さ、それぞれの質の高さなど
すべての要素が高いレベルでまとまっている素晴らしい作品です。

なおさんは主人公に心の底まで癒しを感じてもらえるように
彼を緑豊かな屋敷へと招待し、そこで主に上半身をとことんまで綺麗にしてあげます。
そしてパートをかなり細かく分け、その中で行うサービスに明確な違いを持たせ
さらにはそのすべてをリアルな音によって極めて忠実に表現しています。

今回は遊び心と言いますか、オーソドックスなサービスの中に
変わった音を意識的に織り交ぜているように思えます。
具体的には頭皮のトリートメント、温水と炭酸水による頭皮マッサージ、耳の泡洗浄などです。
柔らかいんだけど刺激的でもある音が聴覚と触覚の両方を楽しませてくれます。

あとはやはり動きですね。
どんなに良い音でも的確に鳴らさなければどうしても違和感が生まれます。
聴き手にそう感じさせないように相当細かいレベルで編集されています。
音が良くて動きもいい、パーフェクトだからこそより大きな癒しが得られるのだと思います。

前作との大きな違いは環境音の扱いです。
特に小川の流れる音が主人公のいる位置や体勢に応じて小まめに変化します。
この演出は昨年の夏あたりから見られ始めた新しい要素です。
今のところできるサークルさんがほとんどいませんから今後も大きな武器になるでしょう。

癒しに関するありとあらゆる要素が詰まっている総合力の高い作品です。
2時間30分もの時間に対して価格がたったの200円とコスパも驚異的。
以上を踏まえて本作品をサークルさんでは6本目の満点とさせていただきました。

CV:ししゃもさん
総時間 2:33:51

オススメ度
■■■■■■■■■■ 10点


体験版はこちらにあります